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5話 目覚めたら
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ん・・・なんだかとっても温かいわ。
それに宙に浮いてる感じがする・・・。
不思議な感覚で目が覚めた。
ああ、ここは馬車の中ね・・・って、・・・見上げた目の前に、ガトーさんの顔があった。
えっ、ええええっ、私、ガトーさんに、馬車の中でお姫様抱っこされてる!?
驚きすぎて声が出ない私に「良かった。目が覚めましたね。」ってガトーさんが言った。
「あ、あの・・・これはいったいどういう状況で・・・?」
「聖女様が子どもを助けた後、倒れたのです。それで、馬車の中にお運びしました。」
「あっ、あのっ、あの男の子はどうなりましたか?」
「聖女様のお陰で、命が救われました。まだ安静にしていた方が良いと思ったので、シナモが町の神殿に運びました。今はそちらで安静にしているはずです。」
「そうですか・・・。ああ、良かった。あの子が無事で・・・。でも、私、あんなに酷いケガを治したのは初めてなんです。治療が終わった後も心配で・・・って、すみません、私、病院のお仕事、すっ飛ばしてしまいましたよね。私、どれくらい寝てたんですか?」
「一時間ほどです。どうされますか? 王城に戻りますか?」
「いえいえ、そんな・・・。病院で私を待っている患者さんがいるのでしょう? 寝たら神聖力が戻ってきました。だから、今からでも病院に行きます。」
「聖女様なら、きっとそう言うと思いました。だから、王城に帰らずに馬車で待機していたのです。」
「あ、ありがとうございます。」
ガトーさんは、私のこと、よくわかっていらっしゃる。
なんだか嬉しくなった。
「では、行きましょう。」
私の言葉に、ガトーさんは何故か少し困ったような顔をした。
「聖女様、その前に、何か食べてから行きませんか? 神聖力を使い切ったばかりですから、力をつけるためにもその方が良いと思いますが・・・。」
「いえ、患者さんを待たせるわけには・・・」と言いかけたところで・・・
ギュルルルルル・・・
とっても恥ずかしいことに、私のお腹の虫が大きな音を立てて鳴ってしまった。
私は恥ずかしさのあまり、真っ赤になった顔を、両手で覆う。
だけどガトーさんは、まったく聞こえなかったかのように平然としてくれた。
そう言うところも、ガトーさんは優しい。
「聖女様が寝ている間に、お食事を用意していたのです。」
ガトーさんは抱っこしていた片手を離し、隣に置いてあるバスケットの蓋を開けた。
ああ、私はずっとお姫様抱っこされたまま話し続けて、今はガトーさんの膝に座ったまま背中に回した腕に支えられている。
いやいやいや、これっていくら倒れたからって、ずっとこのままでは良くないのでは?
「あの・・・、つい甘えてしまいましたが、この体勢ではガトーさんのお膝が重いですよね。私、降りますわ。」
私がごそごそと動くと、私の背中を支えているガトーさんの腕にぎゅっと力が入り、まるで抱きしめられるみたいになって、私は降りるに降りられなくなった。
「あの・・・ガトーさん?」
私はガトーさんの目を、下から覗くようにして見つめた。
「聖女様、あなたを守るのは私の仕事なのです。神聖力を使い果たしたあなたが、いつまた倒れてしまうのかわかりません。ですからこのままでいてください。」
「は、はい・・・。」
私はガトーさんの膝の上から、降りるに降りられなくなってしまった。
それに宙に浮いてる感じがする・・・。
不思議な感覚で目が覚めた。
ああ、ここは馬車の中ね・・・って、・・・見上げた目の前に、ガトーさんの顔があった。
えっ、ええええっ、私、ガトーさんに、馬車の中でお姫様抱っこされてる!?
驚きすぎて声が出ない私に「良かった。目が覚めましたね。」ってガトーさんが言った。
「あ、あの・・・これはいったいどういう状況で・・・?」
「聖女様が子どもを助けた後、倒れたのです。それで、馬車の中にお運びしました。」
「あっ、あのっ、あの男の子はどうなりましたか?」
「聖女様のお陰で、命が救われました。まだ安静にしていた方が良いと思ったので、シナモが町の神殿に運びました。今はそちらで安静にしているはずです。」
「そうですか・・・。ああ、良かった。あの子が無事で・・・。でも、私、あんなに酷いケガを治したのは初めてなんです。治療が終わった後も心配で・・・って、すみません、私、病院のお仕事、すっ飛ばしてしまいましたよね。私、どれくらい寝てたんですか?」
「一時間ほどです。どうされますか? 王城に戻りますか?」
「いえいえ、そんな・・・。病院で私を待っている患者さんがいるのでしょう? 寝たら神聖力が戻ってきました。だから、今からでも病院に行きます。」
「聖女様なら、きっとそう言うと思いました。だから、王城に帰らずに馬車で待機していたのです。」
「あ、ありがとうございます。」
ガトーさんは、私のこと、よくわかっていらっしゃる。
なんだか嬉しくなった。
「では、行きましょう。」
私の言葉に、ガトーさんは何故か少し困ったような顔をした。
「聖女様、その前に、何か食べてから行きませんか? 神聖力を使い切ったばかりですから、力をつけるためにもその方が良いと思いますが・・・。」
「いえ、患者さんを待たせるわけには・・・」と言いかけたところで・・・
ギュルルルルル・・・
とっても恥ずかしいことに、私のお腹の虫が大きな音を立てて鳴ってしまった。
私は恥ずかしさのあまり、真っ赤になった顔を、両手で覆う。
だけどガトーさんは、まったく聞こえなかったかのように平然としてくれた。
そう言うところも、ガトーさんは優しい。
「聖女様が寝ている間に、お食事を用意していたのです。」
ガトーさんは抱っこしていた片手を離し、隣に置いてあるバスケットの蓋を開けた。
ああ、私はずっとお姫様抱っこされたまま話し続けて、今はガトーさんの膝に座ったまま背中に回した腕に支えられている。
いやいやいや、これっていくら倒れたからって、ずっとこのままでは良くないのでは?
「あの・・・、つい甘えてしまいましたが、この体勢ではガトーさんのお膝が重いですよね。私、降りますわ。」
私がごそごそと動くと、私の背中を支えているガトーさんの腕にぎゅっと力が入り、まるで抱きしめられるみたいになって、私は降りるに降りられなくなった。
「あの・・・ガトーさん?」
私はガトーさんの目を、下から覗くようにして見つめた。
「聖女様、あなたを守るのは私の仕事なのです。神聖力を使い果たしたあなたが、いつまた倒れてしまうのかわかりません。ですからこのままでいてください。」
「は、はい・・・。」
私はガトーさんの膝の上から、降りるに降りられなくなってしまった。
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