混沌の中で彷徨う。

只野まぁ。

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プロローグ

後悔

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あの頃の俺はガキすぎて冷静になれず、楓さんを突き飛ばし別れを告げた。

あの時の傷付いた表情の楓さんを未だに頭から離れられない。いくら他者の差し金で、俺達を引き裂いたとしても傷付けたのは俺だ。
未だに己を許せない、
いや許してはならないんだ。

なぜ人は恋に「落ちる」と呼ぶ?その心は、一番大事なもので
一番深い場所にあるから。恋だけではなくて、何かに感じたり泣いたり怒ったり、
 その感情は常に沈もうと重りを重ねる

捕まえて、抱きしめておかないと俺も貴方も、
一緒に潰れるだろう、そしてそれを望んでいる。憐れで惨めな生き物だ————。
「んッ…」

眩しい。考えことをしていたらいつの間にか朝を迎えていたようだ。
肩が重い…後ろから自分より背丈も体格も差がある人に抱きしめられていた。

………楓さんはかつての愛しい恋人、別れてからもこの人はずっと俺を想い続けてくれていたと。先日聞いたばかりだった。
「愛してる」

切なく、ずっと聴きたくて心の底では求めていたその音色は今にも泣き出してしまいそうで。胸が苦しくなった、
俺から別れを告げておきながら。自分も貴方を愛してしまっていたから。もうその想いを隠す術を、誤魔化す術を忘れてしまったから。

もう、今更止められりゃしない。俺達の邪魔はさせないと決めた。
 
人生は長く、恋は短い。
しかし振り返れば後悔のない思い出がそこに
あってほしいと願っている。

まだそれの感情に名前が無かった頃、お互いの眼差しの間で慎重に再び息を吹き返す。
貴方と生きていたいのは昔から変わらなくてまだ、俺達が知らない距離で

遠くの場所で、俺達の愛の憎しみは雪と溶ける、緩やかに。…最初の出会いは最悪だった。

酒の場で先輩方に囲まれてる中、楓さんに拉致られて車で分かんなくなるくらい窒息しそうなキスをされたかと思えば、
楓さんのマンションで抱かれて。

それでも、嫌な男だとは思ったが嫌悪感は割と無くて。
憧れだった先輩だったから。そう…誤魔化してズルズルと楓さんと関係を繋いでいた。

楓さんの本当の性格や癖、口調に俺との共通点が多い事————。
…惹かれない訳がなく、ただ俺は貴方に溺れていました。
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