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第三章 大陸統一
第43話 関わり
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「後方の農民には当てるなよ」
「了解、敵分断のため魔導砲斉射」
近くの森から、その砲身が生えてくる。
魔導砲と言いながら、火薬を使った単なる銃。
ベルトリンクにより、銃身が燃えるまでは撃ち続ける。
魔導具によるトリガーにより、毎分千発を発射。
弾は、脅威の二〇ミリ。
そう機銃なら二〇ミリでしょと、オタが発言をして航空機用機銃が採用された。
金属製のフルアーマーでも、盾ごと撃ち抜ける。
まともに当たると、人間など粉砕されてしまう凶悪なもの。
それが斉射される。
こちらの兵達はモニター越しなのでそうでもないが、現場はまさに惨劇だった。
モンスターの氾濫後のような現場。
人々は粉砕されて原形を留めない。
徴用された農民達は、自分たちが今何を見ているのか理解できず呆然とその場に立ち尽くす。
ただ貴族達や、正規の兵達が粉砕されていく姿を呆然とみる。
一〇分と経たず、貴族達や兵がいたところは真っ赤な地面へと変わった。
見れば、少し離れた所の木々まで倒れている。
やり過ぎたようで、銃身は真っ赤に焼けて、かげろうが立ちのぼる。
周りの木が無くなったせいで、その異様な物はハッキリと姿を見せていた。
よく自然公園や観光名所にある双眼鏡。
それのシングルバージョンだが、銃身はおおよそ一〇〇ミリメートル。
銃身の三方に見事なアーチで、水道橋のような放熱用の飾りがある。
濃密な血の匂いが立ちこめる現場に、また奇妙な物が出てくる。
案内くん二号。
「あーあー。みなさん、驚かせてしまい申し訳ありません。こちらはダイモーン王国、農村部復興推進委員会でございます。戦争は終わりました。皆さんがまだ抵抗をするなら…… 少し対応せねばなりませんが、今我が国では人手が足りておりません。そう、今なら破格の待遇。収穫物の二割、たったそれだけ納めれば残りは自由。ただ老後や病気の時に備えて、備えをするなら後二割追加すれば困った時にも生活は安泰。以降ついかの掛け金は必要ありません。これは今だけの特典です。立候補または志願どちらでもかまいませんが、今日の次の日、つまり明日の夕刻までの期限といたします。決断はお早く、先着順ですからね。受付は我が国の王都に向かって左側、そちらに、帰化申請窓口がございます。申請をすれば豪華なおもてなし料理もご用意しています。繰り返しますが先着順でございます。では、適切なご判断をよろしくお願いいたします」
長文を言い切って、案内くん二号は地面に戻り、パコンと蓋が閉まる。
呆然としていた農民だが、一人が走り始めると皆が走り始める。
書類を書いた者達は、豪勢な肉料理で持て成されたが、それを食えた物は少数だった。
まああの血の惨劇、かなり図太くないと辛いだろう。
あの地には、光が降り注ぎ、地面は浄化されていった。
まるで、何もなかったかのように。
そして……
「もう兵がいない?」
帰化した農民からの情報。
「その様だ」
「その、皇王とやらバカじゃ無いのか?」
「だがまあ、チャンスだ。時間をおいたらまた来るかもしれない。潰そう」
「そうだな、やるか」
こうして、世にも奇妙な勧誘しながらの行軍が始まった。
「我々は、国民を募集しています。土地はあります。圧政と、他国への侵攻、腐った皇国は廃し、新しい国へと変わるのは今。そう、そこのあなた、一緒に手を取り、腐った国を潰しましょう。輝ける未来、それを自身の手でつかみ取るのです」
そんな、選挙運動のような文言が高らかに喧伝される。
サンドウ皇国、国内で……
それを行うのは、無論一組の連中。
それを知って、皇王達は知り合いの貴族、そうインセプトラ―王国の貴族へと声をかける。
先先々代くらいから、密輸により財を成した仲、否応なく巻き込まれる。
コーガネー=スキー侯爵家、先代のキンガー=スキーもノリノリで話しにのる。
「相手の人数は少ない、倒せば一気にダイモーン王国をも手に入れることが出来る」
「国なら、それなりの蓄えもあるだろう。噂によると、今年の収穫は例年にないほどの量だと聞く。すべて頂こう」
そう、農地改革と土作り。
有機肥料の作り方を知っていた。
若き女性が、亡き兄の思いを継いで、幻の酒を造る漫画で、偏屈親父が堆肥の説明をしていた。
この世界で、漫画の知識が意外と役にたっていた。
良い土と、水、それとお天道様。
村人の中で、太陽信仰などが彼らのおかげで芽吹いていく。
何かのおりに言われた言葉、色々なところに神様はいる。
日々感謝をして生きれば何とかなるさ。
などとまあ……
自分達が言われても、無視をしてきた言葉を、つい偉そうに語ってしまう。
村人達に頼られると、ついえらく見せようと背伸びをする。
立場が人を作るとは、よく言ったものである。
両親もきっと喜んでくれているだろう。
知らんけど……
そして、偶然や必然を飲み込んで、戦乱は大きくなっていく。
各者関係者の思惑は絡まり、最悪へと向かって。
「うっ、おおい。その格好、学校の奴らだよな?」
向こうから、若い農民が走ってくる。
島から渡ってきて、逆に来た者達は、サンドウ皇国の農民となっていた様だ。
彼らは二年二組の為、仲良く暮らしていたが、いつまで経っても修学旅行が終わらないため、一部が行動に出たようだ。
竹澤 正彦や山崎 俊子など六名が合流。
「了解、敵分断のため魔導砲斉射」
近くの森から、その砲身が生えてくる。
魔導砲と言いながら、火薬を使った単なる銃。
ベルトリンクにより、銃身が燃えるまでは撃ち続ける。
魔導具によるトリガーにより、毎分千発を発射。
弾は、脅威の二〇ミリ。
そう機銃なら二〇ミリでしょと、オタが発言をして航空機用機銃が採用された。
金属製のフルアーマーでも、盾ごと撃ち抜ける。
まともに当たると、人間など粉砕されてしまう凶悪なもの。
それが斉射される。
こちらの兵達はモニター越しなのでそうでもないが、現場はまさに惨劇だった。
モンスターの氾濫後のような現場。
人々は粉砕されて原形を留めない。
徴用された農民達は、自分たちが今何を見ているのか理解できず呆然とその場に立ち尽くす。
ただ貴族達や、正規の兵達が粉砕されていく姿を呆然とみる。
一〇分と経たず、貴族達や兵がいたところは真っ赤な地面へと変わった。
見れば、少し離れた所の木々まで倒れている。
やり過ぎたようで、銃身は真っ赤に焼けて、かげろうが立ちのぼる。
周りの木が無くなったせいで、その異様な物はハッキリと姿を見せていた。
よく自然公園や観光名所にある双眼鏡。
それのシングルバージョンだが、銃身はおおよそ一〇〇ミリメートル。
銃身の三方に見事なアーチで、水道橋のような放熱用の飾りがある。
濃密な血の匂いが立ちこめる現場に、また奇妙な物が出てくる。
案内くん二号。
「あーあー。みなさん、驚かせてしまい申し訳ありません。こちらはダイモーン王国、農村部復興推進委員会でございます。戦争は終わりました。皆さんがまだ抵抗をするなら…… 少し対応せねばなりませんが、今我が国では人手が足りておりません。そう、今なら破格の待遇。収穫物の二割、たったそれだけ納めれば残りは自由。ただ老後や病気の時に備えて、備えをするなら後二割追加すれば困った時にも生活は安泰。以降ついかの掛け金は必要ありません。これは今だけの特典です。立候補または志願どちらでもかまいませんが、今日の次の日、つまり明日の夕刻までの期限といたします。決断はお早く、先着順ですからね。受付は我が国の王都に向かって左側、そちらに、帰化申請窓口がございます。申請をすれば豪華なおもてなし料理もご用意しています。繰り返しますが先着順でございます。では、適切なご判断をよろしくお願いいたします」
長文を言い切って、案内くん二号は地面に戻り、パコンと蓋が閉まる。
呆然としていた農民だが、一人が走り始めると皆が走り始める。
書類を書いた者達は、豪勢な肉料理で持て成されたが、それを食えた物は少数だった。
まああの血の惨劇、かなり図太くないと辛いだろう。
あの地には、光が降り注ぎ、地面は浄化されていった。
まるで、何もなかったかのように。
そして……
「もう兵がいない?」
帰化した農民からの情報。
「その様だ」
「その、皇王とやらバカじゃ無いのか?」
「だがまあ、チャンスだ。時間をおいたらまた来るかもしれない。潰そう」
「そうだな、やるか」
こうして、世にも奇妙な勧誘しながらの行軍が始まった。
「我々は、国民を募集しています。土地はあります。圧政と、他国への侵攻、腐った皇国は廃し、新しい国へと変わるのは今。そう、そこのあなた、一緒に手を取り、腐った国を潰しましょう。輝ける未来、それを自身の手でつかみ取るのです」
そんな、選挙運動のような文言が高らかに喧伝される。
サンドウ皇国、国内で……
それを行うのは、無論一組の連中。
それを知って、皇王達は知り合いの貴族、そうインセプトラ―王国の貴族へと声をかける。
先先々代くらいから、密輸により財を成した仲、否応なく巻き込まれる。
コーガネー=スキー侯爵家、先代のキンガー=スキーもノリノリで話しにのる。
「相手の人数は少ない、倒せば一気にダイモーン王国をも手に入れることが出来る」
「国なら、それなりの蓄えもあるだろう。噂によると、今年の収穫は例年にないほどの量だと聞く。すべて頂こう」
そう、農地改革と土作り。
有機肥料の作り方を知っていた。
若き女性が、亡き兄の思いを継いで、幻の酒を造る漫画で、偏屈親父が堆肥の説明をしていた。
この世界で、漫画の知識が意外と役にたっていた。
良い土と、水、それとお天道様。
村人の中で、太陽信仰などが彼らのおかげで芽吹いていく。
何かのおりに言われた言葉、色々なところに神様はいる。
日々感謝をして生きれば何とかなるさ。
などとまあ……
自分達が言われても、無視をしてきた言葉を、つい偉そうに語ってしまう。
村人達に頼られると、ついえらく見せようと背伸びをする。
立場が人を作るとは、よく言ったものである。
両親もきっと喜んでくれているだろう。
知らんけど……
そして、偶然や必然を飲み込んで、戦乱は大きくなっていく。
各者関係者の思惑は絡まり、最悪へと向かって。
「うっ、おおい。その格好、学校の奴らだよな?」
向こうから、若い農民が走ってくる。
島から渡ってきて、逆に来た者達は、サンドウ皇国の農民となっていた様だ。
彼らは二年二組の為、仲良く暮らしていたが、いつまで経っても修学旅行が終わらないため、一部が行動に出たようだ。
竹澤 正彦や山崎 俊子など六名が合流。
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