26 / 54
第一章
レゼナが咲いた日
しおりを挟む
ウォルター=リビィント領は、王都ほどではないが、それなりに華やいだ領地だ。城下町は下領町、上領町に別れ、王都から直結した大きな運河も流れていた。田舎に住む者達にとっては、せいぜいがウォルター城下町に旅行に行くのが最大贅沢の楽しみだった。隣町には有名な風車丘もある。
「そう言えば、学校で噂になっていたけれど、レイズヴァーグの第三王子が王都に滞在中らしいわ。名目は春の収穫祭の祝辞贈呈らしいけれど、本当は王子の花嫁探しが真の目的だっていうのは本当かしら。王子ってたしかまだ御年十四歳よね」
結婚なんて早すぎるんじゃないのかしら、と続けるミルフィに、ハウエルは苦笑して身を乗り出した。
「知らないのかい? 王家の人間は早婚が当たり前だよ。これはレイズヴァーグに限らずウルディアスでも同じさ。十四歳といったら結婚適齢期なんだよ」
「まあ。十四歳が結婚適齢期!? 王家の人間は何かと大変なのね。私は結婚なんてまだ考えられないわ」
恋をしたことだってないのだ。そう続けると、ハウエルは寂しそうに笑った。しかしミルフィには、ハウエルに抱き抱えられる形でレジーに乗っていたので、その様子は分からなかった。
「そう言えば、学校で噂になっていたけれど、レイズヴァーグの第三王子が王都に滞在中らしいわ。名目は春の収穫祭の祝辞贈呈らしいけれど、本当は王子の花嫁探しが真の目的だっていうのは本当かしら。王子ってたしかまだ御年十四歳よね」
結婚なんて早すぎるんじゃないのかしら、と続けるミルフィに、ハウエルは苦笑して身を乗り出した。
「知らないのかい? 王家の人間は早婚が当たり前だよ。これはレイズヴァーグに限らずウルディアスでも同じさ。十四歳といったら結婚適齢期なんだよ」
「まあ。十四歳が結婚適齢期!? 王家の人間は何かと大変なのね。私は結婚なんてまだ考えられないわ」
恋をしたことだってないのだ。そう続けると、ハウエルは寂しそうに笑った。しかしミルフィには、ハウエルに抱き抱えられる形でレジーに乗っていたので、その様子は分からなかった。
7
あなたにおすすめの小説
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
復讐のための五つの方法
炭田おと
恋愛
皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。
それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。
グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。
72話で完結です。
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
慈愛と復讐の間
レクフル
ファンタジー
とある国に二人の赤子が生まれた。
一人は慈愛の女神の生まれ変わりとされ、一人は復讐の女神の生まれ変わりとされた。
慈愛の女神の生まれ変わりがこの世に生を得た時、必ず復讐の女神の生まれ変わりは生を得る。この二人は対となっているが、決して相容れるものではない。
これは古より語り継がれている伝承であり、慈愛の女神の加護を得た者は絶大なる力を手にするのだと言う。
だが慈愛の女神の生まれ変わりとして生を亨けた娘が、別の赤子と取り換えられてしまった。
大切に育てられる筈の慈愛の女神の生まれ変わりの娘は、母親から虐げられながらも懸命に生きようとしていた。
そんな中、森で出会った迷い人の王子と娘は、互いにそれと知らずに想い合い、数奇な運命を歩んで行くこととなる。
そして、変わりに育てられた赤子は大切に育てられていたが、その暴虐ぶりは日をまして酷くなっていく。
慈愛に満ちた娘と復讐に駆られた娘に翻弄されながら、王子はあの日出会った想い人を探し続ける。
想い合う二人の運命は絡み合うことができるのか。その存在に気づくことができるのか……
繰り返しのその先は
みなせ
ファンタジー
婚約者がある女性をそばに置くようになってから、
私は悪女と呼ばれるようになった。
私が声を上げると、彼女は涙を流す。
そのたびに私の居場所はなくなっていく。
そして、とうとう命を落とした。
そう、死んでしまったはずだった。
なのに死んだと思ったのに、目を覚ます。
婚約が決まったあの日の朝に。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる