26 / 167
第2章 魔法の使える世界
第9話 前回の顛末とその後の対応
しおりを挟む
高梨さんから連絡が入り、いきなり
「君、彼女たちになにかした?」
と言われた。
「彼女たちの所についてすぐに、ひどい状態だったので浄化と治療はしました」
「それでかな? 病院で…… まあ証言もあるしDNAサンプル取ろうとしたんだけど、出なくてね」
「そんなことで文句言われてもね。今度から警官連れて行ったほうが、良いですかね?」
「警察と自衛隊かな? 探査専門チームの設置を申請して、そもそも遭難か事件かの判断が難しいよね」
「監視カメラはだめだったんですよね?」
「ああ無線は階層超えるとつながらないし、有線も何故かすぐに切れちゃうんだよ……物理的に」
「人海戦術でも、細かいダンジョンまで含めるとすごい数がありますよ?」
「そうなんだよね、どうしよう?」
「松沼お父さんと自衛隊の偉い人に来てもらって、お役所代表でお話し合いですかね?」
「松沼お父さんて、警察関係はわかっているけど、何者なんだい?」
「さあ? 美月がちょろっと、警備関係って言っていましたけど」
「警備局かい? それなら関係者か。まあ一度上に上げてみるよ」
電話が掛かってきて、出ると高梨さんだった。
「神崎くん今良いかな?」
「高梨さんどうしたんですか?」
「いやまあ、この市内だけだけれど初級、中級、上級と分けて、各エリアに1つずつ残すこととして初級と中級は6個ずつ残して、上級はこの前のも合わせて4つしか無いから残す、残りの野良ダンジョンは全部潰して、残すところには警備員を雇って配置するということになった」
役所も色々、考えているようだ。
「野良ダンジョン結構な数がありますけれど、潰して苦情が出ませんか?」
「大体は個人の土地だから、氾濫があったらそれに起因する損害について弁済してねと言ったらだいたい話がついた。消すときには一応地主さんも立会させるからよろしくね」
「ああまあ、連絡か予定表ください」
「それとこの前の強姦と、ダンジョン内に眠らせて放置は、未必の故意よりも殺す気が十分あったということで確定的故意として強盗・強制性交等罪と殺人未遂罪で起訴したそうだよ」
「そうですか、なんとか防げないものですかね」
「まあそのための、ダンジョンの個数制限と巡回だ、今のところできるのはこれだけだよ、神崎くんひょっとしてダンジョンの把握とコントロールもできるのかい?」
「いや流石にそれはできま・せん・・よ? ……たぶん。それじゃあ、予定表お願いします」
「あっ、おい……」
話がまずくなる前に電話を切って考える。 一度管理を奪って資源と利用のために開放して管理する。 出来ないことはなさそうだが…… 再構築でもされると責任が取れないな。 管理用クリスタルの情報を役所に渡そうか……?
色々考えて、美月がダンジョンに行くときに装備させるために作った魔道具。個人用バリアを、ちょっと小綺麗な形とデザインにして、役所の魔石買い取りカウンターの所におかせてもらうようにした。
悪用を避けるため買うにはタグが必要となる。装置? 魔道具にはクズ魔石を更に小さくして、魔力を込め発動すると30分展開できるようにしてある。高梨さんには安すぎると言われたが、1個1万円とした。
ついでに、依頼時のダンジョン探査価格も10階あたり初級は30万、中級は50万、上級はリスクが分からんから100万と言ったら高梨さんに渋られた。会計課に聞いてみると話は終わった。
使用を繰り返すと、10回くらいで魔石が壊れるんだよね。本来一気に魔素を抜くと灰のように崩れる魔石を、最後まで魔素を抜けないように調整して。更に魔素の補充ができるようにしたから、限界で10回くらい。
本来は使い捨ての物が10回も使える。それで使用者には納得してもらおう。
特許? 自分でも方法について詳細な説明ができないから、出せなかった。
だがしかし、飛ぶように売れた……。
最初は一人で作っていたけれど、途中からフレイヤが手伝ってくれるようになった。なにげにフレイヤの方が魔石の耐久性も高い…… 魔力操作の修行が足りんと怒られた。
美月にもやらせてみたが、形・性能ともに使い物にならなかった。それを考えれば、フレイヤがもう何匹か欲しい。
フレイヤに兄弟は居ないか聞くと、残念ながら、我は”アルファであり、オメガである”のだよ。我は”最初であり、最後である”。と言って偉そうにドヤ顔している。
〈ここでは、”一にして全、全にして一”の方が有名なようだがな。高名な錬金術師の何とかエルリックというものが言葉を残したようだが〉
〈……間違えている、たしかに話の中に出てくるけれど、もとはクトゥルフ神話を作った小説家、H.P.ラヴクラフト『銀の鍵の門を超えて』の中でヨグ=ソトースの説明に使っている。最初の説明の”アルファであり、オメガである”と言うのは、新約聖書の「ヨハネの黙示録」だな……〉
「……うんっ? ……今一体なにが?」
〈クトゥルフ神話とかヨハネの黙示録がと説明していたぞ……〉
〈それは……天声だな……出典報告だ〉
「……で、もう一匹は居ないのか、残念だ」
〈我のように、プリティな存在がいくつも居てたまるものか〉
〈ぷりてぃどうこうは思わんけれど、非常に便利なのに〉
〈だから、魔石をつまみながらでいいから、早く魔道具作って……〉
その時、役所からの着信が鳴り響く……
「ちりりぃーん……ちりりぃーん……」
「ガチャ……もしもし……わたし窓口のゆかちゃん……はやくのうひんをおぉぉ……」
「ひぃぃ……」
「君、彼女たちになにかした?」
と言われた。
「彼女たちの所についてすぐに、ひどい状態だったので浄化と治療はしました」
「それでかな? 病院で…… まあ証言もあるしDNAサンプル取ろうとしたんだけど、出なくてね」
「そんなことで文句言われてもね。今度から警官連れて行ったほうが、良いですかね?」
「警察と自衛隊かな? 探査専門チームの設置を申請して、そもそも遭難か事件かの判断が難しいよね」
「監視カメラはだめだったんですよね?」
「ああ無線は階層超えるとつながらないし、有線も何故かすぐに切れちゃうんだよ……物理的に」
「人海戦術でも、細かいダンジョンまで含めるとすごい数がありますよ?」
「そうなんだよね、どうしよう?」
「松沼お父さんと自衛隊の偉い人に来てもらって、お役所代表でお話し合いですかね?」
「松沼お父さんて、警察関係はわかっているけど、何者なんだい?」
「さあ? 美月がちょろっと、警備関係って言っていましたけど」
「警備局かい? それなら関係者か。まあ一度上に上げてみるよ」
電話が掛かってきて、出ると高梨さんだった。
「神崎くん今良いかな?」
「高梨さんどうしたんですか?」
「いやまあ、この市内だけだけれど初級、中級、上級と分けて、各エリアに1つずつ残すこととして初級と中級は6個ずつ残して、上級はこの前のも合わせて4つしか無いから残す、残りの野良ダンジョンは全部潰して、残すところには警備員を雇って配置するということになった」
役所も色々、考えているようだ。
「野良ダンジョン結構な数がありますけれど、潰して苦情が出ませんか?」
「大体は個人の土地だから、氾濫があったらそれに起因する損害について弁済してねと言ったらだいたい話がついた。消すときには一応地主さんも立会させるからよろしくね」
「ああまあ、連絡か予定表ください」
「それとこの前の強姦と、ダンジョン内に眠らせて放置は、未必の故意よりも殺す気が十分あったということで確定的故意として強盗・強制性交等罪と殺人未遂罪で起訴したそうだよ」
「そうですか、なんとか防げないものですかね」
「まあそのための、ダンジョンの個数制限と巡回だ、今のところできるのはこれだけだよ、神崎くんひょっとしてダンジョンの把握とコントロールもできるのかい?」
「いや流石にそれはできま・せん・・よ? ……たぶん。それじゃあ、予定表お願いします」
「あっ、おい……」
話がまずくなる前に電話を切って考える。 一度管理を奪って資源と利用のために開放して管理する。 出来ないことはなさそうだが…… 再構築でもされると責任が取れないな。 管理用クリスタルの情報を役所に渡そうか……?
色々考えて、美月がダンジョンに行くときに装備させるために作った魔道具。個人用バリアを、ちょっと小綺麗な形とデザインにして、役所の魔石買い取りカウンターの所におかせてもらうようにした。
悪用を避けるため買うにはタグが必要となる。装置? 魔道具にはクズ魔石を更に小さくして、魔力を込め発動すると30分展開できるようにしてある。高梨さんには安すぎると言われたが、1個1万円とした。
ついでに、依頼時のダンジョン探査価格も10階あたり初級は30万、中級は50万、上級はリスクが分からんから100万と言ったら高梨さんに渋られた。会計課に聞いてみると話は終わった。
使用を繰り返すと、10回くらいで魔石が壊れるんだよね。本来一気に魔素を抜くと灰のように崩れる魔石を、最後まで魔素を抜けないように調整して。更に魔素の補充ができるようにしたから、限界で10回くらい。
本来は使い捨ての物が10回も使える。それで使用者には納得してもらおう。
特許? 自分でも方法について詳細な説明ができないから、出せなかった。
だがしかし、飛ぶように売れた……。
最初は一人で作っていたけれど、途中からフレイヤが手伝ってくれるようになった。なにげにフレイヤの方が魔石の耐久性も高い…… 魔力操作の修行が足りんと怒られた。
美月にもやらせてみたが、形・性能ともに使い物にならなかった。それを考えれば、フレイヤがもう何匹か欲しい。
フレイヤに兄弟は居ないか聞くと、残念ながら、我は”アルファであり、オメガである”のだよ。我は”最初であり、最後である”。と言って偉そうにドヤ顔している。
〈ここでは、”一にして全、全にして一”の方が有名なようだがな。高名な錬金術師の何とかエルリックというものが言葉を残したようだが〉
〈……間違えている、たしかに話の中に出てくるけれど、もとはクトゥルフ神話を作った小説家、H.P.ラヴクラフト『銀の鍵の門を超えて』の中でヨグ=ソトースの説明に使っている。最初の説明の”アルファであり、オメガである”と言うのは、新約聖書の「ヨハネの黙示録」だな……〉
「……うんっ? ……今一体なにが?」
〈クトゥルフ神話とかヨハネの黙示録がと説明していたぞ……〉
〈それは……天声だな……出典報告だ〉
「……で、もう一匹は居ないのか、残念だ」
〈我のように、プリティな存在がいくつも居てたまるものか〉
〈ぷりてぃどうこうは思わんけれど、非常に便利なのに〉
〈だから、魔石をつまみながらでいいから、早く魔道具作って……〉
その時、役所からの着信が鳴り響く……
「ちりりぃーん……ちりりぃーん……」
「ガチャ……もしもし……わたし窓口のゆかちゃん……はやくのうひんをおぉぉ……」
「ひぃぃ……」
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
506
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる