城で侍女をしているマリアンネと申します。お給金の良いお仕事ありませんか?

甘寧

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グロッサ国

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全てを伝い終えると、レナード様は頭を抱えしゃがみこんでしまいました。

「そんな……リチャードと共にいたから、私の命が狙われたのか?私が、リチャードを助けたから?」

レナード様は呪文のようにブツブツと呟いております。

その姿を見たレニさんは、居た堪れない様な表情をし俯いています。
レニさんはレナード様が父親を助けたことを後悔していると思っているのでしょう。

しかしレナード様は急に顔を上げ、レニさんに向き合い「すまなかった……」と、一言仰いました。

レニさんは何故レナード様が謝っているのか分からず戸惑っています。

「私が不甲斐ないばかりに、お前達を守ってやれなかった。……こんなでは当主は失格だな……」

そう仰るレナード様に、レニさんは「そんなことありません!!」と、声をあげました。

「私と父はレナード様に拾われてとても幸せでした。……しかし、父はこの屋敷に転がり込んだ事でレナード様に危険が及ぶことを恐れていました」

リチャードさんを見つめながらレニさんが伝えます。

「結局、父の恐れていたことが現実になってしまいましたが……それでも、私はここにいたいのです!!父と一緒に……!!」

泣きながらここに残りたいと懇願するレニさんに、レナード様は優しく頭を撫でながら「いればいい」と仰います。

「お前と初めて会ったのは、お前がまだ5歳の頃だったな。それからの十年、私はお前を妹のように思ってきた。……今更いなくなるのは、寂しいじゃないか」

優しく笑いかけながらレニさんに伝えると、レニさんは泣き崩れました。

――良い方に拾われましたね……

「……あの、感動的な場面で申し訳ないんだけどさ……」

ルイスさんが、言葉を割って入ってきました。

「……執事の意識が戻ったけど?」

その言葉にレニさんとレナード様がリチャードさんの元へ駆けつけました。
意識が戻ったと言っても、瀕死なのは変わりありません。

「…………だ……んな様…………すみ……ません…………」

息も絶え絶えにレナード様に謝罪の言葉を述べました。
その様子を見てレナード様は「喋るな!!」と慌てて喋る事を止めますが、リチャードさんは続けます。

「…………私は……貴方に仕えられて…………幸せでした…………」

ゴホゴホと苦しそうに血を吐きながらも喋り続けるリチャードさんを見て、レニさんも必死に止めます。
……リチャードさんは分かるのでしょう。自分の命が短いことを……だからこそ、今言えることを言っておきたいのでしょう。

ジェムさんもリチャードさんの気持ちを察し、ゆっくり体を起こして喋りやすい体勢を整えてくれました。

「……私の……せいで…………貴方を危険に……」

レナード様もリチャードさんの気持ちを察したのでしょう。何も言わず、悲痛な表情で話を聞いています。

「…………レニには、幸せに…………どうか………レニを…………」

「分かった。レニは私に任せろ」

レナード様がリチャードさんの手を取り、力強く答えるとニコッと微笑み、安心したように目を閉じました。

「…………お義父さん?」

レナード様が握っていたリチャードさんの手は、力なく地面へ落ちレナード様は俯いたまま涙を流しているようでした……
レニさんは縋るようにジェムさんを見ましたが、ジェムさんは何も言わず首を横に振りました。

「――っ!!!いやー----!!!お義父さん!!!お義父さん!!!!」

レニさんの悲痛な叫び声が部屋全体を響かせました……
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