24 / 110
24話 次の依頼
しおりを挟む
メリッサのことを聞かれたローズは、嫌なことを思い出し、少しむっとした表情になった。
「俺が入場する前に、一悶着があったと聞いているが・・・」
殿下はそんなことまで知っているとは・・・
それなら、思ったことを全部話してしまおう!
ローズがそう思って口を開きかけたとき・・・
「最悪ですね。」
ジェフが、はっきりと言い切った。
えっ? そこまで言う?
腹が立ったのは本当だけど、あの美貌にあの身分、仮にも婚約者候補第一位のメリッサですよ・・・。
ローズは、ハラハラしながらジェフを見る。
だが、アーサーはどことなく嬉しそうだ。
「して、その根拠は?」
「取り巻きの三人に、ローズをいじめるように仕向けました。」
「ほう・・・。」
アーサーは少し驚いたような顔をしたが、これには、ローズも驚いた。
取り巻き三人にいちゃもんをつけられたのは事実だが、メリッサが裏で糸を引いているとは思ってもいなかったのだ。
メリッサのような大物が、自分のような小物を相手にするとは思っていなかったからなのだが・・・。
「だが、メリッサが仕向けた証拠はあるのか?」
「私がこの目で見たのです。メリッサは、取り巻きに、あの子に身分のほどをわからせてやりなさい、と言ったのです。」
そのとき、ジェフはローズのために飲み物を取りに行っていたのだが、その間も会場内の情報収集は続けられている。
ジェフの入力した情報の中に、メリッサが取り巻きに話をしている動画が含まれていた。
その画像を拡大し、口の動きを見れば一目瞭然、何を話しているのか百パーセントわかるのだ。
「なんと、そなたは遠くからでも人の話を聞くことができるのか?」
「聞いたのではありません。唇の動きで何を話しているのかわかります。」
「それはすごいな。」
アーサーは、いたく感心したようである。
「ローズ嬢はどうなのだ?」
ローズにも矛先が回ってきたので、ローズはここぞとばかりに思ったことを口にする。
「私は、メリッサ嬢に無視されました。私が挨拶をしようとしたら遮られるし、ジェフだけに笑顔を見せて、隣にいる私のことは眼中になかったようでした。人によってあんなに態度を変えるような人・・・、未来の王妃にふさわしくありませんわ!」
ちょっと言い過ぎたかも・・・と思ったが、自分は姿を見せずに汚れ役だけ他人に押し付けるような人には、これくらいがちょうど良いかも・・・と思い直す。
アーサーはローズの話を聞き、ふふっと笑みを浮かべている。
そして、ぼそりと呟いた。
「未来の王妃にふさわしくない・・・か・・・。」
ローズは声を出さずにうんうんと頷くのだった。
「第三候補のカロリーヌについてはどう思ったのだ?」
その問いにジェフが先に答える。
「おそらく殿下に興味を持っていないように見受けられます。」
「それも表情解析の結果か?」
「そうです。八十パーセントの確立です。」
「私は、彼女と話をしてみて、殿下に興味がないと言うよりも、結婚そのものに興味がないように思いました。舞踏会にも、父に言われて渋々来たのだと言ってましたから・・・。」
「そうか。二人とも貴重な意見をありがとう。」
ええっ? 殿下がありがとうって言った。
やっぱりこの人、いい人なのかも・・・
初対面が最悪だったローズにとって、アーサーのことを思い直す一言であった。
「実はもう一つ、頼みたいことがあるのだが、それも聞いてもらえるだろうか。」
アーサーの立場なら、こちらの都合を聞かなくても、命令をすれば済むことなのだが、わざわざ都合を聞いて来ることを考えると、今の方がアーサーの本来の姿なのかもしれない・・・。
ローズのアーサーに対する好感度はさらに上がる。
「私はローズさえ良ければ・・・」とジェフが答え、ローズも「もちろんですわ。」と答えた。
アーサーが依頼事項を簡単に説明し終わると、今回の面談は終了となった。
「最後に、こちらからもお願いがあるのですが、よろしいでしょうか?」
帰り際にジェフがアーサーに問う。
「何かな?」
「よろしければ、王城の庭の散策をお許しいただきたいのです。」
「ああ、許可しよう。警備兵にも伝えておくから、ゆっくり散策してから帰りたまえ。」
馬車から見るだけだった王城の庭園は、間近で見ると、花の一つ一つが生き生きとしていて、呼吸をすると甘い花の香りに満たされる。
ローズは、夢見ていたジェフと一緒に庭園の小道を歩くことが実現できて、自分はとっても幸せだと思った。
こんなに美しい庭園の小道を、愛する人と指を絡めて恋人繋ぎで歩いているなんて、まるで小説の中の一ページのようだとも思う。
「ねえ、ジェフ。庭を歩くことをお願いしてくれてありがとう。とっても嬉しかったの。」
「ローズが喜んでくれることが、俺にとっての最大の喜びだからね。」
ジェフは、いつも私の気持ちを最優先してくれる・・・。
ふふっ・・・
ローズはふと思い出し笑いをした。
「ローズ、どうして笑ってるの?」
「さっき、ジェフがメリッサのことを最悪だって言ってたでしょ。ちょっとそれを思い出しちゃって・・・。」
「ローズに危害を加える者は、誰だって最悪だよ。」
「私・・・挨拶を遮られたとき、腹が立って・・・、メリッサのこと、怒ってたのよ。ジェフも同じ気持ちだったんだなって思うと嬉しくてつい・・・」
―腹が立つ?・・・怒る?・・・ローズは同調を求めている―
「ああ、俺もあのとき、メリッサに腹が立って怒ってたんだ。」
「ジェフ、私のために怒ってくれて・・・ありがとう。」
ローズは、ジェフににっこりと微笑んだ。
翌日、アーサーに依頼された用事を実行するために、ジェフとローズは馬車で王城に向かった。
しかし、行先は、いつもの王宮ではなく、物資倉庫である。
倉庫の前で馬車を降りると、既に三人の使用人が小麦粉などの物資を荷馬車に積み込んでいる最中だった。
黒髪の使用人が顔を上げ、二人を見て言った。
「約束した時間にぴったりだな。」
ローズは、その使用人の顔を見て驚いた。
「で、で、殿下?!」
アーサーは慌てて唇にひとさし指を立てる。
「しっ、今、俺は使用人に扮しているんだから、殿下と呼ばないで・・・」
銀髪を黒いカツラで隠しているが、顔は紛れもなくアーサーである。
「わかりました。では、何とお呼びすればよろしいのですか?」
「アールと呼んでくれ。俺は使用人だから敬称はなしだ。」
「わかりました。アール・・・ですね。」
納得はしたものの、王族を呼び捨てにするなんて、なんだかとても悪いことをしているような気になって、どうもローズは落ち着かない。
「アール、私は何をすればよろしいですか?」
ジェフは全く動じることはなく、あっさりとアール呼びを完成している。
さすがだわ!ジェフ・・・
ローズは、ジェフに感心するのだった。
ジェフの問いに、アーサーは倉庫の奥を指さした。
「奥の部屋に使用人の服を置いているから、それに着替えてくれ。それから、荷物を積むのを手伝ってくれれば良い。」
昨日、アーサーに、物資を届けたい場所があるから、ジェフは力仕事を、ローズは見学希望の令嬢として来てほしいと依頼されたのだが、どこへ行くのかは聞かされていない。
とりあえず、ジェフは動きやすい服装で来たのだが、まさか使用人の服装に着替えるとは思っていなかったから驚きである。
馬車に乗り込むと、やっとアーサーは今から行く場所は、孤児院だと教えてくれた。
その孤児院は、アーサーの祖母である王太后が、私費を投じて始めた福祉事業である。
王太后の趣旨に賛同する貴族からの寄付金も、その運営費に充てられているのだが、三年前に、長年運営を任せてきた伯爵が不正をしていたことが発覚。
子どもたちの食費や医療費を減らして、その分私腹を肥やしていたのだ。
信頼していた伯爵に裏切られていたことを知った王太后は、ショックでしばらく体調を崩して寝込んでしまった。
新しく運営を任せる者には、誠実だと評判の男爵を選んだのだが、万が一にもまた不正が行われる可能性は否定できない。
そこで、王太后を安心させるために、アーサーが名乗りを上げたのだった。
「俺は尊敬する祖母を、これ以上悲しませたくなくてね。王族として視察をしても、おそらく表面を取り繕って不正は隠されてしまう。だから、物資を運ぶ際に、こうやって平民の使用人に変装して、視察をしているってわけさ。」
一緒に物資を積んでいた二人はアーサーの護衛騎士で、今、馬車と荷馬車の御者を務めていることも付け加える。
「それから、ジェフとローズ嬢の役割は、ジェフは使用人の一人で俺たちと一緒に行動を、ローズ嬢は孤児院に興味があり、寄付を考えている貴族令嬢だと思って行動して欲しい。」
「わかりました。・・・ア、ア、アール・・・」
アールと呼ぶことに、まだ慣れないローズであった。
話を聞いているうちに、馬車は孤児院に着いた。
洒落たデザインの鉄格子で作られた門扉越しに見る孤児院は、王族が直接関わっていると言うだけあって、建物は立派で清潔感があり、園庭も雑草が刈り取られ、花壇には花が植えられ、十分な手入れが施されている。
園庭には、子どもたちと一緒に遊びながら、見守り、世話をしている女性がいる。
ローズは、その女性の一人に見覚えがあった。
「俺が入場する前に、一悶着があったと聞いているが・・・」
殿下はそんなことまで知っているとは・・・
それなら、思ったことを全部話してしまおう!
ローズがそう思って口を開きかけたとき・・・
「最悪ですね。」
ジェフが、はっきりと言い切った。
えっ? そこまで言う?
腹が立ったのは本当だけど、あの美貌にあの身分、仮にも婚約者候補第一位のメリッサですよ・・・。
ローズは、ハラハラしながらジェフを見る。
だが、アーサーはどことなく嬉しそうだ。
「して、その根拠は?」
「取り巻きの三人に、ローズをいじめるように仕向けました。」
「ほう・・・。」
アーサーは少し驚いたような顔をしたが、これには、ローズも驚いた。
取り巻き三人にいちゃもんをつけられたのは事実だが、メリッサが裏で糸を引いているとは思ってもいなかったのだ。
メリッサのような大物が、自分のような小物を相手にするとは思っていなかったからなのだが・・・。
「だが、メリッサが仕向けた証拠はあるのか?」
「私がこの目で見たのです。メリッサは、取り巻きに、あの子に身分のほどをわからせてやりなさい、と言ったのです。」
そのとき、ジェフはローズのために飲み物を取りに行っていたのだが、その間も会場内の情報収集は続けられている。
ジェフの入力した情報の中に、メリッサが取り巻きに話をしている動画が含まれていた。
その画像を拡大し、口の動きを見れば一目瞭然、何を話しているのか百パーセントわかるのだ。
「なんと、そなたは遠くからでも人の話を聞くことができるのか?」
「聞いたのではありません。唇の動きで何を話しているのかわかります。」
「それはすごいな。」
アーサーは、いたく感心したようである。
「ローズ嬢はどうなのだ?」
ローズにも矛先が回ってきたので、ローズはここぞとばかりに思ったことを口にする。
「私は、メリッサ嬢に無視されました。私が挨拶をしようとしたら遮られるし、ジェフだけに笑顔を見せて、隣にいる私のことは眼中になかったようでした。人によってあんなに態度を変えるような人・・・、未来の王妃にふさわしくありませんわ!」
ちょっと言い過ぎたかも・・・と思ったが、自分は姿を見せずに汚れ役だけ他人に押し付けるような人には、これくらいがちょうど良いかも・・・と思い直す。
アーサーはローズの話を聞き、ふふっと笑みを浮かべている。
そして、ぼそりと呟いた。
「未来の王妃にふさわしくない・・・か・・・。」
ローズは声を出さずにうんうんと頷くのだった。
「第三候補のカロリーヌについてはどう思ったのだ?」
その問いにジェフが先に答える。
「おそらく殿下に興味を持っていないように見受けられます。」
「それも表情解析の結果か?」
「そうです。八十パーセントの確立です。」
「私は、彼女と話をしてみて、殿下に興味がないと言うよりも、結婚そのものに興味がないように思いました。舞踏会にも、父に言われて渋々来たのだと言ってましたから・・・。」
「そうか。二人とも貴重な意見をありがとう。」
ええっ? 殿下がありがとうって言った。
やっぱりこの人、いい人なのかも・・・
初対面が最悪だったローズにとって、アーサーのことを思い直す一言であった。
「実はもう一つ、頼みたいことがあるのだが、それも聞いてもらえるだろうか。」
アーサーの立場なら、こちらの都合を聞かなくても、命令をすれば済むことなのだが、わざわざ都合を聞いて来ることを考えると、今の方がアーサーの本来の姿なのかもしれない・・・。
ローズのアーサーに対する好感度はさらに上がる。
「私はローズさえ良ければ・・・」とジェフが答え、ローズも「もちろんですわ。」と答えた。
アーサーが依頼事項を簡単に説明し終わると、今回の面談は終了となった。
「最後に、こちらからもお願いがあるのですが、よろしいでしょうか?」
帰り際にジェフがアーサーに問う。
「何かな?」
「よろしければ、王城の庭の散策をお許しいただきたいのです。」
「ああ、許可しよう。警備兵にも伝えておくから、ゆっくり散策してから帰りたまえ。」
馬車から見るだけだった王城の庭園は、間近で見ると、花の一つ一つが生き生きとしていて、呼吸をすると甘い花の香りに満たされる。
ローズは、夢見ていたジェフと一緒に庭園の小道を歩くことが実現できて、自分はとっても幸せだと思った。
こんなに美しい庭園の小道を、愛する人と指を絡めて恋人繋ぎで歩いているなんて、まるで小説の中の一ページのようだとも思う。
「ねえ、ジェフ。庭を歩くことをお願いしてくれてありがとう。とっても嬉しかったの。」
「ローズが喜んでくれることが、俺にとっての最大の喜びだからね。」
ジェフは、いつも私の気持ちを最優先してくれる・・・。
ふふっ・・・
ローズはふと思い出し笑いをした。
「ローズ、どうして笑ってるの?」
「さっき、ジェフがメリッサのことを最悪だって言ってたでしょ。ちょっとそれを思い出しちゃって・・・。」
「ローズに危害を加える者は、誰だって最悪だよ。」
「私・・・挨拶を遮られたとき、腹が立って・・・、メリッサのこと、怒ってたのよ。ジェフも同じ気持ちだったんだなって思うと嬉しくてつい・・・」
―腹が立つ?・・・怒る?・・・ローズは同調を求めている―
「ああ、俺もあのとき、メリッサに腹が立って怒ってたんだ。」
「ジェフ、私のために怒ってくれて・・・ありがとう。」
ローズは、ジェフににっこりと微笑んだ。
翌日、アーサーに依頼された用事を実行するために、ジェフとローズは馬車で王城に向かった。
しかし、行先は、いつもの王宮ではなく、物資倉庫である。
倉庫の前で馬車を降りると、既に三人の使用人が小麦粉などの物資を荷馬車に積み込んでいる最中だった。
黒髪の使用人が顔を上げ、二人を見て言った。
「約束した時間にぴったりだな。」
ローズは、その使用人の顔を見て驚いた。
「で、で、殿下?!」
アーサーは慌てて唇にひとさし指を立てる。
「しっ、今、俺は使用人に扮しているんだから、殿下と呼ばないで・・・」
銀髪を黒いカツラで隠しているが、顔は紛れもなくアーサーである。
「わかりました。では、何とお呼びすればよろしいのですか?」
「アールと呼んでくれ。俺は使用人だから敬称はなしだ。」
「わかりました。アール・・・ですね。」
納得はしたものの、王族を呼び捨てにするなんて、なんだかとても悪いことをしているような気になって、どうもローズは落ち着かない。
「アール、私は何をすればよろしいですか?」
ジェフは全く動じることはなく、あっさりとアール呼びを完成している。
さすがだわ!ジェフ・・・
ローズは、ジェフに感心するのだった。
ジェフの問いに、アーサーは倉庫の奥を指さした。
「奥の部屋に使用人の服を置いているから、それに着替えてくれ。それから、荷物を積むのを手伝ってくれれば良い。」
昨日、アーサーに、物資を届けたい場所があるから、ジェフは力仕事を、ローズは見学希望の令嬢として来てほしいと依頼されたのだが、どこへ行くのかは聞かされていない。
とりあえず、ジェフは動きやすい服装で来たのだが、まさか使用人の服装に着替えるとは思っていなかったから驚きである。
馬車に乗り込むと、やっとアーサーは今から行く場所は、孤児院だと教えてくれた。
その孤児院は、アーサーの祖母である王太后が、私費を投じて始めた福祉事業である。
王太后の趣旨に賛同する貴族からの寄付金も、その運営費に充てられているのだが、三年前に、長年運営を任せてきた伯爵が不正をしていたことが発覚。
子どもたちの食費や医療費を減らして、その分私腹を肥やしていたのだ。
信頼していた伯爵に裏切られていたことを知った王太后は、ショックでしばらく体調を崩して寝込んでしまった。
新しく運営を任せる者には、誠実だと評判の男爵を選んだのだが、万が一にもまた不正が行われる可能性は否定できない。
そこで、王太后を安心させるために、アーサーが名乗りを上げたのだった。
「俺は尊敬する祖母を、これ以上悲しませたくなくてね。王族として視察をしても、おそらく表面を取り繕って不正は隠されてしまう。だから、物資を運ぶ際に、こうやって平民の使用人に変装して、視察をしているってわけさ。」
一緒に物資を積んでいた二人はアーサーの護衛騎士で、今、馬車と荷馬車の御者を務めていることも付け加える。
「それから、ジェフとローズ嬢の役割は、ジェフは使用人の一人で俺たちと一緒に行動を、ローズ嬢は孤児院に興味があり、寄付を考えている貴族令嬢だと思って行動して欲しい。」
「わかりました。・・・ア、ア、アール・・・」
アールと呼ぶことに、まだ慣れないローズであった。
話を聞いているうちに、馬車は孤児院に着いた。
洒落たデザインの鉄格子で作られた門扉越しに見る孤児院は、王族が直接関わっていると言うだけあって、建物は立派で清潔感があり、園庭も雑草が刈り取られ、花壇には花が植えられ、十分な手入れが施されている。
園庭には、子どもたちと一緒に遊びながら、見守り、世話をしている女性がいる。
ローズは、その女性の一人に見覚えがあった。
20
あなたにおすすめの小説
ヒロインしか愛さないはずの公爵様が、なぜか悪女の私を手放さない
魚谷
恋愛
伯爵令嬢イザベラは多くの男性と浮名を流す悪女。
そんな彼女に公爵家当主のジークベルトとの縁談が持ち上がった。
ジークベルトと対面した瞬間、前世の記憶がよみがえり、この世界が乙女ゲームであることを自覚する。
イザベラは、主要攻略キャラのジークベルトの裏の顔を知ってしまったがために、冒頭で殺されてしまうモブキャラ。
ゲーム知識を頼りに、どうにか冒頭死を回避したイザベラは最弱魔法と言われる付与魔法と前世の知識を頼りに便利グッズを発明し、離婚にそなえて資金を確保する。
いよいよジークベルトが、乙女ゲームのヒロインと出会う。
離婚を切り出されることを待っていたイザベラだったが、ジークベルトは平然としていて。
「どうして俺がお前以外の女を愛さなければならないんだ?」
予想外の溺愛が始まってしまう!
(世界の平和のためにも)ヒロインに惚れてください、公爵様!!
【完結】姉は聖女? ええ、でも私は白魔導士なので支援するぐらいしか取り柄がありません。
猫屋敷 むぎ
ファンタジー
誰もが憧れる勇者と最強の騎士が恋したのは聖女。それは私ではなく、姉でした。
復活した魔王に侯爵領を奪われ没落した私たち姉妹。そして、誰からも愛される姉アリシアは神の祝福を受け聖女となり、私セレナは支援魔法しか取り柄のない白魔導士のまま。
やがてヴァルミエール国王の王命により結成された勇者パーティは、
勇者、騎士、聖女、エルフの弓使い――そして“おまけ”の私。
過去の恋、未来の恋、政略婚に揺れ動く姉を見つめながら、ようやく私の役割を自覚し始めた頃――。
魔王城へと北上する魔王討伐軍と共に歩む勇者パーティは、
四人の魔将との邂逅、秘められた真実、そしてそれぞれの試練を迎え――。
輝く三人の恋と友情を“すぐ隣で見つめるだけ”の「聖女の妹」でしかなかった私。
けれど魔王討伐の旅路の中で、“仲間を支えるとは何か”に気付き、
やがて――“本当の自分”を見つけていく――。
そんな、ちょっぴり切ない恋と友情と姉妹愛、そして私の成長の物語です。
※本作の章構成:
第一章:アカデミー&聖女覚醒編
第二章:勇者パーティ結成&魔王討伐軍北上編
第三章:帰郷&魔将・魔王決戦編
※「小説家になろう」にも掲載(異世界転生・恋愛12位)
※ アルファポリス完結ファンタジー8位。応援ありがとうございます。
冷酷総長は、彼女を手中に収めて溺愛の檻から逃さない
彩空百々花
恋愛
誰もが恐れ、羨み、その瞳に映ることだけを渇望するほどに高貴で気高い、今世紀最強の見目麗しき完璧な神様。
酔いしれるほどに麗しく美しい女たちの愛に溺れ続けていた神様は、ある日突然。
「今日からこの女がおれの最愛のひと、ね」
そんなことを、言い出した。
【完結】何もできない妻が愛する隻眼騎士のためにできること
大森 樹
恋愛
辺境伯の娘であるナディアは、幼い頃ドラゴンに襲われているところを騎士エドムンドに助けられた。
それから十年が経過し、成長したナディアは国王陛下からあるお願いをされる。その願いとは『エドムンドとの結婚』だった。
幼い頃から憧れていたエドムンドとの結婚は、ナディアにとって願ってもいないことだったが、その結婚は妻というよりは『世話係』のようなものだった。
誰よりも強い騎士団長だったエドムンドは、ある事件で左目を失ってから騎士をやめ、酒を浴びるほど飲み、自堕落な生活を送っているため今はもう英雄とは思えない姿になっていた。
貴族令嬢らしいことは何もできない仮の妻が、愛する隻眼騎士のためにできることはあるのか?
前向き一途な辺境伯令嬢×俺様で不器用な最強騎士の物語です。
※いつもお読みいただきありがとうございます。中途半端なところで長期間投稿止まってしまい申し訳ありません。2025年10月6日〜投稿再開しております。
まだ20歳の未亡人なので、この後は好きに生きてもいいですか?
せいめ
恋愛
政略結婚で愛することもなかった旦那様が魔物討伐中の事故で亡くなったのが1年前。
喪が明け、子供がいない私はこの家を出て行くことに決めました。
そんな時でした。高額報酬の良い仕事があると声を掛けて頂いたのです。
その仕事内容とは高貴な身分の方の閨指導のようでした。非常に悩みましたが、家を出るのにお金が必要な私は、その仕事を受けることに決めたのです。
閨指導って、そんなに何度も会う必要ないですよね?しかも、指導が必要には見えませんでしたが…。
でも、高額な報酬なので文句は言いませんわ。
家を出る資金を得た私は、今度こそ自由に好きなことをして生きていきたいと考えて旅立つことに決めました。
その後、新しい生活を楽しんでいる私の所に現れたのは……。
まずは亡くなったはずの旦那様との話から。
ご都合主義です。
設定は緩いです。
誤字脱字申し訳ありません。
主人公の名前を途中から間違えていました。
アメリアです。すみません。
出ていってください!~結婚相手に裏切られた令嬢はなぜか騎士様に溺愛される~
白井
恋愛
イヴェット・オーダム男爵令嬢の幸せな結婚生活が始まる……はずだった。
父の死後、急に態度が変わった結婚相手にイヴェットは振り回されていた。
財産を食いつぶす義母、継いだ仕事を放棄して不貞を続ける夫。
それでも家族の形を維持しようと努力するイヴェットは、ついに殺されかける。
「もう我慢の限界。あなたたちにはこの家から出ていってもらいます」
覚悟を決めたら、なぜか騎士団長様が執着してきたけれど困ります!
〘完〙なぜかモブの私がイケメン王子に強引に迫られてます 〜転生したら推しのヒロインが不在でした〜
hanakuro
恋愛
転生してみたら、そこは大好きな漫画の世界だった・・・
OLの梨奈は、事故により突然その生涯閉じる。
しかし次に気付くと、彼女は伯爵令嬢に転生していた。しかも、大好きだった漫画の中のたったのワンシーンに出てくる名もないモブ。
モブならお気楽に推しのヒロインを観察して過ごせると思っていたら、まさかのヒロインがいない!?
そして、推し不在に落胆する彼女に王子からまさかの強引なアプローチが・・
王子!その愛情はヒロインに向けてっ!
私、モブですから!
果たしてヒロインは、どこに行ったのか!?
そしてリーナは、王子の強引なアプローチから逃れることはできるのか!?
イケメン王子に翻弄される伯爵令嬢の恋模様が始まる。
悪役令嬢に転生したので地味令嬢に変装したら、婚約者が離れてくれないのですが。
槙村まき
恋愛
スマホ向け乙女ゲーム『時戻りの少女~ささやかな日々をあなたと共に~』の悪役令嬢、リシェリア・オゼリエに転生した主人公は、処刑される未来を変えるために地味に地味で地味な令嬢に変装して生きていくことを決意した。
それなのに学園に入学しても婚約者である王太子ルーカスは付きまとってくるし、ゲームのヒロインからはなぜか「私の代わりにヒロインになって!」とお願いされるし……。
挙句の果てには、ある日隠れていた図書室で、ルーカスに唇を奪われてしまう。
そんな感じで悪役令嬢がヤンデレ気味な王子から逃げようとしながらも、ヒロインと共に攻略対象者たちを助ける? 話になるはず……!
第二章以降は、11時と23時に更新予定です。
他サイトにも掲載しています。
よろしくお願いします。
25.4.25 HOTランキング(女性向け)四位、ありがとうございます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる