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始まった新世界
第62話 導かれる
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「無理」
トワイライトウォーリアの夢野 太志は、年下の女の子達に叫んでしまう。
「無理と思うから無理なのよ」
そう言って突き飛ばされる。
そこへ丁度、棍棒の攻撃が……
「うぼぉ」
一週目。いきなりボス部屋へ放り込まれた……
ほぼ全力疾走で各階を走り、休み無しでボス部屋へ。
「ここは、確か倒さないと、出られないのでは?」
「うん? 確か死んでも開くって」
機嫌が悪い亜矢が、無表情で答える。
「死ぬのは嫌なんですが……」
「オークだから、大丈夫よ」
何が大丈夫か分からない。
さっき出たときも、彼女達が助けてくれないと死んでいたよね。
ナンパしようとした彼女達。
メタメタにやられて、強いのは知っていた。
だけど、ここまで強いとは……
世間話をしながらフルマラソンの距離を走り抜けて、ゴブリンを倒すのに、いちいち止まるなとお叱りを受ける。
極めつけは、ひとにらみでモンスターの動きが止まる。
「早く倒す」
「はひっ」
そう、今俺達の装備はもらい物だ。
司という彼女達のボス? が、裸でうろうろするなと怒って貰ったもの。
素材に何を使っているのかまったく判らないが、軽くて丈夫なプロテクター類。
服は、その辺りの量販店で売っているものだった。
自衛隊の服や、警察の制服も持っているとか。
何者だろうか?
そして武器。
剣に槍、そして盾。
ヌンチャクに棍棒?
鍋にすりこぎ?
彼は何でも持っていた。
そして、彼女達の武器は、彼が造った物らしい。
暗闇の中で光りながら獲物を狩る。
彼女達はこの暗さの中で普通に見えるらしく、身体強化の方法を呆れられて、叱られながらもきちんと習う事に。
俺達は何も知らなかったのだ。
それなのに、元々のフィジカルだけで強いと思っていた。
俺達の力など、今までやっていた戦闘など、彼女達に比べると児戯に等しい。
そして、探査。
基本の魔力をレーダーのように使うもの。
それは基本の基本で、彼女達は探査魔法に思念波、つまり、意識を乗せられるとか。
よく分からないが、それが必要な場所がすぐにあると言われた。
「おい。夢野生きているか?」
「死んでいるかもしれん」
「今何週目だ?」
「まだ二週目だ」
「はい。無駄口を叩かない。前方ゴブリン三」
「はい」
俺達は走る。とにかく走る。
周囲の探査と、身体強化。
幾度と無く魔力切れでぶっ倒れ、怪我はすぐに治されてひたすら走る。
そう、司さんは何でも出来る。
だから、倒れようが死にかかろうが、すぐに治されてこの訓練はひたすら続く。
そして、魔力切れは本当に地獄。
彼女達は、うんうん。すぐに慣れるとしか言わない。
司が百周と言ったなら百周なのだ。
そこに慈悲はない。
辛いのは、俺達が弱いからだと教え込まれる。
追い込んで壊し、甘えさせて、また追い込む。
そうして彼等もまた、戦闘ジャンキーへと変化をしていく。
その頃、高校生チームは、一見普通の森に襲われていた。
三年生となり、少し体格も良くなった。無敵だと自身を振るいたせて、トレントヘの挑戦中。
だが、高さが三メートルほどある、このマメ科のトレントは蔓で周囲をなぎ払い、種子が銃弾のように周囲を襲う。
バットで撃ち返そうにも、一つの種子が十センチくらいあり凶悪だ。ソフトボールくらいだが、とにかく早くて重いのだ。
そして、彼等の武器、バットや棍棒では奴らを切れない。
とにかく相性が悪かった。
「畜生。盾を装備しないと駄目だ」
「そうだな」
彼等は押されまくり、撤退を決める。
だが、なかなか逃げられない。
「おい、周りを囲まれてきたぞ」
「やべえ、やべえぞ。天明。どこか隙間は無いか?」
「周囲探査しているが、まだ増える」
「げえー。どうすんだよ」
彼等は、絶体絶命。
「何か来る」
キュピーンと天明がそれに気がついた。
大きなプレッシャー。
「あれが来たら、俺達は終わる。なんとか逃げ…… もうだめだ、来たぞ!!」
そこに飛び込んできたのは、モンスターぽいが、モンスターではなく、湯霧 次郎。三十歳となったが、まだまだこれから。
土曜日の仕入れ中だったのだ。
「そこの奴ら、伏せろ」
「えっ?」
「早く」
攻撃の来る中では、伏せるのも命がけだ。
だが、選択肢は多くない。
伏せた瞬間、戦場に風が吹く……
オーク。いや、湯霧の振るった大きな包丁が空を切る。
だが、その威力は絶大。
蔓型のトレントはおろか、その向こうに見える普通の木までぶった切った。
丁度一メートルくらいの高さで、周辺すべてが刈り取られた。
「すげえ……」
彼等は助けられて、湯霧の圧倒的な強さに感動をする。
そして、その蔓科のトレントは、もやしや大豆をドロップした。
「しょっぺえ。これだけ苦労をして、もやし? なんだこのドロップ」
「馬鹿野郎。これが絶品なんだ」
彼等は叱られた。
この辺りは、すでに湯霧の仕入れ用に、ドロップがスペシャルチューンされている。
だが彼等は、そんな事情など知らない。
いや多くの探索者にとっては、迷惑以外の何ものでもない。
シンと司、この二人に見込まれるのが、このダンジョン攻略の糸口である。
ただ、見込まれると、必然的に地獄を経験することになる。
そう、湯霧と出会ったことで彼等もまた、一歩歩み寄ってしまった。
彼等の背後に、司の足音がひたひたと近寄ってきていた。
大学生チームの涙と共に、すぐそこまで……
「えっ、彼等が強くなりたいって?」
「そうなんだよ。気合いなら、そこそこ見込みはありそうなんだが、とにかく弱いんだ」
一応民間の最強チームである彼等、湯霧から弱い宣言をされる。
トレントに囲まれて、助けられた以上、文句は言えない。
あの日から、湯霧に言われて、毎日の様に彼等は野良オークを狩っていた。
まあここに来ると、宝石採取目的で赤の救済者達、女子大生達がいつもいるので、高校三年生の彼等も居付いてしまった。そう心の中に、異性に対しての欲望が渦巻くお年頃。
それは仕方が無いだろう。
だがしかし、それにより司と出会ってしまった。
「じゃあ、特訓をしようか?」
爽やかな笑顔で、彼等は司に宣言をされた……
トワイライトウォーリアの夢野 太志は、年下の女の子達に叫んでしまう。
「無理と思うから無理なのよ」
そう言って突き飛ばされる。
そこへ丁度、棍棒の攻撃が……
「うぼぉ」
一週目。いきなりボス部屋へ放り込まれた……
ほぼ全力疾走で各階を走り、休み無しでボス部屋へ。
「ここは、確か倒さないと、出られないのでは?」
「うん? 確か死んでも開くって」
機嫌が悪い亜矢が、無表情で答える。
「死ぬのは嫌なんですが……」
「オークだから、大丈夫よ」
何が大丈夫か分からない。
さっき出たときも、彼女達が助けてくれないと死んでいたよね。
ナンパしようとした彼女達。
メタメタにやられて、強いのは知っていた。
だけど、ここまで強いとは……
世間話をしながらフルマラソンの距離を走り抜けて、ゴブリンを倒すのに、いちいち止まるなとお叱りを受ける。
極めつけは、ひとにらみでモンスターの動きが止まる。
「早く倒す」
「はひっ」
そう、今俺達の装備はもらい物だ。
司という彼女達のボス? が、裸でうろうろするなと怒って貰ったもの。
素材に何を使っているのかまったく判らないが、軽くて丈夫なプロテクター類。
服は、その辺りの量販店で売っているものだった。
自衛隊の服や、警察の制服も持っているとか。
何者だろうか?
そして武器。
剣に槍、そして盾。
ヌンチャクに棍棒?
鍋にすりこぎ?
彼は何でも持っていた。
そして、彼女達の武器は、彼が造った物らしい。
暗闇の中で光りながら獲物を狩る。
彼女達はこの暗さの中で普通に見えるらしく、身体強化の方法を呆れられて、叱られながらもきちんと習う事に。
俺達は何も知らなかったのだ。
それなのに、元々のフィジカルだけで強いと思っていた。
俺達の力など、今までやっていた戦闘など、彼女達に比べると児戯に等しい。
そして、探査。
基本の魔力をレーダーのように使うもの。
それは基本の基本で、彼女達は探査魔法に思念波、つまり、意識を乗せられるとか。
よく分からないが、それが必要な場所がすぐにあると言われた。
「おい。夢野生きているか?」
「死んでいるかもしれん」
「今何週目だ?」
「まだ二週目だ」
「はい。無駄口を叩かない。前方ゴブリン三」
「はい」
俺達は走る。とにかく走る。
周囲の探査と、身体強化。
幾度と無く魔力切れでぶっ倒れ、怪我はすぐに治されてひたすら走る。
そう、司さんは何でも出来る。
だから、倒れようが死にかかろうが、すぐに治されてこの訓練はひたすら続く。
そして、魔力切れは本当に地獄。
彼女達は、うんうん。すぐに慣れるとしか言わない。
司が百周と言ったなら百周なのだ。
そこに慈悲はない。
辛いのは、俺達が弱いからだと教え込まれる。
追い込んで壊し、甘えさせて、また追い込む。
そうして彼等もまた、戦闘ジャンキーへと変化をしていく。
その頃、高校生チームは、一見普通の森に襲われていた。
三年生となり、少し体格も良くなった。無敵だと自身を振るいたせて、トレントヘの挑戦中。
だが、高さが三メートルほどある、このマメ科のトレントは蔓で周囲をなぎ払い、種子が銃弾のように周囲を襲う。
バットで撃ち返そうにも、一つの種子が十センチくらいあり凶悪だ。ソフトボールくらいだが、とにかく早くて重いのだ。
そして、彼等の武器、バットや棍棒では奴らを切れない。
とにかく相性が悪かった。
「畜生。盾を装備しないと駄目だ」
「そうだな」
彼等は押されまくり、撤退を決める。
だが、なかなか逃げられない。
「おい、周りを囲まれてきたぞ」
「やべえ、やべえぞ。天明。どこか隙間は無いか?」
「周囲探査しているが、まだ増える」
「げえー。どうすんだよ」
彼等は、絶体絶命。
「何か来る」
キュピーンと天明がそれに気がついた。
大きなプレッシャー。
「あれが来たら、俺達は終わる。なんとか逃げ…… もうだめだ、来たぞ!!」
そこに飛び込んできたのは、モンスターぽいが、モンスターではなく、湯霧 次郎。三十歳となったが、まだまだこれから。
土曜日の仕入れ中だったのだ。
「そこの奴ら、伏せろ」
「えっ?」
「早く」
攻撃の来る中では、伏せるのも命がけだ。
だが、選択肢は多くない。
伏せた瞬間、戦場に風が吹く……
オーク。いや、湯霧の振るった大きな包丁が空を切る。
だが、その威力は絶大。
蔓型のトレントはおろか、その向こうに見える普通の木までぶった切った。
丁度一メートルくらいの高さで、周辺すべてが刈り取られた。
「すげえ……」
彼等は助けられて、湯霧の圧倒的な強さに感動をする。
そして、その蔓科のトレントは、もやしや大豆をドロップした。
「しょっぺえ。これだけ苦労をして、もやし? なんだこのドロップ」
「馬鹿野郎。これが絶品なんだ」
彼等は叱られた。
この辺りは、すでに湯霧の仕入れ用に、ドロップがスペシャルチューンされている。
だが彼等は、そんな事情など知らない。
いや多くの探索者にとっては、迷惑以外の何ものでもない。
シンと司、この二人に見込まれるのが、このダンジョン攻略の糸口である。
ただ、見込まれると、必然的に地獄を経験することになる。
そう、湯霧と出会ったことで彼等もまた、一歩歩み寄ってしまった。
彼等の背後に、司の足音がひたひたと近寄ってきていた。
大学生チームの涙と共に、すぐそこまで……
「えっ、彼等が強くなりたいって?」
「そうなんだよ。気合いなら、そこそこ見込みはありそうなんだが、とにかく弱いんだ」
一応民間の最強チームである彼等、湯霧から弱い宣言をされる。
トレントに囲まれて、助けられた以上、文句は言えない。
あの日から、湯霧に言われて、毎日の様に彼等は野良オークを狩っていた。
まあここに来ると、宝石採取目的で赤の救済者達、女子大生達がいつもいるので、高校三年生の彼等も居付いてしまった。そう心の中に、異性に対しての欲望が渦巻くお年頃。
それは仕方が無いだろう。
だがしかし、それにより司と出会ってしまった。
「じゃあ、特訓をしようか?」
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