頑固な魔法使いは、絶滅危惧種

蝋梅

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13.花は怒鳴り、そして託す

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「飛んだ!」
「魔法使い?!」

 空が魔法使いなんて、どうでもいい。

ううん。かなり驚いたけど。

 空が、手のひらから綺麗な鳥を出して棒の上に乗ってあっという間に飛んでいってしまった。実際、目の前で見たのに信じられない。

だけど。

『…よろしくお願いします』

 初対面で図々しくも呼びすてしていいか聞いた時、困ったような顔をしながら笑った顔。

 日に浴びてないのかと思うくらいの肌にポニーテールしたツヤツヤな髪は、コントラストがすごかった。

細くて、か弱そうで。

なのに実際は結構、ハッキリ言うし辛口だ。

 嬉しそうに細い指で器用な手つきで貝やシーグラスにヤスリをかける横顔。

「…煩い! 空は、至って普通の辛口美人だよ!」

 周囲のやたら魔法使いと騒ぐ連中にムカついてきた。

 あの様子だと絶対に自分を犠牲 にするつもりだ。そんな後味の悪い事させないんだから。追いかけようとした時。

「っ、誰よ!?」

 肩を強く掴まれて邪魔をするなと振り向いたら。

「花、いい。俺が行く」

 海が、珍しくマジな顔をしていた。だけどね、たとえ兄でも信用しない。

「空は友達なの」
「ああ」
「魔法使いっていうのは、学歴記入欄の趣味・特技欄に書くやつかなくらいなの」
「ぶっ、それは空に怒られるかも」

なんでよ。

「花、俺に少し力があるだろ? それ、役に立つ気がする。使うなら今じゃね?」
「…確かに」

しょうがない。

「今回は、譲る」

 でも、連れて帰ってこなかったら許さない。

「宮前家の根性みせてよね!」
「ラジャ~」
「いたっ」

肩を叩かれ擦る。アニキ、加減しろ。

「本当に二人で戻ってきてよー!」

 もう人に紛れて見えなくなった海の背中に怒鳴った。


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