ダンジョンのできた世界で、俺は世界を救えと望まれる。えっ、やだよ。ーその男、神の遊戯に巻き込まれて最強となるー

久遠 れんり

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繰り返された戦い。

第4話 友情

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 すでに三日一緒にいる。

 亜空間魔法や水魔法。
 生活に必要な魔法をまず教えて、使えるようになったのだが、亜空間庫に入れていた物が、肉のブロックや野菜だったため、ダメ出しをされた。
 最初は何も考えずに、身体構築のための必要元素を粉末にして入れていたのだが、流石にまずいかと思い。肉などにした。だが、それでも駄目だった様だ。人間とはかくも面倒な物だったとは…… 彼はそう言いながらも、ペットを飼い始めたときのようなうれしさと興味を、司に抱き始めていた。

 そして、ドロップ品がショボいと言われて、少し変更。
 属性やこじつけにより、景品が変わった。
「ドロップ品の価値が上がれば、きっと地上にダンジョンができても、皆が一生懸命倒すよ」
 そんな事を言われて、考える。
 その結果、フェニックスなどを倒せば、万能治療薬がドロップしたりする事にする。これが発見された時、難病が消えることになり、地上では製薬会社の株が大暴落をした。

 そう、某ゲームのデータを参考に景品…… ドロップ品を見直した。
 まず、様子見である初期のモンスターでは、薬草や、パンなど生活必需品がドロップする。
 ダンジョン内で生きられるように、神の慈悲である。
 司のためというのが大きいのだが……

 変更前の時は、モンスターを倒したら、バサッと小麦粉が地面に落ちた。

「駄目だろこれ」
 そう言われて考えたあげく、パンにして、竹筒のケースに押し込んである。
 そんな事を繰り返した結果、経済にも大きな影響を与える景品がドロップするようになった。だが所詮、無知な神と無知な小卒男子が考えた景品である。
 実際に運用開始後、こそっとバージョンアップが繰り返される事になる。まさにクソゲー仕様。

 無論、希少な貴金属や薬、武器や防具など、二人で相談をしながら、色々な所に仕込みはしている。
 設定をすると、国世禍津荒神はにんまりとする。

 苦労の末にモンスターを倒して、出てきたドロップ品。
 それを見たとき、きっと司が喜んでくれるだろうというのを、どこか期待したりしてしまう。たまに、束子などのネタ物が出てくるのはご愛敬だ。

 ダンジョンの階層ボスとして創った、マトリョーシカモンスターは不評だった。
 倒せば倒すだけ、通常とは逆で、強いモンスターがをする。
「やめろや。俺じゃなければ死ぬぞ」
 本気で怒られた。
 そう…… 苦労をして、最後の最後に、ドロップしたのは、ただのだるま型のマトリョーシカ…… 七転び八起きの意味を込めた物だったのだが、それを見た時。司のみせた顔は、壮絶な驚きとあきれ顔。あれは楽しかった。


 最初の頃は……
「ああもう。なんで鍋の蓋だけなんだよ」
「大事に持っておけば、コボルト辺りで鍋が出るかもな。それに、鍋の蓋でも盾に使えるだろ」
「確かに…… だけどさぁ」
 そんな感じだったのだが、日が経つに連れて、大分慣れがでて、二人の関係も変わったようだ。

 そして、七年が経つ頃には……

「お前は文句ばかりだな。少しはありがたいと感謝しろ。普通のことが当たり前じゃないことは、もうわかっておるだろ」
 無論モンスターの落とすドロップ品だ。

「それは神様シンが、設定を間違えたからだろ?」
 途中から、名前を呼ぼうとしたが言いにくいので、シンと呼ぶことになったようだ。

「文句があるならドロップをなくすぞ」
「それは駄目。それにしてもクラーケンを倒してスルメってなんだよ。モンスターの強さと、ドロップのバランスがおかしいだろう」
 あきれ顔で聞く。

 それを聞いて、シンはにまっと笑う。
「さっきは俺が食いたかったからだ。ほらドラゴンが来たぞ」
「これを倒したら、また串に刺さった焼き鳥だったら泣くぞ」
 この頃になると、すっかり友達状態。
 国世禍津荒神こくせまがつこうしんは、シンと呼ばれて、司とソーマで宴会をするのが楽しくてたまらなかった。

 あれは、ここで共に生活を始めて、三年くらい経った頃。
 戦闘も安定して、そんなに危なく無さそうになって来た頃。
 自分が飲みたくなって、司も巻き込んだ。

「酒? 未成年なんだけど」
「これは万能薬じゃ。人間界にも養○酒とやらがあるだろう。飲めば活力が湧き、元気に成れる」
 ここでは、シンが法律。
 まあ海外では、十六歳から飲酒できる国がある。
 だが一般的な酒と違い、ソーマは体に害など及ぼさない。
 そう、成長期のこの時に、ばかすかソーマを飲んで、司の体は異常なをしてしまった。

 その結果は、なんと言うかひどいことになってしまった。
 わかりやすいレベルで例えれば、普通の一般成人が、おおよそ百だとすれば、こいつは一万近い。そう…… 幾ら魔力で強化をしても、普通は種族的限界という物があるんだ。
 五百…… いや、強化をしても、千は絶対に超えてはいけないんだよ……
 普通なら、体が耐えられずに壊れるからな。

 途中から、三千を超えるレベルのドラゴンを、楽勝で倒す様になった。それでまあ、おかしいとは思ったんだよ……

 ネコは鍛え上げても、虎にはなれない…… はずだった。
 この七年。つい楽しくて…… 幾度となく加護を与え、神界の食い物を与え、鍛えに鍛え上げた結果。
 そう…… こいつは、ハイヒューマン? 超人類とか上位人類とでも言えば良い感じとなってしまった。神気は使えないようだが、それ以外はまあ。一般的な生物の枠からも完全に外れてしまった。
 データ取りと、調整は大体できた。
 そんな彼を連れて、七年後に現世へと戻る。
 本人達は、完全版ができたと思って……

 本人が、自身の異常さに気がつくのは、随分後になる。
 一緒に生活をしている親族だけが老化して、彼は若いままだという事に気がついたときだ。
 親や嫁さん。そして妹からは、表向きでは随分悔しがられた。
 本心では、ひょっとすると気持ちが悪かったのかもしれない。
 まあ、心の内はわからないけれど。

 まあ、腐れ縁の神がそばにいたおかげで、見送る寂しさが多少紛れたのだが、それはまだまだ先の話。



 ―― 時は遡り、司のいなくなった日。
 地上側では、当然の様に騒ぎになっていた。
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