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第五章 星々は移ろい、種族は邂逅する。
第107話 ドラガシメルの意向
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「これが、今の一瞬で起こったのか?」
「確か、アンドロメダは時速二五万マイル。おおよそ時速約四〇万キロメートルで近付いていると言われていましたが、今の速度は、そんなものではありません。特に途中から引き合い、加速をしましたし」
中央には、衝突の映像が表示されている。
大きな恒星が、小さな惑星を一瞬で飲み込んでいく。
生物など居ても、一瞬で燃え尽くされてしまう。
「危ないので帰りましょう」
そうして、帰路につく。特に土産も売っていないので、帰りは一気に飛ぶ。
「さて、これらの現実を踏まえ、人類側で何か出来るという方はいらっしゃいますか?」
会議室に座り直し、進行を開始する。
横で、カンテ准将がぼそっと、『猿に出来ることなど、ないでろうが』そんな事をつぶやく。
そしてまた、国連議長が代表で話すようだ。
「確かに、今現在対応できることは少ない。だが人類とて無力ではない。きっと何か……」
「少ないだと。では出来ることを述べてみよ」
また、カンテ准将がいじめる。
「――それはその、避難とか」
「何処へどうやって? 時間は少ない。その間に現状軌道計算どころかアンドロメダの星々がどのように襲ってくるのか。それも把握できないうぬらが、どうやって何処へ避難をする。力量をわきまえ、素直に助力を乞うがよい。我々は寛大だ」
そう言って、口元がにやける。
「あー。カンテ准将。使節団として、その物言いはどうかな。チェックと修正を受けるなら申請をするぞ」
つい口を挟んでしまった。
調子に乗っていた、カンテ准将だが、言ったことを理解したのだろう、滝のような汗が流れている。特性は、は虫類なのに。
「申し訳ありません」
「さて、我々側としては、賢者…… そうだな、地球で言う所の評議会とかそう言う感じで理解していただけると良い。で、その方達が、地球の保護を明言している。これらは、そちらが拒否をしても実行をされる。実際シールドは敷設したしな。つまり地球側が何を言おうとも、我々はするべき事をしなければいけない。むろんこれはこちらの都合。事後承諾となったが、現状を承知いただきたい」
ざわざわと、地球側が話し合いを始める。
普通ならアメリカとかが、勝手なことをとか言いそうだが、規模が大きすぎるのか、まだ理解ができていないのか? とにかくおとなしくしている。
そんな時に、通信が入る。
色が赤、最優先通信。
「だせ」
「はっ」
モニターに出たのは、噂の賢者達。
「おや、ミー=キャエル。無事に進化をしたようだね」
「無事かどうかは知りませんが、羽は増えました」
「そうかい。予言通りで良かったよ。力をつくしな。さて、そこに地球の代表が居られる所に申し訳ない。我々は、ドラガシメル人の最高種として国家を運用をしている。まあ執行部とか評議会だと思ってくれて良い。一言だけ言っておこうと思ってね」
賢者がモニターに出てから、ランクツインやクアドラプレト達は、顔を伏せている。マイリは別だが、賢者は天上人に近い。
「我々としては、本来地球の事はどうでも良い。たまたま色々が重なり、ミー=キャエルがそこに居るから守っているだけ。その事を承知してほしい。我々が優先するのはそこだけだ。その関わりで、条約なり何なりを結ぶなら受けるが、我らに益はない。そこは理解できるね」
おおう。以外と容赦ないな。
まあ、地球人として、俺が転生をしたから手を出してきた。
技術的にも、恩恵はないし、その他も…… 必要ないな。
さっきから、地球側の俺に対する視線が痛い。
こいつ一体何者だ。感がすごい。
羽の数とか説明しても、面倒だし。
そんなことを言っていると、賢者の話は続く。
「だから、できないとは思うが、ミー=キャエルやその周囲の者に何かをするなら、強制的に我らは、ミー=キャエル達を連れ帰る。むろんすべての設備ごとね。ああ、多少の生物は保護をするかも知れない。ああコレだね、そちらの伝承にある箱船のようなことはしてあげよう」
うん。地球側が、あっけにとられている。
一方的な上から目線の通達。
まああの人達に対して、命令できる者は存在しないから、そうなるのか。
「すると、会談と伺ったのですが、通達であると」
「当然です。差を理解しなさい。同じ事を、そうそうイギリスやフランス、アメリカあなたたちの先祖がやったでしょう。それと同じ。我々は手を差し伸べただけ。ですが目的は、我々の指導者となるミー=キャエルの保護。それだけです」
「はっ?」
思わず声が出た。指導者?
いや確かに羽は増えたけれど、それだけだ。
「指導者?」
「ミー=キャエル。それは当然であり必然なのです。この事は予言もされていた。宇宙に危機があるとき、我らの元に指導者が生まれるとね。それがお前だよ」
「はいっ?」
「精進をしな。さて、言いたいことはそれだけだ。では地球の諸君。その辺りを踏まえて結論を出しなさい」
言いたいことだけ言って、切りやがった。
どうすんだよ。この空気。
「確か、アンドロメダは時速二五万マイル。おおよそ時速約四〇万キロメートルで近付いていると言われていましたが、今の速度は、そんなものではありません。特に途中から引き合い、加速をしましたし」
中央には、衝突の映像が表示されている。
大きな恒星が、小さな惑星を一瞬で飲み込んでいく。
生物など居ても、一瞬で燃え尽くされてしまう。
「危ないので帰りましょう」
そうして、帰路につく。特に土産も売っていないので、帰りは一気に飛ぶ。
「さて、これらの現実を踏まえ、人類側で何か出来るという方はいらっしゃいますか?」
会議室に座り直し、進行を開始する。
横で、カンテ准将がぼそっと、『猿に出来ることなど、ないでろうが』そんな事をつぶやく。
そしてまた、国連議長が代表で話すようだ。
「確かに、今現在対応できることは少ない。だが人類とて無力ではない。きっと何か……」
「少ないだと。では出来ることを述べてみよ」
また、カンテ准将がいじめる。
「――それはその、避難とか」
「何処へどうやって? 時間は少ない。その間に現状軌道計算どころかアンドロメダの星々がどのように襲ってくるのか。それも把握できないうぬらが、どうやって何処へ避難をする。力量をわきまえ、素直に助力を乞うがよい。我々は寛大だ」
そう言って、口元がにやける。
「あー。カンテ准将。使節団として、その物言いはどうかな。チェックと修正を受けるなら申請をするぞ」
つい口を挟んでしまった。
調子に乗っていた、カンテ准将だが、言ったことを理解したのだろう、滝のような汗が流れている。特性は、は虫類なのに。
「申し訳ありません」
「さて、我々側としては、賢者…… そうだな、地球で言う所の評議会とかそう言う感じで理解していただけると良い。で、その方達が、地球の保護を明言している。これらは、そちらが拒否をしても実行をされる。実際シールドは敷設したしな。つまり地球側が何を言おうとも、我々はするべき事をしなければいけない。むろんこれはこちらの都合。事後承諾となったが、現状を承知いただきたい」
ざわざわと、地球側が話し合いを始める。
普通ならアメリカとかが、勝手なことをとか言いそうだが、規模が大きすぎるのか、まだ理解ができていないのか? とにかくおとなしくしている。
そんな時に、通信が入る。
色が赤、最優先通信。
「だせ」
「はっ」
モニターに出たのは、噂の賢者達。
「おや、ミー=キャエル。無事に進化をしたようだね」
「無事かどうかは知りませんが、羽は増えました」
「そうかい。予言通りで良かったよ。力をつくしな。さて、そこに地球の代表が居られる所に申し訳ない。我々は、ドラガシメル人の最高種として国家を運用をしている。まあ執行部とか評議会だと思ってくれて良い。一言だけ言っておこうと思ってね」
賢者がモニターに出てから、ランクツインやクアドラプレト達は、顔を伏せている。マイリは別だが、賢者は天上人に近い。
「我々としては、本来地球の事はどうでも良い。たまたま色々が重なり、ミー=キャエルがそこに居るから守っているだけ。その事を承知してほしい。我々が優先するのはそこだけだ。その関わりで、条約なり何なりを結ぶなら受けるが、我らに益はない。そこは理解できるね」
おおう。以外と容赦ないな。
まあ、地球人として、俺が転生をしたから手を出してきた。
技術的にも、恩恵はないし、その他も…… 必要ないな。
さっきから、地球側の俺に対する視線が痛い。
こいつ一体何者だ。感がすごい。
羽の数とか説明しても、面倒だし。
そんなことを言っていると、賢者の話は続く。
「だから、できないとは思うが、ミー=キャエルやその周囲の者に何かをするなら、強制的に我らは、ミー=キャエル達を連れ帰る。むろんすべての設備ごとね。ああ、多少の生物は保護をするかも知れない。ああコレだね、そちらの伝承にある箱船のようなことはしてあげよう」
うん。地球側が、あっけにとられている。
一方的な上から目線の通達。
まああの人達に対して、命令できる者は存在しないから、そうなるのか。
「すると、会談と伺ったのですが、通達であると」
「当然です。差を理解しなさい。同じ事を、そうそうイギリスやフランス、アメリカあなたたちの先祖がやったでしょう。それと同じ。我々は手を差し伸べただけ。ですが目的は、我々の指導者となるミー=キャエルの保護。それだけです」
「はっ?」
思わず声が出た。指導者?
いや確かに羽は増えたけれど、それだけだ。
「指導者?」
「ミー=キャエル。それは当然であり必然なのです。この事は予言もされていた。宇宙に危機があるとき、我らの元に指導者が生まれるとね。それがお前だよ」
「はいっ?」
「精進をしな。さて、言いたいことはそれだけだ。では地球の諸君。その辺りを踏まえて結論を出しなさい」
言いたいことだけ言って、切りやがった。
どうすんだよ。この空気。
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