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episode.8
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麗らかな日和の今日この頃……本日も足取り軽く職場である軍医施設へとやって来たシルヴィが入ってすぐ、施設内の空気がいつもより何だか軽い気がした。
まあ、気の所為だと思いアルベールのいる医局部の扉を開けた。
本日も推しである総監様はご健在……ッ!?!?!?
「あれ!?あれれれれれ!?総監様はいずこへ!?」
いつもならいるはずの姿がなく、シルヴィが辺りを見渡すが見つからない。
「ああ、シルヴィ昨日休みだったから知らないでしょうけど、総監は昨日から遠征の応援に呼ばれたのよ」
「な、なんとッ!?」
「何かねぇ第二部隊がやらかしたみたいよぉ?」
お姉様方の話によれば、遠征に出ていた第二部隊だが自分達の力を過信し過ぎたらしい。
「ほら、第二部隊の大佐って例の……」
耳打ちする様に言われたのは第二部隊の大佐、ヒュー・バトラーの事。
ヒュー・バトラーは部下の事などお構い無しに自分の私利私欲の為に動くような人物で、第一部隊の大佐であるマティアスを勝手にライバル視している。
そんな大佐だもんだから少佐であっても人当たりの良いライアンが部下達に慕われているというのも頷ける。
まあ、そんな者が大佐って時点でおかしいのだが、この国は実力政権。力こそ全てで、どんな者でも実力が認められれば上へと登り詰めることが出来る。
今回の件も自分の部隊が大旗を掲げる事が出来ればマティアスに目にもの見せれると思っていたらしいのだが、相手が悪かった。
第二部隊が相手をしたのはレルガノ国で内戦を企てたシグナル兵団と呼ばれる犯罪組織。
その実力は第一部隊に匹敵するかその上だと言われている。
そんな組織を相手にして無謀にも挑んだ結果、部隊は半分以上壊滅。怪我人が続出し、手が回らなくなりアルベールに応援要請が来たらしい。
「流石の第一部隊も動かざるをえなくなって、休日返上で一緒に旅立ったわよ」
「な、なんて事だ……推しが二人も不在だと!?これは由々しき事態ですよ!!」
それよりも推しの活力で生きているシルヴィにとって、この状況はまさに死活問題。
先輩の肩を掴みかかりながら文句を言うと、首をガクガクさせながら落ち着くように言われた。
「お、落ち着きなさい!!話は最後まで聞けーーー!!」
「はい」
その言葉にピシッと動きが止まり、乱れた髪を直しながらようやく大人しくなったシルヴィを見ると、フーと息を大きく息を吐いた。
「マティアス大佐も総監様も直ぐに戻ってくるわよ。……そうね、あの感じなら四日……いや、二、三日って所かしらね」
聞くところによると、ようやく訪れた休暇を第二部隊の連中の尻拭いのせいで強制終了となった事に大層ご立腹な方々が多数おり、ここを出発する時は皆殺気立っていたらしい。
「マティアス大佐だけは相変わらずの感じだったけど、あの人、元々何考えてるか分からない節があるからねぇ」
そう言う人ほど恐ろしいと言うのは古今東西知られた事実だろう。
とはいえ、二、三日はシルヴィにとって短いようで長い。
意気揚々と来ただけあって、その脱力感は計り知れない。
床に抜け殻の様に転がりながら涙を流すシルヴィにグレッグが声をかけてきた。
「おやおや、困ったねぇ。これでは仕事にならないよ」
腕を組みながら見下ろしていると、ふと気づいた。
「ああ、そうだ。それなら第三の所に行ってごらん」
「……第三部隊ですか?」
「そう。まあ、行けばわかるよ。このままでは仕事にならないからね。とりあえず、行っておいで」
そういうなりポンッ!!と外に放り出されてしまった。
シルヴィは仕方ないと思いつつ、重い足取りで第三部隊のいる頓所へと向かった。
◈◈◈
第三部隊の役割は基本、街の治安お護り部隊。
遠征を要請されることも無く、三つある部隊の中では比較的安全かつ安気。
まあ、大佐がおっとりとした性格と言うのもあるのかもしれないが……
そんな訳で、ここは割と安穏な雰囲気なので入りやすい。
「あら?シルヴィじゃない。どうかした?」
タレ目に涙ボクロ。長い髪を三つ編みにして、軍服を肩から羽織っているだけの姿に特徴的な口調がトレードマークのこの人は、第三部隊を纏めている大佐のアーサー・クレイヴン。
因みに、生物学的性別は男性。
「ああ、アーサー大佐。実は……かくかくしかじかでして……」
「うん。ちょっと待って、なんでそれで分かると思ったのかしら?」
「えっ!?逆になんで分からないんです!?長ったらしい話は大抵これで伝わりますよ!!」
「どんな理屈なのよ……」
頭を抱えるアーサーに面倒くさかったが仕方なく、ここに来た経緯を話した。
「ふ~~ん。グレッグが言ってるのはきっとサラのことね」
「……サラ?」
「そう。サラ=ベリー・ユニバース。ここの中尉よ。そうね……今頃下の子達をしごいてるはずだから行ってみる?」
そうアーサーに促され、後を付いて行くことに。
サラと名乗っている所をみると女性という事は分かるが、何故その人をシルヴィに会わせようとしているのか分からない。
正直、そう簡単にこのモチベーションが回復するとは思えなかった。
まあ、気の所為だと思いアルベールのいる医局部の扉を開けた。
本日も推しである総監様はご健在……ッ!?!?!?
「あれ!?あれれれれれ!?総監様はいずこへ!?」
いつもならいるはずの姿がなく、シルヴィが辺りを見渡すが見つからない。
「ああ、シルヴィ昨日休みだったから知らないでしょうけど、総監は昨日から遠征の応援に呼ばれたのよ」
「な、なんとッ!?」
「何かねぇ第二部隊がやらかしたみたいよぉ?」
お姉様方の話によれば、遠征に出ていた第二部隊だが自分達の力を過信し過ぎたらしい。
「ほら、第二部隊の大佐って例の……」
耳打ちする様に言われたのは第二部隊の大佐、ヒュー・バトラーの事。
ヒュー・バトラーは部下の事などお構い無しに自分の私利私欲の為に動くような人物で、第一部隊の大佐であるマティアスを勝手にライバル視している。
そんな大佐だもんだから少佐であっても人当たりの良いライアンが部下達に慕われているというのも頷ける。
まあ、そんな者が大佐って時点でおかしいのだが、この国は実力政権。力こそ全てで、どんな者でも実力が認められれば上へと登り詰めることが出来る。
今回の件も自分の部隊が大旗を掲げる事が出来ればマティアスに目にもの見せれると思っていたらしいのだが、相手が悪かった。
第二部隊が相手をしたのはレルガノ国で内戦を企てたシグナル兵団と呼ばれる犯罪組織。
その実力は第一部隊に匹敵するかその上だと言われている。
そんな組織を相手にして無謀にも挑んだ結果、部隊は半分以上壊滅。怪我人が続出し、手が回らなくなりアルベールに応援要請が来たらしい。
「流石の第一部隊も動かざるをえなくなって、休日返上で一緒に旅立ったわよ」
「な、なんて事だ……推しが二人も不在だと!?これは由々しき事態ですよ!!」
それよりも推しの活力で生きているシルヴィにとって、この状況はまさに死活問題。
先輩の肩を掴みかかりながら文句を言うと、首をガクガクさせながら落ち着くように言われた。
「お、落ち着きなさい!!話は最後まで聞けーーー!!」
「はい」
その言葉にピシッと動きが止まり、乱れた髪を直しながらようやく大人しくなったシルヴィを見ると、フーと息を大きく息を吐いた。
「マティアス大佐も総監様も直ぐに戻ってくるわよ。……そうね、あの感じなら四日……いや、二、三日って所かしらね」
聞くところによると、ようやく訪れた休暇を第二部隊の連中の尻拭いのせいで強制終了となった事に大層ご立腹な方々が多数おり、ここを出発する時は皆殺気立っていたらしい。
「マティアス大佐だけは相変わらずの感じだったけど、あの人、元々何考えてるか分からない節があるからねぇ」
そう言う人ほど恐ろしいと言うのは古今東西知られた事実だろう。
とはいえ、二、三日はシルヴィにとって短いようで長い。
意気揚々と来ただけあって、その脱力感は計り知れない。
床に抜け殻の様に転がりながら涙を流すシルヴィにグレッグが声をかけてきた。
「おやおや、困ったねぇ。これでは仕事にならないよ」
腕を組みながら見下ろしていると、ふと気づいた。
「ああ、そうだ。それなら第三の所に行ってごらん」
「……第三部隊ですか?」
「そう。まあ、行けばわかるよ。このままでは仕事にならないからね。とりあえず、行っておいで」
そういうなりポンッ!!と外に放り出されてしまった。
シルヴィは仕方ないと思いつつ、重い足取りで第三部隊のいる頓所へと向かった。
◈◈◈
第三部隊の役割は基本、街の治安お護り部隊。
遠征を要請されることも無く、三つある部隊の中では比較的安全かつ安気。
まあ、大佐がおっとりとした性格と言うのもあるのかもしれないが……
そんな訳で、ここは割と安穏な雰囲気なので入りやすい。
「あら?シルヴィじゃない。どうかした?」
タレ目に涙ボクロ。長い髪を三つ編みにして、軍服を肩から羽織っているだけの姿に特徴的な口調がトレードマークのこの人は、第三部隊を纏めている大佐のアーサー・クレイヴン。
因みに、生物学的性別は男性。
「ああ、アーサー大佐。実は……かくかくしかじかでして……」
「うん。ちょっと待って、なんでそれで分かると思ったのかしら?」
「えっ!?逆になんで分からないんです!?長ったらしい話は大抵これで伝わりますよ!!」
「どんな理屈なのよ……」
頭を抱えるアーサーに面倒くさかったが仕方なく、ここに来た経緯を話した。
「ふ~~ん。グレッグが言ってるのはきっとサラのことね」
「……サラ?」
「そう。サラ=ベリー・ユニバース。ここの中尉よ。そうね……今頃下の子達をしごいてるはずだから行ってみる?」
そうアーサーに促され、後を付いて行くことに。
サラと名乗っている所をみると女性という事は分かるが、何故その人をシルヴィに会わせようとしているのか分からない。
正直、そう簡単にこのモチベーションが回復するとは思えなかった。
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