82 / 110
82話外伝 あなたの腕の中で20 兄と弟
しおりを挟む
仕事が終わり、王宮に帰ると、エドワードはレオナルドを自分の私室に連れていった。
そして人払いをした後で、厳しい顔で尋問を始めた。
「レオ、いったいお前は、あそこで何をしていたのだ?」
エドワードの厳しく睨んでくる目と表情にドキリとしたが、レオナルドは正直に答えることで、エドワードに目を覚ましてほしいと思った。
「兄上、兄上にとってあの女は百害あって一利なしです。どうせ、王太子妃の座を狙っている悪女なのでしょう。だから、僕があの女の化けの皮を剥がしてやろうと思って会いに行きました。」
「化けの皮を剥がす・・・?」
エドワードは一瞬驚いた顔をしたが、すぐにふうとため息をついた。
「レオ、お前は大きな勘違いをしている。彼女が王太子妃になりたくて近づいてきたのではない。俺が身分を隠して彼女に近づいたのだ。その後で本当の身分を伝えると、彼女は身を引こうとした。だが、俺が彼女を引き留めたのだ。アデルには、剥がす化けの皮など初めからないのだ。」
「ですが、兄上、フィオナ嬢はどうするつもりなのですか?」
「フィオナ嬢との婚約は解消する。だが、これは、家門同士で取り決めた約束事。俺がどうにかできることではない。すべて父上にお任せしている。」
「そんなに簡単に婚約が解消できると思っているのですか? フィオナ嬢の気持ちを考えたことはあるのですか?」
レオは何故こんなに突っかかってくるのだ?
エドワードは、何か引っかかるものを感じる。
「フィオナ嬢のことはお前も知っているだろう? 子どもの頃に二回しか会っていないのだ。彼女は俺を避けている。おそらく俺は彼女に嫌われているのだと思うぞ。」
「ち、違う! 彼女は兄上を嫌ってなんかいない!」
レオナルドが声を荒げて否定した。
「・・・どうしてお前にそんなことがわかるのだ? 彼女に直接、俺のことをどう思っているのか聞いたのか?」
だが、すぐに自信なさげな返事になる。
「・・・いえ・・・」
「この件は、お前が口を挟むことではないのだ。」
「ですが、兄上、兄上だってフィオナ嬢に直接聞いたわけではないですよね。嫌われていると一人で勝手に思い込んでいるだけですよね。」
「・・・」
レオナルドに指摘されたことは図星であった。
子どもの頃から決められていた政略結婚には、相手の気持ちなど関係ないとエドワードは考えていた。
嫌われていようが好かれていようが、結婚は決まっているのだ。
ならば、無理に相手の気持ちを確かめて、嫌われている事実を暴かなくても良いと考えていた。
「確かめてはいないが、今までのフィオナ嬢の行動がすべてを物語っていると思うぞ。とてもじゃないが、俺個人を好いてくれているとは思えない。」
「ですが、もし、彼女が婚約解消に応じなかったらどうするつもりなのです?」
「もしそうなら・・・、俺個人ではなく、王太子妃になることを望んでいるということだろう?」
このことを、エドワードも考えたことがないわけではない。
もしフィオナ嬢が王太子妃の座を失いたくなくて、婚約解消に同意をしなかったら・・・。
エドワードは何度も考えたことをレオナルドに宣言した。
「フィオナ嬢が王太子妃の座を望むと言うのであれば、その時はレオ、お前が王位を継げば良い。」
「はあ!? 兄上、何を言って・・・」
レオナルドは、エドワードの言葉に激しい衝撃を受けた。
「兄上こそが、この国の継承者です。いつも国民のことを考え行動し、王になるためにどれほど努力してきたか・・・、僕はずっとそんな兄上を見てきたのですよ。それなのに・・・、それなのに・・・王位を僕に譲るだなんて・・・。」
「レオ、俺は王にならなくても国民のために働けるし、この国をより良い国にできると思っている。俺が王になることを望んだのは、手段であって、目的ではないのだ。お前が王位を継いで、俺がお前を補佐する。それのどこがいけないのだ?」
「あ、兄上は、間違っている・・・」
「間違ってなどいないぞ。それにさっきからお前の弁を聞いていると、お前こそ、フィオナ嬢のことを気に入っているのではないか?」
その言葉を聞いた瞬間、レオナルドの顔が真っ赤になった。
火がついたように熱くなった顔を両手で隠しながら、レオナルドは喘ぐように次の言葉を口にする。
「僕は、僕は・・・、兄上だからこそ・・・、フィオナ嬢の相手が兄上だからこそ・・・」
「・・・レオ? お前・・・?」
レオナルドは、はっとして顔を上げる。
「あ、兄上、僕は頭に血が上ったようです。少し頭を冷やしてきます。」
レオナルドは、慌ててドアを開けて出て行った。
「レオ、お前・・・もしかして・・・」
部屋に一人残されたエドワードは、レオナルドが出て行ったドアをしばらく呆然と見つめていた。
レオナルドは、赤く火照ってしまった顔を誰にも見られたくなくて、急いで自室に戻った。
僕は・・・、僕は・・・、兄上だからこそ、この思いに蓋をして来たのに・・・。
それをどうして今さら・・・
レオナルドとフィオナ嬢の関りは、アカデミー時代に遡る。
デビュタントの日、エドワードがフィオナに会えずに帰って来た後に、「俺はフィオナ嬢に嫌われているのかもしれないな・・・」とぼそりと呟いた言葉を、レオナルドは意図せずに聞いてしまった。
エドワードがレオナルドと一緒にいるとき、フィオナを話題にすることはなかったし、ましてやフィオナの悪口など聞いたことはなかった。
だから、レオナルドにはエドワードの言葉が意外な言葉であり、強く印象に残った。
兄上を悩ませている婚約者のフィオナ嬢とは、いったいどのような令嬢なのだろう・・・?
来年アカデミーに入学してフィオナ嬢に会ったら、兄上に相応しい女性なのか、じっくりと観察してやろう・・・
もし、兄上に相応しくないと判断したら、そのときは、いつものように・・・
レオナルドはそう思いながらアカデミー入学を待った。
レオナルドが計画を練っていた頃、本来ならばフィオナはアカデミーの一年生のはずであったのだが、フィオナは、体調不良で一年間の休学申請をしている。
だから一年遅れてレオナルドと同じ学年に入学するものだと思っていた。
しかしフィオナは、休学中であっても家庭教師に一年生が履修する全ての内容を学んでおり、編入試験では好成績を挙げ、すんなり二年生に編入したのである。
レオナルドの当初の目論見は外れてしまったが、学年が違っているとはいえ、フィオナの観察は思いの外、簡単にできた。
フィオナはよくある貴族令嬢たちのように徒党を組まず、いつも単独で行動し、昼休みは昼食の後、図書館で過ごすことが常であった。
レオナルドもフィオナを観察するために必然的に図書館へと足を運び、少し離れた場所から彼女を見ていた。
水色の髪色とピンク色の瞳のフィオナは、よく目立ち、いつの間にか図書室以外でも、彼女を見つけると、自然と目で追うようになっていた。
いつも熱心に読書をしているが、いったい何の本を読んでいるのだろう?
レオナルドは、フィオナが本棚に戻した本の場所を覚えて、後からこっそりとその本を手に取った。
『税の徴収と国民の幸福論』
本の題名を見て、レオナルドは目を瞠った。
「これは・・・、兄上が読んでいた本と同じだ!」
エドワードがアカデミーに入学する前の十四歳の年に熱心に読んでいた本で、レオナルドもエドワードの真似をして読もうとしたが読めなかった本である。
当時十一歳だったレオナルドには、書かれている専門用語も内容も難しすぎて、さっぱり理解ができなかった。
それからというもの、フィオナが読んでいる本に興味を持ち、同じ本を手に取るようになる。
『国の経済を活性化する流通における課題』
『人類の幸福論』
『民の頂点に立つ者の心得』
他にも経済学や地理学に関するものが多かった。
ある日、いつもと違う本棚から一冊の本を手に取ったので、後からこっそり見てみると、『医学の心得』というタイトルであった。
何故このような本を?と思ってパラパラとページをめくっていると、感染症を大規模感染にしないための方策が書かれていた。
―国家レベルの危機を回避するためには、上に立つ者の決断と実行力こそが重要なのである―
レオナルドは、その一文を読んで愕然とする。
これまで読んでいた本もそうだったが、フィオナ嬢は将来の王妃の立場を見据えて自ら学んでいるのだ・・・。
彼女こそ、王太子妃に相応しいのでは?
とうとう、レオナルドは観察だけでは気持ちが収まらず、フィオナに話かけることにした。
そして人払いをした後で、厳しい顔で尋問を始めた。
「レオ、いったいお前は、あそこで何をしていたのだ?」
エドワードの厳しく睨んでくる目と表情にドキリとしたが、レオナルドは正直に答えることで、エドワードに目を覚ましてほしいと思った。
「兄上、兄上にとってあの女は百害あって一利なしです。どうせ、王太子妃の座を狙っている悪女なのでしょう。だから、僕があの女の化けの皮を剥がしてやろうと思って会いに行きました。」
「化けの皮を剥がす・・・?」
エドワードは一瞬驚いた顔をしたが、すぐにふうとため息をついた。
「レオ、お前は大きな勘違いをしている。彼女が王太子妃になりたくて近づいてきたのではない。俺が身分を隠して彼女に近づいたのだ。その後で本当の身分を伝えると、彼女は身を引こうとした。だが、俺が彼女を引き留めたのだ。アデルには、剥がす化けの皮など初めからないのだ。」
「ですが、兄上、フィオナ嬢はどうするつもりなのですか?」
「フィオナ嬢との婚約は解消する。だが、これは、家門同士で取り決めた約束事。俺がどうにかできることではない。すべて父上にお任せしている。」
「そんなに簡単に婚約が解消できると思っているのですか? フィオナ嬢の気持ちを考えたことはあるのですか?」
レオは何故こんなに突っかかってくるのだ?
エドワードは、何か引っかかるものを感じる。
「フィオナ嬢のことはお前も知っているだろう? 子どもの頃に二回しか会っていないのだ。彼女は俺を避けている。おそらく俺は彼女に嫌われているのだと思うぞ。」
「ち、違う! 彼女は兄上を嫌ってなんかいない!」
レオナルドが声を荒げて否定した。
「・・・どうしてお前にそんなことがわかるのだ? 彼女に直接、俺のことをどう思っているのか聞いたのか?」
だが、すぐに自信なさげな返事になる。
「・・・いえ・・・」
「この件は、お前が口を挟むことではないのだ。」
「ですが、兄上、兄上だってフィオナ嬢に直接聞いたわけではないですよね。嫌われていると一人で勝手に思い込んでいるだけですよね。」
「・・・」
レオナルドに指摘されたことは図星であった。
子どもの頃から決められていた政略結婚には、相手の気持ちなど関係ないとエドワードは考えていた。
嫌われていようが好かれていようが、結婚は決まっているのだ。
ならば、無理に相手の気持ちを確かめて、嫌われている事実を暴かなくても良いと考えていた。
「確かめてはいないが、今までのフィオナ嬢の行動がすべてを物語っていると思うぞ。とてもじゃないが、俺個人を好いてくれているとは思えない。」
「ですが、もし、彼女が婚約解消に応じなかったらどうするつもりなのです?」
「もしそうなら・・・、俺個人ではなく、王太子妃になることを望んでいるということだろう?」
このことを、エドワードも考えたことがないわけではない。
もしフィオナ嬢が王太子妃の座を失いたくなくて、婚約解消に同意をしなかったら・・・。
エドワードは何度も考えたことをレオナルドに宣言した。
「フィオナ嬢が王太子妃の座を望むと言うのであれば、その時はレオ、お前が王位を継げば良い。」
「はあ!? 兄上、何を言って・・・」
レオナルドは、エドワードの言葉に激しい衝撃を受けた。
「兄上こそが、この国の継承者です。いつも国民のことを考え行動し、王になるためにどれほど努力してきたか・・・、僕はずっとそんな兄上を見てきたのですよ。それなのに・・・、それなのに・・・王位を僕に譲るだなんて・・・。」
「レオ、俺は王にならなくても国民のために働けるし、この国をより良い国にできると思っている。俺が王になることを望んだのは、手段であって、目的ではないのだ。お前が王位を継いで、俺がお前を補佐する。それのどこがいけないのだ?」
「あ、兄上は、間違っている・・・」
「間違ってなどいないぞ。それにさっきからお前の弁を聞いていると、お前こそ、フィオナ嬢のことを気に入っているのではないか?」
その言葉を聞いた瞬間、レオナルドの顔が真っ赤になった。
火がついたように熱くなった顔を両手で隠しながら、レオナルドは喘ぐように次の言葉を口にする。
「僕は、僕は・・・、兄上だからこそ・・・、フィオナ嬢の相手が兄上だからこそ・・・」
「・・・レオ? お前・・・?」
レオナルドは、はっとして顔を上げる。
「あ、兄上、僕は頭に血が上ったようです。少し頭を冷やしてきます。」
レオナルドは、慌ててドアを開けて出て行った。
「レオ、お前・・・もしかして・・・」
部屋に一人残されたエドワードは、レオナルドが出て行ったドアをしばらく呆然と見つめていた。
レオナルドは、赤く火照ってしまった顔を誰にも見られたくなくて、急いで自室に戻った。
僕は・・・、僕は・・・、兄上だからこそ、この思いに蓋をして来たのに・・・。
それをどうして今さら・・・
レオナルドとフィオナ嬢の関りは、アカデミー時代に遡る。
デビュタントの日、エドワードがフィオナに会えずに帰って来た後に、「俺はフィオナ嬢に嫌われているのかもしれないな・・・」とぼそりと呟いた言葉を、レオナルドは意図せずに聞いてしまった。
エドワードがレオナルドと一緒にいるとき、フィオナを話題にすることはなかったし、ましてやフィオナの悪口など聞いたことはなかった。
だから、レオナルドにはエドワードの言葉が意外な言葉であり、強く印象に残った。
兄上を悩ませている婚約者のフィオナ嬢とは、いったいどのような令嬢なのだろう・・・?
来年アカデミーに入学してフィオナ嬢に会ったら、兄上に相応しい女性なのか、じっくりと観察してやろう・・・
もし、兄上に相応しくないと判断したら、そのときは、いつものように・・・
レオナルドはそう思いながらアカデミー入学を待った。
レオナルドが計画を練っていた頃、本来ならばフィオナはアカデミーの一年生のはずであったのだが、フィオナは、体調不良で一年間の休学申請をしている。
だから一年遅れてレオナルドと同じ学年に入学するものだと思っていた。
しかしフィオナは、休学中であっても家庭教師に一年生が履修する全ての内容を学んでおり、編入試験では好成績を挙げ、すんなり二年生に編入したのである。
レオナルドの当初の目論見は外れてしまったが、学年が違っているとはいえ、フィオナの観察は思いの外、簡単にできた。
フィオナはよくある貴族令嬢たちのように徒党を組まず、いつも単独で行動し、昼休みは昼食の後、図書館で過ごすことが常であった。
レオナルドもフィオナを観察するために必然的に図書館へと足を運び、少し離れた場所から彼女を見ていた。
水色の髪色とピンク色の瞳のフィオナは、よく目立ち、いつの間にか図書室以外でも、彼女を見つけると、自然と目で追うようになっていた。
いつも熱心に読書をしているが、いったい何の本を読んでいるのだろう?
レオナルドは、フィオナが本棚に戻した本の場所を覚えて、後からこっそりとその本を手に取った。
『税の徴収と国民の幸福論』
本の題名を見て、レオナルドは目を瞠った。
「これは・・・、兄上が読んでいた本と同じだ!」
エドワードがアカデミーに入学する前の十四歳の年に熱心に読んでいた本で、レオナルドもエドワードの真似をして読もうとしたが読めなかった本である。
当時十一歳だったレオナルドには、書かれている専門用語も内容も難しすぎて、さっぱり理解ができなかった。
それからというもの、フィオナが読んでいる本に興味を持ち、同じ本を手に取るようになる。
『国の経済を活性化する流通における課題』
『人類の幸福論』
『民の頂点に立つ者の心得』
他にも経済学や地理学に関するものが多かった。
ある日、いつもと違う本棚から一冊の本を手に取ったので、後からこっそり見てみると、『医学の心得』というタイトルであった。
何故このような本を?と思ってパラパラとページをめくっていると、感染症を大規模感染にしないための方策が書かれていた。
―国家レベルの危機を回避するためには、上に立つ者の決断と実行力こそが重要なのである―
レオナルドは、その一文を読んで愕然とする。
これまで読んでいた本もそうだったが、フィオナ嬢は将来の王妃の立場を見据えて自ら学んでいるのだ・・・。
彼女こそ、王太子妃に相応しいのでは?
とうとう、レオナルドは観察だけでは気持ちが収まらず、フィオナに話かけることにした。
20
あなたにおすすめの小説
ヒロインしか愛さないはずの公爵様が、なぜか悪女の私を手放さない
魚谷
恋愛
伯爵令嬢イザベラは多くの男性と浮名を流す悪女。
そんな彼女に公爵家当主のジークベルトとの縁談が持ち上がった。
ジークベルトと対面した瞬間、前世の記憶がよみがえり、この世界が乙女ゲームであることを自覚する。
イザベラは、主要攻略キャラのジークベルトの裏の顔を知ってしまったがために、冒頭で殺されてしまうモブキャラ。
ゲーム知識を頼りに、どうにか冒頭死を回避したイザベラは最弱魔法と言われる付与魔法と前世の知識を頼りに便利グッズを発明し、離婚にそなえて資金を確保する。
いよいよジークベルトが、乙女ゲームのヒロインと出会う。
離婚を切り出されることを待っていたイザベラだったが、ジークベルトは平然としていて。
「どうして俺がお前以外の女を愛さなければならないんだ?」
予想外の溺愛が始まってしまう!
(世界の平和のためにも)ヒロインに惚れてください、公爵様!!
【完結】姉は聖女? ええ、でも私は白魔導士なので支援するぐらいしか取り柄がありません。
猫屋敷 むぎ
ファンタジー
誰もが憧れる勇者と最強の騎士が恋したのは聖女。それは私ではなく、姉でした。
復活した魔王に侯爵領を奪われ没落した私たち姉妹。そして、誰からも愛される姉アリシアは神の祝福を受け聖女となり、私セレナは支援魔法しか取り柄のない白魔導士のまま。
やがてヴァルミエール国王の王命により結成された勇者パーティは、
勇者、騎士、聖女、エルフの弓使い――そして“おまけ”の私。
過去の恋、未来の恋、政略婚に揺れ動く姉を見つめながら、ようやく私の役割を自覚し始めた頃――。
魔王城へと北上する魔王討伐軍と共に歩む勇者パーティは、
四人の魔将との邂逅、秘められた真実、そしてそれぞれの試練を迎え――。
輝く三人の恋と友情を“すぐ隣で見つめるだけ”の「聖女の妹」でしかなかった私。
けれど魔王討伐の旅路の中で、“仲間を支えるとは何か”に気付き、
やがて――“本当の自分”を見つけていく――。
そんな、ちょっぴり切ない恋と友情と姉妹愛、そして私の成長の物語です。
※本作の章構成:
第一章:アカデミー&聖女覚醒編
第二章:勇者パーティ結成&魔王討伐軍北上編
第三章:帰郷&魔将・魔王決戦編
※「小説家になろう」にも掲載(異世界転生・恋愛12位)
※ アルファポリス完結ファンタジー8位。応援ありがとうございます。
冷酷総長は、彼女を手中に収めて溺愛の檻から逃さない
彩空百々花
恋愛
誰もが恐れ、羨み、その瞳に映ることだけを渇望するほどに高貴で気高い、今世紀最強の見目麗しき完璧な神様。
酔いしれるほどに麗しく美しい女たちの愛に溺れ続けていた神様は、ある日突然。
「今日からこの女がおれの最愛のひと、ね」
そんなことを、言い出した。
【完結】何もできない妻が愛する隻眼騎士のためにできること
大森 樹
恋愛
辺境伯の娘であるナディアは、幼い頃ドラゴンに襲われているところを騎士エドムンドに助けられた。
それから十年が経過し、成長したナディアは国王陛下からあるお願いをされる。その願いとは『エドムンドとの結婚』だった。
幼い頃から憧れていたエドムンドとの結婚は、ナディアにとって願ってもいないことだったが、その結婚は妻というよりは『世話係』のようなものだった。
誰よりも強い騎士団長だったエドムンドは、ある事件で左目を失ってから騎士をやめ、酒を浴びるほど飲み、自堕落な生活を送っているため今はもう英雄とは思えない姿になっていた。
貴族令嬢らしいことは何もできない仮の妻が、愛する隻眼騎士のためにできることはあるのか?
前向き一途な辺境伯令嬢×俺様で不器用な最強騎士の物語です。
※いつもお読みいただきありがとうございます。中途半端なところで長期間投稿止まってしまい申し訳ありません。2025年10月6日〜投稿再開しております。
〘完〙なぜかモブの私がイケメン王子に強引に迫られてます 〜転生したら推しのヒロインが不在でした〜
hanakuro
恋愛
転生してみたら、そこは大好きな漫画の世界だった・・・
OLの梨奈は、事故により突然その生涯閉じる。
しかし次に気付くと、彼女は伯爵令嬢に転生していた。しかも、大好きだった漫画の中のたったのワンシーンに出てくる名もないモブ。
モブならお気楽に推しのヒロインを観察して過ごせると思っていたら、まさかのヒロインがいない!?
そして、推し不在に落胆する彼女に王子からまさかの強引なアプローチが・・
王子!その愛情はヒロインに向けてっ!
私、モブですから!
果たしてヒロインは、どこに行ったのか!?
そしてリーナは、王子の強引なアプローチから逃れることはできるのか!?
イケメン王子に翻弄される伯爵令嬢の恋模様が始まる。
出ていってください!~結婚相手に裏切られた令嬢はなぜか騎士様に溺愛される~
白井
恋愛
イヴェット・オーダム男爵令嬢の幸せな結婚生活が始まる……はずだった。
父の死後、急に態度が変わった結婚相手にイヴェットは振り回されていた。
財産を食いつぶす義母、継いだ仕事を放棄して不貞を続ける夫。
それでも家族の形を維持しようと努力するイヴェットは、ついに殺されかける。
「もう我慢の限界。あなたたちにはこの家から出ていってもらいます」
覚悟を決めたら、なぜか騎士団長様が執着してきたけれど困ります!
男に間違えられる私は女嫌いの冷徹若社長に溺愛される
山口三
恋愛
「俺と結婚してほしい」
出会ってまだ何時間も経っていない相手から沙耶(さや)は告白された・・・のでは無く契約結婚の提案だった。旅先で危ない所を助けられた沙耶は契約結婚を申し出られたのだ。相手は五瀬馨(いつせかおる)彼は国内でも有数の巨大企業、五瀬グループの若き社長だった。沙耶は自分の夢を追いかける資金を得る為、養女として窮屈な暮らしを強いられている今の家から脱出する為にもこの提案を受ける事にする。
冷酷で女嫌いの社長とお人好しの沙耶。二人の契約結婚の行方は?
まだ20歳の未亡人なので、この後は好きに生きてもいいですか?
せいめ
恋愛
政略結婚で愛することもなかった旦那様が魔物討伐中の事故で亡くなったのが1年前。
喪が明け、子供がいない私はこの家を出て行くことに決めました。
そんな時でした。高額報酬の良い仕事があると声を掛けて頂いたのです。
その仕事内容とは高貴な身分の方の閨指導のようでした。非常に悩みましたが、家を出るのにお金が必要な私は、その仕事を受けることに決めたのです。
閨指導って、そんなに何度も会う必要ないですよね?しかも、指導が必要には見えませんでしたが…。
でも、高額な報酬なので文句は言いませんわ。
家を出る資金を得た私は、今度こそ自由に好きなことをして生きていきたいと考えて旅立つことに決めました。
その後、新しい生活を楽しんでいる私の所に現れたのは……。
まずは亡くなったはずの旦那様との話から。
ご都合主義です。
設定は緩いです。
誤字脱字申し訳ありません。
主人公の名前を途中から間違えていました。
アメリアです。すみません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる