混沌の中で彷徨う。

只野まぁ。

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プロローグ

すき、ただそれだけ。

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俺は楓さんが好き。それを自覚していたのはとうの昔から。
今更な話だった楓さんのパフォーマンスのかっこよさも、結構喋り方が優しくて穏やかなのも、
子供ぽい性格も全部、ぜんぶ愛おしかった。それに気付くのに時間は掛からなかった。俺は、この男に恋している。
貴方が、俺を嫌うとしてもきっと俺は想い続けるでしょうね
「…楓さん、すきです」
「知ってる。」

オレも好きだもん。そう笑う貴方は本当にキレイで目を反らすのも忘れてしまう。
自分の呼吸も心臓の音も直に感じるくらい、うるさい。貴方は美しい人だ。

俺とは、違う。こんな穢れた感情で貴方をオカズにして妄想しているんです
憧れの先輩だと、笑いながら。
「ごめんなさい……好きになって、ごめんなさい」

ただ、優しく抱き締められてキスをされる。キスは深く甘く。そして苦しい、貴方が教えたんですよ…ねえ楓さん、責任取って?
「もう離さねぇよもっと、もっとオレにハマって。」
「………??」

貴方にはもうハマってるのに、まだ狂わせたいのかなひどい人だ。
楓さんいつも余裕を見せるから不安だよ

でも狂ってしまえば、分からなくなるのかな俺の面倒見てくれるのかな、という気持ちとこの人私生活壊れてるからやっぱりオレじゃないとだめにさせなきゃ、という
ふたつの感情が現れ、不覚にも笑いが溢れ、楓さんも笑った。

夢を見ていた。儚くてふわふわしてて。
髪を撫でられる…この優しい手付きを俺は知っている。ずっと昔から、
好きで好きで堪らなく憧れだった。
一度手放したあの人の指先を。優しく目を細めて見つめるあの瞳を。
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