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第5話
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おば様はズカズカと入って来て、おじ様の胸ぐらを掴んだ。
「おい!!アリアちゃんが難癖つられたらしぃな!?どないなっとんねん!!」
「──あ、あれ?なんで、リーナがここにいるんだい?」
おじ様はまさかの人物の登場に狼狽えていた。
「そないな事はどぉでもええねん!!己ら騎士団は何しとんねんって聞いとるんや!!」
あぁ~……この有無を言わせない感じ、この人は確かにヴェルナーのお母様だわと実感出来た。
でも確かに、何故この人がここにいるんだろう。と不思議に思いお母様の方を見ると、視線に気づいたお母様がニヤッと含みのある笑顔を向けてきた。
その瞬間「あ、この人だ」と直感した。
お父様も気づいたようで溜息を吐いていた。
「……エレン。君かい?カタリーナに密告したのは……?」
「あら、あなた。人聞きが悪いですわよ?ウチの可愛いアリアちゃんが醜聞の目で見られたのですよ?それ相応の覚悟をしてもらわないと……」
お母様、怖い怖い怖い!!!
顔は笑ってるのに目がまったく笑ってない!!人一人ぐらい殺せそうなんだけど!?
「そうやで、ウチに嫁いで来る可愛いお嫁はんになんちゅーことしてくれてんねん。舐め腐りおって。──ごめんなぁうちの教育が足りんひんかったばっかりにアリアちゃんに辛い思いさせてもうたなぁ」
おば様に抱きつかれ、私はその豊満な胸に顔を埋める形となった。
その姿を見たおじ様が「アリアいいなぁ。リーナ、私も……」何て聞こえたが、すぐに「黙れカス!!」と言う言葉が聞こえてきた。
……不憫なおじ様……
「──で?犯人の目星は付いてるんやろうな?」
「それが手がかりが張り紙だけで、目撃者もいない。お手上げ状態なんだよ」
「くっそ役に立たんなぁ~」
「そう言うな……そこで、アリアに心当たりがないか聞きに来た所なんだよ」
「私!?」
おば様の胸の中から驚いて顔を出した。
この場にいるみんなの視線が一気に私に集まった。
「どうだいアリア?正直に話してくれるかい?」
「そうやで。庇う必要は無いねんよ?」
「小さな事でもいいんだよ?」
「アリアちゃん。お母様に話してごらんなさい」
4人に責められ「えっと……」と冷や汗をかきながらタジタジになる。
そもそも心当たりがあり過ぎて困ってるんだけど……とは言えない。
何も言えずに困っていると、ドアがノックされる音が聞こえた。
「──失礼しま……げっ!!」
「おやおやおや、ようやっとお出ましやのぉ~……こんっのボンクラ息子が!!!!!」
入って来たのは今回の事件の根源でもあるヴェルナーその人だった。
ヴェルナーは執務室に一歩足を踏み入れる瞬間、おば様の顔を確認して蛙を潰したような声を出して逃げようとしたが、逃げる間もなくおば様に捕まりあっという間に羽交い締めにされた。
「ちょっ!!なんで、オカンがおんねん!!」
「オカンちゃうわ!!お母様やろが!!このボケ!!」
羽交い締めにしながらヴェルナーの頭をグリグリしている。
ヴェルナーが「いたたたっ!!痛いっちゅーねん!!」って文句を言っているがおば様は執拗に頭を攻撃している。
「リーナ、その辺にしなさい。話が進まない」
「──っち!!」
さすがにおじ様が止めに入った。
おば様は納得できないようで舌打ちをしていたが、ようやく開放されたヴェルナーは頭を撫でながらしゃがみ込んだ。
「──で?ヴェルナー。そちらの収穫は?」
「まったく駄目や。相手は用意周到やね」
お手上げと言わんとばかりに両手を上げておじ様に報告していた。
「元はと言えば己が悪いんやろうが!!アリアちゃんと言う可愛い婚約者がおりながら女はべらかしおって!!」
おば様がゴンッと一発ヴェルナーの頭を殴りつけた。
「いったいなぁ~……そんなん言うたってしゃーないやろ!?あっちから寄ってくるんや!!」
「なに開き直ってんねん!!このボケ!!ほんに親が親なら子も子やな!!」
おば様とヴェルナーの攻防をポカンと見ている私に少し昔の話をしてくれた。
「このアホの父親も若い頃は女をはべらかしとってな。うちはそないな男、はなからごめんやから逃げるようにこの国出たんよ。それなのにこの男は何処までもついて来おってな。しかも行く先々で女をたらしこみおって」
「はぁぁ~……」と昔を思い出しながら盛大な溜息を吐いた。
「うちもな、アリアちゃんみたいに目の敵にされてしょっちゅう嫌がらせ受けたんよ。中にはうちに襲いかかるよに仕向けた奴もいるぐらいや」
その言葉にサァと血の気が引いた。
もしかしたら私もそんな事があるかもしれないと思ったからだ。
「まっ、そんな奴は踏み潰して使いもんにならんよぉにしてやったわ」
「あはははは」って豪快に笑うおば様を見て、お父様とおじ様は顔を青ざめ、お母様は「あらあら」と微笑んでいた。
流石に私はそこまでは出来ない……
「でもな、最終的にはこの人に守られたんよ」
おば様は優しくおじ様の方を見て微笑んだ。
その顔は何とも優しい顔をしていた。
「まぁ、借りを作りたくないってのもあって、渋々結婚したんよ。渋々やで!!」
おば様は頬を赤らめながら言っていた。
そんなおば様の肩をおじ様が優しく抱き寄せ、見つめ合う姿はとても素敵な夫婦だった。
おば様の顔は嫌そうにしているが、おじ様の手を振りほどこうとうはしない。
いつもは勝気なおば様の意外な一面が見れて嬉しくて、とても可愛らしかった。
「まあ、これで終わりとは言いきれんからな。アリアには護衛を付けることにした」
「え!?」
「入れ」
おじ様の言葉で執務室のドアが開き一人の騎士が入って来た。
「失礼します。……アリア、久しぶりです」
それは、ヴェルナーの弟でもあるリュディガーだった。
「おい!!アリアちゃんが難癖つられたらしぃな!?どないなっとんねん!!」
「──あ、あれ?なんで、リーナがここにいるんだい?」
おじ様はまさかの人物の登場に狼狽えていた。
「そないな事はどぉでもええねん!!己ら騎士団は何しとんねんって聞いとるんや!!」
あぁ~……この有無を言わせない感じ、この人は確かにヴェルナーのお母様だわと実感出来た。
でも確かに、何故この人がここにいるんだろう。と不思議に思いお母様の方を見ると、視線に気づいたお母様がニヤッと含みのある笑顔を向けてきた。
その瞬間「あ、この人だ」と直感した。
お父様も気づいたようで溜息を吐いていた。
「……エレン。君かい?カタリーナに密告したのは……?」
「あら、あなた。人聞きが悪いですわよ?ウチの可愛いアリアちゃんが醜聞の目で見られたのですよ?それ相応の覚悟をしてもらわないと……」
お母様、怖い怖い怖い!!!
顔は笑ってるのに目がまったく笑ってない!!人一人ぐらい殺せそうなんだけど!?
「そうやで、ウチに嫁いで来る可愛いお嫁はんになんちゅーことしてくれてんねん。舐め腐りおって。──ごめんなぁうちの教育が足りんひんかったばっかりにアリアちゃんに辛い思いさせてもうたなぁ」
おば様に抱きつかれ、私はその豊満な胸に顔を埋める形となった。
その姿を見たおじ様が「アリアいいなぁ。リーナ、私も……」何て聞こえたが、すぐに「黙れカス!!」と言う言葉が聞こえてきた。
……不憫なおじ様……
「──で?犯人の目星は付いてるんやろうな?」
「それが手がかりが張り紙だけで、目撃者もいない。お手上げ状態なんだよ」
「くっそ役に立たんなぁ~」
「そう言うな……そこで、アリアに心当たりがないか聞きに来た所なんだよ」
「私!?」
おば様の胸の中から驚いて顔を出した。
この場にいるみんなの視線が一気に私に集まった。
「どうだいアリア?正直に話してくれるかい?」
「そうやで。庇う必要は無いねんよ?」
「小さな事でもいいんだよ?」
「アリアちゃん。お母様に話してごらんなさい」
4人に責められ「えっと……」と冷や汗をかきながらタジタジになる。
そもそも心当たりがあり過ぎて困ってるんだけど……とは言えない。
何も言えずに困っていると、ドアがノックされる音が聞こえた。
「──失礼しま……げっ!!」
「おやおやおや、ようやっとお出ましやのぉ~……こんっのボンクラ息子が!!!!!」
入って来たのは今回の事件の根源でもあるヴェルナーその人だった。
ヴェルナーは執務室に一歩足を踏み入れる瞬間、おば様の顔を確認して蛙を潰したような声を出して逃げようとしたが、逃げる間もなくおば様に捕まりあっという間に羽交い締めにされた。
「ちょっ!!なんで、オカンがおんねん!!」
「オカンちゃうわ!!お母様やろが!!このボケ!!」
羽交い締めにしながらヴェルナーの頭をグリグリしている。
ヴェルナーが「いたたたっ!!痛いっちゅーねん!!」って文句を言っているがおば様は執拗に頭を攻撃している。
「リーナ、その辺にしなさい。話が進まない」
「──っち!!」
さすがにおじ様が止めに入った。
おば様は納得できないようで舌打ちをしていたが、ようやく開放されたヴェルナーは頭を撫でながらしゃがみ込んだ。
「──で?ヴェルナー。そちらの収穫は?」
「まったく駄目や。相手は用意周到やね」
お手上げと言わんとばかりに両手を上げておじ様に報告していた。
「元はと言えば己が悪いんやろうが!!アリアちゃんと言う可愛い婚約者がおりながら女はべらかしおって!!」
おば様がゴンッと一発ヴェルナーの頭を殴りつけた。
「いったいなぁ~……そんなん言うたってしゃーないやろ!?あっちから寄ってくるんや!!」
「なに開き直ってんねん!!このボケ!!ほんに親が親なら子も子やな!!」
おば様とヴェルナーの攻防をポカンと見ている私に少し昔の話をしてくれた。
「このアホの父親も若い頃は女をはべらかしとってな。うちはそないな男、はなからごめんやから逃げるようにこの国出たんよ。それなのにこの男は何処までもついて来おってな。しかも行く先々で女をたらしこみおって」
「はぁぁ~……」と昔を思い出しながら盛大な溜息を吐いた。
「うちもな、アリアちゃんみたいに目の敵にされてしょっちゅう嫌がらせ受けたんよ。中にはうちに襲いかかるよに仕向けた奴もいるぐらいや」
その言葉にサァと血の気が引いた。
もしかしたら私もそんな事があるかもしれないと思ったからだ。
「まっ、そんな奴は踏み潰して使いもんにならんよぉにしてやったわ」
「あはははは」って豪快に笑うおば様を見て、お父様とおじ様は顔を青ざめ、お母様は「あらあら」と微笑んでいた。
流石に私はそこまでは出来ない……
「でもな、最終的にはこの人に守られたんよ」
おば様は優しくおじ様の方を見て微笑んだ。
その顔は何とも優しい顔をしていた。
「まぁ、借りを作りたくないってのもあって、渋々結婚したんよ。渋々やで!!」
おば様は頬を赤らめながら言っていた。
そんなおば様の肩をおじ様が優しく抱き寄せ、見つめ合う姿はとても素敵な夫婦だった。
おば様の顔は嫌そうにしているが、おじ様の手を振りほどこうとうはしない。
いつもは勝気なおば様の意外な一面が見れて嬉しくて、とても可愛らしかった。
「まあ、これで終わりとは言いきれんからな。アリアには護衛を付けることにした」
「え!?」
「入れ」
おじ様の言葉で執務室のドアが開き一人の騎士が入って来た。
「失礼します。……アリア、久しぶりです」
それは、ヴェルナーの弟でもあるリュディガーだった。
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