65 / 97
第四章 中等部
第65話 さあ、なんだ此処?
しおりを挟む
そうして、ガンガンと奪還は進んでいった。
そんな中、一部の隊が、全体を飛び抜けて進んでいた。
そうシン達。
後ろに、護衛兼物見が居たが、モンスターに阻まれてついて行けない。
そうして数日後。ダンジョンを見つける。
山間の谷間に、奇妙に隆起をして口を開いている。
「あそこだ。行くぞ」
シンと学生達。
ちびっ子軍団が行く。
その後に、アダルトなマッテイスや物見達が続く。
洞穴タイプ。
分かれ道も探査をしながら進んでいく。
一見するとダンジョン。
だが本来のダンジョンシステムというか、昔からあった物よりシステムが洗練されている。
「ダンジョンが…… 進化版か? それに中に漂う気配。なんだか懐かしい気がする」
まあ、他の者達には、シンが言っていることは理解できない。
懐かしいのは、向こうの世界からやって来た神気の影響。
そうリッチとして暮らした記憶は無いが、魂の奥底で共鳴をするようだ。
それは、魂の記憶。その残滓に触れる何か……
「うむむ」
そんな事を言いながら、速度が上がっていく。
「あれ? モンスターの勢いが止まったのか?」
湧きは、実質ダンジョン内で討伐をされているので、表には上がってこない。
数千人が手こずっていた物を、シン達だけで対処する。
まあ実質本気を出すシンと、そのフォローをするローラ。
モンスターなど、移動の障壁にもならない。
かなり離れたところ、見えた瞬間に破裂でもするように倒れていく。
それは魔法とも言えない技。
体に持つ魔力。それに対して、シンから強制的に魔力が供給されて、内側から爆散をしている。
そう、その中にはオルトロスやケルベロス。
オーガや、他では見なかったゴーレムまで。
シンの圧倒的な魔力。
それはすべてを破壊する。
水場では、ローラがすべてを支配する。
サーペント系やクラーケン。
彼らは、まるで水から拒否をされるように、水中から放り出されて水面でのたうち回る。
「すごいな」
後ろからついて行くクリスティアーノ達も、本気のシンが行う戦闘は見たことがない。
いつも訓練で、一方的にやられるだけなのだから。
だが、最近やって来たローラ。
彼女は、人間ではなく精霊に近いと教えて貰った。
だけど、彼女でもシンにはかなわない。
そして、思いだけでなく、力でも一番だったヘルミーナだったが、最近はみんなに抜かれてきた。
魔力回路の拡張と身体能力。
そろそろ、第二次成長期と共に成長限界が見え始めてきた。
いま、シンには熟練度、無駄を省き駆け引きを考えろと言われている。
強化をしても、人間の組織そのものはある程度で限界を迎える。
骨、筋肉、神経。
それは、生物としての限界。
シンは、それを超えているのだが、本人でもよく分からないらしい。
人間ではないローラにも呆れられているし。
そうして奥へ行くと、ここでもゴーストエリアはあった。
スケルトンの軍団。
現れる端から清められ掃除をされる。
すっかり掃除用となった浄化魔法。
これのおかげで、学園はピカピカだ。
ゾンビ達の匂いも残らず消されていく。
目の前に、空間が揺らぐほど高位のリッチが現れ崩れていく……
「鍛え方が足りん」
シンがぼやく。
敵は、魔法すら使わせてもらえない。
そして、神話級モンスター。
ヒュドラや、ベヒーモス。
そしてドラゴン達。
人に比べれば巨大で強力。
ローラの使う魔法すら、体表でレジストをしてしまう。
だが、シンは空間事切ってしまう。
ダンジョン内の大気が軋む。
それは、ギギとかキシッとか異様な音をみんなの耳に残す。
「おいおい。ダンジョンが崩れるんじゃないだろうな?」
周囲は、モンスターにあわせたのか、かなり広い空間となっているが、壁にまで切れ目が入っている。
そうモンスターごとダンジョンまで切り裂く。
「前には出るな」
シンは忠告をする。
まあそれ以前に、ついて行くので必死なみんな。
ここに来てもスピードが落ちないシンに、みんなは首をかしげる。
一体どんな訓練をすれば、ここまで至れるんだ?
自分たちは付いて行くだけだが、シンはずっと魔法を使っている。
その無尽蔵の魔力はどこから?
エンシェントドラゴンが『貴様一体? ふざけるなぁ』と叫んで消えていった後、奥の部屋には六角柱のクリスタルが、淡い光を周囲に撒き散らかしていた。
「ふむ」
そう言うと、シンは調べ始める。
竜脈への干渉もなく、これ自身が力のもと。
何かのエネルギーが結晶となったもの。
「これがダンジョン発生の原因のようだな」
少し考える。
この国にとっては、ダンジョンの恩恵は計り知れない。
一方、命令としては、氾濫を収めろという命令だったはず。
考えた末。
彼はクリスタルに手を当てる。
どうやら、このエネルギーは個としての存在。
何時までも、存在はせず。緩やかに消えていくだろう。
その力を、自身の体に取り込みクリスタルを弱体化させる。
まあ取り込んでみたのは良いが、シンはその晩から三日ほど寝込むことになる。
そう、上位のエネルギーによる体の変質。
イングヴァル帝国の民に起こった変化と近いもの。
この世界、すべてがいい加減で、地球なら起こらないことが平然と実行される。
シンは魂と肉体の階位が上昇をした様だ。
その時、こそっとローラも取り込んだ。
そして、その力は、精霊王をもしのぐことになる。
そんな中、一部の隊が、全体を飛び抜けて進んでいた。
そうシン達。
後ろに、護衛兼物見が居たが、モンスターに阻まれてついて行けない。
そうして数日後。ダンジョンを見つける。
山間の谷間に、奇妙に隆起をして口を開いている。
「あそこだ。行くぞ」
シンと学生達。
ちびっ子軍団が行く。
その後に、アダルトなマッテイスや物見達が続く。
洞穴タイプ。
分かれ道も探査をしながら進んでいく。
一見するとダンジョン。
だが本来のダンジョンシステムというか、昔からあった物よりシステムが洗練されている。
「ダンジョンが…… 進化版か? それに中に漂う気配。なんだか懐かしい気がする」
まあ、他の者達には、シンが言っていることは理解できない。
懐かしいのは、向こうの世界からやって来た神気の影響。
そうリッチとして暮らした記憶は無いが、魂の奥底で共鳴をするようだ。
それは、魂の記憶。その残滓に触れる何か……
「うむむ」
そんな事を言いながら、速度が上がっていく。
「あれ? モンスターの勢いが止まったのか?」
湧きは、実質ダンジョン内で討伐をされているので、表には上がってこない。
数千人が手こずっていた物を、シン達だけで対処する。
まあ実質本気を出すシンと、そのフォローをするローラ。
モンスターなど、移動の障壁にもならない。
かなり離れたところ、見えた瞬間に破裂でもするように倒れていく。
それは魔法とも言えない技。
体に持つ魔力。それに対して、シンから強制的に魔力が供給されて、内側から爆散をしている。
そう、その中にはオルトロスやケルベロス。
オーガや、他では見なかったゴーレムまで。
シンの圧倒的な魔力。
それはすべてを破壊する。
水場では、ローラがすべてを支配する。
サーペント系やクラーケン。
彼らは、まるで水から拒否をされるように、水中から放り出されて水面でのたうち回る。
「すごいな」
後ろからついて行くクリスティアーノ達も、本気のシンが行う戦闘は見たことがない。
いつも訓練で、一方的にやられるだけなのだから。
だが、最近やって来たローラ。
彼女は、人間ではなく精霊に近いと教えて貰った。
だけど、彼女でもシンにはかなわない。
そして、思いだけでなく、力でも一番だったヘルミーナだったが、最近はみんなに抜かれてきた。
魔力回路の拡張と身体能力。
そろそろ、第二次成長期と共に成長限界が見え始めてきた。
いま、シンには熟練度、無駄を省き駆け引きを考えろと言われている。
強化をしても、人間の組織そのものはある程度で限界を迎える。
骨、筋肉、神経。
それは、生物としての限界。
シンは、それを超えているのだが、本人でもよく分からないらしい。
人間ではないローラにも呆れられているし。
そうして奥へ行くと、ここでもゴーストエリアはあった。
スケルトンの軍団。
現れる端から清められ掃除をされる。
すっかり掃除用となった浄化魔法。
これのおかげで、学園はピカピカだ。
ゾンビ達の匂いも残らず消されていく。
目の前に、空間が揺らぐほど高位のリッチが現れ崩れていく……
「鍛え方が足りん」
シンがぼやく。
敵は、魔法すら使わせてもらえない。
そして、神話級モンスター。
ヒュドラや、ベヒーモス。
そしてドラゴン達。
人に比べれば巨大で強力。
ローラの使う魔法すら、体表でレジストをしてしまう。
だが、シンは空間事切ってしまう。
ダンジョン内の大気が軋む。
それは、ギギとかキシッとか異様な音をみんなの耳に残す。
「おいおい。ダンジョンが崩れるんじゃないだろうな?」
周囲は、モンスターにあわせたのか、かなり広い空間となっているが、壁にまで切れ目が入っている。
そうモンスターごとダンジョンまで切り裂く。
「前には出るな」
シンは忠告をする。
まあそれ以前に、ついて行くので必死なみんな。
ここに来てもスピードが落ちないシンに、みんなは首をかしげる。
一体どんな訓練をすれば、ここまで至れるんだ?
自分たちは付いて行くだけだが、シンはずっと魔法を使っている。
その無尽蔵の魔力はどこから?
エンシェントドラゴンが『貴様一体? ふざけるなぁ』と叫んで消えていった後、奥の部屋には六角柱のクリスタルが、淡い光を周囲に撒き散らかしていた。
「ふむ」
そう言うと、シンは調べ始める。
竜脈への干渉もなく、これ自身が力のもと。
何かのエネルギーが結晶となったもの。
「これがダンジョン発生の原因のようだな」
少し考える。
この国にとっては、ダンジョンの恩恵は計り知れない。
一方、命令としては、氾濫を収めろという命令だったはず。
考えた末。
彼はクリスタルに手を当てる。
どうやら、このエネルギーは個としての存在。
何時までも、存在はせず。緩やかに消えていくだろう。
その力を、自身の体に取り込みクリスタルを弱体化させる。
まあ取り込んでみたのは良いが、シンはその晩から三日ほど寝込むことになる。
そう、上位のエネルギーによる体の変質。
イングヴァル帝国の民に起こった変化と近いもの。
この世界、すべてがいい加減で、地球なら起こらないことが平然と実行される。
シンは魂と肉体の階位が上昇をした様だ。
その時、こそっとローラも取り込んだ。
そして、その力は、精霊王をもしのぐことになる。
3
あなたにおすすめの小説
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
俺に王太子の側近なんて無理です!
クレハ
ファンタジー
5歳の時公爵家の家の庭にある木から落ちて前世の記憶を思い出した俺。
そう、ここは剣と魔法の世界!
友達の呪いを解くために悪魔召喚をしたりその友達の側近になったりして大忙し。
ハイスペックなちゃらんぽらんな人間を演じる俺の奮闘記、ここに開幕。
幼女はリペア(修復魔法)で無双……しない
しろこねこ
ファンタジー
田舎の小さな村・セデル村に生まれた貧乏貴族のリナ5歳はある日魔法にめざめる。それは貧乏村にとって最強の魔法、リペア、修復の魔法だった。ちょっと説明がつかないでたらめチートな魔法でリナは覇王を目指……さない。だって平凡が1番だもん。騙され上手な父ヘンリーと脳筋な兄カイル、スーパー執事のゴフじいさんと乙女なおかんマール婆さんとの平和で凹凸な日々の話。
三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。
黒ハット
ファンタジー
前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる