ダンジョンのできた世界で、俺は世界を救えと望まれる。えっ、やだよ。ーその男、神の遊戯に巻き込まれて最強となるー

久遠 れんり

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始まった新世界

第83話 影に潜む者達

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 当然の様に彼女達三人も、司にくっ付いて、慣れない場所でおどおどと、豪華なカジノ内を散策していた。
 このご時世でも、カジノ内は意外と盛況だった。

 フリードリンクを貰い、うまうまと彼女達も喜ぶ。

 そうして足を止めたルーレット。
「見えるか?」
「えっ?」
「ディーラーが投げ入れたときに、強さで止まる所が決まる。投げる瞬間、たまに指で捻るが、ずれは二つとか三つだな」
 そう言われて、彼女達も当てっこを始める。

 多少ずれるが、なんとなく判る。

「やってみるか」
 声をかけて、チップを買う。

 そう、最初は各自で見ながら掛けていたのだが、司の掛ける番号に相乗りを始める。
 すると当然の様に、周りの皆もそれに乗る。

 賭けの崩壊。
 今の状態は、ディーラー側の一方的な負けである。
 彼は慌てて、テーブル下のボタンを押した。

 やって来たフロアマネージャーは、疲れた顔を見せる。
 とりあえず、声をかけて聞いてみる。
 彼は、VIPの一人だと言うことは知っている。
「ひょっとして、見えるのですか?」
「ああ。入るところ? 判るよ」
 あっさりと答えられる。

 態度には見せないが、心の中でがっかりと膝をつく。
 たまに超人的な人間がいる。
 まあ実際ディーラーも、狙ったところに入れることができる。
 だから、ボールをリリース後、少しだけ掛ける時間を設けている。

 彼は勇気を出して職務を全うをする。
「特殊な才能がおありのようですが、ここは一般の方にお遊びしていただく場所でございます。お客様がおられると賭けが成立しなくなりますので、他のものでお遊びください」
 詫びは一万ドル相当のカードで良いだろう。

 彼は暴れることなく、その場を後にしてくれた。
 彼はほっと一息を付くと、監視室へと戻る。
 当然だが司はマークされる。

 だがその太陽に隠れて、ちょろちょろと衛星のような影がくっ付いていた。
「ラッキー。勝ったわ」
「私も」
「もうバイトしなくても十分だわ」
 和やかな三人。

 上品な賭けをしてる司の勝ち馬に乗り、殆どオールイン状態でチップを掛けていた。ストレートアップ一点賭けは実に三十六倍にもなる。
 最初はおっかなびっくりだったのに、すぐに持ち金全部をチップに変えて掛けまくった。
 彼女達は止められるまでに、おのおのが一千万円くらい勝っていた。

 その後ブラックジャックで少しヘコみ、スロットマシンで十万円ほど勝ったようだ。
 ほくほくで部屋に帰る。
 

 ―― そんなのんきな彼等のことはさておき、銀河の中心辺りにその有人惑星があった。 
 彼等の呼称によると、エコロジカル星系第四惑星ヒステリシス。
 地球よりも少しだけ文明も発達をしていた。

 その星で異常が観測された。

「銀河中心方向から、暗黒粒子が迫ってきています」
「速度は?」
「おおよそ〇・三イルミナル」
 イルミナルは、地球では超光速粒子と呼ばれ、タキオンなどと同じで、まだ理論上の物質である。光りよりも早い粒子だと考えられている。
 

 この星、磁力や重力をすでに支配している。
 一見すると人間に見えるのだが、角が生えている。
 そして、空から降る放射線を防ぐためだろうか皮膚はグレーで分厚い。
 眼も真っ黒である。

 つまり人種としても、科学力も地球人よりも優れている。
 それなのに、彼等は闇に対してなんの抵抗も出来なかった。

「荷電粒子砲、効果なし」
「重力振動砲。放て」
 一見すると星の上には、建物がないように見える。
 
 ただ、蟻塚のような土のタワーは表面を樹脂コートされて、酸性の雨や凶悪な太陽光から彼等を守っている。

 放たれた砲は、ちょっとした星くらいなら、砂に出来る凶悪な振動波。
 だがそれも有効ではなかった。

 彼等の太陽系ごとその闇に包まれてしまう。

「座標重なります。接触」
「警報放て」
 星系全体に警報が流される。

 残念ながら公転位置により、主星が先に飲み込まれてしまう。
「どうなる??」
 黒き煙は人々の上に降り注ぐ。

「対象、壁も何もかも、透過します」
「観測継続不能。濃度上昇」
 その霧は、生き物を見つけたのが嬉しいかのように、ヒステリシスへと集まり、すべてを闇に覆ってしまう。

「身体的異常なし。濃度減少」
 そう。その霧は、生物に入り込み特定の者達を強化する。

 この星は、数千年前に人々は行政に関する思考を放棄して、統治は賢者システムと言う四つのコンピュータにすべてを任せていた。
 惑星統制システム、四賢者四ケンジャー
 四つのシステムは別々に思考をして、最適解のみを実行をする。

 そんな安全な思考型システムは、行政を司り人々を導く。
 その判断にミスはなく人の情。つまり欲などがないために極めて安定をした統治が出来ていた。


 だが、霧を取り込んだ人々の中に、力を持つ者達が現れて、四ケンジャーシステムが宿るクラスター型演算システムを、ことごとく発見して破壊していく。

 その後、守備する者達との間に発生をした内戦を、力で抑え込み、彼等四人は新賢者シンケンジャーとなる。

 彼等の統治が始まると、彼等は子どもを探す。
 彼等の王となる子どもを。

 闇を統べる者。
 魔人成分を色濃く持った強者。
 魔王の器を。

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