【R18】復讐を決意した傷もの令嬢は、魅惑の王弟殿下に甘く翻弄される 〜契約結婚の条件に夜伽が含まれていたなんて聞いてません!〜

ウリ坊

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最後の夜 *

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 オリビアまるで、子供のように気の済むまで泣いた。
 これまでのすべての出来事が頭の中を駆け巡り、溢れ出る思いを止めることができなかった。

 イクシオンはずっと抱きしめてくれた。
 涙を吸い取るようにオリビアの瞳に唇を寄せ、何度もキスを送ってくれた。

「でん、か……」

「どうした?」

「抱いて、くださいっ……」

 流れる涙も溢れる気持ちも止めようがなく、助けを求めるようにイクシオンの胸に縋った。

「――お前から俺を求めるとはな」

 意外そうに呟いたイクシオンはオリビアの顎を掬うと、涙に濡れる空色の瞳を覗いている。

「お願い、ですっ……何もかも、忘れさせて、くださいっ……」 

 頭の中がぐちゃぐちゃで、何一つ考えがまとまらない。
 泣きたくないのに涙も止まらない。
 様々な感情が交錯し、オリビアの思考をどんどん混乱させていく。

「……オリビア」

「自分でも……どうしていいのか、わからなくてっ、苦しいっ……! 助けてくださいっ、お願い、しますっ!」

 まるで水中で藻掻き溺れているような、この息苦しい状況をどうにかしてほしい。
 唯一それができるのは、目の前いるこの美しい男しかいない。

 本能の赴くままにイクシオンを欲した。

「……お前が何も考えられなくなるくらい、夢中にさせてやろう」

「ふ、ぅ!」

 深く重なった唇に、性急に入れられた舌の動きが心地良くて、自分からも求めるように舌を絡めて応じた。

「ん、ぅ、んっ!」

 慣れた手つきで脱がされるドレスは途中から自分で脱ぎ捨てた。
 
 少しでも早くイクシオンを感じたくて、ベッドに倒されてからは急かすようにイクシオンの服を脱がせた。

 ようやくお互い裸のままになると、触れ合う素肌の感触があまりに心地好く、また涙が流れてきた。
 それに気づいたイクシオンはオリビアの目尻に舌を這わせ、涙を舐め取っていく。

「っ、ふ」

 そのまま、また唇が重なり、首筋から次々とキスを落とし、胸の先端を嬲る頃にはオリビアの息も上がり始めていた。

「んッ、ぁ! んッ、んッ!」

 丁寧に舌先で尖った先端を舐め、空いていた手が秘部を撫でていく。

「あッ! んんッ」

 すでに濡れている蜜口に指を差し込み、解すように動かすとオリビアの口から甘い嬌声が上がっていく。

「あッ、ぁ、ぁッ!」

 尖った先端を愛撫していた唇がどんどん下へと降りていき、痕を刻みながら秘部まで到達した。
 オリビアの足を大きく開かせると、美しい顔を密やかなに膨らんだ蕾に近づけている。

「――ひっ!」

 足を抱えるようにイクシオンがオリビアの蕾に舌を這わせ、吸い付くように嬲っていく。

「はっ! あっ! ぁ、あッ、ふぁッ!」

 腰が蕩けそうに心地良く、舌が蕾を刺激する度にたまらない快楽がオリビアを襲う。
 絶頂の波はすぐに訪れ、激しく体を震わせ快楽を極めた。

「ぁ、はぁっ、はっ、ぅ」

 顔を上げたイクシオンは舌で唇を舐め、ベッドで息を乱しているオリビアを見下ろしている。
 そしてまた素肌を重ねるようにオリビアの上に覆いかぶさると、労わるように叩かれて赤くなった頬に唇を寄せている。
 
「も……、挿れて、くださいっ」

 まだ呼吸も整っていないオリビアは、イクシオンを見上げ、言葉を途切れさせながら懇願している。

「早く、欲しいんです。殿下を、くださいっ……」

 自分の欲望を偽ることもなく言葉にしていくオリビアに、イクシオンは驚いたように大きく目を開いて喉を鳴らし、そして深く息を吐いていた。

「はぁ……、お前が素直すぎるのも考えものだな。そんなふうに挑発していると、手加減できないぞ?」

「そんなの、いりませんっ! 今すぐ、貴方が、欲しいんですっ……!」

 オリビアの率直な言葉を聞いたイクシオンは、すぐに猛った自身を蜜を流している孔に当てると、そのまま一気に腟内を犯していく。

「――んぁッ!! ふッ、ぁ、んん、んッ!!」

 イクシオンが腰を動かし、熱い塊が最奥まで到達すると待ち望んだ快楽を得られ、オリビアの体が大きく仰け反る。
 
「あぁッ!!」

「う、はぁッ……すごい、なっ……! くッ、俺のほうが、呑まれそうだっ」

 挿入された雄を貪欲に搾り取ろうとするオリビアに、イクシオンも耐えるように美しい顔を歪ませて腰を動かしている。

「んッ……! はぁッ! あッ、もっと――」

 迫りくる快楽の波に抗うように涙を流し、ただひたすら、気の済むまでイクシオンを求め続けた。
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