4 / 45
感染と拡大
第4話 初めてのデート?
しおりを挟む
「お疲れ様です。補習は終わったの。ですか?」
そう聞かれて、二人とも、妙な敬語にほのぼのし、補習という単語に、逆ベクトルのクリティカルを貰う。
「あっああ。何とかね。そっちは、練習終わったの?」
「はい。今日もハードで。足ガクガクです」
「器械体操ってすごいよね。うん? 首筋、白い」
「えっ。洗ったのに。まだ、タンマがついてます?」
そう言って彼女は、ハンカチで顎下を拭う。
「タンマ?」
「炭酸マグネシウム。滑り止めの粉です。先輩はマメが剥げたときに、止血剤だって塗(まぶ)していましたけど」
「止血? 効くの?」
「すんごい。しみます」
そういう彼女の手が、すごく気になる。
つい彼女から許可も取らず、手首を握り、手のひらを見る。
ごついマメが幾度も剥げたのだろう、手のひら全体が堅い。
手のひらを、ついスリスリしていると、声がかかる。
「あーすいません。汚いですよね。恥ずかしいので、あまり見ないでください」
「あっごめん」
思わず見つめ合ってしまう。
「くみが、ラブコメしてる」
横で、ぼそっと声が聞こえる。
その声の主が、お礼を言ってくる。
「すみません。先日はありがとうございました」
「いや。先日もお礼は言ってもらったし。いいよ」
「いえ。これも何かの縁です。これからどこか行きませんか?」
おっとなんだか、食い気味に来るな。
明智の目が、すごく悲しそうだが。
「補習も終わったし。カラオケでも行こうかって。明智と言っていたのだけど」
「「行きます」」
そして、俺はなぜか、両手に花の状態で、歩き始める。
そして、なぜかフリータイムで入室して、ドリンクオーダーをする。
「ポテトとかも注文して良いですか?」
「ああ良いよ」
そう言って、彼女たちにスマホを渡す。
わーと言う感じで、スマホから注文し始める。
ここのシステムは、入店時にスマホのアプリで入店し、部屋と紐付けられる。
つまり、俺のスマホからじゃないと、注文が出来ない。
明智は、黙々とセットアップをしている。
「斉藤。ログイン。カードは?」
「ほいよ」
IC月のカードを渡すと、すぐにピローンと音がして、カードが返ってくる。
「最近アバターが、標準しか無くなってつまらんな」
「そうだな。課題曲も無くなったし」
「そうなんだよ。まず何を歌うかで悩むよな」
「先輩達。いつもこっちの機種なんですか?」
「大体そうだな。こっちの方が、下手くそには優しい気がして」
「向こうは、六〇点台が平気で出るものな。くじけるんだよ」
「へー」
「2人は普段、別機種なんだ」
「どうしても、テレビの影響で。ねぇ」
そう言いながら、ポチポチと登録をしている。
7月7日に9月11日?
「覚えました?」
見ていたのを、気づかれていたのか。
「二人とも、覚えやすいと言えば、覚えやすいね」
「でしょ」
「斉藤先輩は、何月生まれですか?」
「11月25日 射手座だよ」
そうなんですね。
「あっ俺は、12月29日」
明智があわてて宣言。
それを聞いて、くみちゃん。
「お誕生日。学校休みですね」
さらに、それを聞いて。
「ああ。そうだな。残念だな先輩」
花蓮ちゃんが、嬉しそうに言う。
「登録できた? じゃあ、1番行きます」
素早く曲を入れる。
『私の歌をきけぇ』
と、叫んで、花蓮が歌い始める。
上手だな。歌い込んでいる感がすごいし、さすが運動選手。肺活量がすごいのか。
かなり感動してしまった。
選曲が、すごい。方やアニソン。
方や、別れとか、死んだとか。思い出とかに関連する曲ばかり。
いま、明智がなぜか俺に向かって『うらみます』を歌っているから、『ファイト』でも歌ってやろうか?
それとも、明智に合わせて、山崎ハコさんの『きょうだい心中』とか、『呪い』。いややめよう。昔ネタ扱いで歌ったら、思いっきり引かれた記憶が。
歌えばそのまま、『僕たちの失敗』まで歌うことになる。
親の趣味で、家にはこの手のレコードが大量にある。
小さな頃は、ひたすらそんなジャンルの曲を聞いていたので、同年代とは、全く話が合わなかった。
大昔。保育園のママさんグループで、カラオケに行っても、同じ園の奴らが、アニメの主題歌を歌っている横で、『精霊流し』を歌う幼稚園児。どうだ。すごいだろう。あの声とリズムが、気持ちよかったのだよ。
考え込んでいると呼ばれる。
「斉藤先輩」
振り向くと、ポテトが口へ突っ込まれた。
「食べないと、冷めますよ」
気がつけば、ポテトや、ピザが来ていた。
「ひょっとして二人。おなかが空いていたのか?」
「いやまあ。ちょっと。練習をすると結構ハードで」
「来るときに言ってくれれば、ファミレスかどこかに寄ったのに」
「良いんです。ダイエットになるし」
「そうなの? そんなに、気にするような感じじゃなかったけど」
言ってから、しまったと思った。
特に、花蓮ちゃんは無茶苦茶真っ赤だ。
「あーごめんね。思い出させちゃったかな」
反射的にそう言うと、二人の声がそろう。
「「先輩。見た責任取ってください」」
「「えっ」」
くみちゃんと、花蓮ちゃん。声がかぶる。
「くみ。あんたは、見られてないでしょう」
「いや。あの時スカートめくられていたし。見ましたよね先輩」
「いや。残念だが。見ていない」
すると、くみちゃん。思いっきりガーンという顔になる。
そして、おもむろに立ち上がり、俺の前で思いっきり、自分のスカートをめくる。
「見ましたよね」
「いや、さすがに見たけど」
なんだこの状況。
ちなみに、今のは位置的に、明智は見られない。
見せた本人は、むふーという感じで。ひどく満足そうだ。
足の付け根にあったのは、段違い平行棒の痣だろうか。
本人は満足そうだが、他三人は当然ちょっと引いた。
そう聞かれて、二人とも、妙な敬語にほのぼのし、補習という単語に、逆ベクトルのクリティカルを貰う。
「あっああ。何とかね。そっちは、練習終わったの?」
「はい。今日もハードで。足ガクガクです」
「器械体操ってすごいよね。うん? 首筋、白い」
「えっ。洗ったのに。まだ、タンマがついてます?」
そう言って彼女は、ハンカチで顎下を拭う。
「タンマ?」
「炭酸マグネシウム。滑り止めの粉です。先輩はマメが剥げたときに、止血剤だって塗(まぶ)していましたけど」
「止血? 効くの?」
「すんごい。しみます」
そういう彼女の手が、すごく気になる。
つい彼女から許可も取らず、手首を握り、手のひらを見る。
ごついマメが幾度も剥げたのだろう、手のひら全体が堅い。
手のひらを、ついスリスリしていると、声がかかる。
「あーすいません。汚いですよね。恥ずかしいので、あまり見ないでください」
「あっごめん」
思わず見つめ合ってしまう。
「くみが、ラブコメしてる」
横で、ぼそっと声が聞こえる。
その声の主が、お礼を言ってくる。
「すみません。先日はありがとうございました」
「いや。先日もお礼は言ってもらったし。いいよ」
「いえ。これも何かの縁です。これからどこか行きませんか?」
おっとなんだか、食い気味に来るな。
明智の目が、すごく悲しそうだが。
「補習も終わったし。カラオケでも行こうかって。明智と言っていたのだけど」
「「行きます」」
そして、俺はなぜか、両手に花の状態で、歩き始める。
そして、なぜかフリータイムで入室して、ドリンクオーダーをする。
「ポテトとかも注文して良いですか?」
「ああ良いよ」
そう言って、彼女たちにスマホを渡す。
わーと言う感じで、スマホから注文し始める。
ここのシステムは、入店時にスマホのアプリで入店し、部屋と紐付けられる。
つまり、俺のスマホからじゃないと、注文が出来ない。
明智は、黙々とセットアップをしている。
「斉藤。ログイン。カードは?」
「ほいよ」
IC月のカードを渡すと、すぐにピローンと音がして、カードが返ってくる。
「最近アバターが、標準しか無くなってつまらんな」
「そうだな。課題曲も無くなったし」
「そうなんだよ。まず何を歌うかで悩むよな」
「先輩達。いつもこっちの機種なんですか?」
「大体そうだな。こっちの方が、下手くそには優しい気がして」
「向こうは、六〇点台が平気で出るものな。くじけるんだよ」
「へー」
「2人は普段、別機種なんだ」
「どうしても、テレビの影響で。ねぇ」
そう言いながら、ポチポチと登録をしている。
7月7日に9月11日?
「覚えました?」
見ていたのを、気づかれていたのか。
「二人とも、覚えやすいと言えば、覚えやすいね」
「でしょ」
「斉藤先輩は、何月生まれですか?」
「11月25日 射手座だよ」
そうなんですね。
「あっ俺は、12月29日」
明智があわてて宣言。
それを聞いて、くみちゃん。
「お誕生日。学校休みですね」
さらに、それを聞いて。
「ああ。そうだな。残念だな先輩」
花蓮ちゃんが、嬉しそうに言う。
「登録できた? じゃあ、1番行きます」
素早く曲を入れる。
『私の歌をきけぇ』
と、叫んで、花蓮が歌い始める。
上手だな。歌い込んでいる感がすごいし、さすが運動選手。肺活量がすごいのか。
かなり感動してしまった。
選曲が、すごい。方やアニソン。
方や、別れとか、死んだとか。思い出とかに関連する曲ばかり。
いま、明智がなぜか俺に向かって『うらみます』を歌っているから、『ファイト』でも歌ってやろうか?
それとも、明智に合わせて、山崎ハコさんの『きょうだい心中』とか、『呪い』。いややめよう。昔ネタ扱いで歌ったら、思いっきり引かれた記憶が。
歌えばそのまま、『僕たちの失敗』まで歌うことになる。
親の趣味で、家にはこの手のレコードが大量にある。
小さな頃は、ひたすらそんなジャンルの曲を聞いていたので、同年代とは、全く話が合わなかった。
大昔。保育園のママさんグループで、カラオケに行っても、同じ園の奴らが、アニメの主題歌を歌っている横で、『精霊流し』を歌う幼稚園児。どうだ。すごいだろう。あの声とリズムが、気持ちよかったのだよ。
考え込んでいると呼ばれる。
「斉藤先輩」
振り向くと、ポテトが口へ突っ込まれた。
「食べないと、冷めますよ」
気がつけば、ポテトや、ピザが来ていた。
「ひょっとして二人。おなかが空いていたのか?」
「いやまあ。ちょっと。練習をすると結構ハードで」
「来るときに言ってくれれば、ファミレスかどこかに寄ったのに」
「良いんです。ダイエットになるし」
「そうなの? そんなに、気にするような感じじゃなかったけど」
言ってから、しまったと思った。
特に、花蓮ちゃんは無茶苦茶真っ赤だ。
「あーごめんね。思い出させちゃったかな」
反射的にそう言うと、二人の声がそろう。
「「先輩。見た責任取ってください」」
「「えっ」」
くみちゃんと、花蓮ちゃん。声がかぶる。
「くみ。あんたは、見られてないでしょう」
「いや。あの時スカートめくられていたし。見ましたよね先輩」
「いや。残念だが。見ていない」
すると、くみちゃん。思いっきりガーンという顔になる。
そして、おもむろに立ち上がり、俺の前で思いっきり、自分のスカートをめくる。
「見ましたよね」
「いや、さすがに見たけど」
なんだこの状況。
ちなみに、今のは位置的に、明智は見られない。
見せた本人は、むふーという感じで。ひどく満足そうだ。
足の付け根にあったのは、段違い平行棒の痣だろうか。
本人は満足そうだが、他三人は当然ちょっと引いた。
0
あなたにおすすめの小説
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる