31 / 65
二十九 リチャードは甘噛みしたい
しおりを挟む
父上やみんなが『チココを食べなくて良かったよ』と、涙するミタリアに、抑えていた感情が溢れて、気付けば彼女の唇を奪っていた。
(……柔らけぇ)
俺は彼女の唇にキスしたことには後悔しない、我が儘を言えばもう1度したかった。
ミタリアの濡れた手を拭き、彼女のブレスレットと服を籠に準備して。
「俺も着替えてくる」
脱衣所から出て濡れた軍服を脱ぎ、シャツとスラックスを履き替えた。その間も鼓動は早まるばかりだ。
(くそっ、落ち着かねぇ)
それと同時に牙がうずうずしてる、ミタリアを噛みたい、甘噛みしたいーーキスをした後から、その欲は大きくなるばかりだ。
脱衣所から俺が選んだドレスを着て出てきたミタリア、前も可愛いと思っていたけど、さらにミタリアが可愛いく見えた。
やばい、ものすごく抱きしめたい、ものすごく甘噛みしたい。
ーー腹のアザもむずむずして、あちぃ。
+
「お茶にしょう」
側近のリルがいれていったお茶と桃を準備してテーブルに置いた。ミタリアが座ったのをみて、今日の話を切り出した。
俺たち――獣人が食してはならない食べ物の話をしていた。当初の話から半分以下とはなったが、ローランド国に援助してくれた人族。これからも人族と接触がある以上。やはり人族、カーエンの協力は鍵となるだろう。
俺たちは人族の食文化は知らない。向こうだって俺たちの食文化は知らないだろう。
このことに関して、父上とも慎重に話を進めて調べなくてはならないが、奴は嫌いだ。
(あいつは絶対に獣化できるミタリアを狙っている。奴とは2人きりにさせないよう、俺が無理なときは。友達ーー側近のリル、近衛騎士、従者にも頼もう)
「ミタリア、桃を食べる」
可愛く返事を返して、おずおず口を開けたミタリアの口に、桃を放り込む。美味しいと食べる彼女の唇に着いた桃の雫、それを指先で拭いペロッと舐めた。
その俺の行動に、一瞬で頬を染めたミタリアは席を立ち、遅くなるから帰ると言い出した。
(あ、しまった、怒らせたのか?)
そうだとしたら、もう少し一緒に過ごしたかったが時刻は夕方を回った頃だ、止めることはできない。
「明日……(の午後、気を付けておいで)」
と言おうとした、そのとき。
部屋の扉が叩かれて父上の伝達者が来た。伝達者は客間を用意したから泊まるようにと、ミタリアに父上からの言葉を告げた。それに断ることをせず、お礼の言葉を伝えたミタリア。
(ミタリアと今夜、一緒に過ごせる)
俺はすかさず彼女と夕食の約束をした。
(……柔らけぇ)
俺は彼女の唇にキスしたことには後悔しない、我が儘を言えばもう1度したかった。
ミタリアの濡れた手を拭き、彼女のブレスレットと服を籠に準備して。
「俺も着替えてくる」
脱衣所から出て濡れた軍服を脱ぎ、シャツとスラックスを履き替えた。その間も鼓動は早まるばかりだ。
(くそっ、落ち着かねぇ)
それと同時に牙がうずうずしてる、ミタリアを噛みたい、甘噛みしたいーーキスをした後から、その欲は大きくなるばかりだ。
脱衣所から俺が選んだドレスを着て出てきたミタリア、前も可愛いと思っていたけど、さらにミタリアが可愛いく見えた。
やばい、ものすごく抱きしめたい、ものすごく甘噛みしたい。
ーー腹のアザもむずむずして、あちぃ。
+
「お茶にしょう」
側近のリルがいれていったお茶と桃を準備してテーブルに置いた。ミタリアが座ったのをみて、今日の話を切り出した。
俺たち――獣人が食してはならない食べ物の話をしていた。当初の話から半分以下とはなったが、ローランド国に援助してくれた人族。これからも人族と接触がある以上。やはり人族、カーエンの協力は鍵となるだろう。
俺たちは人族の食文化は知らない。向こうだって俺たちの食文化は知らないだろう。
このことに関して、父上とも慎重に話を進めて調べなくてはならないが、奴は嫌いだ。
(あいつは絶対に獣化できるミタリアを狙っている。奴とは2人きりにさせないよう、俺が無理なときは。友達ーー側近のリル、近衛騎士、従者にも頼もう)
「ミタリア、桃を食べる」
可愛く返事を返して、おずおず口を開けたミタリアの口に、桃を放り込む。美味しいと食べる彼女の唇に着いた桃の雫、それを指先で拭いペロッと舐めた。
その俺の行動に、一瞬で頬を染めたミタリアは席を立ち、遅くなるから帰ると言い出した。
(あ、しまった、怒らせたのか?)
そうだとしたら、もう少し一緒に過ごしたかったが時刻は夕方を回った頃だ、止めることはできない。
「明日……(の午後、気を付けておいで)」
と言おうとした、そのとき。
部屋の扉が叩かれて父上の伝達者が来た。伝達者は客間を用意したから泊まるようにと、ミタリアに父上からの言葉を告げた。それに断ることをせず、お礼の言葉を伝えたミタリア。
(ミタリアと今夜、一緒に過ごせる)
俺はすかさず彼女と夕食の約束をした。
0
あなたにおすすめの小説
モブ令嬢、当て馬の恋を応援する
みるくコーヒー
恋愛
侯爵令嬢であるレアルチアは、7歳のある日母に連れられたお茶会で前世の記憶を取り戻し、この世界が概要だけ見た少女マンガの世界であることに気づく。元々、当て馬キャラが大好きな彼女の野望はその瞬間から始まった。必ずや私が当て馬な彼の恋を応援し成就させてみせます!!!と、彼女が暴走する裏側で当て馬キャラのジゼルはレアルチアを囲っていく。ただしアプローチには微塵も気づかれない。噛み合わない2人のすれ違いな恋物語。
【完結】嫌われ公女が継母になった結果
三矢さくら
恋愛
王国で権勢を誇る大公家の次女アデールは、母である女大公から嫌われて育った。いつか温かい家族を持つことを夢見るアデールに母が命じたのは、悪名高い辺地の子爵家への政略結婚。
わずかな希望を胸に、華やかな王都を後に北の辺境へと向かうアデールを待っていたのは、戦乱と過去の愛憎に囚われ、すれ違いを重ねる冷徹な夫と心を閉ざした継子だった。
【完結】転生したらラスボスの毒継母でした!
白雨 音
恋愛
妹シャルリーヌに裕福な辺境伯から結婚の打診があったと知り、アマンディーヌはシャルリーヌと入れ替わろうと画策する。
辺境伯からは「息子の為の白い結婚、いずれ解消する」と宣言されるが、アマンディーヌにとっても都合が良かった。「辺境伯の財で派手に遊び暮らせるなんて最高!」義理の息子など放置して遊び歩く気満々だったが、義理の息子に会った瞬間、卒倒した。
夢の中、前世で読んだ小説を思い出し、義理の息子は将来世界を破滅させようとするラスボスで、自分はその一因を作った毒継母だと知った。破滅もだが、何より自分の死の回避の為に、義理の息子を真っ当な人間に育てようと誓ったアマンディーヌの奮闘☆
異世界転生、家族愛、恋愛☆ 短めの長編(全二十一話です)
《完結しました》 お読み下さり、お気に入り、エール、いいね、ありがとうございます☆
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
【完結】悪役令嬢だったみたいなので婚約から回避してみた
22時完結
恋愛
春風に彩られた王国で、名門貴族ロゼリア家の娘ナタリアは、ある日見た悪夢によって人生が一変する。夢の中、彼女は「悪役令嬢」として婚約を破棄され、王国から追放される未来を目撃する。それを避けるため、彼女は最愛の王太子アレクサンダーから距離を置き、自らを守ろうとするが、彼の深い愛と執着が彼女の運命を変えていく。
断罪予定の悪役令嬢ですが、王都でカフェを開いたら婚約者の王太子が常連になりました
由香
恋愛
公爵令嬢エリザベートは、自分が乙女ゲームの悪役令嬢に転生していることに気付く。
このままでは一年後の夜会で婚約破棄され、断罪された上で国外追放されてしまう運命だ。
「――だったら、その前に稼げばいいわ!」
前世の記憶を頼りに、王都の裏通りで小さなカフェを開くことにしたエリザベート。
コーヒーやケーキは評判となり、店は少しずつ人気店へと成長していく。
そんなある日、店に一人の青年が現れる。
落ち着いた雰囲気のその客は、毎日のように通う常連になった。
しかし彼の正体は――なんと婚約者である王太子レオンハルトだった!?
破滅回避のために始めたカフェ経営が、やがて運命を変えていく。
これは、悪役令嬢が小さなカフェから幸せを掴む
ほのぼのカフェ経営×溺愛ロマンスストーリー。
モブ転生とはこんなもの
詩森さよ(さよ吉)
恋愛
あたしはナナ。貧乏伯爵令嬢で転生者です。
乙女ゲームのプロローグで死んじゃうモブに転生したけど、奇跡的に助かったおかげで現在元気で幸せです。
今ゲームのラスト近くの婚約破棄の現場にいるんだけど、なんだか様子がおかしいの。
いったいどうしたらいいのかしら……。
現在筆者の時間的かつ体力的に感想などを受け付けない設定にしております。
どうぞよろしくお願いいたします。
他サイトでも公開しています。
何やってんのヒロイン
ネコフク
恋愛
前世の記憶を持っている侯爵令嬢のマユリカは第二王子であるサリエルの婚約者。
自分が知ってる乙女ゲームの世界に転生しているときづいたのは幼少期。悪役令嬢だなーでもまあいっか、とのんきに過ごしつつヒロインを監視。
始めは何事もなかったのに学園に入る半年前から怪しくなってきて・・・
それに婚約者の王子がおかんにジョブチェンジ。めっちゃ甲斐甲斐しくお世話されてるんですけど。どうしてこうなった。
そんな中とうとうヒロインが入学する年に。
・・・え、ヒロイン何してくれてんの?
※本編・番外編完結。小話待ち。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる