1 / 36
世界の変化
第1話 ある日、何かが降ってきた
しおりを挟む
「当主。面会のお時間です」
「そうか。モーリッツ=フォルトナー君。キミにすべて任せる。良きに計らえ」
そう伝えると、モーリッツ。使徒ネームはペテロが、呆れた顔をする。
「相手はアメリカ大統領です。就任のご挨拶ですから、受けてください」
「―― やだよ」
そう言って、再びベッドに転がる。
「だめです。先日のイギリス大使には、お会いをしたのに」
「あれは、大使の奥さんが、手作りのプディングを持って来ていてさ。興味を持った小雪が、会ってと言ったからだよ。アメリカって、あそこのお菓子は、一度食ったからもう良いよ。甘すぎ」
「そんな事で、相手を選ばないでくださいよぉ。ここは、世界で一番重要な教団。あなたは、そのトップなんですから」
「―― モーリッツ君。私が日々言っているだろう。人を身分や性別で差別してはいけないと。同じ神の子なのだよ。僕が会っても君があっても同じ、もし彼、大統領が嫌そうな顔をすれば、キミが真理へと導いてあげなさい。判ったね」
「ええ、でしたら。等しく、あなた様がお会いすれば良いのでは?」
「人は等しいが、価値は違う」
「えっ。それは、差別では?」
「若いねキミも。これは区別だよ」
「ホントは?」
「面倒。任せた。キミをナンバーツーに任命しよう」
「いえ、前からその立場ですが」
「―― 気のせいじゃないか?」
「いえ…… えっ? えっ?」
そう。五年前に瀬戸内海に創った人工島。
そう言っても、昔誰かが海を割ったのに、対抗したわけではないが、力で隆起をさせたナチュラルな島だ。SDGsだな。
島民は、ほぼ教団関係者。
使徒十二人。それと家族。出入り業者。
ここは日本だが、国際的な取り決めで日本ではない。
教団の名は、『導きと救済の聖会』と言って、実にうさんくさい。
代表の俺が言うのだから、間違いない。
俺の使徒ネームは、ヨハネ。
―― 伝説の始まり。
「なんだこれは? 警告を出せ」
アメリカの、有名な機関が大騒ぎをする。
ある日見つかった、何か。
銀河の中心方向から、光を遮る何かがやって来た。
地球からは光を遮る何かが前にあるため、見ることができなかったが、そのすぐ後ろから、光り輝く何かも来ていた。
それまでに、生命のあふれる星がなかったのか、やがて、それは地球を見つけた。
ぶるっと全体が振動し、加速を始める。
そしてそれは、燃えることなく。大気圏内へと降ってきた。
その後を追いかけ、光る何かも。
翌日。
世界には、なにも異変はなく。
俺はいつもの様に、派遣先に向かう。
二十六歳独身のホモサピエンス。オス。
身長百七十二センチと、少しだけ恵まれた体。
だが、それ以外は駄目だ。
三人以上、人が集まれば埋もれてしまう容姿。
そして家族。親父の趣味である、競輪競馬パチンコで、稼ぐ金のほとんどを捨ててきて、母親は、バーゲンと名がつけば、三十キロの遠方へも走って行く。
むろん、ガキの頃から、家に金は無く、大学を諦め就職。
何とか入れた、地元の工場勤務。
だが、偉そうな上司とそりが合わず、三ヶ月でやめた。
そこから、次を探したが、あるわけもなく。
派遣へと登録。
たまたま通ったところが、居心地が良かったのだが、五年後、正社員として雇うために、派遣元に払う手数料が折り合わず。見送られたようだ。
それから、いくつかを回り今の歳。
絶えずやって来る、親からの無心。
いい加減うんざりだ。
通勤途中、視線の向こう。
煌めく何かが、空から真っ直ぐ向かってくる。
人間驚くと、足が動かなくなるんだぜ。
「秋晴れの、空に輝く、光る球。直撃避けず、目をつぶるなり。れーめん」
山上直樹、心の俳句。
「あっ。俳句じゃ無く短歌だ」
そんな事を言っていると、衝撃があるわけでもなく、体の中に何かが入ってきた。
そっと目を開ける。
「生きているな。あっ、やべ遅刻だ」
一瞬だけ手を見て、さらに体を確認をして、異常が無いことが判り、渋々仕事に向かう。
そして、世の中では、その日からじわじわと変化が起きていた。
中古物件の家が、内見に来た客の命を喰らい、ゾンビを吐き出したり。
車に乗ると、黒い影がすでに乗っていて、勝手に走り出したり。
どこかでは、バッファローたちが、すべてを破壊する暴走をしたり。
コンビニの、入り口の曲がずっと鳴っていたり。
押しボタン信号が、すぐ赤になったり……
そう、静かに世界は変わった。
「山上君。君ねえ。皆八時前から来ているんだ。今何時だと思っている」
「八時五十五分。僕の始業時間は九時なので、五分前ですよね」
「君はそれで良いかもしれないが、皆はすでに仕事をしているんだ。悪いと思わんのかね。ほら、他のパートさん達も来ているだろう」
この嫌みは、日課となっている。
八時から、朝礼があるらしく、それに出席をしないのが気に食わないらしい。
ちなみに朝礼では、軽く体操をする程度。
時間外勤務をさせるための、こじつけとしか思えない。
「――思いませんね。そう思うなら、正社員として雇ってください」
いつもながらの、あーいえばこう言う奴だなと言うのが、顔にありありと浮かんでいる。
「ちっ。報告をするからな」
一応現場の上司が、そう言い残して目の前から離れる。
「けっ、机の角に、小指でもぶつけっちまえ」
そうぼやきながら、椅子へ座ると、「ぎゃあ」と悲鳴が聞こえる。
「大丈夫ですか?」
「机の脚に小指をぶつけた。畜生」
「はっ?」
偶然だよな。
すこし考えて、試す。
「濡れろ」
見回しても、会社の事務フロア。水気は全くないが。
だけど、それは起こった。
いきなり石膏ボードが崩落をして、天井の上。配管でも壊れたのか水が降ってきた。
すぐに、ブレーカーが落ちて電気が消える。
PCとかの電気製品が水をかぶり、ショートをしたのだろう。
そして何より。おれの思った通りとなり、奴はずぶ濡れだ。
「ははっ」
つい、笑いが出た。
なんだこれ。一体いつから?
ああ、何時という事は無い。きっと今朝だよな。
あの光。
この力は、超能力だ。
これは良い。スプーンを曲げて、動画サイトにアップしよう。
アフェで稼げる。
そんな夢をつい見る。
「ねえ、小雪ちゃん」
「はい。何でしょうか?」
横で呆然としている彼女。彼女は同期だが正社員。
身長一五七センチくらいで、見立てではトップバスト八四センチのCくらいだろう。
標準的な彼女。
「ほっぺ。ちょっと、つねって」
自分のほっぺを、指さして彼女に頼む。
この時、小雪は驚いていた。
山上さん、今日は何か違う。
どうしたんだろう。胸のドキドキが止まらない。
「えっ、はい」
嫌がられるかと思ったが、素直な彼女。従ってくれた。
気持ち悪いとか思っているのかな? でも、ためらいとか無さそうだし。
『そうよねぇ。私だって夢かと思うもの、この現状ビックリですよね。だけど、ちょっと感謝。山上さんのほっぺ。気持ちいいかも』
彼女の気持ちが流れ込み、同時にぐにぐにされるほっぺ。
「あっ、ありがとう。これって夢じゃないんだね」
彼女の気持ちに合わせるように、答える。
「そうですね」
表向きは素っ気ないが、心の声は聞こえる。
『やっぱり、皆思いますよね。あーもう少し、ほっぺ触りたかった。夕食とか誘ったら、断られるかなぁ。派遣だとお給料厳しいから、私が誘う? でも正社員だから、頭に乗っているとか思われたらやだなぁ』
いやあ、誘ってくれれば良いのに。
そう思うが、一方通行なのか、届かないようだ。
意識のせいかと思ったが、怖くて確かめられなかった。
我ながらヘタレだ。
「反吐が出る」
しまった声に出た。
「えっ、気持ち悪いんですか? トイレに行きます?」
「あっ。ああ」
『えっ。さっきの。私、声に出していたの? 嫌われた? どうしよう』
「違う。――あっ」
「えっ?」
見つめ合う。目と目。
「そうか。モーリッツ=フォルトナー君。キミにすべて任せる。良きに計らえ」
そう伝えると、モーリッツ。使徒ネームはペテロが、呆れた顔をする。
「相手はアメリカ大統領です。就任のご挨拶ですから、受けてください」
「―― やだよ」
そう言って、再びベッドに転がる。
「だめです。先日のイギリス大使には、お会いをしたのに」
「あれは、大使の奥さんが、手作りのプディングを持って来ていてさ。興味を持った小雪が、会ってと言ったからだよ。アメリカって、あそこのお菓子は、一度食ったからもう良いよ。甘すぎ」
「そんな事で、相手を選ばないでくださいよぉ。ここは、世界で一番重要な教団。あなたは、そのトップなんですから」
「―― モーリッツ君。私が日々言っているだろう。人を身分や性別で差別してはいけないと。同じ神の子なのだよ。僕が会っても君があっても同じ、もし彼、大統領が嫌そうな顔をすれば、キミが真理へと導いてあげなさい。判ったね」
「ええ、でしたら。等しく、あなた様がお会いすれば良いのでは?」
「人は等しいが、価値は違う」
「えっ。それは、差別では?」
「若いねキミも。これは区別だよ」
「ホントは?」
「面倒。任せた。キミをナンバーツーに任命しよう」
「いえ、前からその立場ですが」
「―― 気のせいじゃないか?」
「いえ…… えっ? えっ?」
そう。五年前に瀬戸内海に創った人工島。
そう言っても、昔誰かが海を割ったのに、対抗したわけではないが、力で隆起をさせたナチュラルな島だ。SDGsだな。
島民は、ほぼ教団関係者。
使徒十二人。それと家族。出入り業者。
ここは日本だが、国際的な取り決めで日本ではない。
教団の名は、『導きと救済の聖会』と言って、実にうさんくさい。
代表の俺が言うのだから、間違いない。
俺の使徒ネームは、ヨハネ。
―― 伝説の始まり。
「なんだこれは? 警告を出せ」
アメリカの、有名な機関が大騒ぎをする。
ある日見つかった、何か。
銀河の中心方向から、光を遮る何かがやって来た。
地球からは光を遮る何かが前にあるため、見ることができなかったが、そのすぐ後ろから、光り輝く何かも来ていた。
それまでに、生命のあふれる星がなかったのか、やがて、それは地球を見つけた。
ぶるっと全体が振動し、加速を始める。
そしてそれは、燃えることなく。大気圏内へと降ってきた。
その後を追いかけ、光る何かも。
翌日。
世界には、なにも異変はなく。
俺はいつもの様に、派遣先に向かう。
二十六歳独身のホモサピエンス。オス。
身長百七十二センチと、少しだけ恵まれた体。
だが、それ以外は駄目だ。
三人以上、人が集まれば埋もれてしまう容姿。
そして家族。親父の趣味である、競輪競馬パチンコで、稼ぐ金のほとんどを捨ててきて、母親は、バーゲンと名がつけば、三十キロの遠方へも走って行く。
むろん、ガキの頃から、家に金は無く、大学を諦め就職。
何とか入れた、地元の工場勤務。
だが、偉そうな上司とそりが合わず、三ヶ月でやめた。
そこから、次を探したが、あるわけもなく。
派遣へと登録。
たまたま通ったところが、居心地が良かったのだが、五年後、正社員として雇うために、派遣元に払う手数料が折り合わず。見送られたようだ。
それから、いくつかを回り今の歳。
絶えずやって来る、親からの無心。
いい加減うんざりだ。
通勤途中、視線の向こう。
煌めく何かが、空から真っ直ぐ向かってくる。
人間驚くと、足が動かなくなるんだぜ。
「秋晴れの、空に輝く、光る球。直撃避けず、目をつぶるなり。れーめん」
山上直樹、心の俳句。
「あっ。俳句じゃ無く短歌だ」
そんな事を言っていると、衝撃があるわけでもなく、体の中に何かが入ってきた。
そっと目を開ける。
「生きているな。あっ、やべ遅刻だ」
一瞬だけ手を見て、さらに体を確認をして、異常が無いことが判り、渋々仕事に向かう。
そして、世の中では、その日からじわじわと変化が起きていた。
中古物件の家が、内見に来た客の命を喰らい、ゾンビを吐き出したり。
車に乗ると、黒い影がすでに乗っていて、勝手に走り出したり。
どこかでは、バッファローたちが、すべてを破壊する暴走をしたり。
コンビニの、入り口の曲がずっと鳴っていたり。
押しボタン信号が、すぐ赤になったり……
そう、静かに世界は変わった。
「山上君。君ねえ。皆八時前から来ているんだ。今何時だと思っている」
「八時五十五分。僕の始業時間は九時なので、五分前ですよね」
「君はそれで良いかもしれないが、皆はすでに仕事をしているんだ。悪いと思わんのかね。ほら、他のパートさん達も来ているだろう」
この嫌みは、日課となっている。
八時から、朝礼があるらしく、それに出席をしないのが気に食わないらしい。
ちなみに朝礼では、軽く体操をする程度。
時間外勤務をさせるための、こじつけとしか思えない。
「――思いませんね。そう思うなら、正社員として雇ってください」
いつもながらの、あーいえばこう言う奴だなと言うのが、顔にありありと浮かんでいる。
「ちっ。報告をするからな」
一応現場の上司が、そう言い残して目の前から離れる。
「けっ、机の角に、小指でもぶつけっちまえ」
そうぼやきながら、椅子へ座ると、「ぎゃあ」と悲鳴が聞こえる。
「大丈夫ですか?」
「机の脚に小指をぶつけた。畜生」
「はっ?」
偶然だよな。
すこし考えて、試す。
「濡れろ」
見回しても、会社の事務フロア。水気は全くないが。
だけど、それは起こった。
いきなり石膏ボードが崩落をして、天井の上。配管でも壊れたのか水が降ってきた。
すぐに、ブレーカーが落ちて電気が消える。
PCとかの電気製品が水をかぶり、ショートをしたのだろう。
そして何より。おれの思った通りとなり、奴はずぶ濡れだ。
「ははっ」
つい、笑いが出た。
なんだこれ。一体いつから?
ああ、何時という事は無い。きっと今朝だよな。
あの光。
この力は、超能力だ。
これは良い。スプーンを曲げて、動画サイトにアップしよう。
アフェで稼げる。
そんな夢をつい見る。
「ねえ、小雪ちゃん」
「はい。何でしょうか?」
横で呆然としている彼女。彼女は同期だが正社員。
身長一五七センチくらいで、見立てではトップバスト八四センチのCくらいだろう。
標準的な彼女。
「ほっぺ。ちょっと、つねって」
自分のほっぺを、指さして彼女に頼む。
この時、小雪は驚いていた。
山上さん、今日は何か違う。
どうしたんだろう。胸のドキドキが止まらない。
「えっ、はい」
嫌がられるかと思ったが、素直な彼女。従ってくれた。
気持ち悪いとか思っているのかな? でも、ためらいとか無さそうだし。
『そうよねぇ。私だって夢かと思うもの、この現状ビックリですよね。だけど、ちょっと感謝。山上さんのほっぺ。気持ちいいかも』
彼女の気持ちが流れ込み、同時にぐにぐにされるほっぺ。
「あっ、ありがとう。これって夢じゃないんだね」
彼女の気持ちに合わせるように、答える。
「そうですね」
表向きは素っ気ないが、心の声は聞こえる。
『やっぱり、皆思いますよね。あーもう少し、ほっぺ触りたかった。夕食とか誘ったら、断られるかなぁ。派遣だとお給料厳しいから、私が誘う? でも正社員だから、頭に乗っているとか思われたらやだなぁ』
いやあ、誘ってくれれば良いのに。
そう思うが、一方通行なのか、届かないようだ。
意識のせいかと思ったが、怖くて確かめられなかった。
我ながらヘタレだ。
「反吐が出る」
しまった声に出た。
「えっ、気持ち悪いんですか? トイレに行きます?」
「あっ。ああ」
『えっ。さっきの。私、声に出していたの? 嫌われた? どうしよう』
「違う。――あっ」
「えっ?」
見つめ合う。目と目。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています
浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】
ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!?
激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。
目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。
もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。
セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。
戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。
けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。
「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの?
これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、
ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。
※小説家になろうにも掲載中です。
幼女はリペア(修復魔法)で無双……しない
しろこねこ
ファンタジー
田舎の小さな村・セデル村に生まれた貧乏貴族のリナ5歳はある日魔法にめざめる。それは貧乏村にとって最強の魔法、リペア、修復の魔法だった。ちょっと説明がつかないでたらめチートな魔法でリナは覇王を目指……さない。だって平凡が1番だもん。騙され上手な父ヘンリーと脳筋な兄カイル、スーパー執事のゴフじいさんと乙女なおかんマール婆さんとの平和で凹凸な日々の話。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
【完結】異世界で魔道具チートでのんびり商売生活
シマセイ
ファンタジー
大学生・誠也は工事現場の穴に落ちて異世界へ。 物体に魔力を付与できるチートスキルを見つけ、 能力を隠しつつ魔道具を作って商業ギルドで商売開始。 のんびりスローライフを目指す毎日が幕を開ける!
死んだはずの貴族、内政スキルでひっくり返す〜辺境村から始める復讐譚〜
のらねこ吟醸
ファンタジー
帝国の粛清で家族を失い、“死んだことにされた”名門貴族の青年は、
偽りの名を与えられ、最果ての辺境村へと送り込まれた。
水も農具も未来もない、限界集落で彼が手にしたのは――
古代遺跡の力と、“俺にだけ見える内政スキル”。
村を立て直し、仲間と絆を築きながら、
やがて帝国の陰謀に迫り、家を滅ぼした仇と対峙する。
辺境から始まる、ちょっぴりほのぼの(?)な村興しと、
静かに進む策略と復讐の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる