竜人さまに狂愛される悪役令嬢には王子なんか必要ありません!

深月カナメ

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第三章 獣人の国に咲いた魔女の毒花編

第14話

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[シーラン様達が戻って来たわ]

「…そう見たいね」

早くあのアルボル様似の変態のことを、みんなに伝えないと。

ルルさんはスーッと下に降りていき、みんなの前にホウキから降りた、私もルルさんの側に降りて立つ。

「シャルロット嬢、いま障壁を取り除く待っていろ!」

障壁の前でルルさんを見て話すシーラン様に、私の姿は見えていないみたいだ。

そうだよね…仕方がないかな中身が違うだけで見た目は私なんだもの。

「シャルロットさん」

[大丈夫だよ]

あいつに自分の体から追い出されたという事は、多分私はいま幽霊、幽体みたいなものかな?


透明でみんなには見えていないのだろう。


障壁に手をかざしてシーラン様は獣人の国に張った障壁を取り除く。

シーラン様とフォルテ様はルルさんの元に行ったけど、リズ様だけはルルさんの隣にいる私の方に来て、私の目を見て話しかけてくれた。

「シャルロットちゃん?」

[え、リズ様は見えるの?]

「ああ、ここにシャルロットちゃんの魔力を感じた、その、魔力を感じていくと君が見えたんだ」

ああ、よかった…誰にも見えなかったらどうしたらいいかわからなかったけど、リズ様に見つけてもらえてホッとした。

「何があったの?」

[それは…奥の屋敷で…]



「グオオッーーッ」 

竜人王様?

「この匂いだ…我を何百年と苦しめたこの匂いは忘れはしないぞ!【業火】」


リズ様に伝えようとしたけど、竜人王様が叫び声を上げて、いきなり魔女の毒花に向けて口から黒い炎を吹く。

竜人王様の黒い炎によって、一瞬で燃え上がり黒炭へと変わった。

「ダメよ落ち着きなさい、若き竜よ」

シャルロットが竜人王様と呼ばずに若き竜と呼んだ、シーラン様やフォルテ様は驚きルルさんから離れた。

竜人王様は魔女の毒花の漂う匂いに、かなりイライラしているようだ。

「お前は小娘?では無いな…この魔力は我を助けた魔女だな…小娘はどうしたここに来ているはずだが?」

「いるわ…訳あってこの体から出てしまったの、シャルロットさんの魔力を感じて、彼女を見つけてあげて特にチビ竜。もう1人のチビ竜は彼女を見つけたわよ」

そう言われてシーラン様は焦り、周りを見てからリズ様見た。そんなシーラン様を見てリズ様はふっと笑う。

「シーランお前はいつもあんなに近くにいたのに、シャルロットちゃんの魔力を感じなかったのか?」

それはまるで、シーラン様を挑発するような言い方だった、

「兄上…」

眉をひそめ悔しそうな表情を浮かべ、リズ様を見るシーラン様。

「ほら、シーラン落ち着け…シャルロットちゃんの魔力を感じろ、そうすれば直ぐにもわかるさ」
 
「シャルロットちゃんも名前を呼んでやって」

[はい、シーラン様]

名前を呼ぶと私の声が聞こえたみたいで、シーラン様とちゃんと目があった。

彼は透明な私に見て驚き…眉が下り、声が震えている。

「シャルロット嬢どうして君がこんな姿になったているんだ?」
 

「その訳を教えてやろうか!」


この声はあの男だ!
しまった…ここで長話をし過ぎた…薔薇のトゲとイバラの拘束から男が抜け出した男が……え、嘘、体はまだトゲとイバラに拘束されたまま軽快にこっちに走ってきた。

[ルルさん!]

「やはりあいつは苦手ね、でも、あんなに身体中にトゲが刺さっているのに血が一滴も出て……はっ、みんな下がりなさい!」

「あ、バレちゃった」

男は身体中に這う薔薇のトゲとイバラを掴み鞭のようにシネらせて私達を襲った。

「【バリア】」

みんなを守るように、ルルさんは一瞬で大きなバリアを張った。

そこに茎から放たれたトゲだけがザクザクと簡単にバリアに刺さる。そのトゲはよく見るとルルさんだけを器用に避けていた。


トゲが一番に刺さっていたのはフォルテ様だ。


「ちえっ、ああ、憎い獣人め…僕からルルを奪った…この毒の花でいなくなれ!」

男は毒花をむしり取りフォルテ様に向けて衝撃波と共に飛ばした、花がバリアに刺さりバリバリと割れていく、このままではフォルテ様が危ない!


「やめろ、魔女の毒花を全部燃やすのは我だ!」


フォルテ様を襲う前に花が燃えた…守ったのは竜人王様だ。しかし、竜人王様はいつもとは違い怒りに満ちていた。


黒い炎が彼の周りを渦巻いていた。


「竜か…お前には関係ないだろう?」

「関係ないかあるかは我が決める…我は約束をした、この我を助けてくれたそこの魔女に、魔女の毒花を全て無くすと約束をしたんだ…そして我はその魔女の毒花が憎い!」

「ルルと約束?僕以外にそんなことをしてもいいと思ってるの?あ、憎いんだ、魔女の毒花を相当恨んでるのかな」

男の口元が弧をえがいた。

  
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