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12.私、19歳。いまさら、どうしたら良いか分からない
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「恋だわ」
「コイ?」
「やっぱりレイラって婚約者が好きなのね。相思相愛なんて羨ましい~」
私は、なんとも言えないざわざわした気持ちに耐えられず学園時代のボッチ仲間に連絡をとったのだが。
人選ミスを犯したかしら。
「ねぇ、キャル、真面目に話をしているんだけど」
とっておきの紅茶に朝から並んでゲットした超人気店の焼き菓子は無駄だったのかしら。
「目が怖いぞ~」
貴重な休日なのである。そりゃあジト目にもなるわ。
ツンツン
「ほらほら~、笑うと可愛いんだから笑顔よぉ~」
頬をつつかないで。しかし、こんな幼稚園児みたいな事をしていてもキャロラインは、国内トップである研究施設に身を置いているのだから世の中は不思議である。
そして、キャルなりに励ましてくれているのは伝わっている。
「ありがとう」
「ん。助言にはならないけれど、相手の趣味とか休日に息抜きは何をしているとか改めて聞いてみて一緒に遊んだりとか楽しいわよね。ま、知り尽くしているかもしれないけどね」
「彼の趣味」
私、彼の趣味……知らないかも。
✻✻✻
「仕事、慣れてきた?」
「まだ把握はしきれていませんが、そこそこは」
「ずっと気になっていたんだけど、敬語なのはどうして?前はそうじゃなかったよね」
婚約者であるケインとの休みが珍しく合った日の午後、何年も変わらない我が家の温室のテーブルには午前中に街へ出かけた際に大量の本やお菓子が積まれていた。
欲しい小説や焼き菓子を買えた私は、幸せいっぱいだったのに、なにやら責められている様に感じる口調にテンションが急降下していく。
「職場がらみもあるせいかもしれませんが、無意識です」
もう、眼の前の人と婚約して何年が経過したんだろう。
少し前にはキャルにも相談してケインとは会話をすべきよねと思っていたけれど。実際、彼は討伐や遠征で多忙だった。私も覚える事が多々ありで忙しかった。
その結果、学生時代よりも距離は確実にできてしまったかもしれない。
同じ職場、私が騎士団に所属していたら違っていたのかしら。
ねぇ、でも待って。以前、この場所でケインは言ったわよね。
『残り少ない学園生活だけど、友人枠から格上げになるようにするよ』
あれから全く変化ナシよね?
……そうよ。私ばかり何故モヤモヤしたり考えたり馬鹿みたいじゃない!
「大丈夫か?熱でも」
パシッ
「あっ、申し訳ござい」
「俺に触れられるのがそんなに嫌?……護衛騎士には頭を撫ぜさせたり腕に触れたりしているのに。あぁ、団長とも楽しそうに話をしているよね。外からよく見かけるよ」
考えに耽っていて、いきなり額に何かが触れた感覚に思わず手を払ってしまえば、いつの間にか眼の前にケインがいたのだ。
彼の手を叩いてしまったのは私が悪いわ。
でも、彼は何を言っているの?
「君は、彼らの前ではよく笑っていて、とても楽しそうだ」
何故、そんな自嘲するような笑みを浮かべるの?どうして、そんな冷たい目で見るの?
「ケイン」
「悪い、今日は帰る」
「え、待って!」
いきなり立ち上がると背を向け足早に扉へと向かう彼を思わず呼び止めてしまったが、彼は振り向くことなく去っていった。
──パタン
「私、なんかした?」
いきなり怒涛の流れで頭が全く追いつかない。
「お嬢、婚約者さん早くないっすか?」
ロイが彼が消えた扉からヒョイと顔を出して聞いてきた。
「知らないわよ!」
こっちが聞きたい!
「あっちが勝手に理由が分からない事でキレたのよ!」
久しぶりに二人で外出して楽しかったのに。
「うしッ、私は悪くない!」
「お嬢、泣きながら気合いれても説得力ないっすよ」
泣いてる?25歳プラス現在の私が?
──あぁ、私は悲しいんだ。話を聞こうとしてくれなかった事が。
何よりも、あんな目で見られたのがショックだった。
「……もう、ヤダ」
円満な結婚生活なんて無理だ。
「コイ?」
「やっぱりレイラって婚約者が好きなのね。相思相愛なんて羨ましい~」
私は、なんとも言えないざわざわした気持ちに耐えられず学園時代のボッチ仲間に連絡をとったのだが。
人選ミスを犯したかしら。
「ねぇ、キャル、真面目に話をしているんだけど」
とっておきの紅茶に朝から並んでゲットした超人気店の焼き菓子は無駄だったのかしら。
「目が怖いぞ~」
貴重な休日なのである。そりゃあジト目にもなるわ。
ツンツン
「ほらほら~、笑うと可愛いんだから笑顔よぉ~」
頬をつつかないで。しかし、こんな幼稚園児みたいな事をしていてもキャロラインは、国内トップである研究施設に身を置いているのだから世の中は不思議である。
そして、キャルなりに励ましてくれているのは伝わっている。
「ありがとう」
「ん。助言にはならないけれど、相手の趣味とか休日に息抜きは何をしているとか改めて聞いてみて一緒に遊んだりとか楽しいわよね。ま、知り尽くしているかもしれないけどね」
「彼の趣味」
私、彼の趣味……知らないかも。
✻✻✻
「仕事、慣れてきた?」
「まだ把握はしきれていませんが、そこそこは」
「ずっと気になっていたんだけど、敬語なのはどうして?前はそうじゃなかったよね」
婚約者であるケインとの休みが珍しく合った日の午後、何年も変わらない我が家の温室のテーブルには午前中に街へ出かけた際に大量の本やお菓子が積まれていた。
欲しい小説や焼き菓子を買えた私は、幸せいっぱいだったのに、なにやら責められている様に感じる口調にテンションが急降下していく。
「職場がらみもあるせいかもしれませんが、無意識です」
もう、眼の前の人と婚約して何年が経過したんだろう。
少し前にはキャルにも相談してケインとは会話をすべきよねと思っていたけれど。実際、彼は討伐や遠征で多忙だった。私も覚える事が多々ありで忙しかった。
その結果、学生時代よりも距離は確実にできてしまったかもしれない。
同じ職場、私が騎士団に所属していたら違っていたのかしら。
ねぇ、でも待って。以前、この場所でケインは言ったわよね。
『残り少ない学園生活だけど、友人枠から格上げになるようにするよ』
あれから全く変化ナシよね?
……そうよ。私ばかり何故モヤモヤしたり考えたり馬鹿みたいじゃない!
「大丈夫か?熱でも」
パシッ
「あっ、申し訳ござい」
「俺に触れられるのがそんなに嫌?……護衛騎士には頭を撫ぜさせたり腕に触れたりしているのに。あぁ、団長とも楽しそうに話をしているよね。外からよく見かけるよ」
考えに耽っていて、いきなり額に何かが触れた感覚に思わず手を払ってしまえば、いつの間にか眼の前にケインがいたのだ。
彼の手を叩いてしまったのは私が悪いわ。
でも、彼は何を言っているの?
「君は、彼らの前ではよく笑っていて、とても楽しそうだ」
何故、そんな自嘲するような笑みを浮かべるの?どうして、そんな冷たい目で見るの?
「ケイン」
「悪い、今日は帰る」
「え、待って!」
いきなり立ち上がると背を向け足早に扉へと向かう彼を思わず呼び止めてしまったが、彼は振り向くことなく去っていった。
──パタン
「私、なんかした?」
いきなり怒涛の流れで頭が全く追いつかない。
「お嬢、婚約者さん早くないっすか?」
ロイが彼が消えた扉からヒョイと顔を出して聞いてきた。
「知らないわよ!」
こっちが聞きたい!
「あっちが勝手に理由が分からない事でキレたのよ!」
久しぶりに二人で外出して楽しかったのに。
「うしッ、私は悪くない!」
「お嬢、泣きながら気合いれても説得力ないっすよ」
泣いてる?25歳プラス現在の私が?
──あぁ、私は悲しいんだ。話を聞こうとしてくれなかった事が。
何よりも、あんな目で見られたのがショックだった。
「……もう、ヤダ」
円満な結婚生活なんて無理だ。
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