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俺と幼馴染の寝技勝負
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俺は須藤俊明。高校2年。ごく普通の高校生だ。父親は8歳の時に病気で他界して、母親と二人暮らしだ。母親はキャリアウーマンで、まだ35歳なのに美容関係の会社の部長をしていて、母子家庭なのに何不自由なく俺を養ってくれている。
部活は柔道部。6歳から柔道を習っていて、2年なのにレギュラーで、自分で言うのもなんだが3年の主将より強い。というのも、俺が小さい頃から柔道を習っている恩師(先生)は、紅帯十段の柔道界では知る人ぞ知る仙人みたいな爺さんで、もう90歳を越えてるはずなのに、全く勝てる気がしない凄い先生だ。
俺は柔道が好きだ。だから恩師にいくら厳しく指導されても楽しかった。「好きこそ物の上手なれ」とはよくいったものだ。
学校は8時半からだが、毎日朝練があるので、6時には起きて準備をする。目覚ましが鳴ると同時にベッドから出て制服に着替え、鞄と柔道着を持ってリビングに向かうと、あたり前のように美樹が朝食とお弁当を作ってくれていた。
金瀬美樹。近所に住んでいる同じ歳の俺の幼馴染で、小さい頃から柔道も一緒に習っている。男女別だが同じ柔道部員だ。朝はいつもこうして迎えに来てくれる。
「俊くん、おはよう♪」
「ああ、おはよう美樹。いつも悪いな」
俺が朝練で早いので、忙しい母親が早く起きて朝食を作るのは大変だろうと、美樹が朝食とお弁当を作ってくれるようになった。俺の母親も、流石にそれは美樹に悪いと思って遠慮していたが、美樹が「私も朝練で同じ時間ですからついでですよ。気にしないでお母さん」と言うと、俺の母親が「その代わり食材費は当然私が出すから、遠慮なく好きに料理を作っていいよ」という事で納得した。
美樹は俺の母親の事を、いつからか「お母さん」と呼んでいる。理由を聞いたら、「おばさんって呼ぶには若くて綺麗だし、お姉さんは流石に無理がある。小さい頃からお世話になっている二人目のお母さんみたいな人だから」という事だった。
母親も当たり前のように受け入れている。以前、俺の母親と美樹の母親が一緒に居る時に、美樹が「お母さん」と言うと、二人供返事をしていた。俺が違和感を感じていたのに対し、3人は何でも無い事のように普通に会話していた。なんでだ?
「いいよ、ついでだし。もうできるから、早く顔洗ってきて」
洗面所に行って顔を洗う。思春期男子らしく髪型も整えたいが、頭が坊主なので顔だけ洗って歯を磨いたら終わりだ。別に柔道部が坊主を強制している訳ではなく、好きで坊主にしている。髪を伸ばすのは高校卒業してからでいいかと思っている。
リビングに行くと美味しそうな朝食が用意されていた。朝からよくこんなに作れるな。しかもだんだん凝った物になってきている。
「おお! 今日も美味そうだな。どんどん上手くなってないか?」
「おだてても何にも出ないわよ。食べてから言いなさい! まあ料理好きだし、作るの苦にならないのよ。そんな事より早く食べよ♪」
「ああ、そうだな」
俺達は向かい合って座り、手を合わせて「いただきます」と言って食べ始めた。毎朝の光景だが、料理が日増しに上手くなっていく。魚の煮付けを一口食って、ご飯を掻き込む。
「美味い! 美味しいよ、この煮付け。よく味が染み込んでて最高! 朝からよくこんなの作れるね。ありがとうな、美樹」
「そ、そう? 良かったぁ。それ、昨日から煮込んで浸けてたのを、朝火を通し直した物だから」
照れながら嬉しそうに美樹が答える。かわいいなぁ。俺も料理は好きで、中学の頃に料理人になりたいと思うくらいよく作っていたが、美樹も料理に興味を持って作るようになってから、なぜか俺に料理を作らせてくれなくなった。理由を聞いたら「料理は女の物。男のくせに料理なんてしなくていいでしょ!」と言われた。
「なんだそれ。店の料理人とか料理の鉄人とか、ほとんど男じゃないか」と思ったが、美樹が涙目で言ってきたので何も言えなかった。泣くような事か?
俺は中学に入った頃から、美樹に幼馴染以上の気持ちを持っていた。それが恋愛感情だと気が付くのに時間は掛からなかった。そんな美樹に涙目で言われたので、引くしかなかった。それからは料理に興味がなくなった。唯一の趣味が無くなり、普通はゲームや遊びに興味を持つのが中学生らしいのだが、俺は勉強に興味を持ってしまった。
柔道で「好きこそ物の上手なれ」というのを実感して知っていたので、勉強も好きになって、嫌々でなく自分からやりたくてやっていた。
きっかけは源義経の大河ドラマを観て、歴史話や昔の武将に興味を持った事で、勉強するというより教科書に載っていない事まで知りたいと思った。そうなると、歴史の授業は楽しいし、予習復習などしなくても授業を聞いてるだけで頭に入っていった。
勉強してるように見えないのに勉強できるヤツが、「授業聞いてたら家で勉強したり塾なんか行かなくてもできるでしょ」って言っていた。天才は違うなぁ。こういうヤツと自分は脳の作りが違うんじゃないか?と思っていたが、今なら理解できる。
それから数学はクイズを解くように楽しく勉強した。公式を一つ覚えるだけで解ける問題がたくさんあったりする事が楽しかった。国語や理科、英語も興味を持つ事から始めた。そうしていたら、テストはほぼ満点で、いつの間にか学年1位になっていた。 でも別に学年1位を目指していたのではなく、単に勉強が楽しくてやっていた結果だった。
その頃から部活が終わって帰宅し、晩御飯を食べて風呂に入り、後は寝るまでの間、漫画や小説なんかを読んで寛いでる時に美樹が来るようになった。理由はよくわからないが、俺の部屋にゲーム機を持ち込んで対戦させられたり、時には人生ゲームを遅くまで付き合わされたりした。
俺はゲーム機を買うほど興味がなかったのでゲーム機を持ってなかったのだが、美樹がゲーム機を置いて行って練習しておいてと言われ、あまり興味はないが、大好きな美樹の頼みだし、美樹が部屋に来てくれるのが嬉しかったので、格闘ゲームを練習していた。しかし興味がないのであまり上達しなかった。そのせいで美樹に、
「勉強ばっかりしてないで、ゲームの練習しときなさいよ!」
って怒られた。いや普通は逆じゃないか? 思わず笑いながら、
「いや、家に帰ってからテスト前以外、勉強なんてしてないんだけど⋯」
と言うと、真っ赤な顔をして俺を睨みながら、
「嘘ばっかり! じゃあなんで学年1位なのよ! ゲーム練習しておいてって言ったのに、勉強してたんでしょ!」
いやいや、何でそんなに怒るの? 理由はわからないが、大好きな美樹を怒らせてしまって悲しくなる。
「いや本当だって! 美樹が俺の部屋に来た時、俺が勉強してた事なんて無いだろう? 美樹がゲーム機置いて行ってから、家に帰ったらゲームしかしてないよ」
俺がそう言うと、思い当たったのか苦虫を噛み潰したような顔をして黙りこんでしまった。
「あ、あの、美樹? なんかごめん。でも本当なんだ。だから怒らないでよ。俺、美樹に嫌われたくないよ」
そう言うと美樹は目に涙を浮かべながら、
「ご、ごめん。別に嫌ったりなんて⋯ううっ」
「じゃあ何で怒ってるの? ゲームが上手になってなかったから?」
美樹は首を左右に振って泣きながら、
「このままじゃ⋯うっ⋯俊くんと⋯同じ高校に行け⋯ない⋯ううっ」
「はあ?」
「俊くん、学年1位だし⋯ひっく⋯このまま、遠くの進学校とかに⋯うっ⋯行くんでしょ?⋯ううっ」
「なんでそんな話に⋯」
「私も勉強頑張ってるけど⋯ひっ⋯部活もあるし⋯うっ⋯なかなか成績伸びなくて⋯。うっ⋯でも俊くんも、同じ部活してるのに⋯ううっ⋯俊くんは勉強もできて⋯このままじゃ⋯」
俺は美樹が怒ってる理由に、はぁぁ~と深くため息をついて
「美樹。俺がいつ進学校なんかに行くって言った?」
「えっ? でも⋯⋯」
「高校は一番近い公立高校だよ。美樹だってあそこだろ? 何科に入るかはまだ考えて無いけど、大学ならまだしも、遠くの高校なんて行く気ないよ」
「⋯⋯本当?」
「ああ、だから高校生になってもよろしくな」
俺がそう言うと、美樹は大声で泣きながら俺の胸に顔をうずめた。
「うわ~ん、ごめん⋯なさい。うっく⋯ううっ⋯私、中学卒業したら⋯俊くんと幼馴染じゃなくなっちゃうと思って⋯うううっ」
俺は美樹の頭を優しく撫でながら、
「いや、幼馴染なんだから、一生幼馴染だろ? 遠くに行ったとしても、美樹が俺の幼馴染なのは変わらないじゃん」
「ううっ⋯そう⋯だね。うっ⋯ごめん」
「ほら、もう泣き止んでくれ。美樹を泣かせたら、二人の母さんに怒られるし、何より女の子を泣かせたなんて恩師に知れたら最悪破門になる」
「うん⋯うん⋯ごめん」
しばらく頭を撫でていると美樹がようやく泣き止んだ。
「ってか俺に勉強させない為にゲーム機置いていったのか? 最近、夜に遊びに来てたのも、俺の成績を下げる為か?」
「え? い、いや~そんな事は⋯はは⋯そんな~つもりは⋯」
「み~き~!」
「あはは⋯ごめんごめん。ゆるしてニャン♡」
「まったく、なんで猫なんだよ? まあいいけど」
やっといつもの美樹に戻ってくれて安心した。やっぱり美樹には笑っていて欲しい。
「それより美樹の方こそ、彼氏でもできたら俺と遊んでくれなくなるんじゃないのか?」
ちょっと、いや、凄く寂しいが、美樹には幸せになって欲しい。
「ああ、大丈夫。彼氏とか興味ないし、まだまだ作らないもん」
「え、そうなの? なんかこの間も告白されてたって聞いたし、お前モテるんじゃないのか?」
「なに? 誰に聞いたの? ねぇ誰? 誰が言ったの?」
美樹が真剣な顔で詰め寄ってくる。怖い。怖いよ美樹。
「い、いや~、風の噂?」
「むぅーーっ! まあいいけど⋯。ちゃんと興味ないって断ったよ。彼氏なんかいらないし。まあその後、逆上されたけど⋯⋯」
「ええっ! だ、大丈夫だったのか?」
「平気平気♪ 私の柔道の実力、知ってるでしょ?」
「いや、相手の人、怪我してないのか?」
「ちょっとー、何それ!」
「あはははは」
そんな事が中学の頃にあった。彼氏なんかいらないし興味ないと言われ、複雑な気持ちになったが、今もこうして一緒にいてくれて、それだけで幸せだった。
美樹の作った朝食を食べ終えると、二人でキッチンに皿を持っていき、美樹が洗った食器を俺が拭いて棚にしまっていく。これもいつもの決まりみたいなものだ。ちなみに母親の分の朝食は、ラップをかけて冷蔵庫に入れてある。
朝練の為、二人で並んで学校へ向かう。俺も美樹も体操着や弁当などが入っている鞄の上に、丸めて帯でくくった柔道着を乗せて、鞄の持ち手で挟んで持っている。
学校に着いた俺と美樹は、別れて男女別の更衣室に入る。着替えて柔道場に行くと、すでに先輩が受け身をやっていた。
「おはようございます」
「おはよう、須藤」
先輩に挨拶して、軽く準備運動をしてから受け身を始める。朝はまず、受け身を30回。それから腹這いなどをして身体を温めてから打ち込みと乱取りをし、8時になったら終了だ。軽く汗をかく程度で、汗だくという訳ではない。真夏でも朝練は汗だくになるまでやったりはしない。汗の匂いが気になるほどではないのでそのまま教室に行くが、女子は制汗剤などを振ってから授業に出ている。
午前中の授業を受ける。先生の授業を興味を持って聞き、たまにノートを取るくらいだ。話さえ聞いていれば、後は要点だけノートに書けばいい。その代わり、他の事は考えず授業に集中する。中学の時から変わらない俺の授業の受け方だ。
四時限目になり、先日の数学の抜き打ちテストが返却された。教室のいたる所で阿鼻叫喚の声が上がるが、俺は満点だった。
「須藤。お前の頭はどうなってんだ? 今回は抜き打ちだぞ! カンニングだな? カンニングだろ? なあ、俺にもやり方教えろよ」
隣の席の西尾が失礼な事を言ってくるので、昔言われた事を言ってやる。
「失礼だな。こんなもん、授業聞いてりゃできるだろ!」
「な、なんだよそれ~! 家で勉強ばっかりしてんだろ!」
「俺が遅くまで部活やってるの知ってるだろ? 朝練もあるから夜は早く寝るし。帰宅部のお前より勉強する時間なんてないぞ!」
「かー! 天才は違うなぁ」
いや、天才じゃなくて勉強のやり方を知ってるだけだ。前に言っても理解されなかったから、もう言わないけど⋯。ふと西尾の答案を見ると、19点だった。赤点じゃねーか。
「お前それ、追試だな」
「み、見るなよ! 満点のお前に見られると悲しくなる」
点数の書かれた部分を折り曲げて隠したが、答案がバツだらけなので意味がない。俺は満点だったから、テストの解説になる今日の数学の授業はあまり興味が無かった。
そうして授業が終わり、昼休みになった。仲の良い者同士で集まって、お昼ご飯を食べる。俺は美樹の作ってくれた弁当を取り出した。学校で一番楽しみな時間だ。
「いいなぁ、金瀬さんの手作り弁当。俺も食ってみてぇ」
西尾が俺の弁当を見て、小声で言ってくる。美樹が俺の弁当を作ってくれている事は秘密にしている。美樹がからかわれたりして作ってくれなくなったら、この世の終わりだ。いつも一緒に弁当を食っているし、明らかに母親が作った感じでは無いので、問い詰められて言ってしまったが、西尾はアホだが信用できる親友だから大丈夫だ。
「言うなよ! 誰かに聞かれたらどうしてくれる!」
「わかってるよ。なぁ、その卵焼きだけでもくれないか?」
「絶対嫌だ! 美樹が作ってくれた物は誰にも食わさん!」
「はいはい、わかったよ。で、そろそろキスくらいしたのか?」
ご飯を吹き出しそうになったが、美樹の作ったご飯を無駄にする訳にはいかないので、何とか飲み込んだ。
「けほっけほっ! お、お前、なんて事言うんだ! ビックリして喉に詰まっただろ!」
「お前なぁ。そんなに好きならそろそろ告白くらいしたらどうだ? 毎日弁当作ってくれてるんだから、金瀬さんもまんざらでもないんじゃないか?」
「いや、美樹はただの幼馴染だし、弁当はその⋯ついでだって言ってたし⋯。だいたい美樹は彼氏とか興味ないし、作る気無いって言ってたから⋯⋯」
「それ、いつの話だよ?」
「⋯⋯中学の時」
「はぁぁぁぁ。金瀬さんも、こんなのが幼馴染じゃ可哀想に⋯」
「どういう意味だよ!」
「お前、頭はいいくせに、その辺頭回らないんだな」
なんだ? 西尾の言ってる意味がわからん。クソ! アホにバカにされた気がする。
「19点で追試のお前に言われるとは⋯」
「19点って言うな!」
「俺が追試のコツを教えてやるから、な?」
「ついにカンニングを伝授する気になったか?」
「まあ楽しみにしてろ」
そうして弁当を食い終わってから、昼休みの残り時間に数学のテストのコツを教える事になった。追試は明日だから時間がない。今日のテストの解説授業をちゃんと聞いてれば大丈夫なんだが、こいつは理解力がない事が欠点だから、先生よりわかりやすく数学のコツを教えてやれば追試くらい大丈夫だろう。
今回のテストは同じような問題ばかりだったから、1問できれば後は解き方は同じだ。西尾の答案を見ると、公式問題を全部間違っている。正解しているのは単純な計算問題だけだ。
「時間がないから単純に説明していくぞ。まず問3から問9までは、違うように見えるが解き方は同じだ。公式に当てはめるだけで答えが出る。ようは公式さえ覚えておけばいいんだ。お前が解けない理由は⋯⋯」
そうしてアホでもわかるように、順に説明していく。昼休みの残り時間だけなので、あくまで今回の追試で通用するだけの教え方だ。そうして15分ほどでテストの間違い箇所を説明し終えた。
「やっぱお前すげぇな。わかりやす過ぎだよ。先生よりわかりやすいぜ」
「まあアホなお前に合わせて説明したからな。先生の説明は普通の高校生向けだ」
「ひでぇ言われよう。でも助かったぜ。これで追試は大丈夫そうだわ」
そんなやり取りをしていると、俺の後ろにクラスの女子が3人居て、話しかけてきた。
「あ、あの、須藤くん。私にも数学教えてくれない? 私も数学は苦手で⋯」
同じクラスの鶴崎さん、青木さん、鳥越さんの3人だ。下の名前までは覚えてない。美樹以外の女に興味がないのだ。鶴崎さんは剣道部で、確か県大会までいったと聞いた気がする。鶴崎さんって頭良かった気がするけど⋯。
「え? そうなの? 鶴崎さん達も追試?」
「いや、西尾くんほどじゃないから赤点じゃないんだけど、数学だけはどうも苦手で」
追試の対策ができて喜んでいた西尾が、今は泣きそうな顔になっている。
「いいよ。でも放課後は部活があるから、今から昼休み終わるまでしか時間ないんだけど⋯⋯後10分くらい」
「うん、それでもいいからお願い」
「じゃあテストの答案持ってきて」
3人はすぐにテストの答案を取りに行って帰ってきた。俺は西尾と同じように、手短にわかりやすく要点とコツだけを教えていく。鶴崎さんは、公式の当てはめ方が間違っているだけだったので、そこだけ教えただけで理解していた。
青木さんと鳥越さんは、問題によってどの公式を当てはめるのかわかってなかったので、そこを教えただけで理解していった。
「さすが須藤くん、めっちゃくちゃわかりやすかった。こんな短時間で理解できるようになるなんて」
「うん、凄いよ。わかりやすい!」
「流石は学年1位。教え方まで上手い!」
「いやいや3人供、西尾と違って基本は間違ってないから、俺はコツを教えただけだよ」
3人はお礼を言って嬉しそうに自分の席に戻っていった。隣の席で西尾が脱け殻のようになっていた。
午後の授業が終わったのて部活に向かう。いつも通り18時までみっちり練習して着替える。柔道場のある体育館の外で、美樹が出てくるのを待っていると、同じように部活を終えた鶴崎さんが出てきた。
「お疲れさま須藤くん。今日は数学教えてくれてありがとね」
「ああ、鶴崎さん。お疲れ~。あのくらいどうって事ないよ」
「今から帰るなら、一緒に帰らない? それとも誰か待ってるの?」
「ああ、そうなんだ。美樹⋯金瀬さんを待ってて。家が同じ方向だから」
「そ、そうなんだ⋯。付き合ってるの?」
「いや、幼馴染なんだよ。小さい時から同じ柔道の道場に通ってて」
「そう⋯なんだ。そっかぁ⋯幼馴染なんだ。じゃあ私はお先に」
「おう。お疲れさま~」
鶴崎さんが帰って行った後、すぐに美樹が出てきた。なんか睨まれてる気がするが、なんでだ?
「お~い、美樹。遅かったじゃないか。早く帰ろうぜ」
「女の子にはいろいろあるの! ちょっとくらい待ってなさいよ!」
「ああ、そうだったな。ごめんごめん」
そう言って美樹は俺を置いて、スタスタと歩いていく。
「おい、ちょっと。ちょ待てよ!」
キ◯タク風に言ってみたが、待ってくれない。
「なに? なんか怒ってるのか? せっかく待ってたんだから一緒に帰ろうよ」
しばらく歩くと、校門の前で美樹が止まった。慌てて駆け寄ると、美樹が振り向いて、
「⋯⋯ごめん」
目に涙を浮かべてそう言った。
「いいよ、別に。一緒に帰ろう?」
「うん」
そうして並んで歩きだした。
「部活で何かあったのか?」
「⋯⋯違う」
「どうした?」
「今は⋯⋯言いたくない」
「そっかぁ⋯」
ならば聞くまい。美樹が言いたくなったら言うだろう。そうしてしばらく無言で歩いていると、突然美樹が腕を組んできた。かなりガッツリ。俺の腕を片腕で抱き締めるように組んでいる。かなり歩きずらいが、腕に当たる柔らかい感触を振りほどけるほど、俺は修行を積んでいない。
「あ、あの⋯美樹? これはいったい⋯?」
「何? 嫌なの? 嫌ならやめるけど⋯」
嫌な訳ない。むしろ一生このままでもいい。
「嫌じゃないです! やめないでください!」
思わず懇願してしまった。柔らかい塊が当たってる事は黙っておこう。今は美樹の気が変わらないように、少しでも長くこの感触を味わっておきたい。
そのまま美樹の家まで帰って来た。家に入る為、ふっと美樹が離れて急に腕が寂しくなるが、今夜は自慰がはかどりそうだ。
そんな事を考えていると、
「今日、お風呂入ったら俊くんの家に行くから」
ええぇぇ⋯。いや今日はちょっと。腕に柔らかい感触が残っているうちに、自慰がしたいんですが⋯。
「わ、わかった」
ちょっと落ち込みながら家に帰る。家に入って晩飯を作ろうとしたら、スマホに母親からLINEが来ている事に気が付いた。急に出張になったから、今日は帰れないという。よくある事だ。晩飯を作る前に気が付いて良かった。
自分の分だけなので、簡単な物を作って晩飯を済ませた。風呂に入ってジャージに着替え、美樹が来るのを待つ。手短に自慰をしようかと思ったが、ガチャ!「キャーーッ!」みたいな事になったら最悪なので我慢する。ムラムラするが仕方がない。風呂ですれば良かったな⋯。
そうしていると玄関が開く音が聞こえ、階段をトントンと上がってくる音が大きくなってきた。
ガチャ!「来たよー♪」
これだ。美樹はノックをしない。思春期男子の部屋なんだからノックくらいして欲しい。前に「ノックくらいしろよ!」って言ったら、コン、ガチャ!ってノックと同時に開けやがったので諦めた。
「おう。今日もゲームすんのか? あ、玄関の鍵閉めた?」
「えっ、なんで? お母さんは?」
「今日は出張になったってLINEが来たよ」
「ふ、ふーん⋯」
美樹が変な返事をしたが気のせいか? 美樹を見ると、上下お揃いの臙脂色のジャージだった。俺と色違いの同じヤツだ。ジャージで俺の部屋に来るなんて珍しいな。近所といっても、何軒か離れているので、いつも俺の家に来る時は普通の服を着ている。
「一応鍵閉めて来るわ」
「ああ、私が行ってくるよ」
そう言って美樹は下に降りて行って、鍵を閉めてまた上がって来たので、二人でしばらくゲームをしていた。途中で柔道の話になり、小学生の時に俺と美樹で試合をして、美樹が一度も勝てなかった事を言い出した。「今なら勝てる」とか挑発してきたが、「俺の部屋で組み合うには無理がある」と言うと、寝技で勝負しようと言ってきた。
「いや、寝技はちょっと⋯⋯。いろいろ問題じゃないか?」
「何で? 何が問題なの?」
マジでわかってないのか? 俺たち高校生だぞ! いいのか? 美樹が言ってるんだし⋯いいのかな? 俺が逡巡してると、
「何? 寝技自信ないの~? 2年でレギュラーなのに、寝技は女にも勝てないの?」
クソッ! めっちゃ挑発してきやがる。
「よし、やってやるよ。負けても昔みたいに泣くなよ」
「な、泣いてないし!」
勝負は同じ寝技をかけて、30秒以内に外せるかどうかという事になった。まずは俺から袈裟固めで美樹を抑え込み、スマホのカウンターをスタートした。
「うっ! よっ! ふっ⋯くうぅぅぅ⋯」
美樹がもがくが、ガッチリ決まってからの寝技は、男女関係なくなかなか外せないものである。しかも二人の師匠は柔道の達人だ。
ピーッピーッピーッ!っとカウンターのアラームが鳴って勝負が決まった。
「ああぁもう! 全然動けなかった⋯」
美樹が頬を膨らましてブー垂れる。美樹が頬を膨らまして怒る時は、本気じゃない時なので、俺は頬を膨らました美樹の顔が可愛くて好きだった。
「はい次、交代。そこに寝て」
「はいはい。おら、かかってこい!」
美樹を挑発すると、俺の頭を右腕で抱え込んで袈裟固めを掛けてきた。今気付いたが、これ、美樹の右乳が俺の鎖骨に押し付けられる。ヤ、ヤバい。これは別の意味でヤバい。美樹がスマホのカウンターをスタートさせた。
「ふんっ! うっ⋯ふっ⋯ふっ⋯」
やはり女とはいえ達人の弟子だ。ガッチリ決まっている。もがくと多少崩れて、俺の顔が美樹の腕から抜けそうになったが、ここで問題が起きた。俺の顔に美樹の右乳が押し付けられている形になったのだ。確かに袈裟固めが崩れるとこうなる。こうなるがこれはヤバい。
しかもこいつノーブラだ。風呂上がりだから、そういうものなのかも知れないがヤバい。ムラムラしてた事もあって、股間に血が集まり始める。やっぱり風呂で1回出しておくべきだった。
嬉しいが勝負なんてどうでもいい、早く30秒経ってくれ。でないと俺が勃ってしまう。バレたら美樹に嫌われる。
ピーッピーッピーッ!とアラームが鳴った。
「ふぅーー、危なかったぁ⋯」
「はぁ? 俊くんも外せなかったんだから引き分けだよ」
「あ、ああ、そうだな。ははは⋯」
渇いた笑いを浮かべるのが精一杯だった。
「はい次。上四方固め」
えっ? まだやるの? もうこれ以上は勘弁してくれ。しかも上四方固めってダメだろ!
「まだやるの? もうやめないか?」
「何言ってるの? まだ勝負ついてないでしょ! 負けるのが怖いの?」
クッソー! いろんな意味で挑発しやがって⋯。やってやるよ。無心だ。動かざること山のごとし 徐(しず)かなること林のごとくだ! ジャージの上から帯だけを締めて、寝転んでいる美樹の頭の方へ回り、上四方固めを掛けて、スマホのスタートボタンを押した。
「んんーー! くぅ⋯うっ⋯くっ!⋯」
美樹がブリッジしたり、左右に動いたりするが、ガッチリ固めているのでビクともしない。美樹の風呂上がりの匂いで、また股間が⋯。
ピーッピーッピーッ! アラームの音が鳴った。
「ああぁぁぁもう! また動けなかったー!」
また頬を膨らまして怒る美樹。かわいいなぁ。
「はい交代!」
美樹が帯を渡してくる。帯を締めて寝転ぶと、美樹が頭の上から被さってきた。ううっ、やっぱり予想どうり上四方固めはヤバい。胸が胸に当たる。ノーブラだから柔らかさが伝わってくる。しかも体勢的に美樹が前を向いているので、俺の股間が美樹の目の前だ。 カウンターのスタートボタンが押される。
「ふんっ! んんんーーーっ! ふっ⋯うっ⋯」
もがくと胸が胸の上で形を変え、プニプニとした感触が⋯。しかもいい匂いが鼻いっぱいに広がる。これで勃起しないヤツいるのか? ブリッジして足元の方へ身体をずらした時、またしても問題が起きた。美樹のおっぱいに俺の顔が挟まれてしまったのだ。もうダメだ、こんなの。ああ、たまらん。股間が半勃ちになった所で、ピーッピーッピーッ!とアラームが鳴った。
まさに危機一髪。チンポの先がヌルヌルする。だから柔道は男女別なんだな。いやスポーツ全般だけど⋯。
「「はぁはぁはぁ⋯」」
美樹と俺は、違う意味で呼吸が荒くなっていた。
「また引き分けか~」
美樹が赤い顔をして言った。もうやめてくれ。次は絶対勃起してしまう。ヘタしたら出てしまうかも知れない。
「次よ次。縦四方固め!」
「なぁ、これ勝負つかないって。もうやめようぜ」
チンポが限界だ。縦四方固めなんてヤバ過ぎる。
「⋯わかった。次で最後にする。今度は私から掛けるから」
「ああ、わかったよ」
俺は心を無にして寝転がる。美樹が俺に覆い被り、しがみついてきて、カウンターのスタートボタンが押された。
「ふんっ! ふぅぅぅーっ!⋯うっ⋯」
左右にもがくが外せない。動く度にまた胸の感触が。美樹が上から抱き締めるような感じなのもヤバい。もう柔道をやってる気がしない。ダメだ。完全に勃起してしまった。ああ⋯ヤバい。どうしよう。
返し方としては、ブリッジして背中と床の間に隙間を作って身体を捻って返すんだが、ブリッジすると美樹のアソコに俺の勃起チンポが当たってしまう。それだけは避けなければ⋯。左右に身体を動かす事しか出来ない。しかし突然、美樹が腰を落としてきた。
「うんんっ♡」
ああ⋯終わった。人生終わった。完全にバレた。美樹に幻滅されて、きっとグーで殴られる。
「み、美樹。もう降参。俺の敗けだ」
「まだ⋯あっ♡ 時間来てないでしょ?」
え? バレてるよな、これ。なのに何で? 俺が動かないでいると、美樹が股間を俺の勃起したチンポに擦りつけてきた。
「ダ、ダメだ! 美樹、そんなことされたら⋯⋯」
「あっ⋯♡ な、何が~?⋯んんっ♡ ほら、早く逃げなさいよ!」
ピーッピーッピーッ!とアラームが鳴ったが、美樹は俺を離さない。
「ねぇ? 何これ? 何でこんなになってるの?」
美樹が俺の耳に直接話し掛けてくる。息が掛かってくすぐったい。俺が何て言い訳しようか考えていると、
「私でこうなったんだよね? ねぇ、何か言って?」
もう観念するしかない。
「ああそうだ! 美樹で勃起した。ごめん。本当にごめん。殴ってもいいから、頼む! 嫌わないでくれ!」
そう言うと美樹は、
「嫌ったりしないよ。だって⋯⋯こうなるの待ってたんだもん♡」
耳元でそう言って顔を上げ、潤んだ瞳で俺を見る美樹。俺は訳がわからず固まっていた。美樹の唇が近づいてくる。
「んんっ⋯ちゅっ⋯むちゅっ♡」
キスされた。えっ? どうなってるの?唇を離して美樹が俺の事を見つめてくる。
「ファーストキスだよ♡ 好き。好きなの、俊くん♡」
「⋯⋯美樹?」
ちゃんと返事しなきゃいけないのに、突然の事過ぎて言葉が出て来ない。
「ねぇ⋯私じゃダメ? 俊くんに何も勝てない私はダメ?」
美樹が今にも泣きそうになりながら言ってきた。
「そ、そんな訳あるか! 俺⋯俺⋯、美樹じゃなきゃ嫌だ! 美樹以外の女に興味ない! 好きだ! ずっと前から好きだった!」
美樹を抱き締める。離したくない。美樹は俺が幸せにするんだ!
「本当? 嬉しい⋯♡ やっと気持ちが通じた。俊くんはいつから私の事好きだったの?」
美樹が顔を近付けて聞いてくる。
「中学に入った頃から⋯かな?」
「やった。私の勝ちだ!」
「えっ?」
「だって私、俊くんが好きだから柔道始めたんだよ♡」
何それ? じゃあ6歳くらいからか。
「それは敵わないな。美樹の勝ちだ」
えへへ~と笑ってキスをしてくる。今度は深く舌を差し込まれ、俺の舌を探してきたので、俺が舌を絡めると美樹もそれに応えてくれた。
「ちゅっ、んちゅ♡ ううん⋯好き♡ ちゅっぶ⋯しゅき♡⋯ちゅぢゅっ♡」
しばらくキスした後、唇を離して美樹が聞いてきた。
「俊くん今日、教室で鶴崎さん達3人くらいに囲まれて勉強教えてたね」
「見てたのか? クラス違うのに⋯」
「お昼に会いたくなって俊くんの教室に行ったら、女の子に囲まれてるんだもん。帰りだって鶴崎さんと⋯。ああいう子がタイプなの?」
「はぁぁぁ、それで帰りに拗ねてたのか。さっきも言ったけど、美樹以外の子に興味ないよ。興味ないから下の名前も覚えてない」
「えっ? 本当に?」
「本当だ! クラスの女子の下の名前なんて一人も覚えてない。学校で下の名前覚えてるの、美樹だけだぞ!」
「⋯⋯嬉しい♡」
「美樹、ベッド行こうか?」
「⋯⋯うん♡」
俺と美樹は立ち上がって、ベッドに並んで座り、お互いにジャージを脱いでいく。二人共、上はTシャツ、下は下着だけになった。
「今日は初めからそういうつもりだったのか?」
今日は珍しくジャージだったし、ノーブラだったからな。
「⋯⋯うん♡ 俊くんを鶴崎さんに取られるって思ったし、私の方にも俊くんのお母さんからLINEが来てて、今日がチャンスだって思って⋯。下にお泊まり用の着替えとか入った鞄置いてるの♡」
だから鍵を閉めに行ったのか。まんまと誘惑されてしまったな。美樹の下着を見ると、すでにシミができていた。
「いつからこうなってたの?」
「いや、見ないで! 恥ずかしいよぅ⋯⋯。俊くんと⋯寝技始めた時から⋯♡」
美樹が顔を真っ赤にして白状してきた。
「俊くんだって同じようになってるよ! いつから?」
「お、俺は⋯⋯帰りに腕組まれた時から⋯」
「ええぇぇぇー!」
「だって美樹がおっぱい押し付けてくるから。今日美樹が来なかったら、一人でするつもりだった」
「⋯⋯俊くん♡」
「⋯⋯美樹♡」
キスをしながら美樹をベッドに優しく押し倒す。
「ちゅぶっちゅっ、ちゅっんんっ⋯うんっ♡」
「かわいい。大好きだよ、美樹」
「私も♡ ちゅっ、俊く~ん♡ ちゅっ⋯んっ♡」
舌を絡ませながらTシャツの上から胸を触る。美樹の胸は平均的な大きさだ。女子高生らしいCカップくらい。乳首はすでにTシャツの上からでもわかるほど、浮き上がっていた。
「あっ♡ あはぁ⋯んんっ⋯いいよ♡ んっ⋯いっぱい触って♡」
首筋にキスをしながら、Tシャツの中に手を入れて直接触る。
「ああぁぁ⋯んっ♡ あんっあっ⋯いい♡ んんっ♡」
首筋から鎖骨に舌を這わし、舐めながらキスをしていく。美樹が目を閉じて感じている。Tシャツを捲り上げ、胸を露出させると、大きすぎず小さすぎない桜色の綺麗な乳首が存在を主張していた。
「⋯⋯綺麗だ!」
「⋯⋯嬉しい♡ いいよ、いっぱい見て♡ 俊くんの好きにして♡ 俊くんにだったら、何されてもいい♡」
俺は両手で胸を揉み込むように触りながら乳首に吸い付いた。
「ああぁぁぁ♡ あんっあっ⋯んんっいい♡ 気持ちいいよ♡ 俊くんが、乳首⋯吸ってくれてる♡」
俺は夢中で吸い付き、舌で転がし、弾くようにしたりした。左胸の乳首を吸いながら、右胸の乳首を中指と薬指の間に挟んで揉む。
「あっあっああぁぁ⋯あんっ♡ はぁぁぁ⋯凄いよ♡ 俊くんに触られてるって思うと⋯んんっ♡ 胸だけで⋯私⋯♡」
ちゅぱっと音を鳴らし、左胸の乳首から口を離して、すぐに右胸の乳首に吸い付いた。左胸の乳首は指で優しく弾くように触る。
「あんっあっ⋯いい♡ 乳首⋯気持ちいい♡ あっんんっ⋯だ、だめ♡ もう⋯乳首だけで、私⋯もう⋯んんっ♡」
「いいよ⋯美樹」
「あはっんんっ、あっあっあっ♡ 乳首だけで⋯イ、イクッ♡ ああっ⋯イッちゃう♡ イクイクイクッ、あああぁぁぁぁ♡♡♡」
美樹が絶頂して身体がビクンッと跳ねる。下着はもう意味を成してない。美樹を優しく抱き締めると、時折ビクッと跳ねながらも俺に抱きついてきた。俺は美樹が落ち着くまで抱き締めていた。
「はぁ⋯はぁ⋯⋯俊くん⋯凄い♡♡」
少し身体を離し、頭を撫でて頬にキスをした。
「凄く可愛かったよ、美樹」
美樹は嬉しそうに笑っている。美樹のTシャツを脱がせ、俺も脱いだ。
「下も⋯脱がすよ」
「⋯うん♡」
下着に指を掛けてずり下ろすと、美樹が脱がしやすいようにお尻を浮かせてくれた。そのまま下着を引き抜くと美樹のアソコと下着の間に透明な糸が引いていた。
「は、恥ずかしいよぅ⋯」
「凄く綺麗だ。それにイヤらしい」
「いやぁぁぁ♡」
美樹は両手で顔を覆ってしまった。それをいい事に、美樹の脚を少し開き、そこに顔を埋めていく。
「えっ? うそ? そんな⋯汚いよ俊くん」
俺は美樹のお尻を掴んで逃がさないようにする。
「美樹の身体に汚い所なんかあるか!」
ぐちょぐちょに濡れたアソコ全体を、大きく口を開けて吸い上げた。美樹の愛液は全部俺の物だ! シーツに吸わすのだって勿体ない。
「あああぁぁぁんんっ♡ あっあっ⋯だ、だめだめ♡ あんっ⋯そんな⋯俊くんが♡ 私の汚い所⋯舐めてくれてる⋯♡」
「まだ言うか!」
舌を大事な穴に突っ込んで舐め回し、溢れてくる愛液を一滴も逃さないように吸い上げた。
「あはっんっ⋯あっあっあっ、そんな⋯♡」
そのまま舌を下から上に動かし、クリトリスを弾いてから吸い付いた。
「あっ⋯んんんんっ⋯そこっ♡ あんっはぁ⋯あっあんっ♡そ んなにしたら⋯また♡」
クリトリスを夢中になって舐める。美樹のクリトリスだと思うと美味しくて仕方ない。
「あっ⋯あんっ⋯だ、だめ♡ あっ⋯ま、待って⋯俊くん♡ 待って⋯お願い♡」
美樹の様子が気になってクリトリスから口を離し、顔を上げて美樹を見る。
「イッていいんだよ、美樹」
「待って、俊くん。もう、俊くんの⋯挿れて♡」
その言葉に興奮し、一気にトランクスを脱ぎ去った。ガマン汁を足らし天を向く息子。俺の人生で一番勃起している。
「わぁぁ♡ 俊くんのおチンチン⋯凄い♡ それにヌルヌルだね♡」
美樹の口から「おチンチン」という言葉を聞いて、理性が飛びそうになる。しかし美樹の初めてを、無理矢理して痛がらせたくない。なるべる痛くならないように、童貞だが自分の事より美樹を優先して考えないと⋯。
冷静になったおかげで大事な事を思い出した。コンドームだ。前に西尾から「いつチャンスがあるかわからないから持っとけ」と渡され、2枚連なったヤツを財布に入れていた。取り出してよく見ると「ミキ♡」と赤いマジックで書いてあった。あのヤロウ⋯。でも助かったから今回は不問にしてやろう。
「ミキ♡」と書いてある方が美樹に見えないように、コンドームの袋を破ろうとした時、美樹に取り上げられた。美樹がまじまじと見ている。
「何これ? もう⋯俊くんったら⋯♡」
「いや、それは違うんだ。西尾のヤツが⋯」
「西尾くんが何~?」
「いや、何でもないです」
「ねえ俊くん。私、初めては俊くんの直接感じたい♡」
「えっ? それって⋯⋯生でって事?」
「うん♡ 今日は大丈夫な日だし♡ お願い。それに俊くんの子供だったら⋯産みたい♡」
「わ、わかった。でもちゃんと責任取るから。っていうかもう、美樹の事誰にも渡す気ない。絶対!」
「うん⋯⋯きて♡」
俺は美樹に覆い被さり、息子の位置を調整する。さっき舐めた時に場所はわかっている。美樹の入口に鈴口が触れる。
「あっ⋯♡」
「美樹。悪いんだけど、今日の帰りに美樹に腕組まれた時からずっと我慢してて、その⋯入れた瞬間に出ちゃったらごめんな」
縦四方固めの時に、すでに爆発寸前だったから勘弁して欲しい。
「いいよ。そんな事気にしないで。私は俊くんと今こうしてるだけで幸せだから♡」
「挿れるよ?」
「⋯⋯うん♡」
ずぶぶぶぶっとゆっくり挿れていく。
「あっ、ああんんんんっ♡」
まだ半分くらいだが出そうだ。先端が美樹の膜に当たる。
「痛かったら途中で止めてもいいから、耐えられなかったら言えよ」
「うん。大丈夫⋯大丈夫だから。私の初めて⋯貰って♡ 俊くんの初めて⋯ちょうだい♡」
ぷつっとした感触を抜け、一気に奥まで挿れたと同時に、マグマが噴火するように白濁液を美樹の中に吐き出した。
──ドピュッ!ドピュッ!ビュルルルル!ビュルビュルルル!ピュッ!ビュルルル!ドクッドクッ
「あっ⋯ああああぁぁぁぁぁ♡♡♡」
「うっ! あっあああっ! くぅぅぅぅぅ!」
「出てるぅ♡ 俊くんの熱いの⋯いっぱい⋯♡♡」
「あああっ! うっくっ! 美樹⋯うっ⋯だ、大丈夫か?」
「うん⋯大丈夫。全然⋯痛くなかったよ。 俊くんのが奥まで来て⋯はぁ⋯精子が来た瞬間、私もイッちゃって⋯♡ だから痛くなかったよ♡」
「そうか⋯」
良かった。イッてて訳わからなかったって感じかな。しばらくキスをして抱き合っていた。
「俊くんの、まだまだ元気だね♡ 動いていいよ♡ 俊くんにいっぱい⋯気持ち良くなって欲しい♡」
「美樹」
舌を絡めながらゆっくり腰を動かしだす。気持ちいい。これがオマンコの中か。ゆっくり動かしているから美樹の中のヒダヒダがよくわかる。挿れる時に亀頭にヒダの感触がぞわぞわきて、抜く時はカリにヒダが引っ掛かって、腹の深くまで快感が突き抜ける。
「あんっあんっあっ、ああんっ♡ んんっ⋯気持ち⋯いい♡ 初めてなのに⋯気持ちいいよ、俊くん♡」
「ああ、俺もだ。美樹の中⋯凄い⋯気持ちいい。俺のに絡み付いてくるよ」
「あんっあっあっんんっ⋯嬉しい♡ 良かった♡ ああんっ俊くんの事⋯気持ち良くできて♡」
美樹が幸せそうに泣いている。とりあえず初めてで嫌な思いをさせずにすんで安心した。痛いだけの思い出なんて最悪だからな。絶対この子を幸せにしたい。誰にも渡したくない。気持ちが溢れてくる。腰を突き入れる度に綺麗な胸が揺れるので、たまらず吸い付いた。
「あっあっああぁぁ⋯おっぱい♡ 一緒にしたら⋯あんっあっ⋯いいいんんんっ♡」
美樹の膣が小刻みに収縮する。乳首を弾く度にキュッと締まって、俺の射精感を高めていく。
「ああぁぁっ!⋯うっ!⋯くぅ⋯美樹⋯俺⋯また⋯くっ!」
「うん⋯いいよ♡ あんっ⋯出して♡ 中に⋯いっぱい♡ 子宮に⋯ちょうだい♡」
「あっ! うっ!⋯ああダメだ⋯で、出る⋯い、イクッ! ああ⋯もう⋯イクゥゥゥ!!!」
──ドビュッ!ビュッ!ビュルルルルルルル!ドピュッ!ビュルルルル!
「あんっ、私も⋯中に出されて、イクッ! んんっ⋯あああぁぁぁぁぁ♡♡♡」
2回目とは思えない量の精子が美樹の子宮に流れ込む。長い射精が続く。その間、美樹をしっかり抱き締めて離さない。一つに融け合っているような感覚に心が満たされる。美樹も凄く幸せそうに目を閉じて余韻を感じているようだ。
ようやく射精が収まり、上体を起こして美樹を見ると、幸せそうな顔で眠っていた。
「よく頑張ったね。大好きだよ」
おでこにキスをして、未だに硬い肉棒を引き抜くと、破瓜の血と今まで出した事のない量の精液が流れ出した。
枕元のウエットティッシュで軽く後処理をして、美樹を抱き締めながら俺も眠りについた。
部活は柔道部。6歳から柔道を習っていて、2年なのにレギュラーで、自分で言うのもなんだが3年の主将より強い。というのも、俺が小さい頃から柔道を習っている恩師(先生)は、紅帯十段の柔道界では知る人ぞ知る仙人みたいな爺さんで、もう90歳を越えてるはずなのに、全く勝てる気がしない凄い先生だ。
俺は柔道が好きだ。だから恩師にいくら厳しく指導されても楽しかった。「好きこそ物の上手なれ」とはよくいったものだ。
学校は8時半からだが、毎日朝練があるので、6時には起きて準備をする。目覚ましが鳴ると同時にベッドから出て制服に着替え、鞄と柔道着を持ってリビングに向かうと、あたり前のように美樹が朝食とお弁当を作ってくれていた。
金瀬美樹。近所に住んでいる同じ歳の俺の幼馴染で、小さい頃から柔道も一緒に習っている。男女別だが同じ柔道部員だ。朝はいつもこうして迎えに来てくれる。
「俊くん、おはよう♪」
「ああ、おはよう美樹。いつも悪いな」
俺が朝練で早いので、忙しい母親が早く起きて朝食を作るのは大変だろうと、美樹が朝食とお弁当を作ってくれるようになった。俺の母親も、流石にそれは美樹に悪いと思って遠慮していたが、美樹が「私も朝練で同じ時間ですからついでですよ。気にしないでお母さん」と言うと、俺の母親が「その代わり食材費は当然私が出すから、遠慮なく好きに料理を作っていいよ」という事で納得した。
美樹は俺の母親の事を、いつからか「お母さん」と呼んでいる。理由を聞いたら、「おばさんって呼ぶには若くて綺麗だし、お姉さんは流石に無理がある。小さい頃からお世話になっている二人目のお母さんみたいな人だから」という事だった。
母親も当たり前のように受け入れている。以前、俺の母親と美樹の母親が一緒に居る時に、美樹が「お母さん」と言うと、二人供返事をしていた。俺が違和感を感じていたのに対し、3人は何でも無い事のように普通に会話していた。なんでだ?
「いいよ、ついでだし。もうできるから、早く顔洗ってきて」
洗面所に行って顔を洗う。思春期男子らしく髪型も整えたいが、頭が坊主なので顔だけ洗って歯を磨いたら終わりだ。別に柔道部が坊主を強制している訳ではなく、好きで坊主にしている。髪を伸ばすのは高校卒業してからでいいかと思っている。
リビングに行くと美味しそうな朝食が用意されていた。朝からよくこんなに作れるな。しかもだんだん凝った物になってきている。
「おお! 今日も美味そうだな。どんどん上手くなってないか?」
「おだてても何にも出ないわよ。食べてから言いなさい! まあ料理好きだし、作るの苦にならないのよ。そんな事より早く食べよ♪」
「ああ、そうだな」
俺達は向かい合って座り、手を合わせて「いただきます」と言って食べ始めた。毎朝の光景だが、料理が日増しに上手くなっていく。魚の煮付けを一口食って、ご飯を掻き込む。
「美味い! 美味しいよ、この煮付け。よく味が染み込んでて最高! 朝からよくこんなの作れるね。ありがとうな、美樹」
「そ、そう? 良かったぁ。それ、昨日から煮込んで浸けてたのを、朝火を通し直した物だから」
照れながら嬉しそうに美樹が答える。かわいいなぁ。俺も料理は好きで、中学の頃に料理人になりたいと思うくらいよく作っていたが、美樹も料理に興味を持って作るようになってから、なぜか俺に料理を作らせてくれなくなった。理由を聞いたら「料理は女の物。男のくせに料理なんてしなくていいでしょ!」と言われた。
「なんだそれ。店の料理人とか料理の鉄人とか、ほとんど男じゃないか」と思ったが、美樹が涙目で言ってきたので何も言えなかった。泣くような事か?
俺は中学に入った頃から、美樹に幼馴染以上の気持ちを持っていた。それが恋愛感情だと気が付くのに時間は掛からなかった。そんな美樹に涙目で言われたので、引くしかなかった。それからは料理に興味がなくなった。唯一の趣味が無くなり、普通はゲームや遊びに興味を持つのが中学生らしいのだが、俺は勉強に興味を持ってしまった。
柔道で「好きこそ物の上手なれ」というのを実感して知っていたので、勉強も好きになって、嫌々でなく自分からやりたくてやっていた。
きっかけは源義経の大河ドラマを観て、歴史話や昔の武将に興味を持った事で、勉強するというより教科書に載っていない事まで知りたいと思った。そうなると、歴史の授業は楽しいし、予習復習などしなくても授業を聞いてるだけで頭に入っていった。
勉強してるように見えないのに勉強できるヤツが、「授業聞いてたら家で勉強したり塾なんか行かなくてもできるでしょ」って言っていた。天才は違うなぁ。こういうヤツと自分は脳の作りが違うんじゃないか?と思っていたが、今なら理解できる。
それから数学はクイズを解くように楽しく勉強した。公式を一つ覚えるだけで解ける問題がたくさんあったりする事が楽しかった。国語や理科、英語も興味を持つ事から始めた。そうしていたら、テストはほぼ満点で、いつの間にか学年1位になっていた。 でも別に学年1位を目指していたのではなく、単に勉強が楽しくてやっていた結果だった。
その頃から部活が終わって帰宅し、晩御飯を食べて風呂に入り、後は寝るまでの間、漫画や小説なんかを読んで寛いでる時に美樹が来るようになった。理由はよくわからないが、俺の部屋にゲーム機を持ち込んで対戦させられたり、時には人生ゲームを遅くまで付き合わされたりした。
俺はゲーム機を買うほど興味がなかったのでゲーム機を持ってなかったのだが、美樹がゲーム機を置いて行って練習しておいてと言われ、あまり興味はないが、大好きな美樹の頼みだし、美樹が部屋に来てくれるのが嬉しかったので、格闘ゲームを練習していた。しかし興味がないのであまり上達しなかった。そのせいで美樹に、
「勉強ばっかりしてないで、ゲームの練習しときなさいよ!」
って怒られた。いや普通は逆じゃないか? 思わず笑いながら、
「いや、家に帰ってからテスト前以外、勉強なんてしてないんだけど⋯」
と言うと、真っ赤な顔をして俺を睨みながら、
「嘘ばっかり! じゃあなんで学年1位なのよ! ゲーム練習しておいてって言ったのに、勉強してたんでしょ!」
いやいや、何でそんなに怒るの? 理由はわからないが、大好きな美樹を怒らせてしまって悲しくなる。
「いや本当だって! 美樹が俺の部屋に来た時、俺が勉強してた事なんて無いだろう? 美樹がゲーム機置いて行ってから、家に帰ったらゲームしかしてないよ」
俺がそう言うと、思い当たったのか苦虫を噛み潰したような顔をして黙りこんでしまった。
「あ、あの、美樹? なんかごめん。でも本当なんだ。だから怒らないでよ。俺、美樹に嫌われたくないよ」
そう言うと美樹は目に涙を浮かべながら、
「ご、ごめん。別に嫌ったりなんて⋯ううっ」
「じゃあ何で怒ってるの? ゲームが上手になってなかったから?」
美樹は首を左右に振って泣きながら、
「このままじゃ⋯うっ⋯俊くんと⋯同じ高校に行け⋯ない⋯ううっ」
「はあ?」
「俊くん、学年1位だし⋯ひっく⋯このまま、遠くの進学校とかに⋯うっ⋯行くんでしょ?⋯ううっ」
「なんでそんな話に⋯」
「私も勉強頑張ってるけど⋯ひっ⋯部活もあるし⋯うっ⋯なかなか成績伸びなくて⋯。うっ⋯でも俊くんも、同じ部活してるのに⋯ううっ⋯俊くんは勉強もできて⋯このままじゃ⋯」
俺は美樹が怒ってる理由に、はぁぁ~と深くため息をついて
「美樹。俺がいつ進学校なんかに行くって言った?」
「えっ? でも⋯⋯」
「高校は一番近い公立高校だよ。美樹だってあそこだろ? 何科に入るかはまだ考えて無いけど、大学ならまだしも、遠くの高校なんて行く気ないよ」
「⋯⋯本当?」
「ああ、だから高校生になってもよろしくな」
俺がそう言うと、美樹は大声で泣きながら俺の胸に顔をうずめた。
「うわ~ん、ごめん⋯なさい。うっく⋯ううっ⋯私、中学卒業したら⋯俊くんと幼馴染じゃなくなっちゃうと思って⋯うううっ」
俺は美樹の頭を優しく撫でながら、
「いや、幼馴染なんだから、一生幼馴染だろ? 遠くに行ったとしても、美樹が俺の幼馴染なのは変わらないじゃん」
「ううっ⋯そう⋯だね。うっ⋯ごめん」
「ほら、もう泣き止んでくれ。美樹を泣かせたら、二人の母さんに怒られるし、何より女の子を泣かせたなんて恩師に知れたら最悪破門になる」
「うん⋯うん⋯ごめん」
しばらく頭を撫でていると美樹がようやく泣き止んだ。
「ってか俺に勉強させない為にゲーム機置いていったのか? 最近、夜に遊びに来てたのも、俺の成績を下げる為か?」
「え? い、いや~そんな事は⋯はは⋯そんな~つもりは⋯」
「み~き~!」
「あはは⋯ごめんごめん。ゆるしてニャン♡」
「まったく、なんで猫なんだよ? まあいいけど」
やっといつもの美樹に戻ってくれて安心した。やっぱり美樹には笑っていて欲しい。
「それより美樹の方こそ、彼氏でもできたら俺と遊んでくれなくなるんじゃないのか?」
ちょっと、いや、凄く寂しいが、美樹には幸せになって欲しい。
「ああ、大丈夫。彼氏とか興味ないし、まだまだ作らないもん」
「え、そうなの? なんかこの間も告白されてたって聞いたし、お前モテるんじゃないのか?」
「なに? 誰に聞いたの? ねぇ誰? 誰が言ったの?」
美樹が真剣な顔で詰め寄ってくる。怖い。怖いよ美樹。
「い、いや~、風の噂?」
「むぅーーっ! まあいいけど⋯。ちゃんと興味ないって断ったよ。彼氏なんかいらないし。まあその後、逆上されたけど⋯⋯」
「ええっ! だ、大丈夫だったのか?」
「平気平気♪ 私の柔道の実力、知ってるでしょ?」
「いや、相手の人、怪我してないのか?」
「ちょっとー、何それ!」
「あはははは」
そんな事が中学の頃にあった。彼氏なんかいらないし興味ないと言われ、複雑な気持ちになったが、今もこうして一緒にいてくれて、それだけで幸せだった。
美樹の作った朝食を食べ終えると、二人でキッチンに皿を持っていき、美樹が洗った食器を俺が拭いて棚にしまっていく。これもいつもの決まりみたいなものだ。ちなみに母親の分の朝食は、ラップをかけて冷蔵庫に入れてある。
朝練の為、二人で並んで学校へ向かう。俺も美樹も体操着や弁当などが入っている鞄の上に、丸めて帯でくくった柔道着を乗せて、鞄の持ち手で挟んで持っている。
学校に着いた俺と美樹は、別れて男女別の更衣室に入る。着替えて柔道場に行くと、すでに先輩が受け身をやっていた。
「おはようございます」
「おはよう、須藤」
先輩に挨拶して、軽く準備運動をしてから受け身を始める。朝はまず、受け身を30回。それから腹這いなどをして身体を温めてから打ち込みと乱取りをし、8時になったら終了だ。軽く汗をかく程度で、汗だくという訳ではない。真夏でも朝練は汗だくになるまでやったりはしない。汗の匂いが気になるほどではないのでそのまま教室に行くが、女子は制汗剤などを振ってから授業に出ている。
午前中の授業を受ける。先生の授業を興味を持って聞き、たまにノートを取るくらいだ。話さえ聞いていれば、後は要点だけノートに書けばいい。その代わり、他の事は考えず授業に集中する。中学の時から変わらない俺の授業の受け方だ。
四時限目になり、先日の数学の抜き打ちテストが返却された。教室のいたる所で阿鼻叫喚の声が上がるが、俺は満点だった。
「須藤。お前の頭はどうなってんだ? 今回は抜き打ちだぞ! カンニングだな? カンニングだろ? なあ、俺にもやり方教えろよ」
隣の席の西尾が失礼な事を言ってくるので、昔言われた事を言ってやる。
「失礼だな。こんなもん、授業聞いてりゃできるだろ!」
「な、なんだよそれ~! 家で勉強ばっかりしてんだろ!」
「俺が遅くまで部活やってるの知ってるだろ? 朝練もあるから夜は早く寝るし。帰宅部のお前より勉強する時間なんてないぞ!」
「かー! 天才は違うなぁ」
いや、天才じゃなくて勉強のやり方を知ってるだけだ。前に言っても理解されなかったから、もう言わないけど⋯。ふと西尾の答案を見ると、19点だった。赤点じゃねーか。
「お前それ、追試だな」
「み、見るなよ! 満点のお前に見られると悲しくなる」
点数の書かれた部分を折り曲げて隠したが、答案がバツだらけなので意味がない。俺は満点だったから、テストの解説になる今日の数学の授業はあまり興味が無かった。
そうして授業が終わり、昼休みになった。仲の良い者同士で集まって、お昼ご飯を食べる。俺は美樹の作ってくれた弁当を取り出した。学校で一番楽しみな時間だ。
「いいなぁ、金瀬さんの手作り弁当。俺も食ってみてぇ」
西尾が俺の弁当を見て、小声で言ってくる。美樹が俺の弁当を作ってくれている事は秘密にしている。美樹がからかわれたりして作ってくれなくなったら、この世の終わりだ。いつも一緒に弁当を食っているし、明らかに母親が作った感じでは無いので、問い詰められて言ってしまったが、西尾はアホだが信用できる親友だから大丈夫だ。
「言うなよ! 誰かに聞かれたらどうしてくれる!」
「わかってるよ。なぁ、その卵焼きだけでもくれないか?」
「絶対嫌だ! 美樹が作ってくれた物は誰にも食わさん!」
「はいはい、わかったよ。で、そろそろキスくらいしたのか?」
ご飯を吹き出しそうになったが、美樹の作ったご飯を無駄にする訳にはいかないので、何とか飲み込んだ。
「けほっけほっ! お、お前、なんて事言うんだ! ビックリして喉に詰まっただろ!」
「お前なぁ。そんなに好きならそろそろ告白くらいしたらどうだ? 毎日弁当作ってくれてるんだから、金瀬さんもまんざらでもないんじゃないか?」
「いや、美樹はただの幼馴染だし、弁当はその⋯ついでだって言ってたし⋯。だいたい美樹は彼氏とか興味ないし、作る気無いって言ってたから⋯⋯」
「それ、いつの話だよ?」
「⋯⋯中学の時」
「はぁぁぁぁ。金瀬さんも、こんなのが幼馴染じゃ可哀想に⋯」
「どういう意味だよ!」
「お前、頭はいいくせに、その辺頭回らないんだな」
なんだ? 西尾の言ってる意味がわからん。クソ! アホにバカにされた気がする。
「19点で追試のお前に言われるとは⋯」
「19点って言うな!」
「俺が追試のコツを教えてやるから、な?」
「ついにカンニングを伝授する気になったか?」
「まあ楽しみにしてろ」
そうして弁当を食い終わってから、昼休みの残り時間に数学のテストのコツを教える事になった。追試は明日だから時間がない。今日のテストの解説授業をちゃんと聞いてれば大丈夫なんだが、こいつは理解力がない事が欠点だから、先生よりわかりやすく数学のコツを教えてやれば追試くらい大丈夫だろう。
今回のテストは同じような問題ばかりだったから、1問できれば後は解き方は同じだ。西尾の答案を見ると、公式問題を全部間違っている。正解しているのは単純な計算問題だけだ。
「時間がないから単純に説明していくぞ。まず問3から問9までは、違うように見えるが解き方は同じだ。公式に当てはめるだけで答えが出る。ようは公式さえ覚えておけばいいんだ。お前が解けない理由は⋯⋯」
そうしてアホでもわかるように、順に説明していく。昼休みの残り時間だけなので、あくまで今回の追試で通用するだけの教え方だ。そうして15分ほどでテストの間違い箇所を説明し終えた。
「やっぱお前すげぇな。わかりやす過ぎだよ。先生よりわかりやすいぜ」
「まあアホなお前に合わせて説明したからな。先生の説明は普通の高校生向けだ」
「ひでぇ言われよう。でも助かったぜ。これで追試は大丈夫そうだわ」
そんなやり取りをしていると、俺の後ろにクラスの女子が3人居て、話しかけてきた。
「あ、あの、須藤くん。私にも数学教えてくれない? 私も数学は苦手で⋯」
同じクラスの鶴崎さん、青木さん、鳥越さんの3人だ。下の名前までは覚えてない。美樹以外の女に興味がないのだ。鶴崎さんは剣道部で、確か県大会までいったと聞いた気がする。鶴崎さんって頭良かった気がするけど⋯。
「え? そうなの? 鶴崎さん達も追試?」
「いや、西尾くんほどじゃないから赤点じゃないんだけど、数学だけはどうも苦手で」
追試の対策ができて喜んでいた西尾が、今は泣きそうな顔になっている。
「いいよ。でも放課後は部活があるから、今から昼休み終わるまでしか時間ないんだけど⋯⋯後10分くらい」
「うん、それでもいいからお願い」
「じゃあテストの答案持ってきて」
3人はすぐにテストの答案を取りに行って帰ってきた。俺は西尾と同じように、手短にわかりやすく要点とコツだけを教えていく。鶴崎さんは、公式の当てはめ方が間違っているだけだったので、そこだけ教えただけで理解していた。
青木さんと鳥越さんは、問題によってどの公式を当てはめるのかわかってなかったので、そこを教えただけで理解していった。
「さすが須藤くん、めっちゃくちゃわかりやすかった。こんな短時間で理解できるようになるなんて」
「うん、凄いよ。わかりやすい!」
「流石は学年1位。教え方まで上手い!」
「いやいや3人供、西尾と違って基本は間違ってないから、俺はコツを教えただけだよ」
3人はお礼を言って嬉しそうに自分の席に戻っていった。隣の席で西尾が脱け殻のようになっていた。
午後の授業が終わったのて部活に向かう。いつも通り18時までみっちり練習して着替える。柔道場のある体育館の外で、美樹が出てくるのを待っていると、同じように部活を終えた鶴崎さんが出てきた。
「お疲れさま須藤くん。今日は数学教えてくれてありがとね」
「ああ、鶴崎さん。お疲れ~。あのくらいどうって事ないよ」
「今から帰るなら、一緒に帰らない? それとも誰か待ってるの?」
「ああ、そうなんだ。美樹⋯金瀬さんを待ってて。家が同じ方向だから」
「そ、そうなんだ⋯。付き合ってるの?」
「いや、幼馴染なんだよ。小さい時から同じ柔道の道場に通ってて」
「そう⋯なんだ。そっかぁ⋯幼馴染なんだ。じゃあ私はお先に」
「おう。お疲れさま~」
鶴崎さんが帰って行った後、すぐに美樹が出てきた。なんか睨まれてる気がするが、なんでだ?
「お~い、美樹。遅かったじゃないか。早く帰ろうぜ」
「女の子にはいろいろあるの! ちょっとくらい待ってなさいよ!」
「ああ、そうだったな。ごめんごめん」
そう言って美樹は俺を置いて、スタスタと歩いていく。
「おい、ちょっと。ちょ待てよ!」
キ◯タク風に言ってみたが、待ってくれない。
「なに? なんか怒ってるのか? せっかく待ってたんだから一緒に帰ろうよ」
しばらく歩くと、校門の前で美樹が止まった。慌てて駆け寄ると、美樹が振り向いて、
「⋯⋯ごめん」
目に涙を浮かべてそう言った。
「いいよ、別に。一緒に帰ろう?」
「うん」
そうして並んで歩きだした。
「部活で何かあったのか?」
「⋯⋯違う」
「どうした?」
「今は⋯⋯言いたくない」
「そっかぁ⋯」
ならば聞くまい。美樹が言いたくなったら言うだろう。そうしてしばらく無言で歩いていると、突然美樹が腕を組んできた。かなりガッツリ。俺の腕を片腕で抱き締めるように組んでいる。かなり歩きずらいが、腕に当たる柔らかい感触を振りほどけるほど、俺は修行を積んでいない。
「あ、あの⋯美樹? これはいったい⋯?」
「何? 嫌なの? 嫌ならやめるけど⋯」
嫌な訳ない。むしろ一生このままでもいい。
「嫌じゃないです! やめないでください!」
思わず懇願してしまった。柔らかい塊が当たってる事は黙っておこう。今は美樹の気が変わらないように、少しでも長くこの感触を味わっておきたい。
そのまま美樹の家まで帰って来た。家に入る為、ふっと美樹が離れて急に腕が寂しくなるが、今夜は自慰がはかどりそうだ。
そんな事を考えていると、
「今日、お風呂入ったら俊くんの家に行くから」
ええぇぇ⋯。いや今日はちょっと。腕に柔らかい感触が残っているうちに、自慰がしたいんですが⋯。
「わ、わかった」
ちょっと落ち込みながら家に帰る。家に入って晩飯を作ろうとしたら、スマホに母親からLINEが来ている事に気が付いた。急に出張になったから、今日は帰れないという。よくある事だ。晩飯を作る前に気が付いて良かった。
自分の分だけなので、簡単な物を作って晩飯を済ませた。風呂に入ってジャージに着替え、美樹が来るのを待つ。手短に自慰をしようかと思ったが、ガチャ!「キャーーッ!」みたいな事になったら最悪なので我慢する。ムラムラするが仕方がない。風呂ですれば良かったな⋯。
そうしていると玄関が開く音が聞こえ、階段をトントンと上がってくる音が大きくなってきた。
ガチャ!「来たよー♪」
これだ。美樹はノックをしない。思春期男子の部屋なんだからノックくらいして欲しい。前に「ノックくらいしろよ!」って言ったら、コン、ガチャ!ってノックと同時に開けやがったので諦めた。
「おう。今日もゲームすんのか? あ、玄関の鍵閉めた?」
「えっ、なんで? お母さんは?」
「今日は出張になったってLINEが来たよ」
「ふ、ふーん⋯」
美樹が変な返事をしたが気のせいか? 美樹を見ると、上下お揃いの臙脂色のジャージだった。俺と色違いの同じヤツだ。ジャージで俺の部屋に来るなんて珍しいな。近所といっても、何軒か離れているので、いつも俺の家に来る時は普通の服を着ている。
「一応鍵閉めて来るわ」
「ああ、私が行ってくるよ」
そう言って美樹は下に降りて行って、鍵を閉めてまた上がって来たので、二人でしばらくゲームをしていた。途中で柔道の話になり、小学生の時に俺と美樹で試合をして、美樹が一度も勝てなかった事を言い出した。「今なら勝てる」とか挑発してきたが、「俺の部屋で組み合うには無理がある」と言うと、寝技で勝負しようと言ってきた。
「いや、寝技はちょっと⋯⋯。いろいろ問題じゃないか?」
「何で? 何が問題なの?」
マジでわかってないのか? 俺たち高校生だぞ! いいのか? 美樹が言ってるんだし⋯いいのかな? 俺が逡巡してると、
「何? 寝技自信ないの~? 2年でレギュラーなのに、寝技は女にも勝てないの?」
クソッ! めっちゃ挑発してきやがる。
「よし、やってやるよ。負けても昔みたいに泣くなよ」
「な、泣いてないし!」
勝負は同じ寝技をかけて、30秒以内に外せるかどうかという事になった。まずは俺から袈裟固めで美樹を抑え込み、スマホのカウンターをスタートした。
「うっ! よっ! ふっ⋯くうぅぅぅ⋯」
美樹がもがくが、ガッチリ決まってからの寝技は、男女関係なくなかなか外せないものである。しかも二人の師匠は柔道の達人だ。
ピーッピーッピーッ!っとカウンターのアラームが鳴って勝負が決まった。
「ああぁもう! 全然動けなかった⋯」
美樹が頬を膨らましてブー垂れる。美樹が頬を膨らまして怒る時は、本気じゃない時なので、俺は頬を膨らました美樹の顔が可愛くて好きだった。
「はい次、交代。そこに寝て」
「はいはい。おら、かかってこい!」
美樹を挑発すると、俺の頭を右腕で抱え込んで袈裟固めを掛けてきた。今気付いたが、これ、美樹の右乳が俺の鎖骨に押し付けられる。ヤ、ヤバい。これは別の意味でヤバい。美樹がスマホのカウンターをスタートさせた。
「ふんっ! うっ⋯ふっ⋯ふっ⋯」
やはり女とはいえ達人の弟子だ。ガッチリ決まっている。もがくと多少崩れて、俺の顔が美樹の腕から抜けそうになったが、ここで問題が起きた。俺の顔に美樹の右乳が押し付けられている形になったのだ。確かに袈裟固めが崩れるとこうなる。こうなるがこれはヤバい。
しかもこいつノーブラだ。風呂上がりだから、そういうものなのかも知れないがヤバい。ムラムラしてた事もあって、股間に血が集まり始める。やっぱり風呂で1回出しておくべきだった。
嬉しいが勝負なんてどうでもいい、早く30秒経ってくれ。でないと俺が勃ってしまう。バレたら美樹に嫌われる。
ピーッピーッピーッ!とアラームが鳴った。
「ふぅーー、危なかったぁ⋯」
「はぁ? 俊くんも外せなかったんだから引き分けだよ」
「あ、ああ、そうだな。ははは⋯」
渇いた笑いを浮かべるのが精一杯だった。
「はい次。上四方固め」
えっ? まだやるの? もうこれ以上は勘弁してくれ。しかも上四方固めってダメだろ!
「まだやるの? もうやめないか?」
「何言ってるの? まだ勝負ついてないでしょ! 負けるのが怖いの?」
クッソー! いろんな意味で挑発しやがって⋯。やってやるよ。無心だ。動かざること山のごとし 徐(しず)かなること林のごとくだ! ジャージの上から帯だけを締めて、寝転んでいる美樹の頭の方へ回り、上四方固めを掛けて、スマホのスタートボタンを押した。
「んんーー! くぅ⋯うっ⋯くっ!⋯」
美樹がブリッジしたり、左右に動いたりするが、ガッチリ固めているのでビクともしない。美樹の風呂上がりの匂いで、また股間が⋯。
ピーッピーッピーッ! アラームの音が鳴った。
「ああぁぁぁもう! また動けなかったー!」
また頬を膨らまして怒る美樹。かわいいなぁ。
「はい交代!」
美樹が帯を渡してくる。帯を締めて寝転ぶと、美樹が頭の上から被さってきた。ううっ、やっぱり予想どうり上四方固めはヤバい。胸が胸に当たる。ノーブラだから柔らかさが伝わってくる。しかも体勢的に美樹が前を向いているので、俺の股間が美樹の目の前だ。 カウンターのスタートボタンが押される。
「ふんっ! んんんーーーっ! ふっ⋯うっ⋯」
もがくと胸が胸の上で形を変え、プニプニとした感触が⋯。しかもいい匂いが鼻いっぱいに広がる。これで勃起しないヤツいるのか? ブリッジして足元の方へ身体をずらした時、またしても問題が起きた。美樹のおっぱいに俺の顔が挟まれてしまったのだ。もうダメだ、こんなの。ああ、たまらん。股間が半勃ちになった所で、ピーッピーッピーッ!とアラームが鳴った。
まさに危機一髪。チンポの先がヌルヌルする。だから柔道は男女別なんだな。いやスポーツ全般だけど⋯。
「「はぁはぁはぁ⋯」」
美樹と俺は、違う意味で呼吸が荒くなっていた。
「また引き分けか~」
美樹が赤い顔をして言った。もうやめてくれ。次は絶対勃起してしまう。ヘタしたら出てしまうかも知れない。
「次よ次。縦四方固め!」
「なぁ、これ勝負つかないって。もうやめようぜ」
チンポが限界だ。縦四方固めなんてヤバ過ぎる。
「⋯わかった。次で最後にする。今度は私から掛けるから」
「ああ、わかったよ」
俺は心を無にして寝転がる。美樹が俺に覆い被り、しがみついてきて、カウンターのスタートボタンが押された。
「ふんっ! ふぅぅぅーっ!⋯うっ⋯」
左右にもがくが外せない。動く度にまた胸の感触が。美樹が上から抱き締めるような感じなのもヤバい。もう柔道をやってる気がしない。ダメだ。完全に勃起してしまった。ああ⋯ヤバい。どうしよう。
返し方としては、ブリッジして背中と床の間に隙間を作って身体を捻って返すんだが、ブリッジすると美樹のアソコに俺の勃起チンポが当たってしまう。それだけは避けなければ⋯。左右に身体を動かす事しか出来ない。しかし突然、美樹が腰を落としてきた。
「うんんっ♡」
ああ⋯終わった。人生終わった。完全にバレた。美樹に幻滅されて、きっとグーで殴られる。
「み、美樹。もう降参。俺の敗けだ」
「まだ⋯あっ♡ 時間来てないでしょ?」
え? バレてるよな、これ。なのに何で? 俺が動かないでいると、美樹が股間を俺の勃起したチンポに擦りつけてきた。
「ダ、ダメだ! 美樹、そんなことされたら⋯⋯」
「あっ⋯♡ な、何が~?⋯んんっ♡ ほら、早く逃げなさいよ!」
ピーッピーッピーッ!とアラームが鳴ったが、美樹は俺を離さない。
「ねぇ? 何これ? 何でこんなになってるの?」
美樹が俺の耳に直接話し掛けてくる。息が掛かってくすぐったい。俺が何て言い訳しようか考えていると、
「私でこうなったんだよね? ねぇ、何か言って?」
もう観念するしかない。
「ああそうだ! 美樹で勃起した。ごめん。本当にごめん。殴ってもいいから、頼む! 嫌わないでくれ!」
そう言うと美樹は、
「嫌ったりしないよ。だって⋯⋯こうなるの待ってたんだもん♡」
耳元でそう言って顔を上げ、潤んだ瞳で俺を見る美樹。俺は訳がわからず固まっていた。美樹の唇が近づいてくる。
「んんっ⋯ちゅっ⋯むちゅっ♡」
キスされた。えっ? どうなってるの?唇を離して美樹が俺の事を見つめてくる。
「ファーストキスだよ♡ 好き。好きなの、俊くん♡」
「⋯⋯美樹?」
ちゃんと返事しなきゃいけないのに、突然の事過ぎて言葉が出て来ない。
「ねぇ⋯私じゃダメ? 俊くんに何も勝てない私はダメ?」
美樹が今にも泣きそうになりながら言ってきた。
「そ、そんな訳あるか! 俺⋯俺⋯、美樹じゃなきゃ嫌だ! 美樹以外の女に興味ない! 好きだ! ずっと前から好きだった!」
美樹を抱き締める。離したくない。美樹は俺が幸せにするんだ!
「本当? 嬉しい⋯♡ やっと気持ちが通じた。俊くんはいつから私の事好きだったの?」
美樹が顔を近付けて聞いてくる。
「中学に入った頃から⋯かな?」
「やった。私の勝ちだ!」
「えっ?」
「だって私、俊くんが好きだから柔道始めたんだよ♡」
何それ? じゃあ6歳くらいからか。
「それは敵わないな。美樹の勝ちだ」
えへへ~と笑ってキスをしてくる。今度は深く舌を差し込まれ、俺の舌を探してきたので、俺が舌を絡めると美樹もそれに応えてくれた。
「ちゅっ、んちゅ♡ ううん⋯好き♡ ちゅっぶ⋯しゅき♡⋯ちゅぢゅっ♡」
しばらくキスした後、唇を離して美樹が聞いてきた。
「俊くん今日、教室で鶴崎さん達3人くらいに囲まれて勉強教えてたね」
「見てたのか? クラス違うのに⋯」
「お昼に会いたくなって俊くんの教室に行ったら、女の子に囲まれてるんだもん。帰りだって鶴崎さんと⋯。ああいう子がタイプなの?」
「はぁぁぁ、それで帰りに拗ねてたのか。さっきも言ったけど、美樹以外の子に興味ないよ。興味ないから下の名前も覚えてない」
「えっ? 本当に?」
「本当だ! クラスの女子の下の名前なんて一人も覚えてない。学校で下の名前覚えてるの、美樹だけだぞ!」
「⋯⋯嬉しい♡」
「美樹、ベッド行こうか?」
「⋯⋯うん♡」
俺と美樹は立ち上がって、ベッドに並んで座り、お互いにジャージを脱いでいく。二人共、上はTシャツ、下は下着だけになった。
「今日は初めからそういうつもりだったのか?」
今日は珍しくジャージだったし、ノーブラだったからな。
「⋯⋯うん♡ 俊くんを鶴崎さんに取られるって思ったし、私の方にも俊くんのお母さんからLINEが来てて、今日がチャンスだって思って⋯。下にお泊まり用の着替えとか入った鞄置いてるの♡」
だから鍵を閉めに行ったのか。まんまと誘惑されてしまったな。美樹の下着を見ると、すでにシミができていた。
「いつからこうなってたの?」
「いや、見ないで! 恥ずかしいよぅ⋯⋯。俊くんと⋯寝技始めた時から⋯♡」
美樹が顔を真っ赤にして白状してきた。
「俊くんだって同じようになってるよ! いつから?」
「お、俺は⋯⋯帰りに腕組まれた時から⋯」
「ええぇぇぇー!」
「だって美樹がおっぱい押し付けてくるから。今日美樹が来なかったら、一人でするつもりだった」
「⋯⋯俊くん♡」
「⋯⋯美樹♡」
キスをしながら美樹をベッドに優しく押し倒す。
「ちゅぶっちゅっ、ちゅっんんっ⋯うんっ♡」
「かわいい。大好きだよ、美樹」
「私も♡ ちゅっ、俊く~ん♡ ちゅっ⋯んっ♡」
舌を絡ませながらTシャツの上から胸を触る。美樹の胸は平均的な大きさだ。女子高生らしいCカップくらい。乳首はすでにTシャツの上からでもわかるほど、浮き上がっていた。
「あっ♡ あはぁ⋯んんっ⋯いいよ♡ んっ⋯いっぱい触って♡」
首筋にキスをしながら、Tシャツの中に手を入れて直接触る。
「ああぁぁ⋯んっ♡ あんっあっ⋯いい♡ んんっ♡」
首筋から鎖骨に舌を這わし、舐めながらキスをしていく。美樹が目を閉じて感じている。Tシャツを捲り上げ、胸を露出させると、大きすぎず小さすぎない桜色の綺麗な乳首が存在を主張していた。
「⋯⋯綺麗だ!」
「⋯⋯嬉しい♡ いいよ、いっぱい見て♡ 俊くんの好きにして♡ 俊くんにだったら、何されてもいい♡」
俺は両手で胸を揉み込むように触りながら乳首に吸い付いた。
「ああぁぁぁ♡ あんっあっ⋯んんっいい♡ 気持ちいいよ♡ 俊くんが、乳首⋯吸ってくれてる♡」
俺は夢中で吸い付き、舌で転がし、弾くようにしたりした。左胸の乳首を吸いながら、右胸の乳首を中指と薬指の間に挟んで揉む。
「あっあっああぁぁ⋯あんっ♡ はぁぁぁ⋯凄いよ♡ 俊くんに触られてるって思うと⋯んんっ♡ 胸だけで⋯私⋯♡」
ちゅぱっと音を鳴らし、左胸の乳首から口を離して、すぐに右胸の乳首に吸い付いた。左胸の乳首は指で優しく弾くように触る。
「あんっあっ⋯いい♡ 乳首⋯気持ちいい♡ あっんんっ⋯だ、だめ♡ もう⋯乳首だけで、私⋯もう⋯んんっ♡」
「いいよ⋯美樹」
「あはっんんっ、あっあっあっ♡ 乳首だけで⋯イ、イクッ♡ ああっ⋯イッちゃう♡ イクイクイクッ、あああぁぁぁぁ♡♡♡」
美樹が絶頂して身体がビクンッと跳ねる。下着はもう意味を成してない。美樹を優しく抱き締めると、時折ビクッと跳ねながらも俺に抱きついてきた。俺は美樹が落ち着くまで抱き締めていた。
「はぁ⋯はぁ⋯⋯俊くん⋯凄い♡♡」
少し身体を離し、頭を撫でて頬にキスをした。
「凄く可愛かったよ、美樹」
美樹は嬉しそうに笑っている。美樹のTシャツを脱がせ、俺も脱いだ。
「下も⋯脱がすよ」
「⋯うん♡」
下着に指を掛けてずり下ろすと、美樹が脱がしやすいようにお尻を浮かせてくれた。そのまま下着を引き抜くと美樹のアソコと下着の間に透明な糸が引いていた。
「は、恥ずかしいよぅ⋯」
「凄く綺麗だ。それにイヤらしい」
「いやぁぁぁ♡」
美樹は両手で顔を覆ってしまった。それをいい事に、美樹の脚を少し開き、そこに顔を埋めていく。
「えっ? うそ? そんな⋯汚いよ俊くん」
俺は美樹のお尻を掴んで逃がさないようにする。
「美樹の身体に汚い所なんかあるか!」
ぐちょぐちょに濡れたアソコ全体を、大きく口を開けて吸い上げた。美樹の愛液は全部俺の物だ! シーツに吸わすのだって勿体ない。
「あああぁぁぁんんっ♡ あっあっ⋯だ、だめだめ♡ あんっ⋯そんな⋯俊くんが♡ 私の汚い所⋯舐めてくれてる⋯♡」
「まだ言うか!」
舌を大事な穴に突っ込んで舐め回し、溢れてくる愛液を一滴も逃さないように吸い上げた。
「あはっんっ⋯あっあっあっ、そんな⋯♡」
そのまま舌を下から上に動かし、クリトリスを弾いてから吸い付いた。
「あっ⋯んんんんっ⋯そこっ♡ あんっはぁ⋯あっあんっ♡そ んなにしたら⋯また♡」
クリトリスを夢中になって舐める。美樹のクリトリスだと思うと美味しくて仕方ない。
「あっ⋯あんっ⋯だ、だめ♡ あっ⋯ま、待って⋯俊くん♡ 待って⋯お願い♡」
美樹の様子が気になってクリトリスから口を離し、顔を上げて美樹を見る。
「イッていいんだよ、美樹」
「待って、俊くん。もう、俊くんの⋯挿れて♡」
その言葉に興奮し、一気にトランクスを脱ぎ去った。ガマン汁を足らし天を向く息子。俺の人生で一番勃起している。
「わぁぁ♡ 俊くんのおチンチン⋯凄い♡ それにヌルヌルだね♡」
美樹の口から「おチンチン」という言葉を聞いて、理性が飛びそうになる。しかし美樹の初めてを、無理矢理して痛がらせたくない。なるべる痛くならないように、童貞だが自分の事より美樹を優先して考えないと⋯。
冷静になったおかげで大事な事を思い出した。コンドームだ。前に西尾から「いつチャンスがあるかわからないから持っとけ」と渡され、2枚連なったヤツを財布に入れていた。取り出してよく見ると「ミキ♡」と赤いマジックで書いてあった。あのヤロウ⋯。でも助かったから今回は不問にしてやろう。
「ミキ♡」と書いてある方が美樹に見えないように、コンドームの袋を破ろうとした時、美樹に取り上げられた。美樹がまじまじと見ている。
「何これ? もう⋯俊くんったら⋯♡」
「いや、それは違うんだ。西尾のヤツが⋯」
「西尾くんが何~?」
「いや、何でもないです」
「ねえ俊くん。私、初めては俊くんの直接感じたい♡」
「えっ? それって⋯⋯生でって事?」
「うん♡ 今日は大丈夫な日だし♡ お願い。それに俊くんの子供だったら⋯産みたい♡」
「わ、わかった。でもちゃんと責任取るから。っていうかもう、美樹の事誰にも渡す気ない。絶対!」
「うん⋯⋯きて♡」
俺は美樹に覆い被さり、息子の位置を調整する。さっき舐めた時に場所はわかっている。美樹の入口に鈴口が触れる。
「あっ⋯♡」
「美樹。悪いんだけど、今日の帰りに美樹に腕組まれた時からずっと我慢してて、その⋯入れた瞬間に出ちゃったらごめんな」
縦四方固めの時に、すでに爆発寸前だったから勘弁して欲しい。
「いいよ。そんな事気にしないで。私は俊くんと今こうしてるだけで幸せだから♡」
「挿れるよ?」
「⋯⋯うん♡」
ずぶぶぶぶっとゆっくり挿れていく。
「あっ、ああんんんんっ♡」
まだ半分くらいだが出そうだ。先端が美樹の膜に当たる。
「痛かったら途中で止めてもいいから、耐えられなかったら言えよ」
「うん。大丈夫⋯大丈夫だから。私の初めて⋯貰って♡ 俊くんの初めて⋯ちょうだい♡」
ぷつっとした感触を抜け、一気に奥まで挿れたと同時に、マグマが噴火するように白濁液を美樹の中に吐き出した。
──ドピュッ!ドピュッ!ビュルルルル!ビュルビュルルル!ピュッ!ビュルルル!ドクッドクッ
「あっ⋯ああああぁぁぁぁぁ♡♡♡」
「うっ! あっあああっ! くぅぅぅぅぅ!」
「出てるぅ♡ 俊くんの熱いの⋯いっぱい⋯♡♡」
「あああっ! うっくっ! 美樹⋯うっ⋯だ、大丈夫か?」
「うん⋯大丈夫。全然⋯痛くなかったよ。 俊くんのが奥まで来て⋯はぁ⋯精子が来た瞬間、私もイッちゃって⋯♡ だから痛くなかったよ♡」
「そうか⋯」
良かった。イッてて訳わからなかったって感じかな。しばらくキスをして抱き合っていた。
「俊くんの、まだまだ元気だね♡ 動いていいよ♡ 俊くんにいっぱい⋯気持ち良くなって欲しい♡」
「美樹」
舌を絡めながらゆっくり腰を動かしだす。気持ちいい。これがオマンコの中か。ゆっくり動かしているから美樹の中のヒダヒダがよくわかる。挿れる時に亀頭にヒダの感触がぞわぞわきて、抜く時はカリにヒダが引っ掛かって、腹の深くまで快感が突き抜ける。
「あんっあんっあっ、ああんっ♡ んんっ⋯気持ち⋯いい♡ 初めてなのに⋯気持ちいいよ、俊くん♡」
「ああ、俺もだ。美樹の中⋯凄い⋯気持ちいい。俺のに絡み付いてくるよ」
「あんっあっあっんんっ⋯嬉しい♡ 良かった♡ ああんっ俊くんの事⋯気持ち良くできて♡」
美樹が幸せそうに泣いている。とりあえず初めてで嫌な思いをさせずにすんで安心した。痛いだけの思い出なんて最悪だからな。絶対この子を幸せにしたい。誰にも渡したくない。気持ちが溢れてくる。腰を突き入れる度に綺麗な胸が揺れるので、たまらず吸い付いた。
「あっあっああぁぁ⋯おっぱい♡ 一緒にしたら⋯あんっあっ⋯いいいんんんっ♡」
美樹の膣が小刻みに収縮する。乳首を弾く度にキュッと締まって、俺の射精感を高めていく。
「ああぁぁっ!⋯うっ!⋯くぅ⋯美樹⋯俺⋯また⋯くっ!」
「うん⋯いいよ♡ あんっ⋯出して♡ 中に⋯いっぱい♡ 子宮に⋯ちょうだい♡」
「あっ! うっ!⋯ああダメだ⋯で、出る⋯い、イクッ! ああ⋯もう⋯イクゥゥゥ!!!」
──ドビュッ!ビュッ!ビュルルルルルルル!ドピュッ!ビュルルルル!
「あんっ、私も⋯中に出されて、イクッ! んんっ⋯あああぁぁぁぁぁ♡♡♡」
2回目とは思えない量の精子が美樹の子宮に流れ込む。長い射精が続く。その間、美樹をしっかり抱き締めて離さない。一つに融け合っているような感覚に心が満たされる。美樹も凄く幸せそうに目を閉じて余韻を感じているようだ。
ようやく射精が収まり、上体を起こして美樹を見ると、幸せそうな顔で眠っていた。
「よく頑張ったね。大好きだよ」
おでこにキスをして、未だに硬い肉棒を引き抜くと、破瓜の血と今まで出した事のない量の精液が流れ出した。
枕元のウエットティッシュで軽く後処理をして、美樹を抱き締めながら俺も眠りについた。
10
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