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第三章 大陸統一
第51話 世界は変わり
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「もういい加減嫌だぜ」
「そうね。打って出る?」
「冗談、この人数だ、また遊ばれて殺されるだけだ」
彼らは、少人数のため幾度も殺された。
だが、強制とも言える殺し合いを幾度も乗り越えて、精神的にはこちらへ始めてきたときとは段違いの強さを持っていた。
「沖へ、船で向こうの土地へ行こう。こっちよりは広いだろ」
二年四組の一部。
松下 友宏や、上出 絵美達仲良しグルーパ六人は、簡易な筏を作り海へこぎ出した。
渡れるはずもない適当な造り、潮の流れが良く、さらに海中にモンスターもいなかった。なんと渡れてしまう。
「やっと着いた。疲れた」
「塩水だから、真水で洗わないとかゆくなるわよ。髪もゴワゴワになるし」
「そうだな。探そう。警戒はしろよ」
そうして、入り江になった海岸、崖の上へとなんとか上がり探査を始める。
だけどすぐに、声が聞こえる。
「ほい、そこな所を掘り下げて落ち葉を入れろ。これからは刈った草も入れろよ」
話の内容は、森の中に雑草の集積所を造っているような感じだが。
「おいそこの、また島から来たのか?」
「また?」
農民は、本当に農民のような格好。
教科書に載っているような。
だけど、表情は明るく、元気そう。
そして案内をされて、掘っ立て小屋に連れて行かれる。
そこには魔導具によるシャワー設備があり、浴室もあった。
「うわ、これ混浴か」
「嫌そうに言っているけれど、顔は笑っているわよ」
「今更だろ」
そう、島での暮らしの中で、警戒の問題もあり、もうみんな何度も裸は見た。
そう言って体を洗いながら、服も洗濯する。
固形の石けんだが、まともな物まで置いてあった。
「ああああっ。生き返るぅ」
「バカ湯を捨てるなよ」
「魔導具に魔力を流せば、幾らでも出るんだから大丈夫よ」
ギャアギャアいいながら、楽しいひとときを過ごす。
「此処風が出る、ドライヤー?」
「そうだよきっと」
温風が出ていて、その前に洗濯物が干される。
パンツを見られて、恥ずかしがっていた姿はもう無い。
まあ多分、この六人の中だけではあるのだろうが。
そうこそっとだが、全員が全員、違う相手としたことがある。
全員が暗黙になっているから平和だが、子どもが出来ないという事実が、その辺りの垣根を低くしているようだ。
「準備が出来たか?」
「えっ、ちょっと待ってください」
流石に外部の人間は駄目なようだ。
外から声が掛かると大騒ぎになる。
まだ乾いていないが、服を羽織る。
バタバタと出て行くと、農家の人と別に兵が立っていた。
思わず警戒をする。
風呂に浮かれていたら通報されてしまった。
なんと言うことだ、迂闊すぎる。
六人が六人とも反省をする。
こちらで、ナイフをまだ持っているのは二人。
それもすでに自分の物では無く拾ったもの。
一度でも死んでしまうと、服以外はなくなってしまう。
女子は着替えも必要で探し回ったが、殺された後、持って行かれた様だ。
「そなた達、その服装から推測するに、シュウガクリョコウのメンバーであろう?」
警戒をしながらも一応答える。
もし何かの都合があり、捕らえられる感じなら、やばいから逃げないといけない……
そう思ったのだが
「なあ掴まって、殺されたら戻るだけだよな?」
「ああ、反省文が必要だけどな」
「じゃあ、問題は無いな」
皆で、頷き合うと一応警戒をしながら答える。
「修学旅行中だ」
「おお、やはり。では王都へお送りいたします。王も喜ばれるでしょう」
「王都? 王?」
「はい、王もシュウガクリョコウであり、リュイチー=ジンノーというお名前であります」
「リュイチー=ジンノー…… 神野 龍一かな?」
「あー、一組の目立つ人じゃない?」
「知っているのか?」
「うんまあ、カッコいい人だよ。いつもとなりに杉原 楓真君もいて、ちょっとBL的雰囲気があって……」
知らなかったが、上出 絵美は腐の系統だったのか。
「好きだったのか?」
なんか、小澤が睨んでる。なんで?
「ううん。彼らの彼女って美人なんだよ」
「あーそうそう、思い出した森 澪さんと、濱田 結愛さんだったけ?」
「そうそう」
「その名前知っている」
今度は男子のほうが盛り上げる。
「なんで知っているのよ?」
色々とややっこしいメンバー、キャイキャイと言っていると、声が掛かる。
「馬車がまいりました、お乗りください」
馬車は、整備された道をパカパカと進んでいく。
とりあえず、近くのサンカウロス街で一泊し、久しぶりのまともな食事を食べる。
そこから、三週間を掛けて王都へと到着をする事になる。
そこには、修学旅行生用の宿舎が完備されていた。
到着をすると、アンケートを書かされる。
得意な趣味、得意な知識を記入してください。
『暗殺・空手・剣道・弓道・四十八手・その他格闘技・火薬調合・薬品生成・薬生成・鍛冶・異世界・蒸気機関・内燃機関・電気・神の領域・対魔術・浄化・神降ろし・イタコ・エクソシスト』
「なんか、選択肢が変だけど」
「まあ、何でも良いじゃん。これって、その系統の仕事をしろっていうことだよね」
島での殺し合いとサバイバルから、海を渡っただけで全く違う世界。
六人は感動をした。
このアンケートの中に、澪特別枠が一つあった。
それについて書かれていると、王妃様との特別面談が待っていた。
「ねえねえ、どんなの知っているの? 実技、彼女とやって見せて」
指さす先には、金髪のお嬢様。
「へっ?」
「そうね。打って出る?」
「冗談、この人数だ、また遊ばれて殺されるだけだ」
彼らは、少人数のため幾度も殺された。
だが、強制とも言える殺し合いを幾度も乗り越えて、精神的にはこちらへ始めてきたときとは段違いの強さを持っていた。
「沖へ、船で向こうの土地へ行こう。こっちよりは広いだろ」
二年四組の一部。
松下 友宏や、上出 絵美達仲良しグルーパ六人は、簡易な筏を作り海へこぎ出した。
渡れるはずもない適当な造り、潮の流れが良く、さらに海中にモンスターもいなかった。なんと渡れてしまう。
「やっと着いた。疲れた」
「塩水だから、真水で洗わないとかゆくなるわよ。髪もゴワゴワになるし」
「そうだな。探そう。警戒はしろよ」
そうして、入り江になった海岸、崖の上へとなんとか上がり探査を始める。
だけどすぐに、声が聞こえる。
「ほい、そこな所を掘り下げて落ち葉を入れろ。これからは刈った草も入れろよ」
話の内容は、森の中に雑草の集積所を造っているような感じだが。
「おいそこの、また島から来たのか?」
「また?」
農民は、本当に農民のような格好。
教科書に載っているような。
だけど、表情は明るく、元気そう。
そして案内をされて、掘っ立て小屋に連れて行かれる。
そこには魔導具によるシャワー設備があり、浴室もあった。
「うわ、これ混浴か」
「嫌そうに言っているけれど、顔は笑っているわよ」
「今更だろ」
そう、島での暮らしの中で、警戒の問題もあり、もうみんな何度も裸は見た。
そう言って体を洗いながら、服も洗濯する。
固形の石けんだが、まともな物まで置いてあった。
「ああああっ。生き返るぅ」
「バカ湯を捨てるなよ」
「魔導具に魔力を流せば、幾らでも出るんだから大丈夫よ」
ギャアギャアいいながら、楽しいひとときを過ごす。
「此処風が出る、ドライヤー?」
「そうだよきっと」
温風が出ていて、その前に洗濯物が干される。
パンツを見られて、恥ずかしがっていた姿はもう無い。
まあ多分、この六人の中だけではあるのだろうが。
そうこそっとだが、全員が全員、違う相手としたことがある。
全員が暗黙になっているから平和だが、子どもが出来ないという事実が、その辺りの垣根を低くしているようだ。
「準備が出来たか?」
「えっ、ちょっと待ってください」
流石に外部の人間は駄目なようだ。
外から声が掛かると大騒ぎになる。
まだ乾いていないが、服を羽織る。
バタバタと出て行くと、農家の人と別に兵が立っていた。
思わず警戒をする。
風呂に浮かれていたら通報されてしまった。
なんと言うことだ、迂闊すぎる。
六人が六人とも反省をする。
こちらで、ナイフをまだ持っているのは二人。
それもすでに自分の物では無く拾ったもの。
一度でも死んでしまうと、服以外はなくなってしまう。
女子は着替えも必要で探し回ったが、殺された後、持って行かれた様だ。
「そなた達、その服装から推測するに、シュウガクリョコウのメンバーであろう?」
警戒をしながらも一応答える。
もし何かの都合があり、捕らえられる感じなら、やばいから逃げないといけない……
そう思ったのだが
「なあ掴まって、殺されたら戻るだけだよな?」
「ああ、反省文が必要だけどな」
「じゃあ、問題は無いな」
皆で、頷き合うと一応警戒をしながら答える。
「修学旅行中だ」
「おお、やはり。では王都へお送りいたします。王も喜ばれるでしょう」
「王都? 王?」
「はい、王もシュウガクリョコウであり、リュイチー=ジンノーというお名前であります」
「リュイチー=ジンノー…… 神野 龍一かな?」
「あー、一組の目立つ人じゃない?」
「知っているのか?」
「うんまあ、カッコいい人だよ。いつもとなりに杉原 楓真君もいて、ちょっとBL的雰囲気があって……」
知らなかったが、上出 絵美は腐の系統だったのか。
「好きだったのか?」
なんか、小澤が睨んでる。なんで?
「ううん。彼らの彼女って美人なんだよ」
「あーそうそう、思い出した森 澪さんと、濱田 結愛さんだったけ?」
「そうそう」
「その名前知っている」
今度は男子のほうが盛り上げる。
「なんで知っているのよ?」
色々とややっこしいメンバー、キャイキャイと言っていると、声が掛かる。
「馬車がまいりました、お乗りください」
馬車は、整備された道をパカパカと進んでいく。
とりあえず、近くのサンカウロス街で一泊し、久しぶりのまともな食事を食べる。
そこから、三週間を掛けて王都へと到着をする事になる。
そこには、修学旅行生用の宿舎が完備されていた。
到着をすると、アンケートを書かされる。
得意な趣味、得意な知識を記入してください。
『暗殺・空手・剣道・弓道・四十八手・その他格闘技・火薬調合・薬品生成・薬生成・鍛冶・異世界・蒸気機関・内燃機関・電気・神の領域・対魔術・浄化・神降ろし・イタコ・エクソシスト』
「なんか、選択肢が変だけど」
「まあ、何でも良いじゃん。これって、その系統の仕事をしろっていうことだよね」
島での殺し合いとサバイバルから、海を渡っただけで全く違う世界。
六人は感動をした。
このアンケートの中に、澪特別枠が一つあった。
それについて書かれていると、王妃様との特別面談が待っていた。
「ねえねえ、どんなの知っているの? 実技、彼女とやって見せて」
指さす先には、金髪のお嬢様。
「へっ?」
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