ケモ耳女性達とハーレムライフ

錏陀羅龍

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第三章 拐われた獣人女性の救出

セックスの約束と新たな刺客

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 ナナさんとセドム村に転移して帰ってきた。
 また王都に行くが、ナナさんは一旦みんなの所に買った物を届けに行くので、その間に俺はユナとエマちゃんを迎えに行く。
「探索魔法」で2人を探すと、ユナは山に、エマちゃんは畑に居るのがわかったので、とりあえずユナから迎えに行くが、その前に「念話」で連絡しておく。
 狩りをしているミーシャと一緒に居るみたいなので、急に「転移」して、獲物と間違って狩られたらたまらない。

『ユナ。今から迎えに行くから、ミーシャに言っておいてね』

ユナ『あ、タカシさん。はい、わかりました』

「念話」の声が何故か嬉しそうだ。
 いい獲物でも狩れたのかな? 

ユナ『あっ! ちょ、ちょっとだけ待ってもらえますか?』

『どうしたの? 今都合悪いなら、エマちゃんを先に迎えに行ってくるけど⋯⋯』

ユナ『すみません、そうしてください!』

 なんだ? 
 よく分からないが、エマちゃんに「念話」で連絡する。

『エマちゃん。帰ってきたから、今から迎えに行くけど、いいかな?』

エマ『はい、大丈夫です。エリダさんと畑に居るんですが、分かりますか?』

『うん。魔法で居場所は分かるから大丈夫だよ』

エマ『そ、そうなんですね。あの⋯タカシさん。発情期が来た事がエリダさんにバレてしまいまして⋯⋯。私も知らなかったんですけど、同じ狐族なら分かっちゃうらしいんです』

 そうなのか! 
 まあ獣人が欲情したら分かるってユナが言ってたし、同じ狐族同士なら、発情期が来た事も分かるんだろうな。
 何となくエマちゃんも、ちょっと大人っぽくなった気がするし⋯⋯。

『そうなんだね。エマちゃん、発情期が来た事、エリダさんに知られたくなかったの?』

エマ『そうではないんですが、私、その⋯⋯。エリダさんに、タカシさんがセックスして終わらせくれたって言ってしまったんです。そしたらエリダさん、欲情してしまったみたいで⋯⋯』

 言っちゃったか⋯。
 発情期が来た事がバレたなら、相手はどんな獣人男性なのか聞かれたりして、困って言ってしまったんだろうな。
 エリダさんはエマちゃんにとって、屋敷でお世話になった恩のある人だ。
 嘘をつくのが嫌だったんだろう。
 しかし欲情してしまったか⋯。

『エリダさんは大丈夫?』

エマ『顔が赤いですし、息も少し荒くて⋯。あの⋯⋯ごめんなさい! 私⋯⋯私⋯ううっ⋯』

「念話」なのにエマちゃんが泣いてるのが伝わってくる。
 もしかして、俺に怒られると思って悲しくなっちゃったのかな? 
 とにかく今すぐ抱き締めてあげたい!

『エマちゃん! すぐそっちに行くから!』

 すぐにエマちゃんとエリダさんの前に「転移」すると、かなりビックリした感じのエリダさんと、泣いているエマちゃんが居た。
 俺は慌ててエマちゃんの元に駆け寄り、優しく抱き締めて狐耳を撫でた。

「エマちゃん、どうして泣いてるの? 何が悲しかったの?」

エマ「私⋯勝手にしゃべっちゃって⋯うっ⋯タカシさんに、嫌われちゃう⋯うぇ⋯ひっく⋯」

「俺がエマちゃんを嫌いになる訳ないだろう? ごめんね。俺がちゃんと言ってなかったから⋯。黙ってるの辛かったね。もう泣かなくてもいいから」

エリダ「あ、あの⋯⋯タカシさん。エマちゃん、急に泣き出してしまって⋯⋯」

 顔を赤くしたエリダさんが、急に泣き出したエマちゃんを心配している。
 欲情してしまったって言ってたけど、風邪をひいた人みたいな感じだな。
 一応「鑑定」してみると、『エリダ 狐族の獣人 ♀ 26歳 魔法種光魔法 発情』と出た。

 発情!? 
 欲情じゃないのか? 
 発情期になってしまったのかな? 
 いや、獣人の発情期は5年ごとだとユナが言っていた。
 エリダさんは26歳だから、1年前に発情期になったばかりのはずだ。
 発情期とは違う発情なのか? 
 よく分からないが、エマちゃんの時のように精子を欲しがって、我を忘れている感じではない。

「ああ、大丈夫。何か俺に嫌われるって勘違いしちゃったみたい。ほら、エマちゃん、大丈夫だから。エリダさんも心配してるよ?」

エマ「ううっ⋯タカシさん、怒ってないですか? うぇぇっひっく⋯私の事、嫌いにならないで⋯ううっ」

「怒ってないし、嫌いになってないよ。こんなに可愛いエマちゃんを、嫌いになる訳ないじゃないか。だから泣き止んで。今から王都に服を買いに行くんだから、泣いてたら行けないよ? 俺がエマちゃんに着て欲しい可愛い服、いっぱい選んであげるから」

エマ「ううっ⋯はい。ごめんなさい⋯」

 しばらく抱き締めながら狐耳を撫でていると泣き止んでくれたが、俺に強く抱き付いたままだ。
 エリダさんは息を荒くして羨ましそうにしている。

エリダ「あの⋯タカシさん。はぁ⋯んっ⋯エマちゃん、どうしたんですか?」

 何て説明したらいいんだろう。
 それにエリダさんも心配だ。
 発情がどんな状態なのか分からないが、獣人にとっては辛い気がする。
 正直に言ってしまうか。
 エマちゃんは泣き止んだが、俺の胸に顔をうずめたままで、説明するのは無理そうだし⋯。

「エマちゃんが発情期になったから、俺がセックスして終らせてあげたんだけど、それをエリダさんに話したから、俺に嫌われると思ったらしくて⋯⋯」

 もうバレているのでハッキリと言った。
 エリダさんはビックリしていたが、急に慌て出した。

エリダ「ええ! いや、あの⋯あっ、ご、ごめんなさいぃぃぃ! ううっ⋯私が⋯無理に⋯うぇっく⋯。私が悪いんですぅぅ⋯うぅっ⋯エマちゃんを⋯嫌わないであげてくださいぃぃ⋯うぅっ⋯」

 エリダさんまで泣き出してしまい、釣られてまたエマちゃんも泣き出してしまった。
 いや、嫌いになる訳ないって言ったんだけどなぁ⋯。
 何か俺が2人を泣かせてるみたいだ。
 まあ俺のせいでもあるんだが⋯。
 俺はエリダさんも抱き締めて、狐耳を2人分撫でながら言った。

「嫌いになったりしないから。ほら、2人とも泣き止んで」

 エリダさんは年上で、いつもはしっかりした感じなのに、今は子供みたいだ。
 しばらく狐耳を撫でていると、2人とも泣き止んでくれたが、エリダさんは力が抜けたように俺の胸にもたれ掛かり、クンクンと匂いを嗅ぎ出した。
 顔がさっきより更に赤くなり、息も荒くなっている。
 急に泣き出したから、焦って抱き締めてしまったが、欲情を通り越して発情している獣人女性には良くなかったかな⋯。
 さっきはエマちゃんが泣いた原因が自分だと思って、俺に抱き締められた事がよく分からなかったんだろう。
 トウモロコシ畑なので、幸い誰にも見られていないが、畑でこの状態はマズイ。
 俺は抱き付いたままの2人と、ユナ達から少し離れた山の中に「転移」した。

「エマちゃん、そろそろ王都に行かないと⋯。あ、エリダさん、大丈夫? よ、欲情して辛くない?」

エリダ「ふぇ? あ、えぇぇ!? あの⋯⋯気付いてらしたんですか? す、すみません。迷惑ですよね⋯⋯」

 エリダさんはこの世の終わりのような顔で俺に聞いてきた。

「別に迷惑じゃないよ。俺のせいで欲情しちゃったんだから⋯。辛いだろ?」

エリダ「はい⋯⋯。でもアイリスに相談したら、欲情を抑える方法を知っているみたいなんで、それを聞くまで何とか我慢します」

 欲情を抑える方法? 
 そんなのあるのかな。
 欲情が抑えられなくなって、俺にセックスをお願いしてきたアイリスに相談したんなら、たぶん俺にエリダさんとセックスしてくれるよう頼むとか、そんな方法だろう。
 欲情を抑える方法をアイリスが知っているなら、あの時もそうしていたはずだ。

「たぶんアイリスが知っている方法は、俺とセックスするって事だと思う。実は以前、アイリスにお願いされて、1度だけセックスしたんだ」

エリダ「そ、そうなんですか!?」

「うん。だから俺とセックスするしか方法は無いと思う。エリダさん、夜まで我慢できそう? 今から王都に行かないといけないし、みんなと遊ぶ約束もしてるから⋯」

エリダ「はい! 本当に私と、セ、セックスしていただけるのなら⋯♡♡♡」

「ああ。俺のせいでもあるから、エリダさんさえいいなら⋯」

エリダ「いいです! いいに決まってます! わぁぁぁ、夢みたい♡」

 更に欲情してしまうかと思ったが、セックスの約束をしたら我慢できるらしい。
 真っ赤だった顔が、今は頬が赤いくらいに変わって、満面の笑みで俺を見ている。
 エマちゃんに聞かれてるし、ユナ達には一応言うけど、ユーリが「たくさんの獣人女性を幸せにしてあげてください」と言っていたから大丈夫だろう。
 ユナだけは少しヤキモチ妬きそうだけど⋯。

「もう1度畑に転移してから、俺はエマちゃんと王都に行ってくるよ。辛いだろうけど、夜まで頑張って我慢してね」

エリダ「はい♡♡♡」

 俺は2人と畑に「転移」し、嬉しそうなエリダさんを残して、エマちゃんとユナ達の居る所に「転移」した。

ユナ「あ、タカシさん」

「大丈夫? さっき慌ててたみたいだけど⋯⋯」

ミーシャ「狩りをしてると暑くなったので、いつもの服にしてたんです。だからタカシさんが興奮しちゃうと思って⋯♡♡」

ユナ「私も、王都に行くなら着替えないとって思って⋯。タカシさんの前で着替えたら⋯⋯♡♡」

 2人とも、よく分かってらっしゃる。
 今のミーシャがあの民族衣装で狩りをしていたら、俺がミーシャを狩っていたかも知れない。
 それにユナの生着替えを見せられて、勃起しない自信がない。

「気を使わせてごめんな。じゃあ今からナナさんを迎えに行って、それから王都に行こうか?」

ユナ「はい」

ミーシャ「行ってらっしゃい♪ ホロリ鳥を見掛けたので、頑張って狩っておきます」

「ありがとうミーシャ。狩れたら美味しい料理を作ってあげるから、頑張って仕留めてくれ」

ミーシャ「任せてください!」

 ユナ達にエリダさんとセックスする事を言うのは、アイリも居る時の方がいいだろう。
 ミーシャにエールを送り、俺とユナとエマちゃんは、村長の家の前に「転移」した。

ナナ「タカシさん。もう行かれますか?」

「はい。エマちゃんは見付かるといけないので、俺の魔法で姿を消して連れていきます。服屋に入ったら、店員さんに話してみるから、それまで我慢してね」

ナナ、エマ「「はい」」

 返事をして、ユナとエマちゃんが腕に抱き付いて来た。
 ナナさんはユナが居るので、少し遠慮ぎみに俺の服を掴んでいる。

ユナ「ナナさん。もっとタカシさんにくっつかないと危ないですよ?」

 ナナさんが自分に遠慮してる事が分かったので、ユナが優しくナナさんに言った。

ナナ「あ、あの⋯⋯⋯はい♡」

 ナナさんが後ろから抱き付いて来た。
 両腕と背中に柔らかい感触が⋯⋯。
 俺は顔がニヤケないように意識しながら、王都近くの森に「転移」し、エマちゃんに「透明」の魔法を掛け、「探索魔法」で南区の人の居ない路地を探して、また4人で「転移」した。

「エマちゃん。服屋まで俺の手を握っててね」

エマ「はい⋯♡」

 右手をエマちゃんと握り、左腕をナナさんと組んで路地を出た。
 ユナはナナさんに俺の腕を譲っていた。
 俺にいろんな獣人女性を幸せにしてあげてほしいという気持ちは、ユーリと同じなんだろう。
 やはりエリダさんの事を話しても大丈夫そうだな。
 そのまま4人で仲良く服屋まで歩いて行った。
 そう言えばトランプの試作品を取りに行かないといけないな。
 あれが無いとみんなと遊べない。

プリム「いらっしゃいませ。あ、タカシさん⋯♡」

リーネ「え? あ、いらっしゃいませタカシさん♡」

 2人とも凄く嬉しそうに迎えてくれたが、綺麗なユナを見て驚いている。
 店長は居ないのかな?

「また服を見せてもらいますね。少しお願いがあるんですが、今日は店長さん、いらっしゃいますか?」

リーネ「はい。呼んで参りますので、少々お待ちください」

 リーネさんが店の奥に走って行った。
 今日は俺達以外に2人客が居て、どちらもハーフエルフの女性だ。
 他の客が居たら、エマちゃんに掛けた「透明」の魔法は解除しない方がいいな。
 俺はユナに「念話」で話し掛ける。

『ユナ。エマちゃんと服を見ていてくれ。俺はエマちゃんの事を店長に話してみる』

 詠唱できないのでユナが無言で頷き、俺の手を繋いでいるエマちゃんの手を、勘だけで握って服が置いてある方へ歩いて行った。

「俺は店長に話があるので、ナナさんもユナと一緒に服を見ていてください」

ナナ「はい」

 しばらくすると、リーネさんが店長の人間女性を連れて戻ってきた。
 店長を「鑑定」してみると、『ケイト 人間 女 27歳 魔法種無し』と出た。

ケイト「タカシ様。この間は店員2人がお世話なったようで、ありがとうございました。私は店長のケイトと申します。2人から聞きましたが、私は店長なのでタカシ様と呼ばせてください」

「わかりました。それで⋯今日は少しお願いがあるのですが、話を聞くだけでもいいので聞いてもらえますか?」

ケイト「はい。いつもたくさん買ってくださるタカシ様のお願いですから。今はお客も、私の知り合いしか居ませんので大丈夫です」

 あの2人の客は、ケイトさんの知り合いだったのか。なら都合がいい。

「無理なら断って頂いていいので、これから話す事は誰にも言わないでほしいんです」

ケイト「はい。お客様の事を断りなく話すのは、店の信用に関わるので大丈夫です」

 ケイトさんは西区に伝手があるような店長だから、客の個人情報を漏らしたりする事は無いんだな。

「今あそこに、服を見ている獣人女性が2人居るのが見えると思うんですが、俺が魔法で姿を消した獣人女性がもう1人居るんです」

ケイト「そ、そうなんですか!?」

 ケイトさんとリーネさんは半信半疑な顔で驚いている。

「なぜ姿を消しているかと言うと、その獣人女性は王都の軍隊の大将、ガーランドに拐われていたからです。俺が助け出してきたんですが、見付かると危険なので姿を消してます。しかし服を選ぶのに姿を消していたら、試着しても似合ってるか見る事ができないので、この店の中でだけ魔法を解除したいのです」

 2人は俺の話を聞いて固まっていたが、我に返ったケイトさんが慌てだした。

ケイト「ガーランドに拐われた⋯⋯。リーネ、プリムを呼んできて!」

リーネ「は、はい!」

ケイト「タカシ様。拐われていた獣人女性を助け出したとおっしゃいましたが、ミミは⋯カンガルー族の獣人女性は居ませんでしたか?」

 カンガルー族のミミさんは、確か南区の服屋で働いていたと言っていたな。
 自己紹介の時から気になっていたが、今のケイトさんの慌てようからして、働いていたのはこの店なんだろう。

「はい。ミミさんなら元気ですよ。拐われていた獣人女性は16人。全員助け出したのですが、ガーランドの手の者に見付かるといけないので、今はある村に匿っています」

ケイト「あ⋯あぁぁぁ! 良かったぁ⋯。ミミはこの店で働いていたんですが、遅番の仕事から帰る時に拐われてしまって、凄く心配していたんです。それから夜はお客も少ないので夕方に店を閉める事にしましたが、あの子が拐われたのは、店を少し遅くなるまで開けていた私のせいだと⋯。なのでタカシ様、ミミを助け出して頂き、ありがとうございました。何とお礼を言って良いやら⋯」

 ケイトさんは涙を浮かべてお礼を言ってきた。
 自分のせいだと思って悔やんでいたんだろうな。
 ガーランドめ! 
 ミーシャが自分のせいでエマちゃんが拐われたと思ってると聞いた時と同じくらい腹が立つ。
 何も悪くない人に自分を責めさせるなんて許せないな。

プリム「タカシさん。ミミは⋯、ミミは無事なんですね! 良かった⋯。本当に良かった⋯ううっ⋯」

 プリムさんは話を聞いていたようで、泣きながら喜んでいる。
 そのプリムさんを、リーネさんが抱き締めながら一緒に泣いていた。
 これなら大丈夫そうだな。

「それでお願いなのですが、今から姿を消している獣人女性の魔法を解除しますので、誰にも言わないでほしいんです」

ケイト「はい、もちろん内緒にします。他のお客が来たら奥に匿いますから安心してください」

「ありがとうございます」

ユナ「タカシさん」

 いつの間にかユナが側に来ていた。
 話を聞いていたようだ。
 俺はユナの手を握っているだろうエマちゃんの、「透明」の魔法を解除した。

「この子は拐われていた獣人女性の1人で、ここに居るユナの妹なんです。今日はこの子に似合う服をたくさん買ってあげたくて来ました」

エマ「あの⋯タカシさん。他のみんなも、ここに連れて来る訳にはいきませんか? みんなもタカシさんに選らんでもらった服が欲しいって、お昼御飯を食べながら言ってたんです。それに私だけ可愛がってもらって凄く嬉しいんですが、みんなに申し訳なくて⋯⋯」

 そんな風に考えていたのか。
 悩ませてしまったな。
 やはり獣人は、自分の事より他人の事を考える種族なんだな。
 しかし16人もこの店に来たら、流石に見付かるリスクが高い。
 何で服屋にすら連れて来てやれないんだ! 
 今からガーランドをシバきに行ってやりたいな。

「う~ん⋯⋯。あ、ケイトさん。お店が終わった後に、他の拐われていた獣人女性達を連れて来ちゃダメですか? ミミさんにも逢いたいでしょうし」

ケイト「閉店後に貸し切りにするのは構わないのですが、また夜遅くなってしまうとプリムとリーネが心配で⋯⋯」

「なら俺が2人を送って行きますよ。一応SSランクの冒険者なので、2人の事は任せてください!」

ケイト、プリム、リーネ「「「SS!?」」」

ケイト「それなら私も安心です。ありがとうございます」

 今日はみんなとトランプをして遊ぶ約束をしているし、夜にはエリダさんとセックスしなければいけない。

「今日はいろいろ予定があるので、明日の夜でも大丈夫ですか?」

ケイト「はい。明日の閉店後にお待ちしています。みなさんの為に、少し多めに服を仕入れておきますね」

 ケイトさんはミミさんに逢えるので凄く嬉しそうだ。
 プリムさんとリーネさんも嬉しそうだが、俺が送って行くと言ってから欲情している感じだな。

ユナ「タカシさんはやっぱり優しいです♡」

エマ「タカシさん、ありがとうございます」

「ケイトさん。俺は少し西区の会社に用事があるので、エマちゃんの事をお願いします。すぐに帰って来れると思うので」

ケイト「お任せください!」

「帰って来たらエマちゃんに服を選らんであげるから、少しだけ待っててね」

エマ「はい」

「ユナもナナさんと、服を選らびながら待っててくれ」

ユナ「わかりました。行ってらっしゃい、タカシさん」

「透明」の魔法でエマちゃんの姿を消していたし、俺が不思議な魔法をたくさん使う事はバレているので、開き直って店の中で「探索魔法」を使い、西区の人の居ない場所を探してその場で「転移」した。
 ケイトさん達が驚いているだろうが、説明はユナに任せよう。

 俺が西区に行った後、ナナさんがケイトさんに、みんなの為に多めに服を仕入れてくれるなら、露出の高い服やエッチな下着をお願いしていた事を、俺は後で知る事になる。



 西区に「転移」したので、「グーテンベルク」へ向かい、会社の受付で声を掛ける。

「こんにちは、タカシです」

 するとハーフエルフの事務員ではなく、社長が出てきた。

「タカシ様! お待ちしておりました」

「少し忙しくて、お待たせしてすみません」

「いえいえ。早速ですが試作品を見てもらえますか?」

「はい」

 ハイデルベルク社長と応接室に入り、トランプの試作品を見せてもらう。
 試作品は3種類。
 紙の材質と絵柄は全部同じで、ジョーカーの絵柄とトランプの裏の絵柄だけが違う物が3種類3セットずつ。

「タカシ様は、どの試作品が良いでしょうか?」

 ジョーカーの絵柄がドラゴンとガイズベアーと少しセクシーな女性の絵柄。
 どれも悪くない。
 しかし裏の絵柄の模様が、幾何学模様の物が2種類と、カード全ての裏の絵柄が違う物が1種類。
 これはダメだな。
 ジョーカーはドラゴンがいいだろう。
 本当は怪しい魔法使いの婆さんとか、悪魔とかがいい気もするが、この世界では魔法使いの婆さんも魔族もいるから止めた方がいい。

「ジョーカーのカードは、このドラゴンの絵柄がいいと思います。しかしこの裏の絵柄が全て違う物は、相手に何のカードを持っているか分かってしまうので、トランプ遊びには向かないでしょう」

「あ、そうでしたね。 すみません、ちょっと張り切ってしまいました。それに転写のコストも掛かるので良くないですね」

 そうだ。
 版をたくさん作らないといけないから、コストが掛かって高価なトランプになってしまう。
 なるべく安くして、この世界のみんなに手軽に遊んでもらえる物の方がいい。
 それにこういう物は、薄利多売にした方が儲かる。

「ジョーカーはドラゴンで、裏の絵柄はこっちで、色違いで2種類くらいあった方がいいでしょう。この試作品で早速遊びたいので、持って帰ってもいいですか?」

「はい。でもジョーカーがドラゴンの物を1つだけ見本品として欲しいのと、裏の絵柄が違う物は遊べないでしょうから、この5つを持って帰ってください」

「ありがとうございます」

「では早速量産に入らせて頂きます。権利の方は取得しておきました。これが権利書です。大事に保管しておいてください」

「わかりました」

 ハイデルベルク社長は、早く生産したくてうずうずしている感じだ。
 もっと早く来てあげれば良かったな。

「権利のお金ですが、タカシ様は銀行のカード、もしくはギルドカードを持っておられますか?」

「冒険者なのでギルドカードを持ってます」

「ではギルドカードに権利金を入金しますので、少し見せてください」

 ギルドカードにキャッシュカードみたいな機能があったのか! 
 知らなかったし、ギルドからそんな説明は受けていない。
 とりあえずギルドカードを出して、ハイデルベルク社長に渡した。

「え、SS!? タカシ様は凄い冒険者なのですね!」

 ギルドカードにランクが表示されているのを忘れてた。
 まあ別に構わないだろう。

「たまたま強い魔物を倒しただけですよ。一応ランクの事は内密にお願いします」

「それはもちろんです。しかしこのギルドカードには、入金の機能が付いてないですね。ギルドで機能を付けてもらえますか?」

「はい。そんな機能が付けられるのを知らなかったので、ギルドに行ってみます。今日は忙しいので、後日でも大丈夫ですか?」

「はい。またお暇な時で大丈夫です。トランプを生産した数量などの詳細は、2週間ごとに書類を用意しますので、またお越しください」

「わかりました。よろしくお願いします」

 そう言うと、ハイデルベルク社長は早々に工場に向かって行った。
 早く生産したかったんだな。
 事務員に社長の事を謝られたが、気にしなくていいと言っておいた。
 そのまま事務員に見送られ、「グーテンベルク」を後にした。


 まだ大丈夫だろうから、ギルドに寄って行くか。
 入金の機能を付けるのに時間が掛かりそうなら、また後日にしよう。
 そう言えば最近ギルドに行ってなかったな。
 確か3年間依頼を受けないと、登録抹消になるのはAランクまでだったはずだから大丈夫だが、たまには行かないとな。

 南区の人の居ないギルド近くに「転移」して、ギルドに向かった。
 ギルドの中に入り、俺の事を知っているローラというハーフエルフの職員を探したが、今は居ないようなので、違う職員に聞いてみる。

「ギルドカードに入金の機能を付けられると聞いたんだが、すぐ付けてもらえるか?」

「あ、はい。少し時間が掛かりますが、よろしいですか?」

 エマちゃんが待っているから早く服屋に戻りたい。

「すまないが、今日は忙しいので、時間が掛かるならまた今度にする」

「そうですか。わかりました」

 受付を離れようとすると、奥に居たエリスさんが俺を見ていた。
 あの子はいつも俺に何か言いたそうだな。
 病気を治したお礼でも言いたいんだろうが、接触するのは危険過ぎる。
 しかし1度話しておかないと危ないな。
 俺は「念話」でまた話し掛けた。

『エリスさん。何度も言うが、俺と接触するのは危険だ。病気を治した礼なら気にしなくていいから、俺の事は知らないふりをするんだ』

 するとエリスさんは目を反らして資料室へ入っていった。
 俺は不自然にならないように気を付けて資料室に向かい、部屋に入ると同時に「防音」の魔法を資料室に掛ける。

「すみません。今日はどうしても言わなければいけない事がありまして⋯」

「そうか。だがあまり長くここに居ると怪しまれるから、手短に頼む」

「はい。まずは私の病気を治してくださって、ありがとうございました。軍の⋯」

 お礼と軍の話をし出したので、慌てて止めた。
「防音」を掛けているので大丈夫だが、時間があまりない。

「その話はここでしない方がいい。そういう話なら、今度時間がある時に、誰も居ない場所で聞くから」

「⋯⋯はい。ギルドを出たら、すぐに街の方へ逃げてください! ギルドの外でガーランドの刺客が待ち伏せしています。ミゲルというハーフエルフの男で、剣の腕は軍隊で1番です」

 そういう事か。
 逆に相手をしてやろう。
 前は付いて来いと言われて断った事を後悔したからな。
 しかしエリスさんは軍の諜報部なのに、ガーランドを呼び捨てにしているし、こんな忠告をしてくれるとは⋯。
 俺が病気を治してあげたから、味方になってくれたのかな? 
 接触するのは危険だし、まだあまり信用するのは良くないが、アイリスのように欲情した顔をしているので、あまり冷たくするのは辛いかも知れない。

「わかった。ありがとう」

「いえ。どうかお気をつけて」

 俺は「防音」の魔法を解除して資料室を出た。
 一応怪しまれている様子がない事を確認してからギルドから出ると、エリスさんが言った通りハーフエルフの男が3人近付いて来た。
 3人とも腰にサーベルのような剣を差している。

「貴様がSSランクの冒険者だな。俺は軍隊の者だ。黙って付いて来てもらおうか」

 そう言うと、そのままギルドの裏手の方へ歩き出したので、黙って付いて行く。
 軍隊の者ってだけで偉そうだな。
 剣の腕が軍隊で1番なら、何か急に仕掛けてくるかも知れない。
 俺は気付かれないように、収納から仕込み刀を出した。
 後ろを付いて行きながらリーダーみたいな男を「鑑定」すると、『ミゲル ハーフエルフ ♂ 32歳 魔法種風魔法』と出た。
 こいつがエリスさんが言っていた軍隊で1番の剣士か。
 ギルドの裏手を更に奥に歩いた場所に出ると、ハーフエルフの男達が振り返った。

「まったく⋯。長い間待たせやがって! 冒険者ならもっとギルドに来い! 何日待ったと思ってるんだ!」

 いや、知らんがな。
 お前らが勝手に待ってたんだろ! 
 こいつら俺がギルドに来るまで、ずっと待ってたんだな。
 3人ともめちゃくちゃ機嫌が悪そうだ。

「で、軍隊のヤツが俺に何の用だ!」

「お前の実力を確認して来いという命令だったが、待たされて俺達は機嫌が悪い。だからお前にはここで死んでもらう事にした」

 そう言うと同時に、3人のハーフエルフが腰の剣を掴んだので、警戒していた俺はすぐに「遅延」と念じた。
 そのまま見ていると、ミゲルというハーフエルフの男は、「遅延」を念じているのになかなか剣を抜くのが速い。
 他の2人はまだ半分くらいしか剣を抜いていないのに、もう剣を鞘から抜いて、俺を斬ろうとしている。
 とは言っても、「遅延」を発動中なのでスローモーションのようなスピードだ。
 俺は仕込み刀を抜いて、3人の剣を根元から斬った。
 するとそのまま空振りしたが、ミゲルがゆっくりニヤケ顔になったので、気持ち悪くなって「遅延」を解除した。

「ふん! 速すぎて斬られた事にも気付いてないようだな。SSランクと言っても、所詮この程度か」

 アホ過ぎる。
 斬られた事に気付いてないのはお前だ。

「何言ってんだお前。そんな剣でどうやって俺を斬るんだよ」

「あぁ? ⋯⋯⋯なっ、なんだよ! 何で剣が⋯」

「ミゲルさん! 俺達の剣も⋯」

「何がしたいんだよお前ら。間抜け過ぎるぞ!」

「う、うるさい! こうなったら腕ずくだ! お前ら、あいつを押さえ付けろ!」

 腕ずくって⋯⋯。
 こいつ、俺がSSランクの冒険者って事を忘れてるな。
 プラチナドラゴンを倒した俺に、なんでプラチナドラゴンを倒せないヤツを刺客として送ってくるんだろう。
 ガーランドは馬鹿なんじゃないか? 
 短小包茎チンポを獣人女性に見せて喜んでるくらいだし⋯。
 エマちゃんが見せられたと思ったら、凄く腹が立ってきた。
 手下の2人が掛かってきたので、「遅延」と念じて3人のズボンをパンツごと足首まで下げる。
「遅延」を解除すると、手下2人がズボンに足を取られ、顔面から地面に突っ込んだ。

「あがっ!」
「痛っ!」

 お尻丸出しで地面にうずくまる手下2人。
 写真を撮って街に貼り出してやりたいな。

「な、何やってるんだ! お前らズボンを上げろ!」

「うぐっ! 顔が⋯。ミゲルさんもズボン脱げてますよ!」

「えっ? ⋯⋯⋯な、なんでだよ! お前、何しやがった!!」

 ミゲルが真っ赤になって、慌ててズボンを上げる。
 この世界にはチャックが無いから、皮を挟まないのが惜しい。
 どうでもいいが、ハーフエルフのチンポも小さいな。
 俺の小指くらいの大きさだから、勃起してもせいぜい親指くらいだろう。
 手下の2人も同じくらいだから、これが平均サイズなんだろうな。
 混血種族はチンポが小さいのだろうか?

「俺は忙しいから、これ以上お前らと遊んでる暇はない。帰ってガーランドに、『短小包茎チンポ野郎』と伝えておけ!」

 そう言って俺は、3人を蹴り飛ばしてその場を去った。
 早く服屋に戻らないと⋯⋯。
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