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初夜
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イクシオンが一歩近づくとギシッとベッドが音を立ててオリビアへ近づいている。
大の字でベッドに寝ているオリビアに乗り上げた。
見下される美貌に心臓が嫌な音を立てて、次第に早く激しく動いていく。
自分の体にイクシオンの体の重みを感じると、オリビアは本気で焦りを感じだした。
「殿下……」
「どうした? 我が妃よ」
「勃つのですか?」
「はっ、クククッ! おいっ、笑わすな!」
「笑わすつもりで言ったわけではないのですが」
正直な話、オリビアも必死なのだ。
往生際が悪いと言われようがイクシオンにどうにかやめさせようと、最後の最後まで抵抗している。
「俺は意外とお前のことを気に入っているんだ。勃つか勃たないかでいえば、全く問題はないな」
「――ッ! 殿下は雑食ではなかったと思いますが……美女好きなら、最後までそれを貫いてくださいよっ」
「美女は好きだが、お前と婚姻を結んだ以上浮気はしない。たとえ契約とはいえ、お前も俺の妃になった以上、他の男に現を抜かすなよ」
目の前に鉄壁の理性を揺さぶるほどの美形がいるのに、誰が他の男に現を抜かせるのか逆に聞きたくなった。
「私はもとより、誰にも心を許していません」
「いい心掛けだ。俺に抱かれた後には、さらにその思いが強くなっているだろう」
「はぁ……もう、降参です。さっさと挿れて終わらせてください」
これ以上聞いていられないオリビアは早々に白旗を揚げた。
たった一度、痛みを我慢すればいいだけの話だ。
「そうやって軽口を叩いていられるのも今だけだ」
イクシオンの顔が近づいてくると、オリビアは反射的に顔を反らした。
「殿下……キスは、イヤです。あと、余計なことはしなくていいので、要件だけさっさと済ませてください」
「……ふーん、そうか」
一言返事を返したイクシオンは、オリビアに唇を重ねてくる。
「ん!?」
突然、奪われた唇に大きく瞳を開いた。
まさかキスされるとは思っていなかったからだ。開いた口の隙間から舌が入り、驚きに縮こまっているオリビアの舌を絡めるように愛撫していく。
「ん、ぅっ! ふっ……ぁ」
ぎゅっと瞳を閉じ、重なっているイクシオンの体を押す。
「ん……? なんだ?」
イクシオンの声に色を帯びた艶が混じり、オリビアは大きく息を吸ってから、目の前の男を見つめた。
「嫌だと、言いましたっ」
「言っていたが、それがどうした」
「でんっ――ん!」
オリビアの言うことなどまるで気にしていないイクシオンは、今度はさらに執拗に舌を入れてオリビアの口内を蹂躙するように激しく犯していく。
「ふっ! んッ、はぁっ……!」
イクシオンの舌が自分の舌を舐めると、ゾクゾクとした感覚が背筋に走り、ジッとしていられなくなる。
絡まる舌の動きに翻弄されながら、オリビアの鼻から抜ける声にも甘さが混じっていく。
唇を離されると、オリビアはひたすら呼吸を求め、部屋に荒く吐き出される息遣いが響いていた。
「婚約者がいたわりと、お前はこういったことに慣れていないな」
「……嫌、だと、言ったじゃないですか……」
「言葉で言うほど嫌そうには見えなかったが?」
たしかに嫌ではなかった。
以前、婚前交渉を迫ってきたジャンに無理やりキスをされたことがあった。
唇が触れただけだったが、拒絶反応が出るほど気持ち悪くて、ジャンの体を思い切り突き飛ばした記憶がある。
「人に触れられるのは好きじゃないんです。私など抱いたところで面白くもなんともないでしょう。殿下もいい加減、お戯れはおやめください」
イクシオンはなぜかオリビアに対し、嫌がることをしてくる。
そしてその様子を面白そうに眺めている。要するにイクシオンにとってオリビアは退屈しのぎのオモチャのようなものなのだ。
これもその余興の一つに過ぎない。
オリビアの反応を楽しんでいるだけなのだ。
「面白いか面白くないかは俺が決める。悪態をついていられるのも今だけだ」
「――ん!」
また唇が深く重なり、舌が入ると荒々しく奪われていく。
大の字でベッドに寝ているオリビアに乗り上げた。
見下される美貌に心臓が嫌な音を立てて、次第に早く激しく動いていく。
自分の体にイクシオンの体の重みを感じると、オリビアは本気で焦りを感じだした。
「殿下……」
「どうした? 我が妃よ」
「勃つのですか?」
「はっ、クククッ! おいっ、笑わすな!」
「笑わすつもりで言ったわけではないのですが」
正直な話、オリビアも必死なのだ。
往生際が悪いと言われようがイクシオンにどうにかやめさせようと、最後の最後まで抵抗している。
「俺は意外とお前のことを気に入っているんだ。勃つか勃たないかでいえば、全く問題はないな」
「――ッ! 殿下は雑食ではなかったと思いますが……美女好きなら、最後までそれを貫いてくださいよっ」
「美女は好きだが、お前と婚姻を結んだ以上浮気はしない。たとえ契約とはいえ、お前も俺の妃になった以上、他の男に現を抜かすなよ」
目の前に鉄壁の理性を揺さぶるほどの美形がいるのに、誰が他の男に現を抜かせるのか逆に聞きたくなった。
「私はもとより、誰にも心を許していません」
「いい心掛けだ。俺に抱かれた後には、さらにその思いが強くなっているだろう」
「はぁ……もう、降参です。さっさと挿れて終わらせてください」
これ以上聞いていられないオリビアは早々に白旗を揚げた。
たった一度、痛みを我慢すればいいだけの話だ。
「そうやって軽口を叩いていられるのも今だけだ」
イクシオンの顔が近づいてくると、オリビアは反射的に顔を反らした。
「殿下……キスは、イヤです。あと、余計なことはしなくていいので、要件だけさっさと済ませてください」
「……ふーん、そうか」
一言返事を返したイクシオンは、オリビアに唇を重ねてくる。
「ん!?」
突然、奪われた唇に大きく瞳を開いた。
まさかキスされるとは思っていなかったからだ。開いた口の隙間から舌が入り、驚きに縮こまっているオリビアの舌を絡めるように愛撫していく。
「ん、ぅっ! ふっ……ぁ」
ぎゅっと瞳を閉じ、重なっているイクシオンの体を押す。
「ん……? なんだ?」
イクシオンの声に色を帯びた艶が混じり、オリビアは大きく息を吸ってから、目の前の男を見つめた。
「嫌だと、言いましたっ」
「言っていたが、それがどうした」
「でんっ――ん!」
オリビアの言うことなどまるで気にしていないイクシオンは、今度はさらに執拗に舌を入れてオリビアの口内を蹂躙するように激しく犯していく。
「ふっ! んッ、はぁっ……!」
イクシオンの舌が自分の舌を舐めると、ゾクゾクとした感覚が背筋に走り、ジッとしていられなくなる。
絡まる舌の動きに翻弄されながら、オリビアの鼻から抜ける声にも甘さが混じっていく。
唇を離されると、オリビアはひたすら呼吸を求め、部屋に荒く吐き出される息遣いが響いていた。
「婚約者がいたわりと、お前はこういったことに慣れていないな」
「……嫌、だと、言ったじゃないですか……」
「言葉で言うほど嫌そうには見えなかったが?」
たしかに嫌ではなかった。
以前、婚前交渉を迫ってきたジャンに無理やりキスをされたことがあった。
唇が触れただけだったが、拒絶反応が出るほど気持ち悪くて、ジャンの体を思い切り突き飛ばした記憶がある。
「人に触れられるのは好きじゃないんです。私など抱いたところで面白くもなんともないでしょう。殿下もいい加減、お戯れはおやめください」
イクシオンはなぜかオリビアに対し、嫌がることをしてくる。
そしてその様子を面白そうに眺めている。要するにイクシオンにとってオリビアは退屈しのぎのオモチャのようなものなのだ。
これもその余興の一つに過ぎない。
オリビアの反応を楽しんでいるだけなのだ。
「面白いか面白くないかは俺が決める。悪態をついていられるのも今だけだ」
「――ん!」
また唇が深く重なり、舌が入ると荒々しく奪われていく。
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