地球上で、密かに最強決定戦の幕が上がる。

久遠 れんり

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第二章 チーム戦?

第33話 山崎さん能力を得る

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「君も、能力者なのかい?」
 奏に向かって、山崎さんが問いかける。
 無論奏は、今更という顔だが。

「当然です。力無き者は、これから先の世界では必要ありません。最初に力を受けたときに、神からの啓示を受けました。弱き者を滅ぼせと」
 それを聞いて、俺たちも驚く。

「おい、奏。何だそれ、俺は聞いていないぞ」
「「私たちも」」
 皆が反応する中、オロオロする特別対策室のメンバー。
 落ち着いているのは杏果のみ。ひたすら肉を焼いている。
 三枚に一枚くらいは、俺の取り皿へ入れてくれる。ありがたい子だ。
 姉ちゃんは見習うべきだ。うん。

 一応、反射的に聞いていないと、奏に問うたが。
「問題ないか。まあ良い」
 自己完結をすると、花蓮とくみも。
「そういえば、そうね」
 そう言って作業に戻り、黙々と肉を焼く。

 周囲のザワザワが大きくなる。
 どこかで、世紀の大勝負でもやっているのか?

「君達。全員なのか?」
「いや違うよ」
 俺がそう言うと、山崎さんが安堵する。
「杏果は違うな」
 そう言うと、顔が上がり、何の話という顔になる。

「何か力を使えるか?」
 基本何か力があれば、感じることが出来る。
 隠蔽まで出来るのは、大分上級だからな。

 赤い顔をして、うつむくと。ふっと顔を上げる。
「お兄ちゃん。好きです」
 何故か告白をしてきた。
 何故この場で。

「くっ。クリティカルなダメージがもろに」
 胸を押さえ、思わず倒れ込む。
「何を言っているの杏果」「「何を言っているのあんた」」
 最初の声は、花蓮。後のはくみと奏。

「だって。一緒にいると、美味しいものがいっぱい食べられるもの」
 そう言われて、また場が固まる。

「「「たしかに」」」

「じゃあ、仕方ないわね」
 花蓮が納得する。
『良いのかいぃ?』
 特別対策室のメンバーが心の中で突っ込む。

「まあ色々と、情報をありがとう」
 そろそろ、積み上がった伝票が、恐怖レベルになってきたのだろう。山崎さんが終わらそうとしきる。すると、発注用のタブレットが消える。

 次々と、注文品がやってくる。
 山崎さんと長瀬さんが呼吸できないようで、パクパクし始める。

 かわいそうだから、1つくらいならお手伝いをしますよ。
 そういうつもりだったが、何故か口から、声として出なかった。

 花蓮が反応し、解毒薬を撒き出す。
「対応できるか?」
 あっ声が出た。
「んー多分。解析は終わったし同系統」
 何奴かな、目視で発生源を視る。

 影で捕縛し、くみに伝える。眠らせろ。
 あん。久々。そんな意識がやってくる。

 ホールの兄ちゃんが一人倒れる。
「彼が今。毒を振りまきました。すでに解毒と中和を行いました」
 特別対策室のメンバーが一瞬顔を見合わせ、立ち上がる。

「これしかし、証拠がないから逮捕が出来んな。どうやって証明をするんだ」
 山崎さんが、男を一瞬掴み。離した。
「じゃあ。杏果その兄ちゃんペンペンして」
 くみ達が、えっ良いのという感じでこっちを見る。

「このくらい?」
 そう言いながら、お尻を叩く。
「もう良いよ。手をしっかり拭いてね」
 おしぼりを渡す。

 素直に手を拭き出すが、皆の目線が離れた瞬間。影に食われる。
 杏果ちゃんは、何があたるかな。


「あっ奴がいない。どこへ」
 無論。無視をして、肉を焼く。
 くみ達は、デザートに入ったか。
 宴も終わりだな。

 あれそういえば、さっき山崎さんが攻撃を加えたな。と言うことは、能力を得るという事か。
 伝えとくか。
「山崎さん。明日から熱が出るかもしれませんね」
「どうして、なにが」
 パニックを起こしているが、熱とその後。力が出れば理解もできるだろう。

 その時、長瀬は積み上がった伝票を、ぼーっと眺めていた。
 どうすればいいのだと。支払いは、カードで出来る。だがその後だ。借りた物は払わなければいけない。
 そう思いながら、見ていると、視線の先。
 倒れた男を、影が這い上がってくる。
 異様な光景。すべてを包み込んだ影は、ぺたんと潰れ、厚みがなくなる。
 今のは。男はどこに行った。

 山崎がキョロキョロと周りを見ている。
 しまった伝票を落とせばよかった。とっさにそう考える。すべては遅いか。

 やがて、始まりがあれば終わりは訪れる。

 その場は静けさを取り戻し、大量の皿達と大量の伝票。
 そして涙を流す男が一人。

 地面を気にして、見たのが最後。
 部下達は、見事な逃げ足だった。
 長瀬は、積み上がった伝票を掴むと、会計に向かう。
 そこに、杏果がやってきて、長瀬を見上げながら言葉を発する。
「おじさん。ごちそうさまでした」
 そう言って、頭をぺこんと下げる。

 その瞬間。雷に打たれたような衝撃を受ける。
「良いんだよ。お腹は張ったかい?」
 その時の長瀬は、菩薩のような顔を浮かべていた。

「はい。満腹です」
「そうかそうか。よかったよかった」
 うんうんと頷き。颯爽と会計に挑んだ。
 無論勝負は、驚異的なダメージを食らったが、何故か心は、少しだけ満たされていた。

 その後。
 山崎は、二週間ほど熱を出し見事光を纏う。

 杏果も熱が出た。だが、以外とダメージを食らわず力を得た。
 その熱は、三週間ほど続き。
 闇を纏う。
 そう、得たのは物理現象ではなく、上位の種族。その陣営の力。
 つまりこの世界にいて、上位種族へ進化をした。
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