虐げられた第八王女は冷酷公爵に愛される

ウリ坊

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番外編

初夜 14

 クラウディア自らがこうして行為の主導権を握るのはあの日の過ち以来だった。

 ジークフリートの固い腹筋に手を置き、飲み込まれた熱い塊を取り出すようにゆっくりと尻を持ち上げ、またジークフリートの雄を飲み込みながら腰を落とした。

「ふぅっ、…はぁっ!」

 腰を上げるときより、落とす時の快楽がより強い。
 無論、痛みなど微塵も感じることはなく、だがジークフリートの与えてくれる快楽に比べれば遥かに劣る。

「う……んっ、ぁ」
 
「どう…した?勢いが落ちてきたぞ」

 クラウディアはしばらく足を踏ん張りながら腰を上下し、ジークフリートの塊を受け止め奉仕していたが、体力が持たず途中から疲れが出てきてしまった。
 
 ジークフリートはベッドに横たわりクラウディアの腰に手を添え、動いているクラウディアの様子を愛しげに眺めていたが、遂に息を乱しながらクラウディアの動きが止まってしまう。

「はぁ…はぁ…」

 記憶を塗り変える前にクラウディアの体力に限界が訪れた。
 ジークフリートのモノを受け入れたまま、呼吸を整えている。

「もう終いか?その体力でよくあの日にやり遂げたものだ」

 ジークフリートは休んでるクラウディアに呆れと感心を込めて話している。
 クラウディアはバツの悪そうな表情で顔を上げ、ジークフリートから視線を逸した。

「……あの時は、必死でしたから……」

 ジークフリートは上半身を起き上がらせ顔を近づけると、視線を逸しているクラウディアの顎を取り無理やり自分の方へと向かせる。

「っ…」

「馬鹿にしてるわけではない。むしろ感心している」

 真剣な眼差しでクラウディアを見つめており、クラウディアはその黄緑色の瞳から目を逸らせない。

「そなたがあの日したことは、決して過ちではない」

 いつもクラウディアを鋭く見つめている意志の強い瞳は、何処か悲壮の混じった愁いを帯びた瞳をしていた。

 クラウディアは逸らすことも動く事もできず、緋色の瞳を大きく開いたまま、ジッとジークフリートを見ている。

「過ちを犯したのは…私の方だ。そなたを見つけるまでに、これ程長い時間を費やしてしまった…」

 顎を掴んでいた手を離し、自らの頭をクラウディアの肩に付け身体を自身へと引き寄せた。

「…ぁ」

 ジークフリートには珍しく悔いているかのように、言葉を吐き出している。

「クラウディア。これまでいらぬ苦労を掛けたな。そなたには形容し難いほど…感謝している」
 
「ジー…ク……」

 寄せたクラウディアの身体を抱きしめ、肩に付けていた顔を上げてクラウディアをまた黄緑色の瞳に映した。

 クラウディアは沸き起こる感情を制御出来ず、その緋色の瞳からは次々と涙が零れている。

「今夜が正真正銘の初夜だ。あの日を忘れる必要はない。だが今度は私が、そなたの記憶を覆すほど愛してやる」

 ずっとずっと悔いていた。

 やり直したいと思わない日はなかった。 

 しかし何度やり直しても、クラウディアはああするしか道はなかったのだと自分に言い聞かせた。
 きっとジークフリートは気にもしていない。怒っていたとしても、自分を殺せば気が済むのだろうと…。
 そう思わなければ、重すぎる後悔に押し潰されてしまいそうだったからだ。
 
「ふっ、う…ぅくっ」
 
 緋色の瞳から止めどなく涙が溢れる。
 
 ジークフリートの首元にぎゅうっと抱きついた。












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