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第二章
37話
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ソーロと呼ばれた黒キツネはフッと笑い、コチラを見た。だがすぐ視線を逸らして、アマリアさんに話しかける。
――まさか――私達がいる方を伝える?
焦ったが、黒キツネは全く別のことを言い始めた。
「すみませーん、ぼくの勘違いでしたぁ。2人は宿舎に戻っているようでーす」
「ええ⁉︎ それを早く言いなさい! ビル行くわよ」
「いいえ、リア姫だけ向かってくださーい。ぼくは勘違いじゃないか、辺りを調べてから戻りまーす」
そう黒キツネが目を細めて言うと。アマリアさんは「わかった」と、学生たちが取っている宿へと戻っていった。彼女の姿が見えなくなると、黒キツネはフウッと小さくため息を吐き、コチラに視線を向けた。
「懐かしいです、サタナス様、……、パワー様お久しぶりです。……は名前が変わったのですか?」
さっきとは声のトーンが少し下がった、低い声で地面に膝を突き頭を下げた。
「ソーロ、お前……また人を騙しているな」
「ええ、悪趣味です。そして今のボクに名前はアールと言います」
「余もお前にはよく騙され……足を持っていかれた」
「パワー様はそんな昔なことを覚えていらっしゃる。ククク、騙される方が悪いのですよ。ねぇアール」
アール君の名前を呼び近付くが、アール君はブンブン首を振り。
「いやいや、ボクを仲間にしないでください! あなたの口車に乗っては……雑用ごとを押し付けられましたからね」
「アールは簡単に騙されてくれる。サタナス様は無理でしたが……」
「ソーロの瞳を見ればわかる。お前の目には"ウソ"と書いてあるからな。まったく使い魔の振りまでして、あの子に何をさせようとしている?」
そうだ、アール君の前の名前は言えず。ソーロさんの名前はハッキリ呼べている。だとすると――私とサタ様、アール君としている血の契約ではない、使い魔の契約をアマリアさんとしているのだろうか。
サタ様に聞かれた、黒キツネのソーロさんはあっけらかんと。
「あの子とは何の契約もしておりません、ウソです。まあ、かなりの魔力を持っているので近付いたのですが……ぼくが探している――人ではありませんでした」
「なんだ? よく腹を空かしている、おまえの仲間? 家族に何かあったのか?」
丸い玉の中にいる、子タコ姿のパワー様が聞くと。
ソーロさんは細い目を開き、コクリと頷いた。
「はい、約半年前のこと……コーサックの森に住む、ぼくの両親、弟家族が謎の病にふせまして……多くの薬師、魔法使いを探して診せたのですが、原因が分からずじまい。頼りの魔王サタナス様、仲魔が側にいない今。手掛かりがないか、ぼくがよく行く冒険者ギルドで王都の学園に勇者の末裔、新魔王様がいると聞き、会いに来たのですが……2人共に中々隠れるのが上手く、会えず、焦ってしまいまして」
学園で、まだ魔力の高いアマリアさんの使い魔になったフリをして、どうにか会えないかと模索中だとソーロさんは話した。
――まさか――私達がいる方を伝える?
焦ったが、黒キツネは全く別のことを言い始めた。
「すみませーん、ぼくの勘違いでしたぁ。2人は宿舎に戻っているようでーす」
「ええ⁉︎ それを早く言いなさい! ビル行くわよ」
「いいえ、リア姫だけ向かってくださーい。ぼくは勘違いじゃないか、辺りを調べてから戻りまーす」
そう黒キツネが目を細めて言うと。アマリアさんは「わかった」と、学生たちが取っている宿へと戻っていった。彼女の姿が見えなくなると、黒キツネはフウッと小さくため息を吐き、コチラに視線を向けた。
「懐かしいです、サタナス様、……、パワー様お久しぶりです。……は名前が変わったのですか?」
さっきとは声のトーンが少し下がった、低い声で地面に膝を突き頭を下げた。
「ソーロ、お前……また人を騙しているな」
「ええ、悪趣味です。そして今のボクに名前はアールと言います」
「余もお前にはよく騙され……足を持っていかれた」
「パワー様はそんな昔なことを覚えていらっしゃる。ククク、騙される方が悪いのですよ。ねぇアール」
アール君の名前を呼び近付くが、アール君はブンブン首を振り。
「いやいや、ボクを仲間にしないでください! あなたの口車に乗っては……雑用ごとを押し付けられましたからね」
「アールは簡単に騙されてくれる。サタナス様は無理でしたが……」
「ソーロの瞳を見ればわかる。お前の目には"ウソ"と書いてあるからな。まったく使い魔の振りまでして、あの子に何をさせようとしている?」
そうだ、アール君の前の名前は言えず。ソーロさんの名前はハッキリ呼べている。だとすると――私とサタ様、アール君としている血の契約ではない、使い魔の契約をアマリアさんとしているのだろうか。
サタ様に聞かれた、黒キツネのソーロさんはあっけらかんと。
「あの子とは何の契約もしておりません、ウソです。まあ、かなりの魔力を持っているので近付いたのですが……ぼくが探している――人ではありませんでした」
「なんだ? よく腹を空かしている、おまえの仲間? 家族に何かあったのか?」
丸い玉の中にいる、子タコ姿のパワー様が聞くと。
ソーロさんは細い目を開き、コクリと頷いた。
「はい、約半年前のこと……コーサックの森に住む、ぼくの両親、弟家族が謎の病にふせまして……多くの薬師、魔法使いを探して診せたのですが、原因が分からずじまい。頼りの魔王サタナス様、仲魔が側にいない今。手掛かりがないか、ぼくがよく行く冒険者ギルドで王都の学園に勇者の末裔、新魔王様がいると聞き、会いに来たのですが……2人共に中々隠れるのが上手く、会えず、焦ってしまいまして」
学園で、まだ魔力の高いアマリアさんの使い魔になったフリをして、どうにか会えないかと模索中だとソーロさんは話した。
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