85 / 171
第二章
4話
しおりを挟む
これで、みんな横並びのFランクだ。
クエストを受けるため、サタ様もモコ鳥から登録したときの姿に戻り、冒険者ギルドでクエストボートを見ているが。Fランクのモンスターが弱すぎるのか、拍子抜けた表情をしている。
「アール、スライム十匹とゴブリン三体どっちがいい?」
「そうですね、両方受ければいいのでは?」
そうかと両方受けたみたい、私はと言うと……Fランクで受けれる傷薬を作る時に使用する、キリ草十束のクエストにした。
まぁ私は採取しなくてもキリ草はエルバの畑に植えているので、サタ様とアール君の狩場に着いていけば新しい薬草、植物の探索ができる。
「よし、エルバもクエストを受けたな……受付嬢の話で、スライムとゴブリンの生息地はマサンの街から東にある、チリの森の入り口あたりで戦えるそうだ」
「では、向かいましょう。早く倒してチリの森を探索しましょう」
「「おう!!」」
チリの森まで移動は馬車で三十分はかかるらしいので、姿消しのローブで姿を消して、ホウキに乗り、ひとっ飛びしてチリの森に到着した。
「結構大きな森だね。さてと私は森の近場の原っぱで薬草、植物の探索をしています」
「わかった、一人で森に入るなよ」
サタ様とアール君はモコ鳥と黒猫の姿に戻り、森の入り口で見つけたスライム、ゴブリンをいとも簡単に倒していく。
二人に、一時間後くらいに一旦森の入り口で、お昼にしようと話した。
「一時間後だな。アール、ギルドにスライムの核と、ゴブリンの耳をクエスト分、ギルドに渡せばいいのだな」
「はい、そうです。たまに落ちる魔石は貰っていいと言っていました」
「うむ。しょぼい魔石使い道がないから入らぬ――エルバに渡せばよいな」
「はい」
二人はサクッとクエスト分を終わらせて、『肉になる魔物がいないか、見に行ってくる』『エルバ様、行ってまいります』と、ワクワクしながらチリの森の奥に入って行った。
私はそれを見送ると、クエスト用にエルバの畑から採取して、キリ草を十束縛ったものをマジックバックにしまい。チリ森の側の原っぱで新しい薬草と植物を探しはじめた。
おぉ博士!
この卵形の葉して、黄色い花の下に円柱形をした鞘をつけた、この草は何?
〈これはアンズキいいます。この円柱型の鞘の中には赤茶色の種子が入る、豆科の植物です〉
ん、アンズキ――小豆⁉︎
もし、小豆だったら甘く煮詰めて餡子にすれば……アンパン、ようかん、どら焼き、ぼた餅などが食べれる。
パンケーキも良いけど、和菓子も好きなんだよね。
博士、アンズキは食べれる?
〈食用です〉
効能は?
〈鉄分、貧血予防になり、食物繊維が豊富です〉
博士から、アンズキのタネを貰って畑に植えた。
でもここで一つ問題がある、私は餡子の作り方がわからない……確か手間が掛かって難しいはずだ。魔法都市に戻って、ママに頼んで餡子を作ってもらったほうがいいかな。それと、ネコチューバで小豆水だったかな? 小豆の煮汁を飲むと、ダイエットにいいって言ってたかも。
その後、胃の健康を保つ効果があるヨモモギを見つけた。よもぎは乾燥させて、フライパンで乾煎りすればお茶になる。
ククリン――栗は食物繊維、むくみ解消。コメと炊けば栗ご飯が食べれるし、サツマイモと作る栗きんとん、栗の甘煮、栗蒸しようかん……いい。
幸先のいい発見に一人、原っぱでニンマリしていた。
そこに。
「エルバ、喜べ! いたぞ!!」
「エルバ様、いましたぁ!!」
――ウンモォォォオオ!!
サタ様とアール君の声の後に、けたたましい鳴き声が聞こえ。チリの森から牛に似た、真っ黒なモンスターに二人が乗って現れた。
クエストを受けるため、サタ様もモコ鳥から登録したときの姿に戻り、冒険者ギルドでクエストボートを見ているが。Fランクのモンスターが弱すぎるのか、拍子抜けた表情をしている。
「アール、スライム十匹とゴブリン三体どっちがいい?」
「そうですね、両方受ければいいのでは?」
そうかと両方受けたみたい、私はと言うと……Fランクで受けれる傷薬を作る時に使用する、キリ草十束のクエストにした。
まぁ私は採取しなくてもキリ草はエルバの畑に植えているので、サタ様とアール君の狩場に着いていけば新しい薬草、植物の探索ができる。
「よし、エルバもクエストを受けたな……受付嬢の話で、スライムとゴブリンの生息地はマサンの街から東にある、チリの森の入り口あたりで戦えるそうだ」
「では、向かいましょう。早く倒してチリの森を探索しましょう」
「「おう!!」」
チリの森まで移動は馬車で三十分はかかるらしいので、姿消しのローブで姿を消して、ホウキに乗り、ひとっ飛びしてチリの森に到着した。
「結構大きな森だね。さてと私は森の近場の原っぱで薬草、植物の探索をしています」
「わかった、一人で森に入るなよ」
サタ様とアール君はモコ鳥と黒猫の姿に戻り、森の入り口で見つけたスライム、ゴブリンをいとも簡単に倒していく。
二人に、一時間後くらいに一旦森の入り口で、お昼にしようと話した。
「一時間後だな。アール、ギルドにスライムの核と、ゴブリンの耳をクエスト分、ギルドに渡せばいいのだな」
「はい、そうです。たまに落ちる魔石は貰っていいと言っていました」
「うむ。しょぼい魔石使い道がないから入らぬ――エルバに渡せばよいな」
「はい」
二人はサクッとクエスト分を終わらせて、『肉になる魔物がいないか、見に行ってくる』『エルバ様、行ってまいります』と、ワクワクしながらチリの森の奥に入って行った。
私はそれを見送ると、クエスト用にエルバの畑から採取して、キリ草を十束縛ったものをマジックバックにしまい。チリ森の側の原っぱで新しい薬草と植物を探しはじめた。
おぉ博士!
この卵形の葉して、黄色い花の下に円柱形をした鞘をつけた、この草は何?
〈これはアンズキいいます。この円柱型の鞘の中には赤茶色の種子が入る、豆科の植物です〉
ん、アンズキ――小豆⁉︎
もし、小豆だったら甘く煮詰めて餡子にすれば……アンパン、ようかん、どら焼き、ぼた餅などが食べれる。
パンケーキも良いけど、和菓子も好きなんだよね。
博士、アンズキは食べれる?
〈食用です〉
効能は?
〈鉄分、貧血予防になり、食物繊維が豊富です〉
博士から、アンズキのタネを貰って畑に植えた。
でもここで一つ問題がある、私は餡子の作り方がわからない……確か手間が掛かって難しいはずだ。魔法都市に戻って、ママに頼んで餡子を作ってもらったほうがいいかな。それと、ネコチューバで小豆水だったかな? 小豆の煮汁を飲むと、ダイエットにいいって言ってたかも。
その後、胃の健康を保つ効果があるヨモモギを見つけた。よもぎは乾燥させて、フライパンで乾煎りすればお茶になる。
ククリン――栗は食物繊維、むくみ解消。コメと炊けば栗ご飯が食べれるし、サツマイモと作る栗きんとん、栗の甘煮、栗蒸しようかん……いい。
幸先のいい発見に一人、原っぱでニンマリしていた。
そこに。
「エルバ、喜べ! いたぞ!!」
「エルバ様、いましたぁ!!」
――ウンモォォォオオ!!
サタ様とアール君の声の後に、けたたましい鳴き声が聞こえ。チリの森から牛に似た、真っ黒なモンスターに二人が乗って現れた。
79
あなたにおすすめの小説
のほほん異世界暮らし
みなと劉
ファンタジー
異世界に転生するなんて、夢の中の話だと思っていた。
それが、目を覚ましたら見知らぬ森の中、しかも手元にはなぜかしっかりとした地図と、ちょっとした冒険に必要な道具が揃っていたのだ。
転生能無し少女のゆるっとチートな異世界交流
犬社護
ファンタジー
10歳の祝福の儀で、イリア・ランスロット伯爵令嬢は、神様からギフトを貰えなかった。その日以降、家族から【能無し・役立たず】と罵られる日々が続くも、彼女はめげることなく、3年間懸命に努力し続ける。
しかし、13歳の誕生日を迎えても、取得魔法は1個、スキルに至ってはゼロという始末。
遂に我慢の限界を超えた家族から、王都追放処分を受けてしまう。
彼女は悲しみに暮れるも一念発起し、家族から最後の餞別として貰ったお金を使い、隣国行きの列車に乗るも、今度は山間部での落雷による脱線事故が起きてしまい、その衝撃で車外へ放り出され、列車もろとも崖下へと転落していく。
転落中、彼女は前世日本人-七瀬彩奈で、12歳で水難事故に巻き込まれ死んでしまったことを思い出し、現世13歳までの記憶が走馬灯として駆け巡りながら、絶望の淵に達したところで気絶してしまう。
そんな窮地のところをランクS冒険者ベイツに助けられると、神様からギフト《異世界交流》とスキル《アニマルセラピー》を貰っていることに気づかされ、そこから神鳥ルウリと知り合い、日本の家族とも交流できたことで、人生の転機を迎えることとなる。
人は、娯楽で癒されます。
動物や従魔たちには、何もありません。
私が異世界にいる家族と交流して、動物や従魔たちに癒しを与えましょう!
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
猫好きのぼっちおじさん、招かれた異世界で気ままに【亜空間倉庫】で移動販売を始める
遥風 かずら
ファンタジー
【HOTランキング1位作品(9月2週目)】
猫好きを公言する独身おじさん麦山湯治(49)は商売で使っているキッチンカーを車検に出し、常連カードの更新も兼ねていつもの猫カフェに来ていた。猫カフェの一番人気かつ美人トラ猫のコムギに特に好かれており、湯治が声をかけなくても、自発的に膝に乗ってきては抱っこを要求されるほどの猫好き上級者でもあった。
そんないつものもふもふタイム中、スタッフに信頼されている湯治は他の客がいないこともあって、数分ほど猫たちの見守りを頼まれる。二つ返事で猫たちに温かい眼差しを向ける湯治。そんな時、コムギに手招きをされた湯治は細長い廊下をついて歩く。おかしいと感じながら延々と続く長い廊下を進んだ湯治だったが、コムギが突然湯治の顔をめがけて引き返してくる。怒ることのない湯治がコムギを顔から離して目を開けると、そこは猫カフェではなくのどかな厩舎の中。
まるで招かれるように異世界に降り立った湯治は、好きな猫と一緒に生きることを目指して外に向かうのだった。
元・神獣の世話係 ~神獣さえいればいいと解雇されたけど、心優しいもふもふ神獣は私についてくるようです!~
草乃葉オウル ◆ 書籍発売中
ファンタジー
黒き狼の神獣ガルーと契約を交わし、魔人との戦争を勝利に導いた勇者が天寿をまっとうした。
勇者の養女セフィラは悲しみに暮れつつも、婚約者である王国の王子と幸せに生きていくことを誓う。
だが、王子にとってセフィラは勇者に取り入るための道具でしかなかった。
勇者亡き今、王子はセフィラとの婚約を破棄し、新たな神獣の契約者となって力による国民の支配を目論む。
しかし、ガルーと契約を交わしていたのは最初から勇者ではなくセフィラだったのだ!
真実を知って今さら媚びてくる王子に別れを告げ、セフィラはガルーの背に乗ってお城を飛び出す。
これは少女と世話焼き神獣の癒しとグルメに満ちた気ままな旅の物語!
社畜サラリーマン、異世界でパンと魔法の経営革命
yukataka
ファンタジー
過労死寸前の30代サラリーマン・佐藤健は、気づけば中世ヨーロッパ風の異世界に転生していた。与えられたのは「発酵魔法」という謎のスキルと、前世の経営知識。転生先は辺境の寒村ベルガルド――飢えと貧困にあえぐ、希望のない場所。「この世界にパンがない…だと?」健は決意する。美味しいパンで、人々を笑顔にしよう。ブラック企業で培った根性と、発酵魔法の可能性。そして何より、人を幸せにしたいという純粋な想い。小さなパン屋から始まった"食の革命"は、やがて王国を、大陸を、世界を変えていく――。笑いあり、涙あり、そして温かい人間ドラマ。仲間たちとの絆、恋の芽生え、強大な敵との戦い。パン一つで世界を救う、心温まる異世界経営ファンタジー。
少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる