地球上で、密かに最強決定戦の幕が上がる。

久遠 れんり

文字の大きさ
32 / 45
第二章 チーム戦?

第32話 暴露は一気に

しおりを挟む
 山崎さんは、ふと何かに気がついたようだ。
 嬉しそうに俺に向かって、問いかけてくる。
「ああ。そうか。と、言うことはだ。君は、彼の能力のことも知っていると言うことだね」
 あっやべ。

「はい? 何のことでしょう?」
「いけないねえ。さっき自分で言ったことだよ。ライスだけで我慢をするかね」
「あーまあ。知っています」

 みんな。知っているかい。
 手の平は返すためにあるんだよ。
 だー畜生。肉がちらついて、思考回路がヤバイ。
 ファミレスなら、絶対こんなミスはしない。絶対にだ。
 
 他の皆は、嬉しそうに育て上げ美味しそうに食っている。
 ああ。くみそんな大口をあげて。

 そっと肉を持ち上げる。
 山崎さんは嬉しそうな目で見ているが、目は笑っていない。
 だが食う。

 うまー。とろける。濃厚なうまみ。
 
 箸を出そうとすると、また手が出てくる。
 能力を出せば、きっと動きは見えないだろう。だがしかし。

「あいつは、能力。つまり、光で人を操り。人を食らう殺人鬼ですよ。あんた達も、絡むなら殺されないようにね」
 そう言って、動きが止まったから、箸を進める。

 はぐっと食う。
 うんまあぁ。某アニメなら、服がはだける所だ。味が濃いな。

 視線を戻すと、一瞬の間に焼けていた肉がエリンギに代わっていた。
 誰だ? 思わず力があふれ出す。

 周り皆の動きが止まる。
「ごめん。そんなに怒らなくても良いじゃない。ちょっと焦げていたから変えただけよ」
 そう言って、くみが、あーんをする俺の口に、肉を入れてくる。



 そんなバカップルの目の前。そこで、山崎は焦っていた。
 彼の背中は、冷や汗が、きっと玉のように、吹き出している事だろう。
 一瞬。ほんの一瞬。目の前の何かは、正体を現した。
 女の子により、肉が口に入れられた瞬間。霧散したが、肉がエリンギに代わっていた瞬間。この部屋の空気は冷たく、そして、呼吸をするのが難しいほど濃密な何かに代わった。

 反射的に、体は硬直し。自身で生を諦めた。
 見えてはいない。
 それは絶対。

 でも何かが居て、それを感じ。からだが生きるのを放棄した。

 その現象は、当然他の特別対策室のメンバーも受けた。
 今弛緩し、一生懸命息を始めたところだ。

 さて問題は、杏果だ。
 実は長く一緒にいて、無意識下で総から仲間認定を受けている。
 身体接触からの浸食が無いため、影響下にはないが攻撃もされない。
 今彼女が、ナイフでも使い刺せば、総に何の問題も無く刺せる。アキレスのかかと的存在となっていた。


 総が、次の一人前を食べ始めた頃。山崎は再起動をする。
「きっ、きみ。さっき何かしたかね?」
「へっ。いえ別に」
「そうか。それで、あいつとは、どういう知り合いなんだ?」
「知り合いというか、知っているだけ。一度襲われて逃げた感じですね」
「逃げた? 光から逃げられるのかね」
「あれ光というか、光っている粒の集合体みたいな感じなんで、倒せば逃げられます。特性的には光ですけれど」
「そうなのか」
 そこまで言って、山崎は緊張をする。

 先ほどの力? いや恐怖。それを思い出さずにいられない。
「あーいや。それで。ズバリ聞くが、君を含めて、能力者は多いのかね」
「へっ。そこから?」
 そう言うと見回し、頭を抱える。

「あんた達、何千万給料貰っているのか、知らないけれど。今のままならコロッと行方不明になるよ」
「公務員だ。何千万などもらえるのは、ずっと上だけだ」
 黙っていた、室長の長瀬さんが言い放つ。

「じゃあ仕事から、離れるか。誰かに攻撃を加えて殺すことだ。そうすれば力を得ることが出来る」

 それを聞いて、特別対策室のメンバーがザワつく。

「じゃあ君は、人を殺したのか?」
「いいや。目の前に自殺者が降ってきた。体にきっとちょっとでも触れたんだろう」
「のっ、能力は何だ?」
 室長の長瀬さんが、食い入るように聞いてくる。
「それはさすがに、言えないよ。能力を知られると、命取りだもの」
「そうか。では他の種類は?」

 そう聞かれて、ちょっと悩む。
 だが、答えることに決める。
「多くは、虫の持つ力。たまに動物が持つ力。そして、物理現象なのかな。多分。良し。この情報は特上クラスと判断する。くみ、花蓮。タブレットはどこだ?」
 すると、花蓮が隠し持ったタブレットを出してくる。

 手元に来るまでに、いくつか注文が増える。
 さらに追加。

 いま、状況は彼らに知られていない。
 さっき言った情報を、何かで照らし合わせているようだ。

「確かに、なんとなくだが、毒物や麻痺剤。入手経路を探したが、能力だったのか」
「あっ。ひょっとして、巨大な蜘蛛の巣。あれもか」
 ザワザワと、話が広がっていく。

 そんな中。今まで一言もしゃべっていなかった奏が、頬を赤くしながら情報を垂れ流す。
「あっ私。もしかして。主様と同じ物理系かしら?」
 そんなことを言う。

 そんなことを言えば、花蓮とくみが黙っていない。
「「あんたは、どっちつかずのコウモリよ」」
 そう言われて、衝撃を受けたのだろう。
 口を開け、ガーンとなる。

 その言葉。やり取りを聞いて、衝撃を受けたのは、特別対策室のメンバー。
 再び場が固まる。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

俺様上司に今宵も激しく求められる。

美凪ましろ
恋愛
 鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。  蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。  ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。 「おまえの顔、えっろい」  神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。  ――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。

性別交換ノート

廣瀬純七
ファンタジー
性別を交換できるノートを手に入れた高校生の山本渚の物語

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

愛しているなら拘束してほしい

守 秀斗
恋愛
会社員の美夜本理奈子(24才)。ある日、仕事が終わって会社の玄関まで行くと大雨が降っている。びしょ濡れになるのが嫌なので、地下の狭い通路を使って、隣の駅ビルまで行くことにした。すると、途中の部屋でいかがわしい行為をしている二人の男女を見てしまうのだが……。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

処理中です...