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二十八 ミタリアは甘えたい。
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王子の優しいキスの後に思っちゃったんだ。
あーあっ、私は悪役令嬢になっちゃたって。
キスと間近くで王子の照れ笑いを見て、好きだと、前よりも確実に王子が好き。ふわふわで私よりも華奢、誰もが守りたくなる存在の可愛い、兎族のヒロインには到底勝てない。
彼女はヒロインだもの。でも、名前がリンネ? リリネ? 一向に名前を思い出せないでいた。
ライバルだからかなぁ? なんでだろ?
王子を好きにならないなんて、婚約者になり、王子の近くに入れば彼の魅力を知って仕舞えば、この気持ちから逃げられなかった。
だって、ダダ漏れな王子の魅力、優しさ、可愛いさ、一緒にいて心地良さ……完全なる泥沼。
はぁ、私の気も知らないで笑っちゃって。
でも、この笑顔を失わずに済んだから、まっ、いいっか。
前言撤回よ(ぜんげんてっかいーーする前に言っていたことを打ち消すよ!)
だって、好きになっちゃったんだもの。
――私の手も洗い終わり、王子は丁寧に手をタオルで拭いてくれた。
「ミタリアが舞踏会で着ていたドレスなどは洗濯に出したから、準備したドレスを着てくれ。俺も着替えてくる」
「……はい」
脱衣所を出て行く王子を見送り、準備されていた籠を覗いた。中にはブレスレットと、真新しい下着と王子の好みだろうって分かる、腰にリボンの付いた薄いピンク色のワンピースが畳んで入っていた。
(……王子は、ピンク好きなんだ)
どう見てもヒロインの色。ミタリアのイメージカラーは濃いブルーだった。
+
「ミタリア、お茶がはいったよ」
「ありがとうございます、リチャード様」
用意されていたワンピースを着て、紅茶が用意されているテーブルに着く。紅茶の他に切った桃がガラスの器に盛られていた。
座ってと、王子も反対側に座って紅茶を一口飲み。
今日のことを話した。
「正直に驚いたな……あの食べ物が、俺たちにとって毒になるとは」
「そうですね。ほかにも人族は食べられていても、私たちーー獣人は食べてはいけない、食べ物がまだ有りそうですね」
「そうだな、調べてみないといけないな。あと食べてしまったときの、対処方も調べないといけないかもしれない……はぁ、こればかりはカーエン王子殿下の協力の元、人族の食べ物を知り、実物を分析しなくてはな」
「はい」
(王子の言う通り、私もチョコがダメだとは知っていたけど、他のものについては余りよく分からない……)
人族に頼り、人族の食べ物を食べなくてもいいくらいに、ローランド国でも食物が実ればいいのだけど。
理想は林檎、梨、バナナ、メロンかな?
――ふうっ、なんでだろう?
王子とキスした後からお腹のアザが熱を持っていた。いま、無性に王子に甘えたくて仕方がない。ちょっとでも気を抜けば、ゴロゴロと喉を鳴らして王子に頭を擦り付ける。
撫でて! とぐりぐり頭を頬を擦り付けて、王子に撫でられたい、ブラッシングされたい。
それは、まるで愛情に飢えた猫。
鳴いて、喚いて、自分自身の要求を叶えたくて仕方がない。ここで本能丸出しな獣化したら容赦なく、王子に甘え倒すかも。
「ミタリア、桃食べる」
「ふぇっ?」
いま、この状態での『あーん』は私のご褒美!
口を開けると甘い桃が口の中に入り、甘ったるい桃をシャリっと噛み砕いた。
(うまっ!)
「どう? 美味しい?」
「はい、みずみずしくて甘い、美味しいです」
「よかった。ミタリア、ここに雫が垂れてる」
驚いて固まった私に、王子の伸びてきてた指先は私の唇を拭い。その指をペロッと王子は舐めた。
(ひゃぁーー! 王子の知らない所で甘えたい気持ちを耐えているのに、それはないです!)
こ、これ以上ここに居ては暴走する。へそ天以外の何かをしでかす、帰ろう。
「リチャード様、ありがとうございます。あの、そろそろ遅くなりますから……帰ります」
急いで、テーブルから立ち上がった。
「あ、あぁ、そうだな。明日……」
と王子が言い終わる前にコンコンと、部屋の扉が響いた。王子が返事をすると国王陛下からの伝言者だと言い。部屋には入らず扉の向こう側から、陛下からの伝言を私たちに伝えた。
「リチャード様、ミタリア様、お寛ぎのところ失礼いたします。いまから陛下からの伝言をお伝えいたします。『ミタリア嬢、今日は疲れただろうから客間に泊まっていきなさい。公爵家には既に連絡済みだ』そうです」
両親に報告済み⁉︎
「まぁ、ありがとうございます。こ、国王陛下のお心遣い感謝いたします」
ひえぇっ、そりゃないよ……国王陛下。
「分かった、知らせてくれてありがとう。ミタリア、夕食はここで取ろうな」
「……はい、リチャード様」
王子に甘えたい欲望が治らないから、すぐに帰りたかったのに。陛下からのお心遣いを断ることなんてできない、いや拒むことは許されない。
あーっ。
いま目の前で嬉しそうに微笑む王子に、頭をわしゃわしゃ撫でられたい……。
くっ、耐えろ私!
あーあっ、私は悪役令嬢になっちゃたって。
キスと間近くで王子の照れ笑いを見て、好きだと、前よりも確実に王子が好き。ふわふわで私よりも華奢、誰もが守りたくなる存在の可愛い、兎族のヒロインには到底勝てない。
彼女はヒロインだもの。でも、名前がリンネ? リリネ? 一向に名前を思い出せないでいた。
ライバルだからかなぁ? なんでだろ?
王子を好きにならないなんて、婚約者になり、王子の近くに入れば彼の魅力を知って仕舞えば、この気持ちから逃げられなかった。
だって、ダダ漏れな王子の魅力、優しさ、可愛いさ、一緒にいて心地良さ……完全なる泥沼。
はぁ、私の気も知らないで笑っちゃって。
でも、この笑顔を失わずに済んだから、まっ、いいっか。
前言撤回よ(ぜんげんてっかいーーする前に言っていたことを打ち消すよ!)
だって、好きになっちゃったんだもの。
――私の手も洗い終わり、王子は丁寧に手をタオルで拭いてくれた。
「ミタリアが舞踏会で着ていたドレスなどは洗濯に出したから、準備したドレスを着てくれ。俺も着替えてくる」
「……はい」
脱衣所を出て行く王子を見送り、準備されていた籠を覗いた。中にはブレスレットと、真新しい下着と王子の好みだろうって分かる、腰にリボンの付いた薄いピンク色のワンピースが畳んで入っていた。
(……王子は、ピンク好きなんだ)
どう見てもヒロインの色。ミタリアのイメージカラーは濃いブルーだった。
+
「ミタリア、お茶がはいったよ」
「ありがとうございます、リチャード様」
用意されていたワンピースを着て、紅茶が用意されているテーブルに着く。紅茶の他に切った桃がガラスの器に盛られていた。
座ってと、王子も反対側に座って紅茶を一口飲み。
今日のことを話した。
「正直に驚いたな……あの食べ物が、俺たちにとって毒になるとは」
「そうですね。ほかにも人族は食べられていても、私たちーー獣人は食べてはいけない、食べ物がまだ有りそうですね」
「そうだな、調べてみないといけないな。あと食べてしまったときの、対処方も調べないといけないかもしれない……はぁ、こればかりはカーエン王子殿下の協力の元、人族の食べ物を知り、実物を分析しなくてはな」
「はい」
(王子の言う通り、私もチョコがダメだとは知っていたけど、他のものについては余りよく分からない……)
人族に頼り、人族の食べ物を食べなくてもいいくらいに、ローランド国でも食物が実ればいいのだけど。
理想は林檎、梨、バナナ、メロンかな?
――ふうっ、なんでだろう?
王子とキスした後からお腹のアザが熱を持っていた。いま、無性に王子に甘えたくて仕方がない。ちょっとでも気を抜けば、ゴロゴロと喉を鳴らして王子に頭を擦り付ける。
撫でて! とぐりぐり頭を頬を擦り付けて、王子に撫でられたい、ブラッシングされたい。
それは、まるで愛情に飢えた猫。
鳴いて、喚いて、自分自身の要求を叶えたくて仕方がない。ここで本能丸出しな獣化したら容赦なく、王子に甘え倒すかも。
「ミタリア、桃食べる」
「ふぇっ?」
いま、この状態での『あーん』は私のご褒美!
口を開けると甘い桃が口の中に入り、甘ったるい桃をシャリっと噛み砕いた。
(うまっ!)
「どう? 美味しい?」
「はい、みずみずしくて甘い、美味しいです」
「よかった。ミタリア、ここに雫が垂れてる」
驚いて固まった私に、王子の伸びてきてた指先は私の唇を拭い。その指をペロッと王子は舐めた。
(ひゃぁーー! 王子の知らない所で甘えたい気持ちを耐えているのに、それはないです!)
こ、これ以上ここに居ては暴走する。へそ天以外の何かをしでかす、帰ろう。
「リチャード様、ありがとうございます。あの、そろそろ遅くなりますから……帰ります」
急いで、テーブルから立ち上がった。
「あ、あぁ、そうだな。明日……」
と王子が言い終わる前にコンコンと、部屋の扉が響いた。王子が返事をすると国王陛下からの伝言者だと言い。部屋には入らず扉の向こう側から、陛下からの伝言を私たちに伝えた。
「リチャード様、ミタリア様、お寛ぎのところ失礼いたします。いまから陛下からの伝言をお伝えいたします。『ミタリア嬢、今日は疲れただろうから客間に泊まっていきなさい。公爵家には既に連絡済みだ』そうです」
両親に報告済み⁉︎
「まぁ、ありがとうございます。こ、国王陛下のお心遣い感謝いたします」
ひえぇっ、そりゃないよ……国王陛下。
「分かった、知らせてくれてありがとう。ミタリア、夕食はここで取ろうな」
「……はい、リチャード様」
王子に甘えたい欲望が治らないから、すぐに帰りたかったのに。陛下からのお心遣いを断ることなんてできない、いや拒むことは許されない。
あーっ。
いま目の前で嬉しそうに微笑む王子に、頭をわしゃわしゃ撫でられたい……。
くっ、耐えろ私!
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