「悪役令嬢は愛おしきモフモフ♡へ押しかけたい‼︎」(完結)

深月カナメ

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 洞窟で聞こえた声は内容まではわからないけど、私がいるエントランスにも聞こえてきていた。あのいい声はマークレ殿下だ。

 彼には最初から嫌われてると思っていたから、絶対に私を探さないと思ったんだけど……なぜか、彼は私を探している。

 この世界は遊んでいた乙女ゲームとはストーリーが違う? 
 わたしの見た目はおチビだし。

 マークレ殿下とルイさんは知り合いなの?

 それは困るな。

 ルイさんの側にいたいけどマークレ殿下に引き渡されて、婚約者になるのは絶対に嫌だ。
 どうせ彼はヒロインとくっつくのだし。
 いま、見つかるとルイさんにも迷惑をかけそうだから。
 話が終わるまで、部屋の探検して待ってよっと。
 
 まずは近くのクローゼットを開けた。
 クローゼットの中は清潔感のある、白いシャツが何枚かかっていた。

 こんなにあるのなら、今着ている彼シャツは貰ってもいいか。

 勝手にそう決めてクローゼットを閉た。
 その隣のタンスには、彼の下着が入っていたので、目を瞑って閉めた。

 ここはトイレで、こっちはお風呂だ。
 白い湯船に金色の猫足がついていて可愛い、蛇口も金色だ。

 でもこの湯船の大きさだと、獣人でも半獣でも湯船に浸かれるの? 小さくない? 

 もふもふの体を縮こめて、ぎゅうぎゅうに浸かってる? その光景を妄想して笑った。

 次に開けた部屋はルイさんの寝室。

 真ん中に汚れひとつない、真っ白な天蓋付きのベッドが置いてあった。
 部屋の中といい、この天蓋付きの大きなベッド、ルイさんて何者なの?

「もしかして、獣人国の王様」

 だとしたら、マークレ王子と知り合いでも納得がいく。

 何故、洞窟に住んでいるの?

 訳ありで、仕方がなくいるのかな?
 まさか、命を狙われているとか?

「獣人国の王様は大変だね」

 わたしはそのベッドに躊躇なく飛び乗った。

「おふっ!」

 ふかふかだシーツの触り心地も良い。
 大きなベッドの上で、ゴロンゴロンと寝返りをうつ。

「こ、このベッド、ルイさんの匂いがする」

 バラのいい香り、やばいドキドキしてきた。

 なんだかルイさんに抱きしめてもらってるみたいで……幸せ。

 ルイさんの匂いに包まれて目を瞑ると、いつのまにか、わたしは眠ってしまった。
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