虐げられた第八王女は冷酷公爵に愛される

ウリ坊

文字の大きさ
30 / 36
番外編

初夜 13

 クラウディアの口から耐えきれず出た言葉に、ジークフリートは笑みを刻み、攻めていた愛撫の手を膣内から指を抜いた。

「あッ!やぁっ…」

 抜かれた指の喪失感にふるりと身体を震わせ、仰け反っていた身体を弛緩させた。
 はぁはぁ…とまだ火照る身体を持て余し、そのままジークフリートへ背を寄せる。

「まだ終わりではないぞ」
 
 クラウディアの弛緩した身体を軽々持ち上げ、向き合うように反転させた。

「…ジー…ク…」

 胡座を組んでいるジークフリートに跨ぐように乗り上げ、その中心で猛々しく主張している雄が濡れた秘部に当たる。

「あ……んッ」

 十分なほど解され蕩けるように柔らかくなった秘部に、ジークフリートの熱くて太い切っ先がズブズブと挿入っていく。

「はっ…ぁ、あ……んんっ!」

 ジークフリートの肩に掴まり、根元まで余すことなく受け入れたクラウディアの身体が全て収めきった愉悦に眉根を寄せ震えている。
 クラウディアの膣内で脈打つモノに全ての感覚を持っていかれる。まだ挿入されただけだが、自分の膣内にジークフリートの熱い杭が挿さっているだけで子宮の奥が痺れるように疼く。
 膣内のモノを確かめるかのように内壁を収縮させ、熱い吐息を吐きジークフリートの塊を締め上げた。

「はぁっ…」

「…ッ、吸い付く…ようだ…、動くぞ…」

 クラウディアの脇腹を掴み、下から突き上げていく。

「あっ、…あっ!!」
 
 ジークフリートの太い切っ先がクラウディアの膣内を擦り上げ、クラウディアの感じる部分を的確に下から突いていく。擦られる度に沸き起こる熱く蕩けるような快楽に、クラウディアは悲鳴のような嬌声を抑える事ができない。

「ん…んっ、ん…ぁ…あっ!」

 初めはただ怖かった。
 痛みが酷く、もう二度と味わいたくないと何度も何度も思った。
 だが、もう二度とする事はないと思っていた行為は自分が思った以上に快楽だけが強く、ジークフリートに与えられる全ての行為がクラウディアを虜にし、クラウディアの認識を覆すほど身体がそれに染まってしまうような甘美な感覚だった。

「クラウディア…動いてみろ」

 胡座を掻いていたジークフリートがベッドへと横たわり、クラウディアはジークフリートに跨ったまま太く脈打つモノを受け入れている。

 こうして自らが上に乗り交わる行為は初めてした時以来だった。
 
「…ゃ、…イヤ…です…」

 ジークフリートの固く隆々とした腹筋に手を付いて、跨がる足がベッドシーツを踏む。

「なぜ嫌がる?そなたが初めに私を襲った時もこうして、自ら跨り…動いていただろう…」

 クラウディアの臀部を両手で掴み、力任せに身体を持ち上げ抜き差しするように秘部を上下させる。

「っ…、ぁ…それは…、ん、仕方…なく……」

 擦れる度にぐちゅっ、ぐちゅっと結合部が卑猥な音をたてる。
 もっと激しくジークフリートに動いてほしいのだが、それは理性の戻ったクラウディアが口にするには抵抗がある。
 まだジークフリートに対し、遠慮や羞恥心が抜けないからだ。

「だからなのだろう。そなたがいつまでも、私との交わりを拒むのは…」

「え…?」

 ジークフリートは臀部を持ち上げ上下していた手を止めた。クラウディアは物足りなさにふるりと身体を震わせる。

「全ての物事は初めが肝心だ。そなたは初めての行為で苦痛しか味わっておらん。だからこそいつまでも怖がる。痛みの連鎖が断ち切れていないからだ」

「……」

 ジークフリートの言っている事が当たっているかはわからないが、クラウディアもなんとなく同じ事を感じていた。
 何度身体を重ねても、やはり心の何処かでまず恐怖心が先に出る。
 それが無くなればクラウディアがジークフリートに積極的に迫るかと言われれば違うとは思うが、クラウディアの心情を驚くほど理解してくれている。
 あの他人には無頓着で冷血漢なジークフリートがここまでクラウディアの事を気にかけているという事実に、ひどく申し訳ない気分になってしまう。

「だから今日はそなたが好きなように動け。記憶を塗り替えろ。そなたが感じるよう私も努力しよう…」

 下から見つめられる黄緑色の鋭い瞳とそれを収める精悍な顔立ちに、クラウディアはあの日を思い返した。

 それは全ての始まりであり、全てを狂わせた日でもある。
 だがそうしたのは他ならぬ自分だ。
 思い出として終わる筈だった恋を、ここまで捻じ曲げ拗らせてしまった。

 それなのにジークフリートはクラウディアを何年も追い求め探し出した。
 自分自身の事で精一杯だったクラウディアだが、改めてジークフリートの立場を思うと切なくもやるせない気持ちが湧いてくる。

 変わらずベッドで横たわり細腰に手を添えているジークフリートはクラウディアを一心に見つめている。

 ジークフリートの固い腹に置いた手に力を込め、踏ん張れるように足をちゃんとベッドに付けた。
 そしてゆっくりと腰を動かしていく。

「ん…」

あなたにおすすめの小説

『病弱な幼馴染を優先してください』と言った妻が消えた翌日、夫は領地の会計書類が全て白紙になっていることに気づいた

歩人
ファンタジー
侯爵家に嫁いで五年。ルチアは夫エミルの領地会計・社交・使用人管理を全て一人で担ってきた。だがエミルはいつも幼馴染のアリーチェを優先する。「アリーチェは体が弱いんだ、お前とは違う」——その言葉を百回聞いた日、ルチアは微笑んで離縁届に署名した。「ええ、私は丈夫ですから。どうぞ幼馴染様をお大事に」。翌朝、エミルが目にしたのは——税務報告の締切、領民からの陳情の山、そして紅茶の淹れ方すら知らない自分。三ヶ月後、かつて「地味な妻」と呼ばれたルチアは、辺境伯の財務顧問として辣腕を振るっていた。

夫が運命の番と出会いました

重田いの
恋愛
幼馴染のいいなづけとして育ってきた銀狼族の族長エーリヒと、妻ローゼマリー。 だがエーリヒに運命の番が現れたことにより、二人は離別する。 しかし二年後、修道院に暮らすローゼマリーの元へエーリヒが現れ――!?

【完結】忘れてください

仲 奈華 (nakanaka)
恋愛
愛していた。 貴方はそうでないと知りながら、私は貴方だけを愛していた。 夫の恋人に子供ができたと教えられても、私は貴方との未来を信じていたのに。 貴方から離婚届を渡されて、私の心は粉々に砕け散った。 もういいの。 私は貴方を解放する覚悟を決めた。 貴方が気づいていない小さな鼓動を守りながら、ここを離れます。 私の事は忘れてください。 ※6月26日初回完結  7月12日2回目完結しました。 お読みいただきありがとうございます。

もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?

冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。 オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。 だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。 その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・ 「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」 「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」

【完結】20年後の真実

ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。 マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。 それから20年。 マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。 そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。 おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。 全4話書き上げ済み。

「お前を愛する事はない」を信じたので

あんど もあ
ファンタジー
「お前を愛することは無い。お前も私を愛するな。私からの愛を求めるな」 お互いの利益のために三年間の契約結婚をしたアヴェリンとロデリック。楽しく三年を過ごしたアヴェリンは屋敷を出ていこうとするのだが……。

完結 そんなにその方が大切ならば身を引きます、さようなら。

音爽(ネソウ)
恋愛
相思相愛で結ばれたクリステルとジョルジュ。 だが、新婚初夜は泥酔してお預けに、その後も余所余所しい態度で一向に寝室に現れない。不審に思った彼女は眠れない日々を送る。 そして、ある晩に玄関ドアが開く音に気が付いた。使われていない離れに彼は通っていたのだ。 そこには匿われていた美少年が棲んでいて……

王子を身籠りました

青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。 王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。 再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。