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迫り来る脅威
第123話 舞い降りてきたもの
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「ついたどー」
マリソルの為になるべく明るくしているのだが、到着をしてハッチを開いた瞬間に匂う腐敗臭。
奴らが攻め込んできたとき、戦った者達の骸がうち捨てられて、または山と積まれている。
それに、先陣を切った士官達は、磔となりむごい状況となっている。
「装甲車で行こう」
珍しく司がそんな事を言いだした。
通常の車と違い、装甲車は内気循環で、魔法により空気が浄化されている。
それに外があまり見えないからだろう。
魔導式装甲車。
タイプ、アングリ・ツバイ。
二本の、太さの違う角が生えているように見えるから、そう名付けたそうだ。
太い方は、ボール系の魔法を、複数属性でも撃つことができる。
細い方は、自動小銃のような土魔法銃だ。
弾は小さくて細いのだが、意地が悪いことにかえしが付いている。
つまり小さな矢を、連続発射する事が出来る。
対人特化型で刺さると抜けない。
弾頭には中空タイプもある。
当たると血が止まらなくなるのだよ。
どちらも発射される矢の表面には、ヘパリン類似物質が塗られていて、血液凝固が阻害される。この液体は、銃身の冷却と潤滑のために発射時には絶えず流されている。
亜矢と杏華が、なぜかそれを見て卑猥だわ。などと言っていた。
王都ウービハビタへ向かう途中、奴らと出会う。
彼等は原因調査へ向かい、司達は旗艦撃沈の確認後、王都に向かっていたのだから当然と言える。
彼等は軍用輸送車。
対して司達は装甲車。
「司さん。どうされます?」
聞かれた理由は此方の車幅が広く、山を切り開いた道では、幅が狭くてどう見てもぶつかるからだ。
向こうのトラックは汎用で、二十人くらい搭乗で五台。
此方は、三台だが司達、第三探査部隊五十人、自衛隊五十人が一台ずつに分乗している。
人数互角、だが戦力は過大。
「行け」
「ですよね」
運転しているのは、弟子の自衛官。
ここに来るまでの戦場で、惨状を見ながら来たのだ。
彼等の戦闘は、剣対近代兵器だったのだろう。
一方的な殺戮。
それが、今だけ逆になっただけなのだ。
だが、相手のほうは……
「前方、未確認の戦闘車両。突っ込んできます」
「畜生。対地ランチャー用意。一斉射。その間に車両転回するぞ。足は此方が速いだろう。殿は反転後対戦地雷投下」
「ラジャー」
彼等はそれでいけるだろうと考えた。
自軍にも戦車や装甲車はある。
対地ランチャーは、対戦車ミサイルよりは弱いが効果はある。
セラミック等を挟む複合装甲と、その表面には対魔、対物理に対応したシールドが張られているのだが、直撃ならそれさえ撃ち抜くことができる。
矛と盾のせめぎ合いで進化してきた武器。
特殊徹甲弾頭と、遅延式の爆煙魔法は強力で、対人用なら多弾頭モデルも存在する。
今回は凶悪な貫通タイプ。
「目標、先頭の先頭車両。あいつが止まれば後ろは来ることができない。止まっている間に装備を取りに行くぞ」
「ラジャー」
副官シェムハザ・マサジーク上級中尉は遠足にでも向かう調子で出てきたことを後悔していた。
この星を制圧後、まともな敵は居なかったのだ。
旗艦の爆発も、何か事故だろうと思っていた。
上官達がいなくなれば、昇進も期待できる。
状況を確認して、シェムハザ・フェドライ上級大尉に報告をする簡単なお仕事のはずだったのだ。
旗艦では、ぼくちん第三探査部隊だよと嘯く、謎の船を把握したが部隊に通知する前に撃沈をしたのだ。
「てぇー」
かけ声により、幌が捲られてトラックの両サイドからランチャーが発射される。
「弾頭…… 弾着」
目の前で、弾頭は敵の装甲を貫き、閃光があがるはずだった。
それなのに、音もなく跳ね返される。
司達の使う魔力シールドは敵弾を受け流すように展開されて、弾着部分を把握するとその部分を強化する。
通常では使えない強力な魔力を、一部分につぎ込む事で超強力なシールドを実現する。
これは開発時に、どんなに強化しても司に殴られると壊されるので、担当者達が悩み、出した案を、司が魔導具にしたものだ。
対司スペシャル。
攻撃は、絶対まっすぐ受けないという、卑屈な思いが詰まった一品。
魔人族の使うランチャーなど、通じるわけなどない。
「ばっ、ばかな。反転。対戦車地雷投下。逃げるぞ」
「対戦車地雷など持っていません。対人ならあります」
「それで良い。起動をして投げろ」
もうパニック状態である。
先頭がパニックを起こして、一気に方向転換。
後続は訳が分からない状況だが、無線は聞いていたので慌てて反転をする。
未舗装の道路。
ズリズリと滑りながら彼等は加速する。
魔導システムなので、静かな世界。
だがその困惑と、慌てた状態はよく分かる。
対人地雷が投げ捨てられて、地面に転がり衝撃ですぐに起動。
本来の使い方とは違うので、仕方がない反応。
その爆発の衝撃波はトラックを襲う。
「馬鹿野郎。上手く投げろ」
とにかく彼等は、使えそうなものを投げまくる。
だが、メイドインジャパン製の装甲車、アンド司による魔改造は言葉の通り魔改造だった。
「逃げるが良い」
未だにいい子いい子をされているマリソルと、その光景を見て、いい加減切れそうな結衣達。
そして、悪魔的な笑みをする司。
「一体何が来たんだぁ」
彼等は宇宙から舞い降りて来た、凶悪な存在から、必死で逃げる……
マリソルの為になるべく明るくしているのだが、到着をしてハッチを開いた瞬間に匂う腐敗臭。
奴らが攻め込んできたとき、戦った者達の骸がうち捨てられて、または山と積まれている。
それに、先陣を切った士官達は、磔となりむごい状況となっている。
「装甲車で行こう」
珍しく司がそんな事を言いだした。
通常の車と違い、装甲車は内気循環で、魔法により空気が浄化されている。
それに外があまり見えないからだろう。
魔導式装甲車。
タイプ、アングリ・ツバイ。
二本の、太さの違う角が生えているように見えるから、そう名付けたそうだ。
太い方は、ボール系の魔法を、複数属性でも撃つことができる。
細い方は、自動小銃のような土魔法銃だ。
弾は小さくて細いのだが、意地が悪いことにかえしが付いている。
つまり小さな矢を、連続発射する事が出来る。
対人特化型で刺さると抜けない。
弾頭には中空タイプもある。
当たると血が止まらなくなるのだよ。
どちらも発射される矢の表面には、ヘパリン類似物質が塗られていて、血液凝固が阻害される。この液体は、銃身の冷却と潤滑のために発射時には絶えず流されている。
亜矢と杏華が、なぜかそれを見て卑猥だわ。などと言っていた。
王都ウービハビタへ向かう途中、奴らと出会う。
彼等は原因調査へ向かい、司達は旗艦撃沈の確認後、王都に向かっていたのだから当然と言える。
彼等は軍用輸送車。
対して司達は装甲車。
「司さん。どうされます?」
聞かれた理由は此方の車幅が広く、山を切り開いた道では、幅が狭くてどう見てもぶつかるからだ。
向こうのトラックは汎用で、二十人くらい搭乗で五台。
此方は、三台だが司達、第三探査部隊五十人、自衛隊五十人が一台ずつに分乗している。
人数互角、だが戦力は過大。
「行け」
「ですよね」
運転しているのは、弟子の自衛官。
ここに来るまでの戦場で、惨状を見ながら来たのだ。
彼等の戦闘は、剣対近代兵器だったのだろう。
一方的な殺戮。
それが、今だけ逆になっただけなのだ。
だが、相手のほうは……
「前方、未確認の戦闘車両。突っ込んできます」
「畜生。対地ランチャー用意。一斉射。その間に車両転回するぞ。足は此方が速いだろう。殿は反転後対戦地雷投下」
「ラジャー」
彼等はそれでいけるだろうと考えた。
自軍にも戦車や装甲車はある。
対地ランチャーは、対戦車ミサイルよりは弱いが効果はある。
セラミック等を挟む複合装甲と、その表面には対魔、対物理に対応したシールドが張られているのだが、直撃ならそれさえ撃ち抜くことができる。
矛と盾のせめぎ合いで進化してきた武器。
特殊徹甲弾頭と、遅延式の爆煙魔法は強力で、対人用なら多弾頭モデルも存在する。
今回は凶悪な貫通タイプ。
「目標、先頭の先頭車両。あいつが止まれば後ろは来ることができない。止まっている間に装備を取りに行くぞ」
「ラジャー」
副官シェムハザ・マサジーク上級中尉は遠足にでも向かう調子で出てきたことを後悔していた。
この星を制圧後、まともな敵は居なかったのだ。
旗艦の爆発も、何か事故だろうと思っていた。
上官達がいなくなれば、昇進も期待できる。
状況を確認して、シェムハザ・フェドライ上級大尉に報告をする簡単なお仕事のはずだったのだ。
旗艦では、ぼくちん第三探査部隊だよと嘯く、謎の船を把握したが部隊に通知する前に撃沈をしたのだ。
「てぇー」
かけ声により、幌が捲られてトラックの両サイドからランチャーが発射される。
「弾頭…… 弾着」
目の前で、弾頭は敵の装甲を貫き、閃光があがるはずだった。
それなのに、音もなく跳ね返される。
司達の使う魔力シールドは敵弾を受け流すように展開されて、弾着部分を把握するとその部分を強化する。
通常では使えない強力な魔力を、一部分につぎ込む事で超強力なシールドを実現する。
これは開発時に、どんなに強化しても司に殴られると壊されるので、担当者達が悩み、出した案を、司が魔導具にしたものだ。
対司スペシャル。
攻撃は、絶対まっすぐ受けないという、卑屈な思いが詰まった一品。
魔人族の使うランチャーなど、通じるわけなどない。
「ばっ、ばかな。反転。対戦車地雷投下。逃げるぞ」
「対戦車地雷など持っていません。対人ならあります」
「それで良い。起動をして投げろ」
もうパニック状態である。
先頭がパニックを起こして、一気に方向転換。
後続は訳が分からない状況だが、無線は聞いていたので慌てて反転をする。
未舗装の道路。
ズリズリと滑りながら彼等は加速する。
魔導システムなので、静かな世界。
だがその困惑と、慌てた状態はよく分かる。
対人地雷が投げ捨てられて、地面に転がり衝撃ですぐに起動。
本来の使い方とは違うので、仕方がない反応。
その爆発の衝撃波はトラックを襲う。
「馬鹿野郎。上手く投げろ」
とにかく彼等は、使えそうなものを投げまくる。
だが、メイドインジャパン製の装甲車、アンド司による魔改造は言葉の通り魔改造だった。
「逃げるが良い」
未だにいい子いい子をされているマリソルと、その光景を見て、いい加減切れそうな結衣達。
そして、悪魔的な笑みをする司。
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