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配送履歴#6 配達物『兵隊』
第40話 かみ合わない作戦会議
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待機することになった本隊では、丈夫そうな倒木に領主が腰をかけている。
ユウヒもその近くの倒木に座って、持ってきた人参を兎にあげていた。
ユウヒが座る倒木の上には梟も止まっており、時折目を光らせては首をクルクル回している。
領主はゴブリンから渡された地図をみながら、ユウヒに声をかける。
「運び屋、山賊に知り合いでもいるのか?」
「山賊してる知り合いなんかいませんよ?」
「狼の遠吠えと言い、ゴブリンが地図を持ってきたことといい、どうにも妙でな」
「うーん、銀月狼もゴブリンも悪気はなさそうだったですけど」
兎に人参をあげながらのんびり答えるユウヒに、ため息をついて肩を落とす領主。
「お前の感覚をどれほど信じていいのか、わからん」
「なんか、ごめんなさい」
雰囲気がっかりされていることに気まずくなって、とりあえず謝るユウヒ。
だが、領主は気にせずに話を続ける。
「飛び入りの情報といい、妨害なくここまで進めたことといい、予想外に順調といっていい」
「ふむふむ」
「このまま行けばいいのだが、こういう時は気の緩みが禁物だな」
「そうなんですね」
「地図を見ても、間も無く山小屋に到着できそうだ」
「もうすぐ」
「あのドクロが意味する物はなんなのだろうか」
「どっくろー」
気づけば自分の世界に入り込んで考えに耽っている領主。
ユウヒはその横で適当に相槌を打ちながら、兎と休んでいた。
領主とユウヒがキャッチしない会話のボール投げをして三十分ほど経った頃。
森の中に偵察に出ていた分隊から一人ずつ兵士が本体に帰還した。
倒木に腰掛けたままの領主と、すぐそばに駆け寄って控えて立つ隊長が報告を聞く態勢をとる。
兵士がそれぞれ報告する。
「報告。第一分隊、地図の場所に抜け道を確認。残りの人員で監視、封鎖しています」
「報告。第二分隊も同様です。抜け道確認し、監視と封鎖をおこなっています」
兵士の報告を聞いて頷く隊長と領主。
顔を向き合って、認識の共有と作戦の検討を行う。
「ここまでは地図通りですな」
「ああ、そうだな。これで信用するというわけにもいかないが、山賊の中に内通者がいる可能性は考慮しておこう」
「これからどうしましょうか」
「そうだな。おい、運び屋」
難しい話をしてるね、と兎に話しかけながら座っていたユウヒは、油断しているところに話しかけられて驚く。
「ひゃい」
「……お前、いつもそれだな。まあいい、梟で人のいる場所はわかるんだったな?」
「あ、はい。デモン、どうかな」
再度森の奥に向かって梟が目を光らせて、ユウヒの質問に答えた。
「ニンゲン、ゴブリン、ゼンイン、オナジバショ」
「みんな同じ場所にいる見たいです」
ユウヒは振り向いて領主に報告。
領主はユウヒに質問する。
「山小屋か?」
「デモン、山小屋かな?」
ユウヒは梟に向いて質問。
梟は即答する。
「ワカラナイ」
「わからないです」
ユウヒは領主を向いて答えた。
領主と梟を交互に見ながら話すユウヒを見て、領主が頭を抱える。
「何ていうか、お前が間に入る意味がなくないか」
「……ほんとだ」
衝撃を受けて驚くユウヒに呆れる領主。
そこに、梟との会話経験がある隊長が直接梟に質問を投げかけて状況の打開を図る。
「最初に質問した時の場所と人間の場所は変わってないか?」
「カワッテナイ」
「人間、ゴブリン以外の魔物はいないか?」
「オオキナマリョク、ナイ」
「他に武器とか、罠とかはわからないかな」
「ワカラナイ、イマハ、マリョクナイ」
隊長が梟に話しかけてスムーズに情報収集をしていると、意味がないと言われたユウヒが名誉挽回とばかりに口を挟んだ。
「デモンは魔力を見てるだけだよ」
「そうすると、武器や罠はわからないわけか。召喚士がいるかとかはわかるのか?」
「それはわかると思う。デモン、召喚士っている?」
「ヒトリ、イル。ゴブリン、ツナガッテル」
「そっか」
ユウヒは納得して話を終えようとする。
慌てて、隊長が割り込んで確認した。
「何がわかったんだ?」
「えっと、多分召喚士がいるんだ」
「なんでわかるんだ?」
「ゴブリンと魔力が繋がってるんだ。ゴブリンは喚ばれた子だと思うよ」
隊長はその答えを聞いて領主に視線を送る。
それを見て、軽く頷くと領主はユウヒに確認した。
「そのゴブリンは特に強いゴブリンだったりするのか?」
「ううん、多分普通のゴブリン」
「確かに、先ほど地図を届けにきたゴブリンは強そうには見えませんでした」
答えるユウヒに、実際にゴブリンを見た隊長も答える。
すると、領主は少し表情を崩して隊長に話しかける
「そうすると、お前達なら大して脅威にはならんだろう?」
「もちろんです」
「あとは狼だが。まあ、そこは出たら考えるしかないな。よし、予定通り山賊をとっちめてやるとしよう」
「了解しました」
我が意を得たり、と方針が決まって隊長は兵士たちを呼び集めて作戦を伝える。
なるべく静かに山小屋に接近。
包囲と警告を行い、抵抗する場合は、捕縛もしくは討伐。
対象は人間だけとし、ゴブリンは攻撃してきた場合は討伐する。
内通者が召喚士であった場合を考慮して、攻撃してこない場合は基本的に無視。
先ほど調査に行った二分隊は引き続き抜け道を監視し、逃亡した山賊を捕縛。
作戦を聞いた兵士達は装備や手筈を確認し、準備完了。
領主が隊長に向かって頷くと、隊長が兵士達に作戦開始を伝えた。
一行が山小屋に近づいていく。
ユウヒもその近くの倒木に座って、持ってきた人参を兎にあげていた。
ユウヒが座る倒木の上には梟も止まっており、時折目を光らせては首をクルクル回している。
領主はゴブリンから渡された地図をみながら、ユウヒに声をかける。
「運び屋、山賊に知り合いでもいるのか?」
「山賊してる知り合いなんかいませんよ?」
「狼の遠吠えと言い、ゴブリンが地図を持ってきたことといい、どうにも妙でな」
「うーん、銀月狼もゴブリンも悪気はなさそうだったですけど」
兎に人参をあげながらのんびり答えるユウヒに、ため息をついて肩を落とす領主。
「お前の感覚をどれほど信じていいのか、わからん」
「なんか、ごめんなさい」
雰囲気がっかりされていることに気まずくなって、とりあえず謝るユウヒ。
だが、領主は気にせずに話を続ける。
「飛び入りの情報といい、妨害なくここまで進めたことといい、予想外に順調といっていい」
「ふむふむ」
「このまま行けばいいのだが、こういう時は気の緩みが禁物だな」
「そうなんですね」
「地図を見ても、間も無く山小屋に到着できそうだ」
「もうすぐ」
「あのドクロが意味する物はなんなのだろうか」
「どっくろー」
気づけば自分の世界に入り込んで考えに耽っている領主。
ユウヒはその横で適当に相槌を打ちながら、兎と休んでいた。
領主とユウヒがキャッチしない会話のボール投げをして三十分ほど経った頃。
森の中に偵察に出ていた分隊から一人ずつ兵士が本体に帰還した。
倒木に腰掛けたままの領主と、すぐそばに駆け寄って控えて立つ隊長が報告を聞く態勢をとる。
兵士がそれぞれ報告する。
「報告。第一分隊、地図の場所に抜け道を確認。残りの人員で監視、封鎖しています」
「報告。第二分隊も同様です。抜け道確認し、監視と封鎖をおこなっています」
兵士の報告を聞いて頷く隊長と領主。
顔を向き合って、認識の共有と作戦の検討を行う。
「ここまでは地図通りですな」
「ああ、そうだな。これで信用するというわけにもいかないが、山賊の中に内通者がいる可能性は考慮しておこう」
「これからどうしましょうか」
「そうだな。おい、運び屋」
難しい話をしてるね、と兎に話しかけながら座っていたユウヒは、油断しているところに話しかけられて驚く。
「ひゃい」
「……お前、いつもそれだな。まあいい、梟で人のいる場所はわかるんだったな?」
「あ、はい。デモン、どうかな」
再度森の奥に向かって梟が目を光らせて、ユウヒの質問に答えた。
「ニンゲン、ゴブリン、ゼンイン、オナジバショ」
「みんな同じ場所にいる見たいです」
ユウヒは振り向いて領主に報告。
領主はユウヒに質問する。
「山小屋か?」
「デモン、山小屋かな?」
ユウヒは梟に向いて質問。
梟は即答する。
「ワカラナイ」
「わからないです」
ユウヒは領主を向いて答えた。
領主と梟を交互に見ながら話すユウヒを見て、領主が頭を抱える。
「何ていうか、お前が間に入る意味がなくないか」
「……ほんとだ」
衝撃を受けて驚くユウヒに呆れる領主。
そこに、梟との会話経験がある隊長が直接梟に質問を投げかけて状況の打開を図る。
「最初に質問した時の場所と人間の場所は変わってないか?」
「カワッテナイ」
「人間、ゴブリン以外の魔物はいないか?」
「オオキナマリョク、ナイ」
「他に武器とか、罠とかはわからないかな」
「ワカラナイ、イマハ、マリョクナイ」
隊長が梟に話しかけてスムーズに情報収集をしていると、意味がないと言われたユウヒが名誉挽回とばかりに口を挟んだ。
「デモンは魔力を見てるだけだよ」
「そうすると、武器や罠はわからないわけか。召喚士がいるかとかはわかるのか?」
「それはわかると思う。デモン、召喚士っている?」
「ヒトリ、イル。ゴブリン、ツナガッテル」
「そっか」
ユウヒは納得して話を終えようとする。
慌てて、隊長が割り込んで確認した。
「何がわかったんだ?」
「えっと、多分召喚士がいるんだ」
「なんでわかるんだ?」
「ゴブリンと魔力が繋がってるんだ。ゴブリンは喚ばれた子だと思うよ」
隊長はその答えを聞いて領主に視線を送る。
それを見て、軽く頷くと領主はユウヒに確認した。
「そのゴブリンは特に強いゴブリンだったりするのか?」
「ううん、多分普通のゴブリン」
「確かに、先ほど地図を届けにきたゴブリンは強そうには見えませんでした」
答えるユウヒに、実際にゴブリンを見た隊長も答える。
すると、領主は少し表情を崩して隊長に話しかける
「そうすると、お前達なら大して脅威にはならんだろう?」
「もちろんです」
「あとは狼だが。まあ、そこは出たら考えるしかないな。よし、予定通り山賊をとっちめてやるとしよう」
「了解しました」
我が意を得たり、と方針が決まって隊長は兵士たちを呼び集めて作戦を伝える。
なるべく静かに山小屋に接近。
包囲と警告を行い、抵抗する場合は、捕縛もしくは討伐。
対象は人間だけとし、ゴブリンは攻撃してきた場合は討伐する。
内通者が召喚士であった場合を考慮して、攻撃してこない場合は基本的に無視。
先ほど調査に行った二分隊は引き続き抜け道を監視し、逃亡した山賊を捕縛。
作戦を聞いた兵士達は装備や手筈を確認し、準備完了。
領主が隊長に向かって頷くと、隊長が兵士達に作戦開始を伝えた。
一行が山小屋に近づいていく。
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