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成長する王女
束の間の安らぎ
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マリー達が街まで帰ってくると、Sクラスの皆が城門の前にいた。
「マリー!」
コハクがいの一番にマリーに近づいていく。
「ブイ!」
近づいてきたコハクに対してピースをするマリー。
「すごいですわ! まさかアルさんに勝ってしまうなんて」
「うん、うん。すごいよ!」
「マリーちゃんもアルくんもすごい戦いだった!」
「そうだね。まさか、アルに魔剣術を使わせるとは思わなかった」
リリー達が思い思いの感想を言う。
『さて、これにて、魔武闘大会一年の部を終了します! 後日、六年の部まで終了した後、全学年の優勝者同士でトーナメントを行います。さらに、エキシビションもありますので、優勝者であるマリーさんは、準備しておいてください。では、解散!』
カレナのアナウンスで、観客達が街の中に戻っていく。
「私達も戻ろうか」
「そうだな。しばらくは、ゆっくり休めるだろう。皆、明日から、どうするつもりなんだ?」
アルが皆に明日の予定を訊く。
「私は、休んでいるかな。魔道具の補充もしておきたいし」
「マリーが家にいるなら、私もそうしようかな」
マリーとコハクは、自宅でゆっくりするつもりみたいだ。
「私は、他の学年の試合を見るつもりですわ」
「私も、リリーに付いていこうかな」
「じゃあ、私も」
リリー、セレナ、アイリは、他の学年の試合を観に、闘技場に行くらしい。
「僕は、家の用事があるから、しばらくここを離れるかな」
「なるほどな」
それぞれにやりたいことがあるため、しばらくは、別々に行動するようになりそうだ。
「それじゃあ、またね」
「ああ」
マリー達は、それぞれ別れて、自分達の家に戻っていった。
魔武闘大会一年の部は、マリーの優勝で幕を閉じた。
────────────────────────
王城にて。
「予定通り、マリーナリアが優勝したな」
「はい。少し危ういかと思われましたが、優勝なされました」
国王の執務室には、国王とカイトだけがいた。他には誰もいない。
「これで、あの作戦が使えるな」
「ですが、その作戦にのる者などいらっしゃるのですか?」
「既に手配済みだ。後は、時を待って細工をすれば完了だ。くっくく、くっくくくくく、ふっははははははは!!」
国王の高笑いが執務室に響き渡った。
「では、私は失礼します」
「ああ、引き続き、マリーナリアの監視を怠るな」
「御意」
カイトは執務室から出て行った。
「これでは、さすがのマリー様も……」
国王とは正反対にカイトの顔は浮かなかった。
────────────────────────
決勝戦の次の日、マリーは、自宅の工房にいた。
「ふぅ、消費した魔道具を補充して、剣のメンテナンスと改良……後は、少し新しいものを作ろうかな」
マリー最初に予定していたとおり、消費した閃光石などの魔道具を補充し、自分の剣のメンテナンスを済ませる。
「改良……魔力の通りを複雑化させて、新しい魔法陣に対応出来るように……いや、そのままの状態で通りを良くする方が……」
メンテナンスまでは、スムーズに終える事が出来たのだが、改良に関しては、かなり難航していた。今の状態から魔法式を変えて新しい魔法陣を創り出すか、あるいは今の状態を維持して魔力の通りを良くするか。前者は、一本だけでなく、全ての剣の魔法式を見直す必要がある。
「う~ん……」
マリーが悩んでいると、工房のドアがノックされた。
「は~い」
作業中ではなかったので、ドアを開けに向かう。開けた先にいたのは、コハクとマニカだった。
「マニカ? どうしたの?」
何度も義手のメンテナンスなどで顔を合わせているので、マリーも呼び捨てで話す仲になっていた。
「いや~、腕の調子が少し悪くて確認して欲しいんだ」
どうやら、義手の調子がおかしいらしい。
「分かった。中に入って、案内してくれてありがとう、コハク」
「ううん、お茶持ってく?」
「うん。お願い」
マリーは、マニカを工房に招き入れ、コハクは、厨房にお茶の支度をしに向かった。
「それで、調子がおかしいってどんな感じで?」
「何か反応が悪い感じ? 関節部分の動きが悪いんだ」
マニカの言葉に、マリーは少し険しい顔になる。関節部分の不調は、戦闘に限らず、日常生活にも影響を及ぼす問題だ。
「一度腕を外すよ」
「うん」
マニカの腕を外して、作業机の上に載せる。そして、装甲とゴムを外して骨格だけにする。
「えっと……」
マリーは、関節部分を中心に不具合の原因を探っていく。
「これは……マニカ、少し無茶な戦闘したでしょ?」
「えっ? ええっと、確か、魔武闘大会で激しい戦闘になったのは、あったけど……」
「多分、その戦闘でかな。骨格が少し歪んでる」
「直る?」
マニカは、不安そうに訊く。もう既に、この義手はマニカにとって無くてはならないものになっている。そのため、義手が直る直らないは、マニカにとって死活問題になる。
「大丈夫! 直るよ!」
マリーは、魔力を流して骨格の歪みを直していく。多少の歪みなので、マリーの魔力による成形でも直せる段階だった。
(う~ん、強度をもっと強化した方が良いかな。これから激しい戦闘が増えるって仮定したら、その方が良いよね)
マリーは、義手にある魔法陣を浮かび上がらせて、強度上昇の魔法陣をプラスさせる。強度上昇を二重で付ける事により、さらに、強度を跳ね上げさせる。
「よし! 成功!」
マリーは、念のため義手のメンテナンスもする。それらを終えたマリーは、義手を組み立てる。
「終わった。マニカ付けてみて」
「わかった」
マニカは、義手を腕に付けて魔力を通す。そして、義手を軽く動かして調子を確かめる。
「すごい! 元に戻ってる!」
「そりゃあ、作った本人ですから!」
褒められたマリーは、胸を張る。
「メンテナンスは、いつも通りで大丈夫だよ。魔力の消耗は大丈夫そう?」
「うん、前と変わらないよ。ありがとうね、マリーちゃん!」
お礼を言うと直ぐさま飛び出していってしまった。
「無理しないでね」
マリーの声は聞こえていただろうか。
「マニカさん、行っちゃったよ?」
扉からお茶の用意をしたコハクが覗いてきていた。
「うん。直ったら行っちゃった」
「何か急ぎだったのかな?」
「どうだろう? まぁ、いいや。お茶飲も」
「そうだね」
マリーとコハクは、食堂の方に向かっていった。そして、二人でゆっくりとお茶を飲みながら他愛のない話をした。
お茶を飲み終えたマリーは、再び工房に戻ってきた。
「さて、剣の改良は諦めるとして……新しい魔道具か……」
マリーは、素材を入れている箱などを眺めて頭を働かせていく。
「あっ……いや、さすがに難しいか……いや、形だけなら、既に出来る事は証明している……問題は、中核……そっちも既にある程度は形がある……でも、実際に作り上げるのは、難しい……焦らずに、理論の組み立てからやろう……絶対、トーナメントには間に合わないな」
マリーは、口角を上げながらそう呟いていた。
────────────────────────
あれから数日後、マリー達の自宅に、アルがやって来た。
「アルくん!? どうしたの?」
「少し、頼み事があってな」
「?」
アルから頼み事と言われても、一切思いつかないマリーだったが、取り敢えず、アルを応接室にまで案内する。
「頼みって何?」
「ああ、盗聴器を一つくれないか」
「何で?」
マリーは、眉を寄せながらそう訊く。
「今、色々と調査していてな。少し、確かめたいことがあるんだ」
「ふ~ん、まぁ、いいよ」
アルの事をジッと見ていたマリーだったが、了承して、盗聴器を取りに工房まで向かった。
「絶対に悪用しちゃダメだよ」
「ああ、分かってる。かなり小型なんだな」
「まぁ、小さくないと見付かっちゃうからね」
「そうか。ありがとうな。また何かあったら来る」
「うん。分かった」
盗聴器の受け渡しが終わると、アルは早々に帰っていった。
「本当に何に使うんだろう?」
マリーは、かなり考え込んだが、結局何も思いつかなかった。マリーが、うんうん唸りながら考えていると、家の呼び鈴がまた鳴った。
「は~い!」
マリーが扉を開けると、セレナとアイリが立っていた。
「マリー! ちょっと遊びに行かない?」
「いいよ。コハクもいるけど、誘って良い?」
「うん。いいよ」
マリーは、家の中にいるコハクを呼び出して、セレナ、アイリと共に、街に繰り出した。
「ところで、リリーは?」
「今日は王城での予定があるんだって」
「王城で? なんだろう?」
王城でする事など、マリーとコハクには、検討も付かない。
「何だっけ? 確か、王妃様とのお茶会とか言ってたかな?」
「へぇ~」
マリーには、ほんの少しも興味をそそられない話だった。
「そんな事より、色々回ろうよ! もう少ししたら、マリーも忙しくなるでしょ?」
魔武闘大会もかなり進んでいる。もうすぐ、上級生の試合も終わる頃合いだ。それは、マリーの上級生との、試合も近づいている事を表している。
「はぁ、何で上級生と試合しなくちゃいけないんだろう?」
「下級生に上級生の強さを確認させて、上昇志向を伸ばさせようとしてるんだっけ?」
「でも、下級生に負けたら、上級生のプライドが崩れるんじゃない?」
「そもそも、下級生が上級生に勝てる訳がないもん。そんな心配してないんじゃないの?」
セレナの意見が、一番的を射ていた。六年連続優勝しているカレナがおかしいだけだ。
「まぁ、この話は置いておいて、今日は目一杯遊び尽くそう!」
『おー!』
マリー達は、様々な店に赴き、わいわい話ながら、服や宝石、魔道具の材料まで幅広く買い物をした。マリー達にとっても、かけがえのない思い出となった。
この数日後、マリーの試合の日がやって来た。
「マリー!」
コハクがいの一番にマリーに近づいていく。
「ブイ!」
近づいてきたコハクに対してピースをするマリー。
「すごいですわ! まさかアルさんに勝ってしまうなんて」
「うん、うん。すごいよ!」
「マリーちゃんもアルくんもすごい戦いだった!」
「そうだね。まさか、アルに魔剣術を使わせるとは思わなかった」
リリー達が思い思いの感想を言う。
『さて、これにて、魔武闘大会一年の部を終了します! 後日、六年の部まで終了した後、全学年の優勝者同士でトーナメントを行います。さらに、エキシビションもありますので、優勝者であるマリーさんは、準備しておいてください。では、解散!』
カレナのアナウンスで、観客達が街の中に戻っていく。
「私達も戻ろうか」
「そうだな。しばらくは、ゆっくり休めるだろう。皆、明日から、どうするつもりなんだ?」
アルが皆に明日の予定を訊く。
「私は、休んでいるかな。魔道具の補充もしておきたいし」
「マリーが家にいるなら、私もそうしようかな」
マリーとコハクは、自宅でゆっくりするつもりみたいだ。
「私は、他の学年の試合を見るつもりですわ」
「私も、リリーに付いていこうかな」
「じゃあ、私も」
リリー、セレナ、アイリは、他の学年の試合を観に、闘技場に行くらしい。
「僕は、家の用事があるから、しばらくここを離れるかな」
「なるほどな」
それぞれにやりたいことがあるため、しばらくは、別々に行動するようになりそうだ。
「それじゃあ、またね」
「ああ」
マリー達は、それぞれ別れて、自分達の家に戻っていった。
魔武闘大会一年の部は、マリーの優勝で幕を閉じた。
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王城にて。
「予定通り、マリーナリアが優勝したな」
「はい。少し危ういかと思われましたが、優勝なされました」
国王の執務室には、国王とカイトだけがいた。他には誰もいない。
「これで、あの作戦が使えるな」
「ですが、その作戦にのる者などいらっしゃるのですか?」
「既に手配済みだ。後は、時を待って細工をすれば完了だ。くっくく、くっくくくくく、ふっははははははは!!」
国王の高笑いが執務室に響き渡った。
「では、私は失礼します」
「ああ、引き続き、マリーナリアの監視を怠るな」
「御意」
カイトは執務室から出て行った。
「これでは、さすがのマリー様も……」
国王とは正反対にカイトの顔は浮かなかった。
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決勝戦の次の日、マリーは、自宅の工房にいた。
「ふぅ、消費した魔道具を補充して、剣のメンテナンスと改良……後は、少し新しいものを作ろうかな」
マリー最初に予定していたとおり、消費した閃光石などの魔道具を補充し、自分の剣のメンテナンスを済ませる。
「改良……魔力の通りを複雑化させて、新しい魔法陣に対応出来るように……いや、そのままの状態で通りを良くする方が……」
メンテナンスまでは、スムーズに終える事が出来たのだが、改良に関しては、かなり難航していた。今の状態から魔法式を変えて新しい魔法陣を創り出すか、あるいは今の状態を維持して魔力の通りを良くするか。前者は、一本だけでなく、全ての剣の魔法式を見直す必要がある。
「う~ん……」
マリーが悩んでいると、工房のドアがノックされた。
「は~い」
作業中ではなかったので、ドアを開けに向かう。開けた先にいたのは、コハクとマニカだった。
「マニカ? どうしたの?」
何度も義手のメンテナンスなどで顔を合わせているので、マリーも呼び捨てで話す仲になっていた。
「いや~、腕の調子が少し悪くて確認して欲しいんだ」
どうやら、義手の調子がおかしいらしい。
「分かった。中に入って、案内してくれてありがとう、コハク」
「ううん、お茶持ってく?」
「うん。お願い」
マリーは、マニカを工房に招き入れ、コハクは、厨房にお茶の支度をしに向かった。
「それで、調子がおかしいってどんな感じで?」
「何か反応が悪い感じ? 関節部分の動きが悪いんだ」
マニカの言葉に、マリーは少し険しい顔になる。関節部分の不調は、戦闘に限らず、日常生活にも影響を及ぼす問題だ。
「一度腕を外すよ」
「うん」
マニカの腕を外して、作業机の上に載せる。そして、装甲とゴムを外して骨格だけにする。
「えっと……」
マリーは、関節部分を中心に不具合の原因を探っていく。
「これは……マニカ、少し無茶な戦闘したでしょ?」
「えっ? ええっと、確か、魔武闘大会で激しい戦闘になったのは、あったけど……」
「多分、その戦闘でかな。骨格が少し歪んでる」
「直る?」
マニカは、不安そうに訊く。もう既に、この義手はマニカにとって無くてはならないものになっている。そのため、義手が直る直らないは、マニカにとって死活問題になる。
「大丈夫! 直るよ!」
マリーは、魔力を流して骨格の歪みを直していく。多少の歪みなので、マリーの魔力による成形でも直せる段階だった。
(う~ん、強度をもっと強化した方が良いかな。これから激しい戦闘が増えるって仮定したら、その方が良いよね)
マリーは、義手にある魔法陣を浮かび上がらせて、強度上昇の魔法陣をプラスさせる。強度上昇を二重で付ける事により、さらに、強度を跳ね上げさせる。
「よし! 成功!」
マリーは、念のため義手のメンテナンスもする。それらを終えたマリーは、義手を組み立てる。
「終わった。マニカ付けてみて」
「わかった」
マニカは、義手を腕に付けて魔力を通す。そして、義手を軽く動かして調子を確かめる。
「すごい! 元に戻ってる!」
「そりゃあ、作った本人ですから!」
褒められたマリーは、胸を張る。
「メンテナンスは、いつも通りで大丈夫だよ。魔力の消耗は大丈夫そう?」
「うん、前と変わらないよ。ありがとうね、マリーちゃん!」
お礼を言うと直ぐさま飛び出していってしまった。
「無理しないでね」
マリーの声は聞こえていただろうか。
「マニカさん、行っちゃったよ?」
扉からお茶の用意をしたコハクが覗いてきていた。
「うん。直ったら行っちゃった」
「何か急ぎだったのかな?」
「どうだろう? まぁ、いいや。お茶飲も」
「そうだね」
マリーとコハクは、食堂の方に向かっていった。そして、二人でゆっくりとお茶を飲みながら他愛のない話をした。
お茶を飲み終えたマリーは、再び工房に戻ってきた。
「さて、剣の改良は諦めるとして……新しい魔道具か……」
マリーは、素材を入れている箱などを眺めて頭を働かせていく。
「あっ……いや、さすがに難しいか……いや、形だけなら、既に出来る事は証明している……問題は、中核……そっちも既にある程度は形がある……でも、実際に作り上げるのは、難しい……焦らずに、理論の組み立てからやろう……絶対、トーナメントには間に合わないな」
マリーは、口角を上げながらそう呟いていた。
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あれから数日後、マリー達の自宅に、アルがやって来た。
「アルくん!? どうしたの?」
「少し、頼み事があってな」
「?」
アルから頼み事と言われても、一切思いつかないマリーだったが、取り敢えず、アルを応接室にまで案内する。
「頼みって何?」
「ああ、盗聴器を一つくれないか」
「何で?」
マリーは、眉を寄せながらそう訊く。
「今、色々と調査していてな。少し、確かめたいことがあるんだ」
「ふ~ん、まぁ、いいよ」
アルの事をジッと見ていたマリーだったが、了承して、盗聴器を取りに工房まで向かった。
「絶対に悪用しちゃダメだよ」
「ああ、分かってる。かなり小型なんだな」
「まぁ、小さくないと見付かっちゃうからね」
「そうか。ありがとうな。また何かあったら来る」
「うん。分かった」
盗聴器の受け渡しが終わると、アルは早々に帰っていった。
「本当に何に使うんだろう?」
マリーは、かなり考え込んだが、結局何も思いつかなかった。マリーが、うんうん唸りながら考えていると、家の呼び鈴がまた鳴った。
「は~い!」
マリーが扉を開けると、セレナとアイリが立っていた。
「マリー! ちょっと遊びに行かない?」
「いいよ。コハクもいるけど、誘って良い?」
「うん。いいよ」
マリーは、家の中にいるコハクを呼び出して、セレナ、アイリと共に、街に繰り出した。
「ところで、リリーは?」
「今日は王城での予定があるんだって」
「王城で? なんだろう?」
王城でする事など、マリーとコハクには、検討も付かない。
「何だっけ? 確か、王妃様とのお茶会とか言ってたかな?」
「へぇ~」
マリーには、ほんの少しも興味をそそられない話だった。
「そんな事より、色々回ろうよ! もう少ししたら、マリーも忙しくなるでしょ?」
魔武闘大会もかなり進んでいる。もうすぐ、上級生の試合も終わる頃合いだ。それは、マリーの上級生との、試合も近づいている事を表している。
「はぁ、何で上級生と試合しなくちゃいけないんだろう?」
「下級生に上級生の強さを確認させて、上昇志向を伸ばさせようとしてるんだっけ?」
「でも、下級生に負けたら、上級生のプライドが崩れるんじゃない?」
「そもそも、下級生が上級生に勝てる訳がないもん。そんな心配してないんじゃないの?」
セレナの意見が、一番的を射ていた。六年連続優勝しているカレナがおかしいだけだ。
「まぁ、この話は置いておいて、今日は目一杯遊び尽くそう!」
『おー!』
マリー達は、様々な店に赴き、わいわい話ながら、服や宝石、魔道具の材料まで幅広く買い物をした。マリー達にとっても、かけがえのない思い出となった。
この数日後、マリーの試合の日がやって来た。
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