12 / 17
お仕置の時間
家に着いたセレーナだが、危惧していたラウルからの責めは今のところない。
(おかしい…)
安心するどころか、ますます恐怖感が増してくる。
「喉が渇いたでしょう。お茶にしましょうか」
「あ、それなら私が!」
団長様にお茶を入れさせる訳にはいかないと、席を立とうとするが、ラウルに止められた。
「この程度なら私でも出来ます。座っていてください」
まあ、そうまで言うなら…
大人しく椅子に座り直し、ラウルを待った。しばらくすると、カチャカチャとカップを鳴らしながらいい香りを漂わせてやって来た。
「私のお気に入りの茶葉を持ってきたんですよ」
手馴れた手つきでお茶を注ぎ、目の前に差し出してくれた。鼻を近づけると、ほのかに甘い香りが馥郁と香ってくる。
一口飲んでみて驚いた。
「うっわ、美味しッ!」
お世辞抜きで、こんな美味しいお茶は初めて飲んだ。
「それは良かった。まだあるのでどうぞ」
「ありがとうございます」
差し出されるまま、もう一杯とお茶を飲み干した。二杯目を飲み終えてすぐ、身体がおかしい事に気が付いた。
「…あ、れ…?」
手に力が入らない。身体が燃えるように熱くて、動悸が激しい。
──嫌な予感がする。
火照る顔でラウルを見れば、ニヤッと口角を吊り上げ「どうしました?」なんて白々しい言葉を投げかけてくる。
「身体が火照って仕方がないんでしょう?」
これ見よがしに手に持っているのは、先程男達から預かった小瓶。
「助けて欲しいですか?」
(こいつッ!!)
自分で盛っておいて、助けて欲しいかだと?外道にも程がある。
(絶対に屈しない)
たかが媚薬。強い意志を持っていればこれぐらい!
──と思ってた。数分前までは
「随分キツそうですね?そろそろ限界ですか?」
時間が経つにつれて、熱が増していく。息が荒くなり、汗が滴り落ちる。自我を保つのが精一杯。
そんなセレーナを嘲笑いながら、目の前の男は肘を着いて眺めている。
時折、愉ようにセレーナの手を爪でなぞってくる。その度、身体が反応して声が出そうになるのを必死に抑える。
気を抜いたら助けを乞うてしまう。それだけは絶対に嫌だ!辛うじて残る自制心を振り絞り睨みつけてやる。
「強情な女性は嫌いじゃありませんが、こうして見ているだけと言うのも飽きました」
ラウルは席を立つと蹲るセレーナの腰を抱き、自分の胸に抱き寄せた。
ふわっとラウルから香る甘い香りが、脳を刺激して目眩がする。
とろんとした目には涙が溜まり、熱を帯び蕩けた表情のセレーナにはラウルの喉も鳴る。
「…あぁ…そんな表情、誰にも見せてはいけませんよ?」
頬を撫でる度に、子ウサギの様に震え怯えている。自分の知らない快楽が怖いのだろう。本当に惨めで哀れで…愛らしい…
(たまらない)
ラウル自身、こんなにも気持ちが昂るとは思いもしなかった。
「いい加減諦めたらどうです?一言、私に許しを乞えばいい」
ラウルは自分の親指をセレーナの口の中へ入れると、嬲るように舌に触れてくる。それすらも、快楽となりセレーナの脳を溶かしていく。
ドクドクと心臓の音が耳に付く。身体が熱くてどうにかなりそう…苦しい…もう、楽になりたい…
『助けて』
その一言さえ言えば、楽になれる…
(言えば…)
脳裏に浮かぶのはその言葉ばかり。
「さあ、言って?」
耳元で囁かれたのは悪魔からの一言。
顔を上げれば、快味に酔いしれたラウルの瞳と目が合った。自分の手に堕ちたと、勝利を確信して…
──ガリッ!
「ッ!」
口の中を弄ぶ指に思い切り噛み付いた。驚いたラウルが勢いよく指を引き抜いたので、指が傷つき血が滴っている。
セレーナは口元に付いた、ラウルの血を舐めとりながら吐息を吐いた。その姿は、息を飲むほど妖艶で煽情的。かと思えば、攻撃的な眼光を向けてくる。
ゾクゾクッと全身の血が沸くような昂り。戦場でもこんな昂りは経験したことがない。
「はぁ…ほんとうに貴女と言う人は──」
(…壊してしまいたい…)
グイッと腕を引かれ、そのまま喰らい付くように唇を塞がれた。
激しく貪るようなキス…息が出来ない…
「……ん、ちょ……まっ……!」
必死に空気を求めて、顔を逸らそうとするがラウルがそれを拒む。
(甘い…)
セレーナは辛うじて残っていた理性もプライドも、どうでも良くなってしまった。
「…もっと…」
口から出たのは、ラウルを求める言葉。
「ようやく素直になりましたね」
満足気な顔を覗かせるラウルだが、額には薄らと汗が滲んでいる。余裕が無さそうにシャツのボタンを外しながら見下ろす姿は、悔しいが見蕩れてしまった…
(おかしい…)
安心するどころか、ますます恐怖感が増してくる。
「喉が渇いたでしょう。お茶にしましょうか」
「あ、それなら私が!」
団長様にお茶を入れさせる訳にはいかないと、席を立とうとするが、ラウルに止められた。
「この程度なら私でも出来ます。座っていてください」
まあ、そうまで言うなら…
大人しく椅子に座り直し、ラウルを待った。しばらくすると、カチャカチャとカップを鳴らしながらいい香りを漂わせてやって来た。
「私のお気に入りの茶葉を持ってきたんですよ」
手馴れた手つきでお茶を注ぎ、目の前に差し出してくれた。鼻を近づけると、ほのかに甘い香りが馥郁と香ってくる。
一口飲んでみて驚いた。
「うっわ、美味しッ!」
お世辞抜きで、こんな美味しいお茶は初めて飲んだ。
「それは良かった。まだあるのでどうぞ」
「ありがとうございます」
差し出されるまま、もう一杯とお茶を飲み干した。二杯目を飲み終えてすぐ、身体がおかしい事に気が付いた。
「…あ、れ…?」
手に力が入らない。身体が燃えるように熱くて、動悸が激しい。
──嫌な予感がする。
火照る顔でラウルを見れば、ニヤッと口角を吊り上げ「どうしました?」なんて白々しい言葉を投げかけてくる。
「身体が火照って仕方がないんでしょう?」
これ見よがしに手に持っているのは、先程男達から預かった小瓶。
「助けて欲しいですか?」
(こいつッ!!)
自分で盛っておいて、助けて欲しいかだと?外道にも程がある。
(絶対に屈しない)
たかが媚薬。強い意志を持っていればこれぐらい!
──と思ってた。数分前までは
「随分キツそうですね?そろそろ限界ですか?」
時間が経つにつれて、熱が増していく。息が荒くなり、汗が滴り落ちる。自我を保つのが精一杯。
そんなセレーナを嘲笑いながら、目の前の男は肘を着いて眺めている。
時折、愉ようにセレーナの手を爪でなぞってくる。その度、身体が反応して声が出そうになるのを必死に抑える。
気を抜いたら助けを乞うてしまう。それだけは絶対に嫌だ!辛うじて残る自制心を振り絞り睨みつけてやる。
「強情な女性は嫌いじゃありませんが、こうして見ているだけと言うのも飽きました」
ラウルは席を立つと蹲るセレーナの腰を抱き、自分の胸に抱き寄せた。
ふわっとラウルから香る甘い香りが、脳を刺激して目眩がする。
とろんとした目には涙が溜まり、熱を帯び蕩けた表情のセレーナにはラウルの喉も鳴る。
「…あぁ…そんな表情、誰にも見せてはいけませんよ?」
頬を撫でる度に、子ウサギの様に震え怯えている。自分の知らない快楽が怖いのだろう。本当に惨めで哀れで…愛らしい…
(たまらない)
ラウル自身、こんなにも気持ちが昂るとは思いもしなかった。
「いい加減諦めたらどうです?一言、私に許しを乞えばいい」
ラウルは自分の親指をセレーナの口の中へ入れると、嬲るように舌に触れてくる。それすらも、快楽となりセレーナの脳を溶かしていく。
ドクドクと心臓の音が耳に付く。身体が熱くてどうにかなりそう…苦しい…もう、楽になりたい…
『助けて』
その一言さえ言えば、楽になれる…
(言えば…)
脳裏に浮かぶのはその言葉ばかり。
「さあ、言って?」
耳元で囁かれたのは悪魔からの一言。
顔を上げれば、快味に酔いしれたラウルの瞳と目が合った。自分の手に堕ちたと、勝利を確信して…
──ガリッ!
「ッ!」
口の中を弄ぶ指に思い切り噛み付いた。驚いたラウルが勢いよく指を引き抜いたので、指が傷つき血が滴っている。
セレーナは口元に付いた、ラウルの血を舐めとりながら吐息を吐いた。その姿は、息を飲むほど妖艶で煽情的。かと思えば、攻撃的な眼光を向けてくる。
ゾクゾクッと全身の血が沸くような昂り。戦場でもこんな昂りは経験したことがない。
「はぁ…ほんとうに貴女と言う人は──」
(…壊してしまいたい…)
グイッと腕を引かれ、そのまま喰らい付くように唇を塞がれた。
激しく貪るようなキス…息が出来ない…
「……ん、ちょ……まっ……!」
必死に空気を求めて、顔を逸らそうとするがラウルがそれを拒む。
(甘い…)
セレーナは辛うじて残っていた理性もプライドも、どうでも良くなってしまった。
「…もっと…」
口から出たのは、ラウルを求める言葉。
「ようやく素直になりましたね」
満足気な顔を覗かせるラウルだが、額には薄らと汗が滲んでいる。余裕が無さそうにシャツのボタンを外しながら見下ろす姿は、悔しいが見蕩れてしまった…
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢、隠しキャラとこっそり婚約する
下菊みこと
恋愛
悪役令嬢が隠しキャラに愛されるだけ。
ドゥニーズは違和感を感じていた。やがてその違和感から前世の記憶を取り戻す。思い出してからはフリーダムに生きるようになったドゥニーズ。彼女はその後、ある男の子と婚約をして…。
小説家になろう様でも投稿しています。
乙女ゲームの悪役令嬢に転生したけど何もしなかったらヒロインがイジメを自演し始めたのでお望み通りにしてあげました。魔法で(°∀°)
ラララキヲ
ファンタジー
乙女ゲームのラスボスになって死ぬ悪役令嬢に転生したけれど、中身が転生者な時点で既に乙女ゲームは破綻していると思うの。だからわたくしはわたくしのままに生きるわ。
……それなのにヒロインさんがイジメを自演し始めた。ゲームのストーリーを展開したいと言う事はヒロインさんはわたくしが死ぬ事をお望みね?なら、わたくしも戦いますわ。
でも、わたくしも暇じゃないので魔法でね。
ヒロイン「私はホラー映画の主人公か?!」
『見えない何か』に襲われるヒロインは────
※作中『イジメ』という表現が出てきますがこの作品はイジメを肯定するものではありません※
※作中、『イジメ』は、していません。生死をかけた戦いです※
◇テンプレ乙女ゲーム舞台転生。
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇なろうにも上げてます。
モブ転生とはこんなもの
詩森さよ(さよ吉)
恋愛
あたしはナナ。貧乏伯爵令嬢で転生者です。
乙女ゲームのプロローグで死んじゃうモブに転生したけど、奇跡的に助かったおかげで現在元気で幸せです。
今ゲームのラスト近くの婚約破棄の現場にいるんだけど、なんだか様子がおかしいの。
いったいどうしたらいいのかしら……。
現在筆者の時間的かつ体力的に感想などを受け付けない設定にしております。
どうぞよろしくお願いいたします。
他サイトでも公開しています。
目覚めたら大好きなアニメの悪役令嬢でしたが、嫌われないようにしただけなのに全員から溺愛されています
月影みるく
恋愛
目を覚ましたら、大好きだったアニメの世界。
しかも私は、未来で断罪される運命の悪役令嬢になっていた。
破滅を回避するために決めたことはただ一つ――
嫌われないように生きること。
原作知識を頼りに穏やかに過ごしていたはずなのに、
なぜか王族や騎士、同年代の男女から次々と好意を向けられ、
気づけば全員から溺愛される状況に……?
世界に一人しかいない光属性を持つ悪役令嬢が、
無自覚のまま運命と恋を変えていく、
溺愛必至の異世界転生ラブファンタジー。
婚約破棄された悪役令嬢の心の声が面白かったので求婚してみた
夕景あき
恋愛
人の心の声が聞こえるカイルは、孤独の闇に閉じこもっていた。唯一の救いは、心の声まで真摯で温かい異母兄、第一王子の存在だけだった。
そんなカイルが、外交(婚約者探し)という名目で三国交流会へ向かうと、目の前で隣国の第二王子による公開婚約破棄が発生する。
婚約破棄された令嬢グレースは、表情一つ変えない高潔な令嬢。しかし、カイルがその心の声を聞き取ると、思いも寄らない内容が聞こえてきたのだった。
悪役令嬢だとわかったので身を引こうとしたところ、何故か溺愛されました。
香取鞠里
恋愛
公爵令嬢のマリエッタは、皇太子妃候補として育てられてきた。
皇太子殿下との仲はまずまずだったが、ある日、伝説の女神として現れたサクラに皇太子妃の座を奪われてしまう。
さらには、サクラの陰謀により、マリエッタは反逆罪により国外追放されて、のたれ死んでしまう。
しかし、死んだと思っていたのに、気づけばサクラが現れる二年前の16歳のある日の朝に戻っていた。
それは避けなければと別の行き方を探るが、なぜか殿下に一度目の人生の時以上に溺愛されてしまい……!?
気配消し令嬢の失敗
かな
恋愛
ユリアは公爵家の次女として生まれ、獣人国に攫われた長女エーリアの代わりに第1王子の婚約者候補の筆頭にされてしまう。王妃なんて面倒臭いと思ったユリアは、自分自身に認識阻害と気配消しの魔法を掛け、居るかいないかわからないと言われるほどの地味な令嬢を装った。
15才になり学園に入学すると、編入してきた男爵令嬢が第1王子と有力貴族令息を複数侍らかせることとなり、ユリア以外の婚約者候補と男爵令嬢の揉める事が日常茶飯事に。ユリアは遠くからボーッとそれを眺めながら〘 いつになったら婚約者候補から外してくれるのかな? 〙と思っていた。そんなユリアが失敗する話。
※王子は曾祖母コンです。
※ユリアは悪役令嬢ではありません。
※タグを少し修正しました。
初めての投稿なのでゆる〜く読んでください。ご都合主義はご愛嬌ということで見逃してください( *・ω・)*_ _))ペコリン
【完結】元悪役令嬢は、最推しの旦那様と離縁したい
うり北 うりこ@ざまされ2巻発売中
恋愛
「アルフレッド様、離縁してください!!」
この言葉を婚約者の時から、優に100回は超えて伝えてきた。
けれど、今日も受け入れてもらえることはない。
私の夫であるアルフレッド様は、前世から大好きな私の最推しだ。 推しの幸せが私の幸せ。
本当なら私が幸せにしたかった。
けれど、残念ながら悪役令嬢だった私では、アルフレッド様を幸せにできない。
既に乙女ゲームのエンディングを迎えてしまったけれど、現実はその先も続いていて、ヒロインちゃんがまだ結婚をしていない今なら、十二分に割り込むチャンスがあるはずだ。
アルフレッド様がその気にさえなれば、逆転以外あり得ない。
その時のためにも、私と離縁する必要がある。
アルフレッド様の幸せのために、絶対に離縁してみせるんだから!!
推しである夫が大好きすぎる元悪役令嬢のカタリナと、妻を愛しているのにまったく伝わっていないアルフレッドのラブコメです。
全4話+番外編が1話となっております。
※苦手な方は、ブラウザバックを推奨しております。