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50話 助けてください
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私たち三人は側妃宮に向かった。
王宮には国王と王妃が居住し、隣接する側妃宮には渡り廊下で行き来する。
シューク様は、フィナン様と仲の良い関係を築くために、今までに何度も側妃宮に出入りしていたそうだ。
「ただいまシャルロット様はご病気です。たとえ王太子殿下でいらしても、お入りになることはできません。」
シャルロット様の部屋の前で、侍女が仁王立ちで私たちの侵入を止めた。
「ご病気だとは聞いていませんが・・・。本当にご病気なら、私が癒してさしあげます。」
ここは聖女の力を表に出して、強行突破よ。
「で、ですが・・・、誰も入ってはいけないと言われております。」
「あなたは、自分の主人の身体を心配しないのか?」
シューク様も引く気はないようだ。
「いったい誰が、あなたにそのような命令をしたのだ?」
これはクリード様。
「そ、それは・・・」
私たちの言い争いが聞こえたのか、フィナン様がドアを開けて現れた。
「お義兄様、聖女様、お願いです。僕のお母様を助けてください。ずっとお母様の様子がおかしいのです。」
すがるような目で、シューク様と私を見ている。
「子である第二王子が助けを求めているのだ。あなたには我々を止める権限はない。入るぞ!」
シューク様がドアを勢いよく開けた。
私たちが中に入ると・・・
シャルロット様は寝着のまま、ベッドに座っていた。
本当にフィナン様が言うように、シャルロット様の様子がおかしい。
一人でブツブツと呟いていて、目の焦点があっていない。
「シャルロット様?」
私は彼女のそばに近寄って、何を言っているのかを確かめた。
「わたくしは、クリードに竜の呪いを掛けなくてはいけない・・・。わたくしは、クリードに竜の呪いを・・・」
「シャルロット様!」
声を上げて意識をこちらに向かせようとしたけれど、シャルロット様の視線は変わらず、私の声なんて聞こえないみたいに、ブツブツと同じ言葉を繰り返している。
シューク様もクリード様も、心配そうにシャルロット様を見ている。
「あ、あなたはクリード・・・」
シャルロット様が、突如、クリード様に向かって手をかざした。
「クリード様、危ない!」
私はクリード様の前に出て、シャルロット様に向かって手をかざした。
闇魔法と神聖力が、激しくぶつかり合う。
ううっ、圧が強い・・・
私は闇魔法に打ち勝つイメージを頭に描き、闇魔法を押し返す。
私の方が強い、私の方が強い、私の方が強い・・・
「あああああああー」
シャルロット様が、突然頭を抱えて叫んだ。
「シャルロット様、大丈夫ですか?」
私は駆け寄り、声を掛けたけれど・・・
シャルロット様は頭を抱えていた手を下ろし、ぼーっとした目で私を見た。
だけど、目の焦点は合っていない。
「シャルロット、私の声は聞こえるか?」
シューク様も声を掛けたけれど、無視された。
「お母様、どうかもとに戻ってください。」
フィナン様が、泣きながら訴えた。
ピクッと目が動いたけれど、それだけだった。
「シャルロットは正気を失っている・・・、これはいったい・・・」
シューク様は、変わり果てた姿のシャルロット様を目の前にして、どうして良いのかわからないようだった。
でも、私、前世のテレビ特番でこういうのを見たことがある。
有名な催眠術者がゲストに催眠術を掛けたら、こんな風にブツブツ言って本当に命令されたことをしたわ。
あの時は猫のマネだったけれど・・・。
ヤラセじゃないの? と思って見ていたんだけれど、今思えば、あれって本物だったのかもしれないわ。
術者は、最後にゲストの催眠術を解いた。
私はシャルロット様に術者と同じことをすると決め、シャルロット様の目の前に立った。
王宮には国王と王妃が居住し、隣接する側妃宮には渡り廊下で行き来する。
シューク様は、フィナン様と仲の良い関係を築くために、今までに何度も側妃宮に出入りしていたそうだ。
「ただいまシャルロット様はご病気です。たとえ王太子殿下でいらしても、お入りになることはできません。」
シャルロット様の部屋の前で、侍女が仁王立ちで私たちの侵入を止めた。
「ご病気だとは聞いていませんが・・・。本当にご病気なら、私が癒してさしあげます。」
ここは聖女の力を表に出して、強行突破よ。
「で、ですが・・・、誰も入ってはいけないと言われております。」
「あなたは、自分の主人の身体を心配しないのか?」
シューク様も引く気はないようだ。
「いったい誰が、あなたにそのような命令をしたのだ?」
これはクリード様。
「そ、それは・・・」
私たちの言い争いが聞こえたのか、フィナン様がドアを開けて現れた。
「お義兄様、聖女様、お願いです。僕のお母様を助けてください。ずっとお母様の様子がおかしいのです。」
すがるような目で、シューク様と私を見ている。
「子である第二王子が助けを求めているのだ。あなたには我々を止める権限はない。入るぞ!」
シューク様がドアを勢いよく開けた。
私たちが中に入ると・・・
シャルロット様は寝着のまま、ベッドに座っていた。
本当にフィナン様が言うように、シャルロット様の様子がおかしい。
一人でブツブツと呟いていて、目の焦点があっていない。
「シャルロット様?」
私は彼女のそばに近寄って、何を言っているのかを確かめた。
「わたくしは、クリードに竜の呪いを掛けなくてはいけない・・・。わたくしは、クリードに竜の呪いを・・・」
「シャルロット様!」
声を上げて意識をこちらに向かせようとしたけれど、シャルロット様の視線は変わらず、私の声なんて聞こえないみたいに、ブツブツと同じ言葉を繰り返している。
シューク様もクリード様も、心配そうにシャルロット様を見ている。
「あ、あなたはクリード・・・」
シャルロット様が、突如、クリード様に向かって手をかざした。
「クリード様、危ない!」
私はクリード様の前に出て、シャルロット様に向かって手をかざした。
闇魔法と神聖力が、激しくぶつかり合う。
ううっ、圧が強い・・・
私は闇魔法に打ち勝つイメージを頭に描き、闇魔法を押し返す。
私の方が強い、私の方が強い、私の方が強い・・・
「あああああああー」
シャルロット様が、突然頭を抱えて叫んだ。
「シャルロット様、大丈夫ですか?」
私は駆け寄り、声を掛けたけれど・・・
シャルロット様は頭を抱えていた手を下ろし、ぼーっとした目で私を見た。
だけど、目の焦点は合っていない。
「シャルロット、私の声は聞こえるか?」
シューク様も声を掛けたけれど、無視された。
「お母様、どうかもとに戻ってください。」
フィナン様が、泣きながら訴えた。
ピクッと目が動いたけれど、それだけだった。
「シャルロットは正気を失っている・・・、これはいったい・・・」
シューク様は、変わり果てた姿のシャルロット様を目の前にして、どうして良いのかわからないようだった。
でも、私、前世のテレビ特番でこういうのを見たことがある。
有名な催眠術者がゲストに催眠術を掛けたら、こんな風にブツブツ言って本当に命令されたことをしたわ。
あの時は猫のマネだったけれど・・・。
ヤラセじゃないの? と思って見ていたんだけれど、今思えば、あれって本物だったのかもしれないわ。
術者は、最後にゲストの催眠術を解いた。
私はシャルロット様に術者と同じことをすると決め、シャルロット様の目の前に立った。
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