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39話 もう大丈夫
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ガトーさんは、すごく怖い顔で父親を睨んでいるのに、父親は酔っているからか、怯む様子はない。
「何だお前は! 俺の子どもなんだから、何をしたっていいだろう?」
父親は、酒臭い息でまくし立てた。
「お前を子どもに対する傷害罪で逮捕する。」
ガトーさんの、太く大きな声が響いた。
「はあ? 逮捕だ? 何でそうなるんだ?」
「私は国王陛下から、たとえ自分の子どもであっても、暴力を振るった者を見つけたら傷害罪で逮捕するようにと命じられている。お前たち、国王陛下からの命令だ。この者を捕縛するのだ。」
父親を取り押さえていた騎士様たちは、ほっとした表情で、いとも簡単に父親を縛り上げた。
騎士様たちは、父親が私に危害を加えないように押さえているだけしかできなかったけれど、ガトーさんがはっきり傷害罪だと確定したから、やっと捕まえることができたのだ。
父親は身体を縛られながらも喚き散らしていたが、騎士様に連れられて、次第に声が遠くなっていった。
「ガトーさん、助けていただいてありがとうございました。それにしても、国王陛下が、そんなことを命じておられたとは知りませんでした。」
「いや・・・。前後が逆になってしまったが・・・、陛下には、その命令を必ず出していただくつもりです。」
あの言葉は、ガトーさんが子どもを守るために、咄嗟に出した言葉だったのね・・・。
あっ、あの子は今、怯えているのではないかしら。
あれだけ大声で怒鳴っていたんだもの、きっとあの子の耳にも聞こえたはず・・・。
私は、控室で待たせていた男の子を見に行った。
男の子はブルブル震えながら泣いていた。
「ううっ・・・ううううっ・・」
必死になって声を押し殺し、小さな小さな嗚咽を漏らして泣いていた。
この子は、ずっとこうして泣いていたのだろう。
大声を上げて泣いたら殴られるから・・・。
私は男の子を抱きしめた。
「もう大丈夫よ。あなたを殴る人はいないわ。だから安心して・・・。」
私は過去に、自分に言ってもらった言葉を、その子に告げた。
そう、恐怖はこの子から、過ぎ去ったのだ。
片づけが済み、私が馬車に乗る際に、ガトーさんがエスコートをしてくれた。
「聖女様、私は、またあなたに、いろんなことを教えてもらったように思います。」
ガトーさんが、すごく真面目な顔で私をじっと見つめた。
「いえ、そんな・・・。今日がこんな風に上手くいったのは、着々と準備を進めてくれたガトーさんや騎士様のお陰です。本当にありがとうございました。」
「子どもたちの笑顔を見れて、私はとても幸せを感じましたよ。」
「私も同じ気持ちです。すべての子どもたちが笑って暮らせる国になれば、きっとこの国の未来は明るくなると思います。」
初日から、たいへんだった子ども食堂だったけれど、何とか無事に終わり、私は男の子を連れて家に帰った。
男の子の名前はクラック、年齢は十歳。
七歳くらいと思っていたけれど、ちゃんと食べれてなかったから、三歳も年下に見えたのね。
まずはしっかり食べてもらって、身体を大きく丈夫にすることから始めよう。
この子が望めば、侯爵家の仕事を任せても良いかもしれない。
子ども食堂、まだまだ前途多難で何が起こるのかわからないけれど、この国の未来に大きな希望が見えたような気がした。
「何だお前は! 俺の子どもなんだから、何をしたっていいだろう?」
父親は、酒臭い息でまくし立てた。
「お前を子どもに対する傷害罪で逮捕する。」
ガトーさんの、太く大きな声が響いた。
「はあ? 逮捕だ? 何でそうなるんだ?」
「私は国王陛下から、たとえ自分の子どもであっても、暴力を振るった者を見つけたら傷害罪で逮捕するようにと命じられている。お前たち、国王陛下からの命令だ。この者を捕縛するのだ。」
父親を取り押さえていた騎士様たちは、ほっとした表情で、いとも簡単に父親を縛り上げた。
騎士様たちは、父親が私に危害を加えないように押さえているだけしかできなかったけれど、ガトーさんがはっきり傷害罪だと確定したから、やっと捕まえることができたのだ。
父親は身体を縛られながらも喚き散らしていたが、騎士様に連れられて、次第に声が遠くなっていった。
「ガトーさん、助けていただいてありがとうございました。それにしても、国王陛下が、そんなことを命じておられたとは知りませんでした。」
「いや・・・。前後が逆になってしまったが・・・、陛下には、その命令を必ず出していただくつもりです。」
あの言葉は、ガトーさんが子どもを守るために、咄嗟に出した言葉だったのね・・・。
あっ、あの子は今、怯えているのではないかしら。
あれだけ大声で怒鳴っていたんだもの、きっとあの子の耳にも聞こえたはず・・・。
私は、控室で待たせていた男の子を見に行った。
男の子はブルブル震えながら泣いていた。
「ううっ・・・ううううっ・・」
必死になって声を押し殺し、小さな小さな嗚咽を漏らして泣いていた。
この子は、ずっとこうして泣いていたのだろう。
大声を上げて泣いたら殴られるから・・・。
私は男の子を抱きしめた。
「もう大丈夫よ。あなたを殴る人はいないわ。だから安心して・・・。」
私は過去に、自分に言ってもらった言葉を、その子に告げた。
そう、恐怖はこの子から、過ぎ去ったのだ。
片づけが済み、私が馬車に乗る際に、ガトーさんがエスコートをしてくれた。
「聖女様、私は、またあなたに、いろんなことを教えてもらったように思います。」
ガトーさんが、すごく真面目な顔で私をじっと見つめた。
「いえ、そんな・・・。今日がこんな風に上手くいったのは、着々と準備を進めてくれたガトーさんや騎士様のお陰です。本当にありがとうございました。」
「子どもたちの笑顔を見れて、私はとても幸せを感じましたよ。」
「私も同じ気持ちです。すべての子どもたちが笑って暮らせる国になれば、きっとこの国の未来は明るくなると思います。」
初日から、たいへんだった子ども食堂だったけれど、何とか無事に終わり、私は男の子を連れて家に帰った。
男の子の名前はクラック、年齢は十歳。
七歳くらいと思っていたけれど、ちゃんと食べれてなかったから、三歳も年下に見えたのね。
まずはしっかり食べてもらって、身体を大きく丈夫にすることから始めよう。
この子が望めば、侯爵家の仕事を任せても良いかもしれない。
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