あの視線の主人【高校〜のストーリー】

kouji

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徹の部屋で 徹の腕の中に落ちる

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 マンションの鍵を開けると、ほのかに漂う食事の匂いが結人を迎えた。
 徹の部屋は、シンプルで整っていて、それでいてあたたかかった。
 一人暮らしの空間に、もう結人の私物が少しずつ増えている。

 「これ……作ってくれたんですか?」

 「忙しくても、君が来るなら美味しい食事を用意するよ」

 テーブルの上には、サラダにステーキが並んでいた。

 「先輩も毎日勉強で忙しいのでありがとうございます。」

 徹は優しく笑った。

 食後の食器を片付けてから、ふたりはソファに並んでいた。
 静かな部屋に、テレビの音だけが穏やかに流れている。

 結人はクッションを抱えたまま、時折、隣をちらりと見る。
 徹は無言でタブレットを操作していたが、やがてそれをテーブルに置いた。

 「結人、こっち」

 静かに名前を呼ばれ、結人は従うように身体を寄せた。
 肩が触れ、腕が触れ、それでもまだ、徹の手は何もしてこない。

  「先輩‥いつも、こんなにしてくれるけど……ほんとは、迷惑じゃないですか?」

 そう聞いたのは結人だった。
 自分でも、なぜそんな言葉が出たのかわからない。

 「迷惑?」

 徹は少し笑ってから、結人の髪を撫でた。

 「そんなふうに思ってるの、君だけだよ。……俺にとって、
 君が来る日は、唯一の休息なんだから」

 キスは、ためらいのないものだった。
 唇が触れ合うだけのはずが、すぐに徹の舌が結人の口内へと侵入する。
 熱く、深く、ゆっくりと。息を奪うようなキス。

 「……っ、せん、ぱい……」

 言葉は舌の間に消えていく。
 押し倒されることはなかったが、結人の膝の上に徹の手が滑り込んできた。

 服の上から太ももに触れる、優しくて、それでも意図のある手のひら。
 結人は少し身をよじった。

 「やだ?」

 その声は静かで、けれど逃げ道を与えない。

 「……いえ、別に……」

 敬語が残るその答えに、徹の笑みが深まる。

 やがて、徹の手がゆっくりとシャツの裾に触れた。
 めくり上げられた布地の下、肌と肌が触れ合う。
 指が腹に滑り、肋骨に沿って這い上がっていく。

 息が漏れた。結人の身体がぴくりと震える。

 「くすぐったい……」

 「それなら、やめた方がいい?」

 「……やめなくていいです」

 その声に、徹は目を細めた。
 まるで、この体のどこが好きかを丁寧に確認するかのように、
 触れる場所を変えていく。


 それは、愛情と欲が重なった静かな儀式のようだった。
 決して荒々しくはない。だけど、すべてを支配しようとする温度があった。

 この夜が終わるころには、結人はまた徹の胸の中で、
 すべてを許してしまっていた。
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