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配送履歴#6 配達物『兵隊』
第41話 山賊ともう一人の召喚士
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一方その頃、山賊討伐の部隊が向かう山小屋。
小屋の外では男達があくびを噛み殺しながら見張りをしており、その男達を遠巻きにゴブリン達がさらに外側を向いて立っている。
ゴブリン達は基本的には何か起きるまではうろうろしているだけだ。
見張りについている男達は、うろうろしているゴブリンを見ながら雑談している。
「あいつら、何考えてるかわかんねえなあ」
「せめて見張りくらいちゃんとやっててくれよな」
「そしたら俺らサボってられるのにな。仕事しろよ、おらっ」
時折、ゴブリンに向かって石を投げる男達。
ぐぎゃぐぎゃと言いながら避けるゴブリンの反応をみて笑っていた。
ゴブリンは反撃することもなく、ただその周りをウロウロしている。
そんな時、ドアを開けて中からフードを被った小柄な人物が外に出てきて見張りに声をかけた。
十代半ばを想像させる少年の声だ。
「ゴブリン達をいじめるなら、仕事打ち切るよ」
「おーおー、注意するぜ。ただ、あいつら意味があるのかよ」
「お前らよりかは、いい仕事するよ」
「け、高い金払うんだ。お前も仕事しろよな」
見張りの男達が毒づくのを流し、周囲の様子を伺うように周りを眺めながら、フードの少年は一人呟く。
「くるかな?」
「あ?何がだよ」
呟きを聞いて見張りの男が少年に問いただすと、フードの少年は逆に見張りに問い返した。
「誰がくるかな?」
「はあ?何の話だよ」
「わかんないよね、じゃあいいや」
「お前、おちょくってんのかよ?」
要領を得ない少年の言葉に苛立ちを隠さない見張りの男。
胸ぐらに掴みかかろうとすると、少年はするっと交わして謝った。
「ごめん、おちょくってないよ」
「お前、やっぱり一度わからしてやったほうがいいな」
目配せすると、見張りの男達はフードの少年を取り囲んで捕まえようとする。
ジリジリと男達が少年に迫っていると、言い争いしていた声を聞いて山小屋の中から男が出てきた。
「おいおい、何やってるんだ」
出てきたのは以前ユウヒが船であった元船員、山賊にお頭と呼ばれている男である。
見張り達がフードの少年を顎でしゃくりながら、山賊の頭に向かって訴えた。
「お頭、こいつ俺らのことおちょくってますぜ」
「おちょくってないってば」
「ほら、おちょくってるだろ」
山賊の頭は呆れた顔をして見張り達に話す。
「こいつには構うんじゃねえ。さっきの狼も見ただろう」
「けどよ」
「あとゴブリンで遊ぶのもやめろ。見張りと危なくなった時の大事な囮だぞ。丁重に扱っとけ」
「りょ、了解だ、お頭」
見張り達に説教くれると、今度はフードの少年を向いて話しかける山賊の頭。
「お前も傭兵なら頼んだ仕事はきっちりこなせよな」
「もちろん。ゴブリンで見張ってるよ」
「まあ、確かにゴブリンで牽制してはいるんだがな」
「契約内容はゴブリンで森の中に人が来ないようにする、だよね。仕事してるよ」
胸を張るフードを被った少年に、山賊の頭はゲンナリした表情を見せて肩をすくめる。
「しかし、召喚士ってのはみんなこんな感じなのか」
「あれ、僕以外に召喚士を知ってるの?」
「ああ、この前から商売を邪魔してくる召喚士がいてな」
「へー」
山賊の頭が召喚士について話し始めた時、見張りのゴブリン達がぐぎゃぐぎゃと騒がしく声を上げ始める。
ぐぎゃ。
最初は一匹のゴブリンだったが、段々と全員が声をそろえて声を上げ始める。
ぐぎゃぐぎゃぐぎゃぐぎゃ。
「うるせえ、何事だ!」
キレ気味にフードの少年に確認する山賊のお頭。
フードの少年はそれに答えた。
「お客さんが来たみたい。この感じだと結構大所帯だよ」
「お客さんだあ!?」
叫び返すと、山賊の頭は見張りに対して叫んで指示を出す。
「お前ら、敵襲だ!備えろ!」
「了解!」
一転、引き締まった空気で武器を構える見張りの男達。
ぐぎゃぐぎゃぐぎゃぐぎゃぐぎゃぐぎゃぐぎゃぐぎゃ。
「うっせえ、しまっとけ!」
「はーい。みんな、お疲れ様」
一層激しく声を上げるゴブリンの五月蝿さに耐えかねて、山賊の頭はフードの少年に指示を出した。
指示に同意して、ゴブリン達に声をかけると、フードの少年は呪文を唱える。
『召喚解除』
一斉にゴブリン達の足元に魔法陣が出て、ぐぎゃぐぎゃと叫びながらゴブリンが消えていく。
静かになったことと、見張り達がしっかり警戒していることを確認して、山賊の頭は山小屋のドアを開いて中に声をかけた。
「敵襲、もしかしたら街の兵隊達かもしれねえ」
「きましたか。いつかくるとは思ってましたが、思ったより早いですね」
山賊の頭の声かけに、落ち着いた声色で答えたのは指名手配を受けている薬商人である。
「ああ、俺はアレを起動する」
「お願いします、私は時間稼ぎをしておきますね」
二人はお互いのやるべきことを確認して頷き合う。
山賊の頭は山小屋の奥に向かい、指名手配を受けた商人は山小屋の中から外を伺っている。
山小屋の外では山賊たちが襲撃に慌ただしく備えていた。
しかし、そんな中彼らが雇った召喚士であるフードを被った少年が、一人森の中に隠れたことに気づくものはいなかった。
小屋の外では男達があくびを噛み殺しながら見張りをしており、その男達を遠巻きにゴブリン達がさらに外側を向いて立っている。
ゴブリン達は基本的には何か起きるまではうろうろしているだけだ。
見張りについている男達は、うろうろしているゴブリンを見ながら雑談している。
「あいつら、何考えてるかわかんねえなあ」
「せめて見張りくらいちゃんとやっててくれよな」
「そしたら俺らサボってられるのにな。仕事しろよ、おらっ」
時折、ゴブリンに向かって石を投げる男達。
ぐぎゃぐぎゃと言いながら避けるゴブリンの反応をみて笑っていた。
ゴブリンは反撃することもなく、ただその周りをウロウロしている。
そんな時、ドアを開けて中からフードを被った小柄な人物が外に出てきて見張りに声をかけた。
十代半ばを想像させる少年の声だ。
「ゴブリン達をいじめるなら、仕事打ち切るよ」
「おーおー、注意するぜ。ただ、あいつら意味があるのかよ」
「お前らよりかは、いい仕事するよ」
「け、高い金払うんだ。お前も仕事しろよな」
見張りの男達が毒づくのを流し、周囲の様子を伺うように周りを眺めながら、フードの少年は一人呟く。
「くるかな?」
「あ?何がだよ」
呟きを聞いて見張りの男が少年に問いただすと、フードの少年は逆に見張りに問い返した。
「誰がくるかな?」
「はあ?何の話だよ」
「わかんないよね、じゃあいいや」
「お前、おちょくってんのかよ?」
要領を得ない少年の言葉に苛立ちを隠さない見張りの男。
胸ぐらに掴みかかろうとすると、少年はするっと交わして謝った。
「ごめん、おちょくってないよ」
「お前、やっぱり一度わからしてやったほうがいいな」
目配せすると、見張りの男達はフードの少年を取り囲んで捕まえようとする。
ジリジリと男達が少年に迫っていると、言い争いしていた声を聞いて山小屋の中から男が出てきた。
「おいおい、何やってるんだ」
出てきたのは以前ユウヒが船であった元船員、山賊にお頭と呼ばれている男である。
見張り達がフードの少年を顎でしゃくりながら、山賊の頭に向かって訴えた。
「お頭、こいつ俺らのことおちょくってますぜ」
「おちょくってないってば」
「ほら、おちょくってるだろ」
山賊の頭は呆れた顔をして見張り達に話す。
「こいつには構うんじゃねえ。さっきの狼も見ただろう」
「けどよ」
「あとゴブリンで遊ぶのもやめろ。見張りと危なくなった時の大事な囮だぞ。丁重に扱っとけ」
「りょ、了解だ、お頭」
見張り達に説教くれると、今度はフードの少年を向いて話しかける山賊の頭。
「お前も傭兵なら頼んだ仕事はきっちりこなせよな」
「もちろん。ゴブリンで見張ってるよ」
「まあ、確かにゴブリンで牽制してはいるんだがな」
「契約内容はゴブリンで森の中に人が来ないようにする、だよね。仕事してるよ」
胸を張るフードを被った少年に、山賊の頭はゲンナリした表情を見せて肩をすくめる。
「しかし、召喚士ってのはみんなこんな感じなのか」
「あれ、僕以外に召喚士を知ってるの?」
「ああ、この前から商売を邪魔してくる召喚士がいてな」
「へー」
山賊の頭が召喚士について話し始めた時、見張りのゴブリン達がぐぎゃぐぎゃと騒がしく声を上げ始める。
ぐぎゃ。
最初は一匹のゴブリンだったが、段々と全員が声をそろえて声を上げ始める。
ぐぎゃぐぎゃぐぎゃぐぎゃ。
「うるせえ、何事だ!」
キレ気味にフードの少年に確認する山賊のお頭。
フードの少年はそれに答えた。
「お客さんが来たみたい。この感じだと結構大所帯だよ」
「お客さんだあ!?」
叫び返すと、山賊の頭は見張りに対して叫んで指示を出す。
「お前ら、敵襲だ!備えろ!」
「了解!」
一転、引き締まった空気で武器を構える見張りの男達。
ぐぎゃぐぎゃぐぎゃぐぎゃぐぎゃぐぎゃぐぎゃぐぎゃ。
「うっせえ、しまっとけ!」
「はーい。みんな、お疲れ様」
一層激しく声を上げるゴブリンの五月蝿さに耐えかねて、山賊の頭はフードの少年に指示を出した。
指示に同意して、ゴブリン達に声をかけると、フードの少年は呪文を唱える。
『召喚解除』
一斉にゴブリン達の足元に魔法陣が出て、ぐぎゃぐぎゃと叫びながらゴブリンが消えていく。
静かになったことと、見張り達がしっかり警戒していることを確認して、山賊の頭は山小屋のドアを開いて中に声をかけた。
「敵襲、もしかしたら街の兵隊達かもしれねえ」
「きましたか。いつかくるとは思ってましたが、思ったより早いですね」
山賊の頭の声かけに、落ち着いた声色で答えたのは指名手配を受けている薬商人である。
「ああ、俺はアレを起動する」
「お願いします、私は時間稼ぎをしておきますね」
二人はお互いのやるべきことを確認して頷き合う。
山賊の頭は山小屋の奥に向かい、指名手配を受けた商人は山小屋の中から外を伺っている。
山小屋の外では山賊たちが襲撃に慌ただしく備えていた。
しかし、そんな中彼らが雇った召喚士であるフードを被った少年が、一人森の中に隠れたことに気づくものはいなかった。
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