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第一章 暴走時代
第10話 学校での異変
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とっても疲れた体で、学校に来た。
教室に入ると、また雰囲気がおかしい。
今度は何だと思ったら、元普と雑古がわざわざ挨拶をしに来た。
「神地さん。おはようございます」
二人の顔は引きつり、必死だ。一体なんだ?
「ああ。おはよう。……どうしたんだ?」
「いえ。御挨拶に伺っただけです」
そう言いながら、目は泳いでいる。
「そうなのか? ありがとう」
「もったいなき。お言葉」
うっとうしいから、そのまま机に向かう。
その途中でも、教室からは、ざわざわと某有名映画のようなざわめきが収まらない。
だれか、一発逆転の勝負でもしているのか?
しばらくすると、水希が登校してきた。
するとあの二人が駆け寄り。
「飛田さん。おはようございます」
とやっていた。
当然。彼女も面食らっていたが。一応。
「おはようございます」
と返していた。
ざわめきが、止まらない。
教室全体が、ずっとざわざわだ。
それは、先生が来るまで続いた。
幾度かの授業があり、昼休みになると。水希がこっちにやってきて、小声で。
「一体。あの二人に、何をしたの?」
と、聞いてきた。
「いや別に。特別なことはしていない。お話をしただけだよ」
「話? ってどんな?」
思いっきり。俺の目は、泳いでいたかもしれない。
「いやあいつら。水希にちょっかいをかけそうだったから。ちょっかいかけるんじゃねぇ。みたいな感じ?」
だけ伝える。
「えーとねえ。行人くん。魔王にされているよ」
その言葉に、思考が停止する。
「えっ、魔王? えっ。……なんで?」
一応、聞いてみる。
「なんか、空間を超えたり。すごくでっかい、魔物を使役しているとか?」
あー。少し思い当たることがあるなあ。
「あいつら。ばらしやがったな。やっぱり、連れて帰るんじゃなかった」
つい。口に出してしまった。
「ということは、どこかに連れて行ったの?」
んー。水希になら、まあいいか。
「ああ。ちょうど巨大な砂漠で。中にワーム。と言っても、正式名かどうかは知らんけど。それが、住んでいるところで。二人に、丁寧にお願いしたんだが……」
すると、水希から驚きの情報が。
「あの人たち。朝一番から、口々に言いふらしていたみたい」
「私も。魔王の女だから、手を出すとやばいって」
「あー。それは、心配事が減っていいかも」
うん。そうだな。虫よけには、なりそうだ。
「それは。そうだけど」
「何だ。いやなのか? 誰か付き合いたい相手でも居るなら。俺がお話合い、して来るよ」
そう言って。へらへら笑ってみる。
「それって。やきもち焼いてくれているのかな?」
ちょっと予想外な返答だが。まあいい。
「当たり前だ。俺にはNTR属性はない」
「えへ」
水希が真っ赤になって、いやいやしている。
正解だったか。
「とりあえず。あいつらもう一度。お話合いだな……」
放課後。速攻で2人を捕まえる。
首根っこを、持った状態で。引きずっていく。
精霊が力をくれたせいか。腕力が上がって。2人くらい引きずっても、楽勝になっている。
教室のドアを開け。外に放り出す。
あれ? この森は、裸族の森だ。
やばいかな? とりあえずは。お話合いだ。
「おまえら。此処によばれた、理由は分かるな?」
「いえ全く。分かりません」
なぜか。直立不動で、答えが返ってくる。
「なぜか。俺が、魔王と、呼ばれているようだが?」
「そうなんですか? 我々は、原因を知りません」
目が壮絶に泳いでいる。
黒だな。まあ知っていたけどな。
「ほう? 誰にも、言ってないんだな?」
「はっ。はい」
言葉ではそう言っているが、目が泳いで。冷や汗が滝のように流れている……。
俺は、ゆっくりと、2人の周りをまわる。
「正直に、言った方がいいぞ」
声を抑えて、静かに問いかける。
「僕は聞きました。今朝、雑古君が、言いふらしていました」
びしっと音がするような敬礼をして、元普が答える。
「ばっ。お前も言っただろう」
雑古が、暴露する。
「ほう。さっきは、言っていないと言ったのに、嘘だったのか?」
「えー。すいません。つい、ちょっとだけ……」
あたふたしながら、答える。
「へぇ、ちょっとだけで。クラス中が、知っているんだ」
そう言うと、あたふたし始める。
「なぜか、あっという間に。どうしてでしょうね?」
「へへっ」
笑って、ごまかせる気なのか? こいつ等とあきれていると……。
その時。背後から物音がして、裸族の集団が現れた。
見回して、片手をあげる。
「よう久しぶり」
族長と握手をする。
覚えていてくれたか。良かった。
あれは、15の夜だったから。2年も前だ。
「久しぶりだな。いくと」
「ああ族長も、元気そうだな。何よりだ」
泥で化粧をした、族長が。にかっと笑う。
「今日は、どうしたんだ。ゆっくりできるのか?」
「残忍だが、今日は時間がない」
「そうなのか。残念だ」
意外と、落ち込んでいるな。何かあるのか?
その時。後ろからバフっと、誰かが抱き着いてきた。まあ予想通り。振り返ると、ねねだった。
「おう。ねね久しぶり。美人になったな」
そう言うと、嬉しそうに微笑む。
「うふ。ありがとう。今日は、時間がないの?」
首をちょっとかしげて、聞いてくる。ねね。
「ああ。そうなんだ。ちょっとこいつらの、お仕置きの為に、ここへ来ただけで。ゆっくりできなくて、すまんな」
すると、ねねの顔つきが変わる。
「こいつら。ダメなやつら? お仕置きする?」
ねねがそういった瞬間。周りの殺気が膨れ上がる。
さすがにやばい。雰囲気を感じたのか?
二人は。
「ひっ」
と、引きつっていた。
おバカな二人でも。さすがに、これだけ濃密な殺気ならわかるのか。
「すいません。反省しています。もう絶対言いません」
すると、ねねが合いの手を入れて来る。
「指を2~3本切ればいい。そうすれば、反省忘れない」
「ひぃ……」
あまり脅すと、やばそうだ。
「まあ、そこまでしなくていい」
「いくとは、やさしいな」
そう言ってくれる。ねねをぎゅっと抱きしめる。
「えへへ」
その時。目の端に熊が映った。
精霊に貰った力で、水を細く圧縮して撃ちだす。
すると。ちょうど、熊が移動してきて。首が落ちた。
部族の皆が、大仰に驚く。
「おお、くまが。いくとは、やはり神だったのだな?」
いやいや。違うよ。心の中で言い訳をしつつ。
「神じゃあないが。その熊を追っていたのか?」
皆に聞いてみた。
すると族長が、
「そうだ、村人が5人以上食われた」
と答えて来た。
そうだったのか。皆で総出は、おかしいと思ったが。
「そうだったのか。災難だったな」
「退治してくれた、感謝する」
と、礼を言われた。
なぜか、皆が俺にかしずく。
「やめてくれ。まあ、退治できたから良かった。顔をあげてくれ」
とだけ答える。
そんな話の最中。裸族の見た目に興奮。
殺気で縮こまり。魔法で驚き。
神だと、かしずかれる行人に。二人の混乱は極まっている。
ぼーっと立っている2人に。けりが入れられた。
理由は神に対する、不敬のようだ。
槍の穂先が、すちゃっと2人に向く。
泣きそうな二人。
「そこまでに、してくれ」
「はっ」
と、返事し。皆が下がる。
「じゃあ。俺はやることがあるので、帰るが。熊で宴会でもして、犠牲になった村人を見送ってやれ」
一同が頭を下げて来る。
「ありがとうございます」
「ねね。それじゃあ。またな」
軽くキスをして、扉を開く。
腰を抜かした2人を、引きずって、扉に入った。
すぐ後。
「やはり神だ。何もないところに、消えていった」
前回は村で見送り。行人が消えて行くところを、見ていなかった。
族長が、まじめな顔をして。
「ねね。今度お姿を現した時には、子供を授からなくてはいかんな」
すると。
「神様との間に、子供は出来るのかな?」
そう聞かれ、頭を抱える族長。
「ううむ。どうだろう? だれもしらん。試すしかあるまい」
部族のみなが、頷く。
2人を引きずって戻った神は。
クラスの生徒に、囲まれていた……。
教室に入ると、また雰囲気がおかしい。
今度は何だと思ったら、元普と雑古がわざわざ挨拶をしに来た。
「神地さん。おはようございます」
二人の顔は引きつり、必死だ。一体なんだ?
「ああ。おはよう。……どうしたんだ?」
「いえ。御挨拶に伺っただけです」
そう言いながら、目は泳いでいる。
「そうなのか? ありがとう」
「もったいなき。お言葉」
うっとうしいから、そのまま机に向かう。
その途中でも、教室からは、ざわざわと某有名映画のようなざわめきが収まらない。
だれか、一発逆転の勝負でもしているのか?
しばらくすると、水希が登校してきた。
するとあの二人が駆け寄り。
「飛田さん。おはようございます」
とやっていた。
当然。彼女も面食らっていたが。一応。
「おはようございます」
と返していた。
ざわめきが、止まらない。
教室全体が、ずっとざわざわだ。
それは、先生が来るまで続いた。
幾度かの授業があり、昼休みになると。水希がこっちにやってきて、小声で。
「一体。あの二人に、何をしたの?」
と、聞いてきた。
「いや別に。特別なことはしていない。お話をしただけだよ」
「話? ってどんな?」
思いっきり。俺の目は、泳いでいたかもしれない。
「いやあいつら。水希にちょっかいをかけそうだったから。ちょっかいかけるんじゃねぇ。みたいな感じ?」
だけ伝える。
「えーとねえ。行人くん。魔王にされているよ」
その言葉に、思考が停止する。
「えっ、魔王? えっ。……なんで?」
一応、聞いてみる。
「なんか、空間を超えたり。すごくでっかい、魔物を使役しているとか?」
あー。少し思い当たることがあるなあ。
「あいつら。ばらしやがったな。やっぱり、連れて帰るんじゃなかった」
つい。口に出してしまった。
「ということは、どこかに連れて行ったの?」
んー。水希になら、まあいいか。
「ああ。ちょうど巨大な砂漠で。中にワーム。と言っても、正式名かどうかは知らんけど。それが、住んでいるところで。二人に、丁寧にお願いしたんだが……」
すると、水希から驚きの情報が。
「あの人たち。朝一番から、口々に言いふらしていたみたい」
「私も。魔王の女だから、手を出すとやばいって」
「あー。それは、心配事が減っていいかも」
うん。そうだな。虫よけには、なりそうだ。
「それは。そうだけど」
「何だ。いやなのか? 誰か付き合いたい相手でも居るなら。俺がお話合い、して来るよ」
そう言って。へらへら笑ってみる。
「それって。やきもち焼いてくれているのかな?」
ちょっと予想外な返答だが。まあいい。
「当たり前だ。俺にはNTR属性はない」
「えへ」
水希が真っ赤になって、いやいやしている。
正解だったか。
「とりあえず。あいつらもう一度。お話合いだな……」
放課後。速攻で2人を捕まえる。
首根っこを、持った状態で。引きずっていく。
精霊が力をくれたせいか。腕力が上がって。2人くらい引きずっても、楽勝になっている。
教室のドアを開け。外に放り出す。
あれ? この森は、裸族の森だ。
やばいかな? とりあえずは。お話合いだ。
「おまえら。此処によばれた、理由は分かるな?」
「いえ全く。分かりません」
なぜか。直立不動で、答えが返ってくる。
「なぜか。俺が、魔王と、呼ばれているようだが?」
「そうなんですか? 我々は、原因を知りません」
目が壮絶に泳いでいる。
黒だな。まあ知っていたけどな。
「ほう? 誰にも、言ってないんだな?」
「はっ。はい」
言葉ではそう言っているが、目が泳いで。冷や汗が滝のように流れている……。
俺は、ゆっくりと、2人の周りをまわる。
「正直に、言った方がいいぞ」
声を抑えて、静かに問いかける。
「僕は聞きました。今朝、雑古君が、言いふらしていました」
びしっと音がするような敬礼をして、元普が答える。
「ばっ。お前も言っただろう」
雑古が、暴露する。
「ほう。さっきは、言っていないと言ったのに、嘘だったのか?」
「えー。すいません。つい、ちょっとだけ……」
あたふたしながら、答える。
「へぇ、ちょっとだけで。クラス中が、知っているんだ」
そう言うと、あたふたし始める。
「なぜか、あっという間に。どうしてでしょうね?」
「へへっ」
笑って、ごまかせる気なのか? こいつ等とあきれていると……。
その時。背後から物音がして、裸族の集団が現れた。
見回して、片手をあげる。
「よう久しぶり」
族長と握手をする。
覚えていてくれたか。良かった。
あれは、15の夜だったから。2年も前だ。
「久しぶりだな。いくと」
「ああ族長も、元気そうだな。何よりだ」
泥で化粧をした、族長が。にかっと笑う。
「今日は、どうしたんだ。ゆっくりできるのか?」
「残忍だが、今日は時間がない」
「そうなのか。残念だ」
意外と、落ち込んでいるな。何かあるのか?
その時。後ろからバフっと、誰かが抱き着いてきた。まあ予想通り。振り返ると、ねねだった。
「おう。ねね久しぶり。美人になったな」
そう言うと、嬉しそうに微笑む。
「うふ。ありがとう。今日は、時間がないの?」
首をちょっとかしげて、聞いてくる。ねね。
「ああ。そうなんだ。ちょっとこいつらの、お仕置きの為に、ここへ来ただけで。ゆっくりできなくて、すまんな」
すると、ねねの顔つきが変わる。
「こいつら。ダメなやつら? お仕置きする?」
ねねがそういった瞬間。周りの殺気が膨れ上がる。
さすがにやばい。雰囲気を感じたのか?
二人は。
「ひっ」
と、引きつっていた。
おバカな二人でも。さすがに、これだけ濃密な殺気ならわかるのか。
「すいません。反省しています。もう絶対言いません」
すると、ねねが合いの手を入れて来る。
「指を2~3本切ればいい。そうすれば、反省忘れない」
「ひぃ……」
あまり脅すと、やばそうだ。
「まあ、そこまでしなくていい」
「いくとは、やさしいな」
そう言ってくれる。ねねをぎゅっと抱きしめる。
「えへへ」
その時。目の端に熊が映った。
精霊に貰った力で、水を細く圧縮して撃ちだす。
すると。ちょうど、熊が移動してきて。首が落ちた。
部族の皆が、大仰に驚く。
「おお、くまが。いくとは、やはり神だったのだな?」
いやいや。違うよ。心の中で言い訳をしつつ。
「神じゃあないが。その熊を追っていたのか?」
皆に聞いてみた。
すると族長が、
「そうだ、村人が5人以上食われた」
と答えて来た。
そうだったのか。皆で総出は、おかしいと思ったが。
「そうだったのか。災難だったな」
「退治してくれた、感謝する」
と、礼を言われた。
なぜか、皆が俺にかしずく。
「やめてくれ。まあ、退治できたから良かった。顔をあげてくれ」
とだけ答える。
そんな話の最中。裸族の見た目に興奮。
殺気で縮こまり。魔法で驚き。
神だと、かしずかれる行人に。二人の混乱は極まっている。
ぼーっと立っている2人に。けりが入れられた。
理由は神に対する、不敬のようだ。
槍の穂先が、すちゃっと2人に向く。
泣きそうな二人。
「そこまでに、してくれ」
「はっ」
と、返事し。皆が下がる。
「じゃあ。俺はやることがあるので、帰るが。熊で宴会でもして、犠牲になった村人を見送ってやれ」
一同が頭を下げて来る。
「ありがとうございます」
「ねね。それじゃあ。またな」
軽くキスをして、扉を開く。
腰を抜かした2人を、引きずって、扉に入った。
すぐ後。
「やはり神だ。何もないところに、消えていった」
前回は村で見送り。行人が消えて行くところを、見ていなかった。
族長が、まじめな顔をして。
「ねね。今度お姿を現した時には、子供を授からなくてはいかんな」
すると。
「神様との間に、子供は出来るのかな?」
そう聞かれ、頭を抱える族長。
「ううむ。どうだろう? だれもしらん。試すしかあるまい」
部族のみなが、頷く。
2人を引きずって戻った神は。
クラスの生徒に、囲まれていた……。
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