私たちだけ24時間オンライン生産生活

滝川 海老郎

文字の大きさ
29 / 65

29. タコ戦

しおりを挟む
 私たちは草原でタコ型モンスターと戦闘中だ。

 普段なら、サクラちゃんが盾で抑えながら、皆で攻撃するところだ。
 しかし「美味しそう」と言う割りには、気持ち悪がっていて、盾で接近することを拒んだ。

「タコさんは盾はやめましょう。きっと取られてしまいますわ」

 それも一理ある。
 サクラちゃんとクルミは剣と槍を振って、触手を切断しようと奮戦している。
 私はアイスブリーズが効くようなので、長い詠唱を唱えて凍らせて動きを止めさせる。

 タコはクルミの槍の突き攻撃をぎりぎりでかわして、槍の穂先に触手を絡ませた。
 次の瞬間、電撃エフェクトを全身に発して、槍伝いにクルミを感電させてきた。

 クルミはビクンとなって膝をついた。

「うぉー。ビリビリしてるよ~。立てなくなっちゃった」

「なんとかしなければ、いけませんわ」

 サクラちゃんが、思い切って盾をストレージにしまった。
 片手剣を、すごいスピードで振り回している。

 なんか、別人みたいにサクラちゃんからすごい気迫を感じる。

「乙女のピンチですわ」

 それ、この前も聞いたぞ。しかもオオカミに殺された時だ。
 私も必死に、アイスブリーズで攻撃する。

 感電効果は思ったより長かった。
 クルミの復活まで1分程度必要だった。

 復活したクルミは、槍を構えなおして、3連撃を、今度は触手ではなく、目の近くの頭を攻撃する。

 タコが目に見えて、怯んでいた。

「ふー。タコっぱちの弱点は頭への攻撃みたいだ」

 サクラちゃんもクルミと連携して、タコの頭を狙うが触手が邪魔だった。

 私がアイスブリーズを詠唱付きで唱えて、タコが硬直したタイミングで、前衛の2人が頭を狙って攻撃した。

 ついにタコは、伸ばしていた触手を地面に伏せて死亡したようだ。
 新敵恒例、ドロップ確認。

 ●平原タコの身
  タコの身。生でも食べられるがあまりお勧めはしない。
  種別:素材、食べ物
  レア度:1  ランク:2
  満腹度:50回復

 ●魔物の核
  錬金素材。魔物のエネルギーが凝縮されている。
  種別:素材
  レア度:3  ランク:2

 加工は例によって、タコの串焼とか、タコの干身とかだろうか。
 そういえば、オオカミの肉もかなり残っている。腐らないといいけど。

 弱点が分かれば、対処はしやすい。
 それと盾でガードすると、たぶん電撃を食らうのでダメだろう。
 サクラちゃんの予想とは少し違ったけど、行動は正しかったのだ。

 オオカミも倒したし、テンタクルも余裕だろうと思って、情報収集を怠っていたのだ。
 気持ち悪いとかは見たが、掲示板をすべて読むと時間がかかるから、斜め読みしていた。

 その後も、単独のタコを何匹も凍らせて、頭を狙って攻撃した。
 魔物の核は、最初の1匹以来、1つも落とさなかった。どうやらレア枠のようだ。
 錬金素材なら、村長の領分なのかな。でも錬金と薬師は違うよな。

 私の魔法は、ターゲットは思考操作で指定しているだけで、どこの場所に当てるかまで正確なコントロールは今の所できていない。

 少し早めに切り上げて、タコ地帯とプリン地帯の中間にある、石の遺跡みたいなセーフティーエリアに寄った。

 ストレージから薪を出して火をつける。
 タコを焼いてみよう。
 これが本当のタコ焼きだ。

 料理「タコの串焼き(塩胡椒こしょう)」と「タコの干身(塩味)」が完成した。

 串焼きは3つだけ。
 例によってタコの身1つを一口大に切り、鉄串に刺して火であぶった。

 残りは全部干し物にした。

「わー。串焼き美味しいね。干しダコもビールにあいそう」
「淡白なうま味と、甘味がありますわね」

 ウサギもいいけど、タコも結構おいしい。よかった。

 これなら、まだ狩れるユーザーも少ないし、商売になるぞ。

 そうそう、ついでにオオカミの肉も焼いてみたけど、感想は以下の通り。

「なんか、肉がパサパサして固い気がする。ウサギの方が好き」
「柔らかくする下処理と、旨辛のタレが必要そうな、そんな、気がいたします」

 オオカミ肉まだ残ってるんだよね。どうしようかな。

しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

【大賞・完結】地味スキル《お片付け》は最強です!社畜OL、異世界でうっかり国を改革しちゃったら、騎士団長と皇帝陛下に溺愛されてるんですが!?

旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
【第18回ファンタジー小説大賞で大賞をいただきました】→【規約変更で書籍化&コミカライズ「確約」は取り消しになりました。】 佐藤美佳子(サトウ・ミカコ)、享年28歳。死因は、過労。連日の徹夜と休日出勤の果てに、ブラック企業のオフィスで静かに息を引き取った彼女が次に目覚めたのは、剣と魔法のファンタジー世界だった。 新たな生を受けたのは、田舎のしがない貧乏貴族の娘、ミカ・アシュフィールド、16歳。神様がくれた転生特典は、なんと《完璧なる整理整頓》という、とんでもなく地味なスキルだった。 「せめて回復魔法とかが良かった……」 戦闘にも生産にも役立たないスキルに落胆し、今度こそは静かに、穏やかに生きたいと願うミカ。しかし、そんな彼女のささやかな望みは、王家からの突然の徴収命令によって打ち砕かれる。 「特殊技能持ちは、王宮へ出仕せよ」 家族を守るため、どうせ役立たずと追い返されるだろうと高をくくって王都へ向かったミカに与えられた任務は、あまりにも無謀なものだった。 「この『開かずの倉庫』を、整理せよ」 そこは、数百年分の備品や資材が山と積まれ、あまりの混沌ぶりに探検隊が遭難したとまで噂される、王家最大の禁足地。 絶望的な光景を前に、ミカが覚悟を決めてスキルを発動した瞬間――世界は、彼女の「お片付け」が持つ真の力に震撼することになる。 これは、地味スキルでうっかり国のすべてを最適化してしまった元社畜令嬢が、カタブツな騎士団長や有能すぎる皇帝陛下にその価値を見出され、なぜか過保護に甘やかされてしまう、お仕事改革ファンタジー。

最安もふもふ三匹に名前をつける変な冒険者ですが、この子たちの力を引き出せるのは私だけです ~精霊偏愛録~

Lihito
ファンタジー
精霊に名前をつける冒険者は、たぶん私だけだ。 うさぎのノル、狐のルゥ、モモンガのピノ。三匹とも最安の契約で、手のひらに乗るサイズ。周りからは「手乗り精霊で何ができる」と笑われている。 でも、この子たちへの聞き方を変えるだけで、返ってくる答えはまるで違う。三匹の情報を重ねれば、上位の精霊一体では見えないものが見える。 上位パーティが三度失敗した大型討伐。私は戦わない。ノルに地中を、ピノに上空を、ルゥに地上を調べさせて、答えを組み上げる。 ——この世界の精霊の使い方、みんな間違ってませんか?

異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します

桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる

貴族令嬢、転生十秒で家出します。目指せ、おひとり様スローライフ

ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞にて奨励賞を頂きました。ありがとうございます! 貴族令嬢に転生したリルは、前世の記憶に混乱しつつも今世で恵まれていない環境なことに気が付き、突発で家出してしまう。 前世の社畜生活で疲れていたため、山奥で魔法の才能を生かしスローライフを目指すことにした。しかししょっぱなから魔物に襲われ、元王宮魔法士と出会ったり、はては皇子までやってきてと、なんだかスローライフとは違う毎日で……?

【完結】VRMMOでチュートリアルを2回やった生産職のボクは最強になりました

鳥山正人
ファンタジー
フルダイブ型VRMMOゲームの『スペードのクイーン』のオープンベータ版が終わり、正式リリースされる事になったので早速やってみたら、いきなりのサーバーダウン。 だけどボクだけ知らずにそのままチュートリアルをやっていた。 チュートリアルが終わってさぁ冒険の始まり。と思ったらもう一度チュートリアルから開始。 2度目のチュートリアルでも同じようにクリアしたら隠し要素を発見。 そこから怒涛の快進撃で最強になりました。 鍛冶、錬金で主人公がまったり最強になるお話です。 ※この作品は「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過した【第1章完結】デスペナのないVRMMOで〜をブラッシュアップして、続きの物語を描いた作品です。 その事を理解していただきお読みいただければ幸いです。 ─────── 自筆です。 アルファポリス、第18回ファンタジー小説大賞、奨励賞受賞

異世界ママ、今日も元気に無双中!

チャチャ
ファンタジー
> 地球で5人の子どもを育てていた明るく元気な主婦・春子。 ある日、建設現場の事故で命を落としたと思ったら――なんと剣と魔法の異世界に転生!? 目が覚めたら村の片隅、魔法も戦闘知識もゼロ……でも家事スキルは超一流! 「洗濯魔法? お掃除召喚? いえいえ、ただの生活の知恵です!」 おせっかい上等! お節介で世界を変える異世界ママ、今日も笑顔で大奮闘! 魔法も剣もぶっ飛ばせ♪ ほんわかテンポの“無双系ほんわかファンタジー”開幕!

侯爵家の愛されない娘でしたが、前世の記憶を思い出したらお父様がバリ好みのイケメン過ぎて毎日が楽しくなりました

下菊みこと
ファンタジー
前世の記憶を思い出したらなにもかも上手くいったお話。 ご都合主義のSS。 お父様、キャラチェンジが激しくないですか。 小説家になろう様でも投稿しています。 突然ですが長編化します!ごめんなさい!ぜひ見てください!

【完結】パパ、私は犯人じゃないよ ~処刑予定の私、冷徹公爵(パパ)に溺愛されるまで~

チャビューヘ
ファンタジー
※タイトル変更しました。 「掃除(処分)しろ」と私を捨てた冷徹な父。生き残るために「心を無」にして媚びを売ったら。 「……お前の声だけが、うるさくない」 心の声が聞こえるパパと、それを知らずに生存戦略を練る娘の物語。 ----- 感想送っていただいている皆様へ たくさんの嬉しい言葉や厳しい意見も届いており一つ一つがすごく嬉しいのと頑張ろうと感じています。ご意見を元に修正必要な部分は随時更新していきます。 成長のため感想欄を閉じませんが公開はする予定ありません。ですが必ず全て目を通しています。拙作にお時間を頂きありがとうございます。これからもよろしくお願いします。

処理中です...