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第三章 獣人の国に咲いた魔女の毒花編
第13話
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なにこれ?あの男に額を押された時に、ふわっと、私の体から追い出された感じがした。
「ふふ、これで僕のルルだ」
「辞めなさい!この体には触らないで【薔薇のトゲ】【イバラの拘束】かのものを捉えよ!」
私が聞いたことがない魔法を唱えた、地面から無数の薔薇のトゲやイバラが男の体を鞭のように這いずり男の動きを拘束した。
「…ふふっ」
無数のトゲが男の肌にグサグサと刺さるけど、なぜか男は怯まない、むしろ顔は恍惚に満ちて、喜んでいるようにさえ感じる。
「ああ、ルルの魔法を感じてる…ルルの魔力が僕を抱きしめているよ…ふふっ」
ヒャァーッ…寒気が走った…あの男は身体中にトゲが刺さってるのにもかかわらず、やっぱり喜んでいた。
余りにも不気味すぎる。
「なんて、気味が悪いのかしら…」
そうだね、かなりの強者の変態が出たね。
顔はアル様に似てるけどやっぱり違う…全然違うアル様似てると思ってごめんなさい。
「こんなことをしている場合じゃないわ、行くわよシャルロットさん」
私が私の名前を呼び手を掴むと、屋敷の外へと走り出した。
そして手を前に出しホウキを出すと、それに飛び乗ったけど、私はホウキの後ろに乗れないすり抜けてしまう。
私はいま、どうなっているの?
[あ、あの]
「シャルロットさん説明はあとよ、いまはあいつから逃げるのが先よ!」
手を掴みホウキで飛び上がると黄色の花が揺れた、私じゃない私がホウキに跨り獣人の国を出ようと正門の方に飛んで行く。
私はそのホウキに跨る彼女の手に握られ、宙ぶらりんのまま飛んで進んでいる。
[あ、]
下を見ると黄色い毒花が絨毯のように、獣人の国中を埋め尽くしている。そこにポツポツと赤い花も見えた。
[ねえ、あいつをあんなにトゲやイバラでぐるぐる巻きにしたのに、こんなに急いで逃げる必要があるの?]
「あるわ…奴は私よりも魔法に長けているのよ…直ぐにでも追い付いてくるわ」
[そうなの?じゃあ、屋敷で眠ってしまった人達は大丈夫、あの男に何もされない?]
「多分、大丈夫よ…奴の狙いは私だから私しか見ていないわ」
その時、彼女の掴んだ手が震えた…あいつが現れた時も彼女は叫び物凄く怯えていた。
普通にしているけど本当は…あの男に怯えているのかもしれない。
「まだ、大丈夫よ…」
んん、いま、私の心を読んだ?
でも、彼女は私の手を掴み真っ直ぐに、前を向いて飛んでいる。
もしかして、魔女って極めると人の心が読めるようになる?
「バカね、そうやすやすと人の心なんて読めないわよ…私はあなたの中にいたの」
なーんだ…私の心が読めるだけか
「残念がらない」
[もう、心を読まないでよ。ルルさんと…あなたを呼べばいい?]
「ええ、いいわよ。本当はルルーナって言うのあなたの遠い祖先よ…私の魔女の力は途切れることなく子供から子供へと移り変わっていき、何百年と立っていまはあなたにへと移ったのね」
でも、なぜ?
私のお母さんも魔女だったはずだけど、ルルさんという人は現れなかった…どうして、私の時にだけこの人は現れた?
「シャルロットさん…どうして私が現れたかを悩んでいるわね…きっかけはあの時よ、毒に侵された竜を助ける時に嗅いだ魔女の毒花の匂いのせい、あの花の匂いをあなたが嗅がなかったら、私は現れなかったはず」
私にはあの毒花の匂いを嗅がなければ良かったなんて言えはしない。あの時にルルさんが現れなかったら、竜人王様やスノーさん、竜人の国は元に戻らなかった。
あの時に匂いを嗅いだから、いまみんなの笑顔がある、だから、今度は私達がルルさんを助ける番だ。
[竜人の人達を救ってくれてありがとう、ルルさん]
「こちらこそだよ、シャルロットさん」
[ルルさんがいたから…あなたがいたから竜人王様は助かったのだもの…悔しいけど、あの時の私では何も出来なかった…]
「ふん、それは知識の違いよ。あなたはまだ魔力や魔女の力に目覚めたばかり、私とあなたとでは魔法や魔女としての月日や年数が全く違うの、そうでしょう」
[そうだ、そうだよね]
月日や年数か…それを埋めるには私にはまだ知識が足りない、いつも気力だけで動いてるもの。
「しっかりと学びなさい…あなたはまだ若いんだし、あの時いた若い竜達ともっと知識を学ぶといいわ」
[…そうしたいけど、この状況で言われてもね、まずはあの変態をどうにかしないといけないと思う]
「はぁ、それが困ったところよなのよ…奴は私よりも魔力が強いわ、そして執念深いし変態、昔も今も気持ちが悪い、鳥肌が立つし、顔も見たくないし、近寄って欲しくないのよ!」
それは、わかる。
うんうんと彼女の叫んだ言葉に手を掴まれて宙ぶらりんのまま、頷いていると獣人の国の入り口の正門に着いた。
「障壁が張ってあるわね…壊してもいいかな?」
[え、ルルさんは壊せるの?]
「ええ、あなたの魔力かなりの物だから私の知識と経験で壊せるけど、この障壁を張った術師は倒れるほど苦しむわ…もしかすると苦しみ気絶をしてしまうかもしれないけど…」
シーラン様が倒れるほど苦しむ!?
[辞めて、シーラン様は直ぐに戻ってくると言っていた…もうすぐ戻ってくるはずよ]
「だと、いいんだけどね」
ルルさんはどうするかと、ホウキに乗るながらクルクルと回った…そう、私もブランブランと揺れながら回っていた。
「ガォォォーーーン」
[ひゃっ、フォルテ様?]
ここの近くまで戻ってきたと、私達に聞こえるように合図をしてくれたの?
「シャルロット嬢!」
「シャルロットちゃん!」
「小娘!」
[竜人王様を連れてシーラン様が戻ってきた…ルルさん障壁を壊さなくても大丈夫よ]
障壁越しにコッチに飛んでくる姿が見えた。
「ふふ、これで僕のルルだ」
「辞めなさい!この体には触らないで【薔薇のトゲ】【イバラの拘束】かのものを捉えよ!」
私が聞いたことがない魔法を唱えた、地面から無数の薔薇のトゲやイバラが男の体を鞭のように這いずり男の動きを拘束した。
「…ふふっ」
無数のトゲが男の肌にグサグサと刺さるけど、なぜか男は怯まない、むしろ顔は恍惚に満ちて、喜んでいるようにさえ感じる。
「ああ、ルルの魔法を感じてる…ルルの魔力が僕を抱きしめているよ…ふふっ」
ヒャァーッ…寒気が走った…あの男は身体中にトゲが刺さってるのにもかかわらず、やっぱり喜んでいた。
余りにも不気味すぎる。
「なんて、気味が悪いのかしら…」
そうだね、かなりの強者の変態が出たね。
顔はアル様に似てるけどやっぱり違う…全然違うアル様似てると思ってごめんなさい。
「こんなことをしている場合じゃないわ、行くわよシャルロットさん」
私が私の名前を呼び手を掴むと、屋敷の外へと走り出した。
そして手を前に出しホウキを出すと、それに飛び乗ったけど、私はホウキの後ろに乗れないすり抜けてしまう。
私はいま、どうなっているの?
[あ、あの]
「シャルロットさん説明はあとよ、いまはあいつから逃げるのが先よ!」
手を掴みホウキで飛び上がると黄色の花が揺れた、私じゃない私がホウキに跨り獣人の国を出ようと正門の方に飛んで行く。
私はそのホウキに跨る彼女の手に握られ、宙ぶらりんのまま飛んで進んでいる。
[あ、]
下を見ると黄色い毒花が絨毯のように、獣人の国中を埋め尽くしている。そこにポツポツと赤い花も見えた。
[ねえ、あいつをあんなにトゲやイバラでぐるぐる巻きにしたのに、こんなに急いで逃げる必要があるの?]
「あるわ…奴は私よりも魔法に長けているのよ…直ぐにでも追い付いてくるわ」
[そうなの?じゃあ、屋敷で眠ってしまった人達は大丈夫、あの男に何もされない?]
「多分、大丈夫よ…奴の狙いは私だから私しか見ていないわ」
その時、彼女の掴んだ手が震えた…あいつが現れた時も彼女は叫び物凄く怯えていた。
普通にしているけど本当は…あの男に怯えているのかもしれない。
「まだ、大丈夫よ…」
んん、いま、私の心を読んだ?
でも、彼女は私の手を掴み真っ直ぐに、前を向いて飛んでいる。
もしかして、魔女って極めると人の心が読めるようになる?
「バカね、そうやすやすと人の心なんて読めないわよ…私はあなたの中にいたの」
なーんだ…私の心が読めるだけか
「残念がらない」
[もう、心を読まないでよ。ルルさんと…あなたを呼べばいい?]
「ええ、いいわよ。本当はルルーナって言うのあなたの遠い祖先よ…私の魔女の力は途切れることなく子供から子供へと移り変わっていき、何百年と立っていまはあなたにへと移ったのね」
でも、なぜ?
私のお母さんも魔女だったはずだけど、ルルさんという人は現れなかった…どうして、私の時にだけこの人は現れた?
「シャルロットさん…どうして私が現れたかを悩んでいるわね…きっかけはあの時よ、毒に侵された竜を助ける時に嗅いだ魔女の毒花の匂いのせい、あの花の匂いをあなたが嗅がなかったら、私は現れなかったはず」
私にはあの毒花の匂いを嗅がなければ良かったなんて言えはしない。あの時にルルさんが現れなかったら、竜人王様やスノーさん、竜人の国は元に戻らなかった。
あの時に匂いを嗅いだから、いまみんなの笑顔がある、だから、今度は私達がルルさんを助ける番だ。
[竜人の人達を救ってくれてありがとう、ルルさん]
「こちらこそだよ、シャルロットさん」
[ルルさんがいたから…あなたがいたから竜人王様は助かったのだもの…悔しいけど、あの時の私では何も出来なかった…]
「ふん、それは知識の違いよ。あなたはまだ魔力や魔女の力に目覚めたばかり、私とあなたとでは魔法や魔女としての月日や年数が全く違うの、そうでしょう」
[そうだ、そうだよね]
月日や年数か…それを埋めるには私にはまだ知識が足りない、いつも気力だけで動いてるもの。
「しっかりと学びなさい…あなたはまだ若いんだし、あの時いた若い竜達ともっと知識を学ぶといいわ」
[…そうしたいけど、この状況で言われてもね、まずはあの変態をどうにかしないといけないと思う]
「はぁ、それが困ったところよなのよ…奴は私よりも魔力が強いわ、そして執念深いし変態、昔も今も気持ちが悪い、鳥肌が立つし、顔も見たくないし、近寄って欲しくないのよ!」
それは、わかる。
うんうんと彼女の叫んだ言葉に手を掴まれて宙ぶらりんのまま、頷いていると獣人の国の入り口の正門に着いた。
「障壁が張ってあるわね…壊してもいいかな?」
[え、ルルさんは壊せるの?]
「ええ、あなたの魔力かなりの物だから私の知識と経験で壊せるけど、この障壁を張った術師は倒れるほど苦しむわ…もしかすると苦しみ気絶をしてしまうかもしれないけど…」
シーラン様が倒れるほど苦しむ!?
[辞めて、シーラン様は直ぐに戻ってくると言っていた…もうすぐ戻ってくるはずよ]
「だと、いいんだけどね」
ルルさんはどうするかと、ホウキに乗るながらクルクルと回った…そう、私もブランブランと揺れながら回っていた。
「ガォォォーーーン」
[ひゃっ、フォルテ様?]
ここの近くまで戻ってきたと、私達に聞こえるように合図をしてくれたの?
「シャルロット嬢!」
「シャルロットちゃん!」
「小娘!」
[竜人王様を連れてシーラン様が戻ってきた…ルルさん障壁を壊さなくても大丈夫よ]
障壁越しにコッチに飛んでくる姿が見えた。
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