ダンジョンのできた世界で、俺は世界を救えと望まれる。えっ、やだよ。ーその男、神の遊戯に巻き込まれて最強となるー

久遠 れんり

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迫り来る脅威

第117話 出発

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「では出発」

 今回はシンハスターが一機で出発。
 ヒステリシス人も一個小隊乗せている。
 彼等の部隊が居たときに、判断と交渉のためだ。

「おおっ。浮きましたね」
 飛行機とは違う浮遊感。

 今は床全面も、すべて外の画像にしている。
 女の子がスカートの中を気にしているが、外に見える事は無い。
 働いている人達が下から見上げているから、気にはなるのだろう。

 そして宇宙空間に出ても、床に向かってきっちり一Gの重力が掛かっている。
「すごいですね」
「すぐに、月軌道を抜けます。月は地球の反対側ですけれど」
「それは残念ですね」
 意外と官僚さん達の方が、キラキラとした目で外を見ている。

 自衛官達はすでに自室に入り、休憩中だ。
 向こうに行って作戦があるかもしれないので、連れて行けと命令された。
 無論、一般的なヒステリシス人の強さと武器については、ヒアリングをして対策済みとなっている。
 武器や装備は拿捕中の船に全部揃っていたから、威力は判っている。

 意外と彼等の装備にレーザー兵器はなくって、超小型のレールガンとかが多い。小型のものはエアと磁力の併用方式が使われていた。

 ただ、弾頭の種類により殺傷力が変わる。
 含水爆薬が封入されており、成分は地球で扱われている硝酸グアニジンや硝酸アンモニウムに色々混ぜた物の様だ。
 弾頭が潰れると、液体が混ざり爆発する。

 政府関係者は、小型のレールガン型ライフルに興味津々で中に組み込まれていた磁場源や、発射ガイドの材質に興味芯々だった。さらに、銃身に組み込まれていた反動を打ち消す機構と仕組みにも興味が向いたようだ。


 そして宇宙に出れば、すっかりおなじみとなった、シンと司がごっこを始める。
「おれは、宇宙を手に入れることができると思うか?」
「ライ○ハルト様をおいて、何者にそれがかないましょうぞ」
 場面はいつも違う様だが、お気に入りで、二人はちょこちょこと遊ぶ姿を見せているようである。

 杏華達に言わせると、司達がたまに見せる子どもぽいところは大好物だそうだ。
 当然だが、他のアニメシーンも展開をする。
「弾幕薄いよぉ!!」
 とか……


 そして、そんな時間は短くて、プアネタウ・ビィスピリ・タスビビュント星の近くまで行き、星系内を探査する。

「金属反応や魔導具の反応があるな?」
 いくつかの惑星や空間に、人工物の反応がある。
「おい、アニタちゃん。君達は宇宙に出ていなかったんだよな」
「はい、そうです」
「司様。我らの軍が設置したものでしょう」
 二番艦艦長、マカール・ポフメルキン上級大尉が説明をしてくれる。

「撤退はしていると思うか?」
「それは不明です。設備のみ残している可能性はありますが……」
「これは、本星の地下にある船だが、どうだ?」
 魔導望遠鏡により、地下にあるドックが映し出される。
 この望遠鏡は、意識を乗せた探査魔法の魔導具である。
 悪用は絶対禁止の物だ。

 他にも一つ、魔法阻害装置。
 探査装置のついでに創ったのだが、阻害の方は一般的には売っていない。軍用に使えるからだ。

 ただ、司のように魔力ごり押しや、キャンセラーの影響を受けないレベルにまで、魔力をコントロールができれば使う事が出来る。完全に阻害をすると、新人類でも弱い者達は魔力循環ができなくなって死んでしまう。
 
 魔法探知装置というのもあり、範囲内で魔法が使われると警報が鳴る。もっと小型の物があり、パチンコやクレーンゲーム機にも搭載されている。
 大ヒット商品だ。

 
「わっ、我が軍の船です」
 まあ聞かなくとも、特徴的な葉巻型UFOだから、司も判っていたのだが、一応聞く。

「殺るか?」
「いえ、ちょっとお待ちください。私のIDが使えると思います。行って見ましょう」
「そうか?」
「お願いします」
 基本、隷属状態だが、自己判断ができる程度魔まで緩めてある。マカールは、司の物騒な意見を慌てて止める。

「じゃあ、輸送タイプの初飛行だ」
 輸送型魔導飛行装置。
 Instrumentum volatus magici generis transportationisだ。

 ラテン語なのは趣味だ。
 カタカナ読みだとインストゥルメントム・ヴォラトゥス・マジキ・ジェネリス・トランスポルタツィオーニスとなる。

 無論命名には、紗奈の意見も入っている。

 本体はCH-47チヌークより少し大きいが、ローターが無いために小型に見える。
 横幅が大きくなったのは、陸上自衛隊の現有主力戦車である10式や90式を乗せたいと言われたからだ。
 魔法で内部空間は広くできても、開口部はどうしようもないからだ。
 戦車は、三メートル四十センチくらい幅があるのだ。

 機体中は当然拡張されて、中隊単位二百五十人は乗れる。

 無論大きさは同じだが、ハコフグ型ではなく、ミニシンハスター型。
 これは美的な問題だ。

「シンハスターはこの宙域で待機。俺達だけで行こう。無事そうなら里村さん達を迎えに来るから、それまではゆっくりしていて」

 一緒に行くのは、レッドラスティネイルのメンバーと自衛隊の一小隊五十人。
 ヒステリシス人達も一小隊とエルフ娘アニタ。
 うさ耳のマリソルはお留守番だ。

「さあて、行ってみるか。誰もいないと良いなあ?」
「そうですね」
 司にそう言われたマカールは、冷や汗を流す。

 いま、略称IMTが、シンハスターから発進する。
「つかさ、行きまーす」
 そう言って、専用開口部から突き出たIMTを抱えているロックを解除する。

「言うと思ったよ」
 亜矢に突っ込まれた……
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