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最終稿⑦ トゥルーエンドの条件・めでたしめでたし。なんてボツです!
しおりを挟む「兄上! お待たせいたしました!!」
高らかな声と共に窓の外に現れた巨大な影に、私達は驚いて身を離した。
「ヴィ……」
ヴィラントだ。だが彼が乗っているのは馬でも馬車でも無い。巨大な鷹のような生き物だ。
「グリフォンの番を結婚祝いにご用意いたしました! 捕まえるのに手間取って、式典に間に合わず申し訳ない!」
だからと言って初夜の夫婦の寝室に飛び込むのはまずいだろう!
誰か止める者は居なかったのか。
(居ても聞かなかったんだろうなぁ……)
彼は彼の正義で動いてるから。
「兄上! ナディア! 辺境は良いところですよ! 未開拓の土地が多くて改革しがいがある!」
なんだか性格がワイルドになった気がしないでもないが、順調にスローライフを送りながら領地改革をしているようだ。
辺境に赴けば、美女も紹介されそうだ。
「どうして」
窓を開けると、クローヴィスは信じられない物を見る目でグリフォンの上のヴィラントを見上げた。
「王都には戻れないと、あの話では……そうか、お前ももう」
クローヴィスの言葉に、ハッとする。
そうだ、私が書いた追放物は、『王都には帰れない』という設定になっていた。
だが、それに洗脳されたヴィラントが王宮に居るということは。
(薬の洗脳は、もう解けている)
それでいて、こんなに生き生きとしている。
「元気そうで何よりだ、ヴィラント」
「兄上も!」
——「もう、解放してあげた方がいいと思ったんだ」
クローヴィスには、ヴィラントが皇族として生きることに疲弊しているのが見えていたのかもしれない。
弟ヴィラントを辺境へ『解放』して、自らは王宮という『檻』の中に留まった。
誰にも知られることのない、自己犠牲。
「クローヴィス様。私が妻になったからには、もう、そういうのは許しませんから」
「そういうの?」
「自分が我慢すれば万事解決、というのは、やめてください」
クローヴィスは目を細めて私の髪を撫でた。
「私が考えた『そして二人はお城でずっと幸せに暮らしました』は、ボツ?」
「ボツです。ありきたりだって思いません?」
厳しい、と笑った後、クローヴィスは少し考え。
「妻。って、良い響きだね。これから先は、どこにいてももう私は一人じゃないのか」
そう、静かに呟いた。
「グリフォンでの移動に慣れるまで、私がご一緒しましょう兄上!」
ヴィラントの声が闇の中で元気に響く。
「一人どころか、三人になりそうですよ」
さあ。
星の花を探しに行こう。
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