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五十九
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ところ変わって――ここ王城。
リチャード達はしばらくして動ける様になり、大怪我を負う父上を医務室へと運び、声を上げた。
「信じられない……デンス所長が父上に怪我を負わせて、俺のミタリアを連れていくとは……」
前に父上からデンス所長が怪しいと聞き、あの人が? と俺は信じられずにいた……しかし奴は真っ黒だった。
人族の王子カーエンとも手を組んでいたとはな。
まだまだ、俺は未熟者だな……
「落ち込むなリチャード。……ふうっ、デンスめ、我々に追跡をさせないよう、特殊な馬車にて移動中のようだ。サーチがうまくいかない」
「それなら俺に考えがあります。父上はゆっくり寝ていてください。リル、行くぞ! 二人は父上と母上、妹を守ってくれ!」
「リチャード様、かしこまりました」
俺たちは一旦、会場に戻りミタリアの私物を探した。
特殊能力の匂いサーチをする為だ。もしもの為にと、ミタリアには俺の匂いをべったりつけておいた。
ミタリアには慣れ親しんだ香りなのか?
彼女は気付かず、たまにいい匂いにゃっ、と言っていた。
一応、その香りで追えるが……念の為、他の彼女の持ち物もを探した。
出来れば……ミタリアのハンカチか? 何か私物が無いかと探していて、ドレス近くに水色のポーチを見つけた。
「このポーチはミタリアのか?」
さっきの落雷で金属部分のファスナーは壊れていて、中身がいまにも落ちそうになっている。
中身は何? と出してみた。
「栞とハンカチ?」
このハンカチの隅には狼の刺繍がしてあり、ポーチの中に手紙も入っていた。
手紙の内容は――俺の誕生を祝う言葉と『前に渡した、ハンカチよりも刺繍上手くなりましたよ。本をたくさん読むリチャード様にお揃いの栞を作りました、使ってね』……可愛らしいミタリアの文字で書かれていた。
(ミタリア……)
手紙を持つ手が震えて、目頭が熱くなる……
いますぐ見つけ出して、この手で彼女を抱きしめたい。
「ミタリア様はお優しい方ですね」
「あぁ、リル惚れるなよ……うぐっ、うう……必ずこの手の中に取り戻してやる、待っていろ……っ、ミタリア!」
リチャード達はしばらくして動ける様になり、大怪我を負う父上を医務室へと運び、声を上げた。
「信じられない……デンス所長が父上に怪我を負わせて、俺のミタリアを連れていくとは……」
前に父上からデンス所長が怪しいと聞き、あの人が? と俺は信じられずにいた……しかし奴は真っ黒だった。
人族の王子カーエンとも手を組んでいたとはな。
まだまだ、俺は未熟者だな……
「落ち込むなリチャード。……ふうっ、デンスめ、我々に追跡をさせないよう、特殊な馬車にて移動中のようだ。サーチがうまくいかない」
「それなら俺に考えがあります。父上はゆっくり寝ていてください。リル、行くぞ! 二人は父上と母上、妹を守ってくれ!」
「リチャード様、かしこまりました」
俺たちは一旦、会場に戻りミタリアの私物を探した。
特殊能力の匂いサーチをする為だ。もしもの為にと、ミタリアには俺の匂いをべったりつけておいた。
ミタリアには慣れ親しんだ香りなのか?
彼女は気付かず、たまにいい匂いにゃっ、と言っていた。
一応、その香りで追えるが……念の為、他の彼女の持ち物もを探した。
出来れば……ミタリアのハンカチか? 何か私物が無いかと探していて、ドレス近くに水色のポーチを見つけた。
「このポーチはミタリアのか?」
さっきの落雷で金属部分のファスナーは壊れていて、中身がいまにも落ちそうになっている。
中身は何? と出してみた。
「栞とハンカチ?」
このハンカチの隅には狼の刺繍がしてあり、ポーチの中に手紙も入っていた。
手紙の内容は――俺の誕生を祝う言葉と『前に渡した、ハンカチよりも刺繍上手くなりましたよ。本をたくさん読むリチャード様にお揃いの栞を作りました、使ってね』……可愛らしいミタリアの文字で書かれていた。
(ミタリア……)
手紙を持つ手が震えて、目頭が熱くなる……
いますぐ見つけ出して、この手で彼女を抱きしめたい。
「ミタリア様はお優しい方ですね」
「あぁ、リル惚れるなよ……うぐっ、うう……必ずこの手の中に取り戻してやる、待っていろ……っ、ミタリア!」
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