愛しの侯爵様は、究極の尽くし型ロボットでした。

矢間カオル

文字の大きさ
25 / 110

25話 ローズのドレス

しおりを挟む
その見覚えのある女性がローズたちに気が付くと、颯爽と近づき、重い門扉を慣れた手つきで開けてくれた。

とても姿勢が良く、立ち姿も美しいピンクブロンドの髪色の女性は、笑顔を皆に向ける。

「アール、今日もご苦労様です。こちらのご令嬢は?」

「知り合いのご令嬢で、孤児院を視察したいと言うので、連れてきました。それから、こちらはジェフで、新しく入った使用人です。」

アーサーの弁には、王太子であることが微塵も感じられない。

この女性はアーサーのことを、本気で平民の使用人だと思っているようだ。

「あの、私はクレマリー伯爵家の長女、ローズ・クレマリーと申します。どうぞよろしくお願いいたします。」

「まあ、伯爵家のご令嬢だったのですね。ローズ様、挨拶が遅れてしまって申し訳ございません。私は、メイブリック男爵家の長女、スザンヌ・メイブリックと申します。」

ああ、やっぱりそうだ。

一度だけ、スザンヌに会ったことがある・・・

「皆さん、これから荷物を運ぶんですね。では、ローズ様は、園庭から子どもたちの様子をご覧いただきましょうか。あちらに椅子とテーブルがありますので、ご案内いたします。」

スザンヌは、慣れた調子でテキパキと話を進める。

アーサーたちは子どもたちの邪魔をしないように馬車を進め、ローズとスザンヌは、彼らと別れて園庭の木陰に作られた木製のテーブルセットの椅子に腰かけた。

ローズは、面と向かいあったスザンヌの顔を、懐かしい思いで眺めた。

初めてスザンヌと会ったのは、十六歳のデビュタント。

淡いピンクがかったブロンドの髪に、キラキラ輝く湖のような水色の瞳、整った目鼻立ちにピンク色の可愛らしい唇、そのとき着ていたドレスがふわりとした淡いピンク色のドレスだったから、まるで花の妖精が現れたのかと思った。

羽が生えていないかと、わざわざ背中を確かめたことを今でも覚えている。

その時は緊張して、他の令嬢の名前を憶えていなかったが、妖精のインパクトが強くて、スザンヌの名前は憶えていた。

だけど、会ったのはそれっきり。

舞踏会でもお茶会でも、彼女に会ったことがない。

一昨日の舞踏会にも彼女はいなかった・・・。

「ローズ様? どうされましたか?」

ぼーっと考え事をしているローズに、スザンヌが声をかける。

「あっ、すみません。少し考え事をしていました。ところで、私たち同い年ですし、私のことをローズと呼んでください。」

「えっ?よろしいのですか? では、私のこともスザンヌとお呼びください。」

「それから、堅苦しいので敬語でなくて結構ですわ。」

「ふふっ、それではそうさせていただきます。」

スザンヌは、まるで花が綻んだような笑顔を見せた。

・・・わあ・・・スザンヌの笑顔は、今も変わらず妖精みたい・・・

「あの・・・実は、今何を考えていたのかと言いますと・・・、デビュタントのときにスザンヌに会ったことを思い出していたんです。でも、あれから一度も会っていないなぁって・・・」

「ええ、私はお茶会にも舞踏会にも参加していませんからね。ここは王室の福祉事業ということもあって、王室主催の舞踏会の招待状は届けられるのですけど、まだ一度も参加したことがないのです。」

「それは、何故? あっ、不躾なことを聞いてしまってごめんなさい。」

うっかり踏み込んだ質問をしてしまったと思ったローズは謝罪したのだが、スザンヌはまったく気にしていないようで、淡々と理由を語り出した。

「いえ、お気になさらないで。父は領地をいただいていますが、とても小さな領地で、収穫物は領民が暮らすだけで精一杯の状態なのです。それなのに、社交に力を入れますと・・・、つまり、ドレスにかける費用がもったいないからですわ。そのお金があれば、もっと子どもたちのために使いたいですもの・・・。」

スザンヌは、ローズの問いに恥ずかしがることもなく、堂々と領地の経営状態まで話した。

「あの・・・、つまりそれって、私費を子どもたちのために使ってるってことですよね。予算が足りないのですか?」

王族が関わる事業なのに、お金が足りないとは・・・

「いえ、予算は十分にいただいています。でも、もっとそれ以上に子どもたちに何かしてあげたいじゃないですか。」

ああ、ここに天使がいる・・・

スザンヌは妖精じゃなくて、天使だった・・・。

「あっ、でも、このこと、アールには言わないでくださいね。実は、以前にも同じことを聞かれたので、答えてしまったんですけど・・・、どうも、私が言ったことが王宮内に伝わったようで、予算が増えたんです。」

予算が増えても、ドレスを買うお金を子どもたちのために使いたいとは・・・

どうりで、園庭で遊ぶ子どもたちが元気いっぱいで健康的で、服装も清潔なわけだ。

ローズは一人納得していた。

「先ほどローズは、デビュタントで私たちが会ったと話していましたが、私はすっかり忘れていました。覚えていなくてごめんなさい。」

「いえ、謝ってもらうようなことでは・・・」

なにせ、スザンヌが妖精みたいに美しかったから、ローズが勝手に覚えていただけなのだ。

「スザンヌが、とても美しかったから覚えていたのですわ。私が覚えていたのは、メリッサ嬢とスザンヌくらいです。」

「メリッサ嬢? あの方、とても美しいお顔ですものね。私も一目で覚えましたわ。でも、あの方・・・美しいのは顔だけですわ。」

ええっ? 

スザンヌは、天使だけど・・・、辛辣な天使だった・・・。

だが、ローズはスザンヌと良い友人になれるような気がした。

「スザンヌ様、お茶をお持ちしました。」

髪を二つ括りの三つ編みにした少女が、二人分のお茶とお菓子をテーブルに置いた。

「ありがとう。この子はマーガレット、ここで育った女の子なんだけど、とても子どもたちに慕われていて面倒見も良い子なの。だから今年から職員として働いてもらっています。」

孤児院の子どもたちが、ここで暮らせるのは十三歳までで、十四歳の誕生日からは孤児院を出て別の場所で働かなければならない。

貴族の屋敷に住み込みの使用人として雇われたり、店で雇われることが多い。

今年からここで働いているということは、マーガレットは十四歳なのだろう。

「ウエーン、マーガレットー、ジムが僕をいじめてくるよー」

さっきまで泥遊びをしていた四歳くらいの男の子が、泣きながらバタバタと走ってマーガレットに突進してきた。

顔は涙と鼻水と泥でぐしょぐしょだ。

「あっ!」

男の子はローズのすぐそばで小石に躓き、座っていたローズのドレスのスカートにぶつかって、そのまま地面に転んでしまった。

男の子は膝を強く打ち、ますます大声で泣きだした。

ぶつかられたローズのスカートは、男の子の涙と鼻水と泥がべったりとへばりつき、おまけに泥の手形までついて、ひどい汚れようだ。

「まあ、どうしましょう。ローズ、ごめんなさい。」

スザンヌは謝ったが、ローズは気にすることもなく、椅子から降りて、泣いている男の子を抱き起こした。

「いいのいいの、気にしないで。坊や、大丈夫?」

男の子を見ると、膝を打ったときにすりむいたようで、土で汚れた膝から血が出ている。

「まあ、血が出ているわ。早く洗って手当をしてもらいましょうね。マーガレット、この子の手当をお願いね。」

「は、はい。ありがとうございます。」

マーガレットは急いで男の子を、この場から連れて行った。



この出来事の一部始終を、少し離れた場所からアーサーとジェフ、そして護衛の騎士たちが見ていた。

荷物を運び終わり、ローズたちがいる木陰まで行こうとしているところだった。

「ジェフ、お前の婚約者は、優しいのだな。」

「はい。ローズは、弱っている者に優しく、可愛いものが好きなのです。」

「弱っている者・・・、そういえば、ジェフは、体が弱くて寝たきりだったのだな・・・。ジェフが彼女にぞっこんなのは、そういうところからか・・・。」

アーサーは、ジェフがどうしてこんなにローズのことを愛しているのだろうと疑問に思っていたのだが、その理由がわかったような気がした。



「まあ、もう、お仕事終わったんですね。」

スザンヌがアーサーに声をかけた。

「はい。たった今、荷物を運び終わりました。」

「じゃあ、一緒にお茶をしましょう。マーガレットに手当が終わったらお茶とお菓子を持ってくるように言ってくるわね。」

「ああ、それは私がします。」

護衛の一人がそう言うと、「あ、私も一緒に行きます。」と、もう一人の護衛も一緒に建物に向かって歩き出した。

ジェフがローズのスカートの汚れに視線を向ける。

「ローズ様、私は簡単な染み抜きの方法を知っています。汚れは早く落とした方が良いので今すぐ、落としませんか?」

「えっ、そうよね。では、スザンヌ、ちょっと汚れを落してきます。」

ローズはジェフと一緒に施設内に入り、中にいた職員に訳を話して空き部屋に案内してもらった。

ジェフは職員からタオルを数枚受け取ると、椅子に座ったローズのスカートを少しめくり上げて、ポンポンと濡れタオルで汚れた部分をを叩きながら、慣れた手つきでシミを落していく。

めくられたスカートから覗く足が、なんだか恥ずかしいのだが、跪き真剣な顔で染み抜きをするジェフを見ていると、恥ずかしいなんて思ってはいけないような気がする。

それに、恋人にまるで使用人のようなことをさせてしまって、申し訳ない気持ちになるのだが、自分のためにここまでしてくれるジェフを、とても愛おしいと思う。

「ジェフ・・・、私のためにありがとう。」

「ローズが喜んでくれることが、俺の喜びだよ。」

ジェフはにっこりと微笑んだ。



染み抜きが終わり、ローズとジェフが園庭に出ると、アーサーが満面の笑みでスザンヌと話をしているのが見えた。

アーサーが、あんなに嬉しそうな顔をしているなんて、初めて見たような気がする。

スザンヌも天使の笑顔で、アーサーとのおしゃべりが楽しそうだ。

「あら、ローズ、シミはきれいに取れたのね。良かったわ。」

ローズに気が付いたスザンヌが、スカートを見て言う。

「はい。ジェフに教えてもらったので、なんとか染み抜きできました。」

使用人でさらに男性のジェフに、シミを落としてもらったとは言わない方が良さそうだと思い、ローズは小さな嘘をついた。

「さあ、二人ともお座りになって。もうすぐマーガレットが、お茶を持ってきてくれると思いますわ。」

ローズとジェフが椅子に座り、四人でテーブルを囲んだ。

たまたま、ジェフがアーサーの隣に座ったのだが、ローズは二人並んで座っている姿を見てハッとする。

こ、この二人・・・、ああ、な、なんて眩しいの・・・。

二人の背中から、キラキラと後光が差しているように見える。

もしイケメン大会をしたら、神様はどちらに軍配を上げるのかしら・・・

あっ、でも、私は絶対にジェフに軍配を上げるわ!

「ローズ様・・・」

空想に耽っていたローズは、アーサーに呼ばれて、はっと我に返る。

「あ、あの、何でしょうか?」

変なことを考えていたことが恥ずかしくて、ローズの顔がポッと赤くなる。

アーサーに見られていることが、さらに恥ずかしくて、避けるようにスザンヌに視線を移した。

ん? 今一瞬、スザンヌの顔が固くなったような気がしたけど・・・気のせい?

アーサーは、視線を逸らさずローズに話かける。

「さっき、子どもがぶつかって、ドレスが汚れたけど、ローズ様は子どものこと、怒らないのですか?」

何故そんなことを聞くのかしら?

ローズはアーサーの質問の意図がわからない。

「私は、これくらいのこと、気にしていません。子どもは元気なのが何よりですもの。」

「そうですか。それなら良かった。貴族令嬢の中には、ドレスを少し汚されただけで、激しく怒る人もいるので・・・、つい・・・」

アーサーが何か思い出したように話すと、「ああ、あのことですね。」とスザンヌが冷たく言い放った。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ヒロインしか愛さないはずの公爵様が、なぜか悪女の私を手放さない

魚谷
恋愛
伯爵令嬢イザベラは多くの男性と浮名を流す悪女。 そんな彼女に公爵家当主のジークベルトとの縁談が持ち上がった。 ジークベルトと対面した瞬間、前世の記憶がよみがえり、この世界が乙女ゲームであることを自覚する。 イザベラは、主要攻略キャラのジークベルトの裏の顔を知ってしまったがために、冒頭で殺されてしまうモブキャラ。 ゲーム知識を頼りに、どうにか冒頭死を回避したイザベラは最弱魔法と言われる付与魔法と前世の知識を頼りに便利グッズを発明し、離婚にそなえて資金を確保する。 いよいよジークベルトが、乙女ゲームのヒロインと出会う。 離婚を切り出されることを待っていたイザベラだったが、ジークベルトは平然としていて。 「どうして俺がお前以外の女を愛さなければならないんだ?」 予想外の溺愛が始まってしまう! (世界の平和のためにも)ヒロインに惚れてください、公爵様!!

【完結】姉は聖女? ええ、でも私は白魔導士なので支援するぐらいしか取り柄がありません。

猫屋敷 むぎ
ファンタジー
誰もが憧れる勇者と最強の騎士が恋したのは聖女。それは私ではなく、姉でした。 復活した魔王に侯爵領を奪われ没落した私たち姉妹。そして、誰からも愛される姉アリシアは神の祝福を受け聖女となり、私セレナは支援魔法しか取り柄のない白魔導士のまま。 やがてヴァルミエール国王の王命により結成された勇者パーティは、 勇者、騎士、聖女、エルフの弓使い――そして“おまけ”の私。 過去の恋、未来の恋、政略婚に揺れ動く姉を見つめながら、ようやく私の役割を自覚し始めた頃――。 魔王城へと北上する魔王討伐軍と共に歩む勇者パーティは、 四人の魔将との邂逅、秘められた真実、そしてそれぞれの試練を迎え――。 輝く三人の恋と友情を“すぐ隣で見つめるだけ”の「聖女の妹」でしかなかった私。 けれど魔王討伐の旅路の中で、“仲間を支えるとは何か”に気付き、 やがて――“本当の自分”を見つけていく――。 そんな、ちょっぴり切ない恋と友情と姉妹愛、そして私の成長の物語です。 ※本作の章構成:  第一章:アカデミー&聖女覚醒編  第二章:勇者パーティ結成&魔王討伐軍北上編  第三章:帰郷&魔将・魔王決戦編 ※「小説家になろう」にも掲載(異世界転生・恋愛12位) ※ アルファポリス完結ファンタジー8位。応援ありがとうございます。

冷酷総長は、彼女を手中に収めて溺愛の檻から逃さない

彩空百々花
恋愛
誰もが恐れ、羨み、その瞳に映ることだけを渇望するほどに高貴で気高い、今世紀最強の見目麗しき完璧な神様。 酔いしれるほどに麗しく美しい女たちの愛に溺れ続けていた神様は、ある日突然。 「今日からこの女がおれの最愛のひと、ね」 そんなことを、言い出した。

【完結】何もできない妻が愛する隻眼騎士のためにできること

大森 樹
恋愛
辺境伯の娘であるナディアは、幼い頃ドラゴンに襲われているところを騎士エドムンドに助けられた。 それから十年が経過し、成長したナディアは国王陛下からあるお願いをされる。その願いとは『エドムンドとの結婚』だった。 幼い頃から憧れていたエドムンドとの結婚は、ナディアにとって願ってもいないことだったが、その結婚は妻というよりは『世話係』のようなものだった。 誰よりも強い騎士団長だったエドムンドは、ある事件で左目を失ってから騎士をやめ、酒を浴びるほど飲み、自堕落な生活を送っているため今はもう英雄とは思えない姿になっていた。 貴族令嬢らしいことは何もできない仮の妻が、愛する隻眼騎士のためにできることはあるのか? 前向き一途な辺境伯令嬢×俺様で不器用な最強騎士の物語です。 ※いつもお読みいただきありがとうございます。中途半端なところで長期間投稿止まってしまい申し訳ありません。2025年10月6日〜投稿再開しております。

まだ20歳の未亡人なので、この後は好きに生きてもいいですか?

せいめ
恋愛
 政略結婚で愛することもなかった旦那様が魔物討伐中の事故で亡くなったのが1年前。  喪が明け、子供がいない私はこの家を出て行くことに決めました。  そんな時でした。高額報酬の良い仕事があると声を掛けて頂いたのです。  その仕事内容とは高貴な身分の方の閨指導のようでした。非常に悩みましたが、家を出るのにお金が必要な私は、その仕事を受けることに決めたのです。  閨指導って、そんなに何度も会う必要ないですよね?しかも、指導が必要には見えませんでしたが…。  でも、高額な報酬なので文句は言いませんわ。  家を出る資金を得た私は、今度こそ自由に好きなことをして生きていきたいと考えて旅立つことに決めました。  その後、新しい生活を楽しんでいる私の所に現れたのは……。    まずは亡くなったはずの旦那様との話から。      ご都合主義です。  設定は緩いです。  誤字脱字申し訳ありません。  主人公の名前を途中から間違えていました。  アメリアです。すみません。    

出ていってください!~結婚相手に裏切られた令嬢はなぜか騎士様に溺愛される~

白井
恋愛
イヴェット・オーダム男爵令嬢の幸せな結婚生活が始まる……はずだった。 父の死後、急に態度が変わった結婚相手にイヴェットは振り回されていた。 財産を食いつぶす義母、継いだ仕事を放棄して不貞を続ける夫。 それでも家族の形を維持しようと努力するイヴェットは、ついに殺されかける。 「もう我慢の限界。あなたたちにはこの家から出ていってもらいます」 覚悟を決めたら、なぜか騎士団長様が執着してきたけれど困ります!

〘完〙なぜかモブの私がイケメン王子に強引に迫られてます 〜転生したら推しのヒロインが不在でした〜

hanakuro
恋愛
転生してみたら、そこは大好きな漫画の世界だった・・・ OLの梨奈は、事故により突然その生涯閉じる。 しかし次に気付くと、彼女は伯爵令嬢に転生していた。しかも、大好きだった漫画の中のたったのワンシーンに出てくる名もないモブ。 モブならお気楽に推しのヒロインを観察して過ごせると思っていたら、まさかのヒロインがいない!? そして、推し不在に落胆する彼女に王子からまさかの強引なアプローチが・・ 王子!その愛情はヒロインに向けてっ! 私、モブですから! 果たしてヒロインは、どこに行ったのか!? そしてリーナは、王子の強引なアプローチから逃れることはできるのか!? イケメン王子に翻弄される伯爵令嬢の恋模様が始まる。

悪役令嬢に転生したので地味令嬢に変装したら、婚約者が離れてくれないのですが。

槙村まき
恋愛
 スマホ向け乙女ゲーム『時戻りの少女~ささやかな日々をあなたと共に~』の悪役令嬢、リシェリア・オゼリエに転生した主人公は、処刑される未来を変えるために地味に地味で地味な令嬢に変装して生きていくことを決意した。  それなのに学園に入学しても婚約者である王太子ルーカスは付きまとってくるし、ゲームのヒロインからはなぜか「私の代わりにヒロインになって!」とお願いされるし……。  挙句の果てには、ある日隠れていた図書室で、ルーカスに唇を奪われてしまう。  そんな感じで悪役令嬢がヤンデレ気味な王子から逃げようとしながらも、ヒロインと共に攻略対象者たちを助ける? 話になるはず……! 第二章以降は、11時と23時に更新予定です。 他サイトにも掲載しています。 よろしくお願いします。 25.4.25 HOTランキング(女性向け)四位、ありがとうございます!

処理中です...